山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

市街劇◎終了、大感謝!

2013-10-20 01:33:43 | 遊戯療法~レミングより
受け入れて頂いた実行委員会の皆様、協力して頂いた皆様、ご来場頂いたお客様に心よりお礼申し上げます。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO◎市街劇
ポータル ゲート プロジェクト 1M四方国家
■10月19日(土)18:45-19:45 場)熊本市上通りアーケード&上通りパビリオン


天候が心配だった。
最終稽古の(金)はセットを組み立てるために稽古場まで道具運びをする時、雨が降り出したからである。
市街劇当日(土)は晴天!天は味方してくれた。

22ユニットが参加した熊本市中心部の商店街、下通りー上通りで繰り広げられたSTREET ART-PLEX KUMAMOTOも今年で11年を迎えたとのこと。
私たちは初参加である。
例年だと公演活動に追われている時期だった。今年もキッズミュージカルや11月公演「遊戯療法」に向かっている。
10月-11月は熊本も演劇ラッシュである。

2013年は寺山修司没後30年で、この1年は追悼の意も込めて劇団としてはテラヤマ演劇に取り組んでいる。
4月「レミング」では客演さんも含めて20名以上の大所帯で「壁の消失」に挑戦した。
その延長として市街劇「ポータル ゲート プロジェクト 1M四方国家」に取り組む。
20名を超える出演者となった。「仮面工房」の賀久さん、「みちくさ」の玉垣君に加えて「モノクローズ」や崇城大学芸術学部、コスプレ少女たちも加わる。
7月-8月の「寺山修司研究会」ワークショップで理論的バックアップをしてくれた三枝先生がプロデュースしてくれた。

当日の午後1時にユニット参加者の顔合わせの時、20年ぶりのジェフさん(尺八奏者のカナダ人)と再会する。彼とは「地球の日」イベント共演以来の再会だった。お互い歳もとったが活動を続けていることに喜びを感じた。日本語がうまくなっていた。

2時より搬入ー会場(上通りパビリオン)でのセット組み立て、4時ー6時で衣裳メイクに入る。6時よりスタンバイ。
試しにパスポート(異界へ入場する券)をパフォーマンスとして配布する。
これは本番であがらないための「おまじない」として度胸試しのつもりだった。
通行人は無関心を装うことを想像していたが、現実、反応は上々だった。
6時45分のストリートでのスタートまでにはパスポート(200枚)が無くなってしまう。
パビリオンでは7時開演なのだが6時半には着席のご来場者が埋まりかかっていた。
6時45分、ストリート開演の案内をして一旦出てもらった。
通行の妨げになるほど輪ができた。これは予想通り!・・・実行委員の整理で事なしだった。

ストリートからパビリオンへお客さんを案内する流れはスムーズに運んだ。
(0)
パビリオンで開演する。
賀久さんがロボットのように「入口」「出口」をエンドレスで語りながら門番として無機質にゲートに立つ。
ボディーチェック(危険物持ち込み禁止)では男は女性の身体を触らないように!と言っていた本人(私)だったが、調子にのって若い女性を触りまくってしまった。セクハラで逮捕?事なしだった。
(1)
音響席ではタカハシユウジ(電子ドラムの男)がライブを始める。クドシンが「国家」を叫ぶ。熊本の固有名詞が並ぶ。この町のパズルが始まった。
(2)
影から湧いてくるように全員で歌う。やさしさが溢れる。
(3)
意味不明の異常行動に見えるダンスが始まる。振付が統一されているとこのダンスも意味があるように思われるのだ。
(4)
玉ねぎを片手に持ち「これを預かってくれ」と全員で一対一の訪問劇をする。言われた方は錯乱するのではないかと思っていたが、ニコニコ笑って見てくれていた。事なしだった。
(5)
ストリートでアンケートを集めた「汚い言葉」を新人、太郎ピーチマンションが叫ぶ!
ケーキの洋菓子店「スイス」と中華料理の老舗「紅蘭亭」の間にある中庭である。空間的にはミスマッチを仕掛けたのだが、事なしだった。
(6)
ダンサーまみちゃん(花嫁ドレス)のタップダンスにつながり、ご来場者の方々もそのセクシーさにお褒めの言葉を頂いた。
(7)
ドアから天文学者(玉垣君)が語り始める。「超理論」は宇宙の誕生と消滅を説明しているのだが、看護婦(まなみ、犬彦さん、柏山弘明君)
に囲まれているため気が狂ったように見える仕掛けだった。天才か狂人か。
突然、客席にいたコスプレ少女を担ぎ始める男三人、中原中君の緊張はほぐれていた。その後を蝋燭を持ってついていく看護婦たち。稽古の時は「葬式」をイメージしていたのだが、カーニバルの行進のようにも見えた。
(8)
ドアから記憶喪失の女優(サキ)が映画出演者のように登場する。背後にはエキストラたちがポーズを決めて立ち並ぶ。
ドアの上から白塗り学ラン少女(みきちゃん)が浮かび上がる。肩車で上げる縁の下の力持ちは村野君である。
(9)
タンゴを踊る。女優の記憶の中で!
(10)
ドアから壁女のつもりだった座長が野球でフライを追いかけた少年の話が始まる。
場面は野球場のように膨張する。何十年も外野フライを追い書けて世界を旅する少年の話。
(11)
ネズミの歌。ソロで歌う肥後丸,。意味不明のダンス。統一されており、意味があるように想像力を駆り立てる。

国家とは何だろう。「私」の範囲、ハジマリは1メートルだった。生成し膨張し消滅する国家とは何?他人との衝突や関係で大きくなったり小さくなったりする。
生まれて死滅することを繰り返す宿命がある。繰り返すのである。恐怖か希望か。隣合わせになっている。
ドアの向こう側には異界が広がっている。向こう側は入口か出口か。異界と正常な世界の境界がゲートになっているのか。ここではドアは異界への迷宮そのものであり、安全な場所としての<日常>そのものが異型のように見えたりする。
哲学ではなく劇は怪物のように歌い踊り、そして、劇は夢から醒めぬ夢の形でもある。

11月28日~12月1日の次回公演No.63「遊戯療法」では市街劇から密室劇、場面は病院へつづく。お楽しみに!
夢のつづきは熊本市中央区河原町ギャラリーADOで上演します。
寺山修司没後30年「レミング」より第2弾としての公演になります。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿