「声優A子の犯罪」演出ノート【17】12月2日(水)
気づけば師走に入っていた。毎日の日付と曜日、「私は誰なのか。」確認は必要不可欠です。劇で不明になるのは良いが、日常生活では不憫な人になってしまう。そうならないように点検と確認を怠らないようにしなければならない、と自分に言い聞かせている。
右よし、左よし。前へススム。
人物列伝(6)
夢現(さかもとまり)
「声優A子の犯罪」の脚本を担当している。1979年からの旗揚げメンバーであり、今年2015年6月15日より主宰を私から彼女へ渡した。劇団夢桟敷二代目主宰である。以前より座長(ざっちょさん)と言われていたので全く違和感はない。
今回の台本は寺山修司「レミング」と唐十郎「少女都市からの呼び声」を接着剤で貼り合わせたような構成になっている。・・・接着剤は「事件」である。その事件とは!
「昨年から今年(2015年)にかけ、昏睡強盗など5件の事件で逮捕された「声優のアイコ」こと、神(じん)いっき。女として生まれたものの普段は男として暮らしている性同一性障害者が、「女装」して犯行に及んだ。逮捕後には妊娠が発覚、神被告は獄中出産した。
さらに裁判では多重人格であるとも主張する。・・・(略)
「別人格出廷! 日本発“多重人格裁判”となった『声優のアイコ事件』」として「新潮45」9月号に掲載されている。・・・(略) 神いっき被告はそれまでとまったく違う様子で現れたという。神被告は、明らかに挙動不審。冒頭、裁判長から名前を尋ねられたが、自身の名前さえうまく答えられない。しばらくしてようやく小さな幼児のような声で、「人間、僕ゲンキ」、そして「お兄ちゃん、神いっき」という言葉を絞り出したのだという。・・・(略)
裁判長は尋常でない様子にわずか5分で審理を打ち切った。だが、その閉廷を告げる声と同時に、再び「お兄ちゃんは悪くありません」との幼い声が響いたのだった。・・・(略)
第8回公判では男であろうとする神被告に戻り、それまで否認してきた容疑をすべて認めた。そして自身は「多重人格者」であり、事件は他の人格が犯したと主張するに至った。その詳細は、第9回、第10回の被告人質問で語られ、ゲンキの他にもコウジという人格がいることが明らかにされた――。
神被告は出産についてこう語ったという。「男のケジメとして産みました。自分は父親になったんだなぁと思いました」 神被告は、乳房切除手術を受けているが、下半身は手術していない。だから産めたわけだが、なんと母親ではなく父親という認識なのである。
弁護士の前でゲンキの人格になった神被告は、さまざまなことをしゃべったらしい。だが、別人格になっている間は一切の記憶がないという。・・・(略)
現在、裁判では責任能力の有無が焦点となり、9月に精神鑑定が始まった。多重人格と診断されるのか。」
(デイリー新潮より記事抜粋)
劇はその事件を説明し井戸端会議のように「いやねえ、こんなこと。」と解釈するものではない。「公判中であり、犯罪評論することが劇の目的ではない。」これを書いている夢現(さかもとまり)は言う。
事件の現実をたたき台にしながら、劇は迷宮する。迷宮は「防犯カメラ」と「多重人格」に集約される。更に、劇は劇中劇として何度もドラマが壊れていく。
歌有りオドリ有り。役者スタッフに全て犯罪名がついており匿名Aたちとして描く。
人物列伝(7)
山南純平
自分で自分のことを書くのは辞めます。名前を入れたかったのです。(笑)
■
連日の稽古が続いています。これまでは稽古が終わってメモを残すつもりで「演出ノート」を書いておりましたが、夜はガス欠で力が出ません。
人物列伝は残すところ5名です。のんびりススメます。
■■■■■■■■■■■■■■■
劇団夢桟敷公演No.68「声優A子の犯罪」
作:さかもとまり//演出:山南純平
【出演スタッフ】
夢現//工藤慎平//海幸大介//太郎ピーチマンション//東田まなみ
賀久秀乃助+大谷豪(劇団仮面工房)//タカハシユウジ//肥後丸.//坂本咲希(宣伝美術)//KAREN//山南純平
2016年1月29(金)19:00//30日(土)15:00/19:00//31日(日)15:00
ギャラリーADO 熊本市中央区河原町2
前売 2000円・当日 2500円 学割1500円・当日学割2000円
■問・予約 yumesajiki@ybb.ne.jp/090-4581-5190(制作)
(会場が狭いため混雑は必至です。予約はお早めにお願いします。売り切れ御免)
気づけば師走に入っていた。毎日の日付と曜日、「私は誰なのか。」確認は必要不可欠です。劇で不明になるのは良いが、日常生活では不憫な人になってしまう。そうならないように点検と確認を怠らないようにしなければならない、と自分に言い聞かせている。
右よし、左よし。前へススム。
人物列伝(6)
夢現(さかもとまり)
「声優A子の犯罪」の脚本を担当している。1979年からの旗揚げメンバーであり、今年2015年6月15日より主宰を私から彼女へ渡した。劇団夢桟敷二代目主宰である。以前より座長(ざっちょさん)と言われていたので全く違和感はない。
今回の台本は寺山修司「レミング」と唐十郎「少女都市からの呼び声」を接着剤で貼り合わせたような構成になっている。・・・接着剤は「事件」である。その事件とは!
「昨年から今年(2015年)にかけ、昏睡強盗など5件の事件で逮捕された「声優のアイコ」こと、神(じん)いっき。女として生まれたものの普段は男として暮らしている性同一性障害者が、「女装」して犯行に及んだ。逮捕後には妊娠が発覚、神被告は獄中出産した。
さらに裁判では多重人格であるとも主張する。・・・(略)
「別人格出廷! 日本発“多重人格裁判”となった『声優のアイコ事件』」として「新潮45」9月号に掲載されている。・・・(略) 神いっき被告はそれまでとまったく違う様子で現れたという。神被告は、明らかに挙動不審。冒頭、裁判長から名前を尋ねられたが、自身の名前さえうまく答えられない。しばらくしてようやく小さな幼児のような声で、「人間、僕ゲンキ」、そして「お兄ちゃん、神いっき」という言葉を絞り出したのだという。・・・(略)
裁判長は尋常でない様子にわずか5分で審理を打ち切った。だが、その閉廷を告げる声と同時に、再び「お兄ちゃんは悪くありません」との幼い声が響いたのだった。・・・(略)
第8回公判では男であろうとする神被告に戻り、それまで否認してきた容疑をすべて認めた。そして自身は「多重人格者」であり、事件は他の人格が犯したと主張するに至った。その詳細は、第9回、第10回の被告人質問で語られ、ゲンキの他にもコウジという人格がいることが明らかにされた――。
神被告は出産についてこう語ったという。「男のケジメとして産みました。自分は父親になったんだなぁと思いました」 神被告は、乳房切除手術を受けているが、下半身は手術していない。だから産めたわけだが、なんと母親ではなく父親という認識なのである。
弁護士の前でゲンキの人格になった神被告は、さまざまなことをしゃべったらしい。だが、別人格になっている間は一切の記憶がないという。・・・(略)
現在、裁判では責任能力の有無が焦点となり、9月に精神鑑定が始まった。多重人格と診断されるのか。」
(デイリー新潮より記事抜粋)
劇はその事件を説明し井戸端会議のように「いやねえ、こんなこと。」と解釈するものではない。「公判中であり、犯罪評論することが劇の目的ではない。」これを書いている夢現(さかもとまり)は言う。
事件の現実をたたき台にしながら、劇は迷宮する。迷宮は「防犯カメラ」と「多重人格」に集約される。更に、劇は劇中劇として何度もドラマが壊れていく。
歌有りオドリ有り。役者スタッフに全て犯罪名がついており匿名Aたちとして描く。
人物列伝(7)
山南純平
自分で自分のことを書くのは辞めます。名前を入れたかったのです。(笑)
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連日の稽古が続いています。これまでは稽古が終わってメモを残すつもりで「演出ノート」を書いておりましたが、夜はガス欠で力が出ません。
人物列伝は残すところ5名です。のんびりススメます。
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劇団夢桟敷公演No.68「声優A子の犯罪」
作:さかもとまり//演出:山南純平
【出演スタッフ】
夢現//工藤慎平//海幸大介//太郎ピーチマンション//東田まなみ
賀久秀乃助+大谷豪(劇団仮面工房)//タカハシユウジ//肥後丸.//坂本咲希(宣伝美術)//KAREN//山南純平
2016年1月29(金)19:00//30日(土)15:00/19:00//31日(日)15:00
ギャラリーADO 熊本市中央区河原町2
前売 2000円・当日 2500円 学割1500円・当日学割2000円
■問・予約 yumesajiki@ybb.ne.jp/090-4581-5190(制作)
(会場が狭いため混雑は必至です。予約はお早めにお願いします。売り切れ御免)