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2016-11-19 19:31:04 | 日記

 朝日新聞に、鷲田清一さんという哲学者が「折々のことば」欄を毎日書いている。1面のすみに書いていることもあって、それを真っ先に読んでいる。今日の言葉で、田中美津さん「いのちの女たちへ」という書物から引用している。

 「なぐさめるのでも、抱きかかえるのでもなく、互いに共有しえない闇の、その共有しえないということの重さを共有していくこと」

 こういうことばは、言葉を切り取りして論理を構築してしまっているわれらでは、およそ出て来ない。共有するということそのものが、自らのおもいにがってんするからこそ、よしと思えるのだ。そこのところをはずして、この身のアンテナで、つまりはこの彼女はどれほど、自身を切り刻んで、現実と、または自分自身と格闘してきただろうか。そういうことを想起させてくれることばだ。

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