昨晩は満月だったと思う。まんまるいお月さんが、
中空にぽっかりと浮いているだけのことなのに何故だか
得したような嬉しい気分になるのだ。もう少し言えば清々し
とはこんな気分じゃないのかと、思ったこともあった。
毛虫が大量発生したことは書いた。そのマイマイガの成虫
蛾がとうぜんのことながら、多い。ふつう蛾は、夜に光の元に
集まってくるが、これは昼間の明るい間に活発に動いている。
そのせいだろう例年と比べると、女郎蜘蛛の巣がとても多いように思う。
そのありようが自然のことわりのように思うのだ。ところがここ何年か
我輩の窓辺に夜の明かりを求めてやってくるものに対して女郎蜘蛛が
巣をかけてきたのだが、今年はそれが鬼蜘蛛に変わった。
女郎蜘蛛が巣をかける前までの長い間、鬼蜘蛛がこの場所を占領
していたのだ。彼らの間にもいろんな勢力争いがあるのだろうか。
蜘蛛はなしの流れで、先日の毒蜘蛛マダキコマチグモ。
夏は交尾期だということも先日書いた。
それがふつうに庫裡台所の板の間で歩いているものを息子が発見、これだ!
と殺して、みんなの見えるところに置いてくれていた。
足を入れると3センチぐらいか、いかにも土の上を這いずり回っている姿。
腹の部分が黄色だからとても目につきやすい。いかにも毒蜘蛛
という雰囲気で見えれば触らないし、近づかないものだと思う。
巣をかけないものらしく普段は草むらの中にいるらしいが、この時期ウロウロするらしい。
薪作りをしていて、草むらに手を入れたり、積んである薪材を切るべく
持ち上げて並べたりするときに、どうしてもその蜘蛛のことが気になる。
あんなふうにふつうに見かけるものだと認識してしまうと、
それはそれで怖いことである。いずれにしてもいのちということや
自然ということその都度分かったような顔してやり過ごしているが
じつはほとんどと言っていいくらい知らないものとしてある、
ということにあらためて思うのだった。