普段の掃除、手を抜いているつもりはないけれど、決まったところしかしないものね。本堂などそんな汚れることもないようなものなれど、本尊さまから順にみがく。
そういえば、まだ幼かったころからこの大掃除は思い出がいっぱいつまっている。金沢にいたころ二つのお寺だったこともあって、なにか大変だった。それにあの頃は障子も全部張り替えたものね。兄貴たちの手伝いで覚えたから、今では障子の張り替えは、もうこちらの仕事で、昨日も娘とやったのだ。
お寺の、霊屋の掃除は暗くて足が冷たいし、水も冷たいし(ここでは風呂の残り湯を使うから助かるものね)漆器類が多いからがさつにやると、雑巾がけの跡が残るから丁寧にしなければならないし、うん なかなかたいへんだったことを想いだす。けれど、そういうことやお墓や庭などの草むしりの根気のいることをやった御蔭でいまなにをやってもそんな苦にならないものね。あーいうことって、身体で覚えたことと言うのは大きな財産になるんだなぁ。