今年の台風はじつにへんである。が、このところのお天気、へんがふつうになってしまったので、そうかと認めるしかないのだ。で、その台風のせいなのだろう、こちらも異常な暑さだった。しかしながら異常や事件はこれもまた日常化して、痛痒がなくなっていくようで、これはこれでずいぶんと怖いことである。ともあれわたしを生きるとは、日々ことを起こしている。だから、悩みも、憂いも悲しみもそしてよろこびもまた途切れることがない。そういうものとしてここにおかれていた、と思う時、なにかわたしというものがまるで授かり物としてここにこのままで、あることに手をあわせる。
去年もそうだったが、今年も白菜のポット苗にナメクジが来ているらしい。3日前まで、すこしなめられているなぁ程度だったのだ。ところが、雨降りや曇りが続いたせいだろう、かなりのものが被害にあっている。こりゃ一大事と、苗箱を置いている台から、ポットの裏までともあれ隅々を調べた。ちゃんといるのだ。小さいのもふくめて６匹ほど、今日調べた時、お陽様が出ていた。だから、とんでもないところに隠れているのだった。これで安心できるのだろうか。
雨降って久方ぶりに涼しい、などと思っていた。夜になったら、それがこんどは寒いに変わっている。もう夜の風が冷たくかんじて、みながみな半袖の格好だけでは、涼しすぎて上着を羽織る。昨日まで暑さにふうふう言うていたのにもかかわらずである。こうやってあらたな季節を迎えていくんだなぁ。
ここでも何回か書いたような気がするが、それはそれ、今思うことを書くより致し方ない。今日もぎんぎらのお天気、大根種まきはその前後3日間、突き抜けるような青空というから、正解の日なのである。しかし、玉葱の種まきも並行してやったから、終ったら昼過ぎでさすがにクラクラ来たよ。大根は冬にはなくてはならぬもの、漬け物のこともあるし、ともあれ無事に育つことを祈るものなのであるよ。
さあ、今日は大根の種まきだと、張り切っていたらお客様がとのこと。自転車で来たらしい人がいる。だれだろうか、いぶかるいとまもなく、彼、ムラタカズシゲさんですか。と、わたし小学校で一緒だったナカジマです。その瞬間彼の白髪まだらの顔が、小学校時代の彼の顔にまたたくまにフラッシュバックした。おおぅ、ナカジマか。彼とはすぐ近所だった。彼は級長で少年野球（今どきのものとは違い、監督もコーチもいない自分たちで旗揚げした）のエースだった。ぼくはと言えば、劣等生の９番でライト（つまり守ってはトンネル、打っては三振）よく相手をしてくれたものだ、と今ならそう思える。が、その優等生についていけず、こちらはだんだんと落ちこぼれていくのだが。そんなことどもを彼が話すその当時の同級生の名前を、言われた瞬間にこちらのどこの引き出しにしまい込んであったものか、急に思い出している自分にびっくりである。小学校って５４年前のことよ、こういうことって年月の問題じゃないんだなぁと、実感しました。
