山部赤人

2016-11-23 18:02:28 | 日記

 万葉集をみなして読んでいる。山部赤人、柿本人麻呂とならび称される万葉歌人である。

   不尽山(ふじのやま)を望む歌

 天地の 分かれし時ゆ

 神さびて 高く貴き

 駿河(するが)なる 不尽(ふじ)の高嶺を

 天の原 振り放(さ)け見れば

 渡る日の 影も隠らひ

 照る月の 光も見えず。

 白雲も い行き憚り(はばか)

 時じくぞ 雪は降りける。

 語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ。

 不尽の高嶺は。

 大意(山本健吉)

天と地が分かれた大昔から、神々しく高く貴い駿河の国の不尽の高嶺を、

大空遥かに振り仰ぎみれば、空を渡る日の光も山にかくれ、照る月の光もみえない。

白雲も山にさえぎられて行くをはばかり、絶ゆることなく雪が降っている。

いつまでも語り継ぎ言い継ぎて行こう。この不尽の高嶺は。

 

 奈良の都にいて、大和三山が神の山として崇められているなかで、富士山というものは

どう映っていたのだろうか、なんとなくひっかかっていたのだ。それがこの句によって

そうかやっぱり、東国といえどもその神々しさをかんじていたのは、同じだったんだ。

 

  

コメント
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