贈与論

2016-11-02 21:26:26 | 日記

 哲学の会だった。“贈与論”である。

 第1章は交換される贈与と返礼の義務(ポリネシア)  というところで、

ポリネシアの贈与のあり方を、検証しながら論をすすめている下り、

「明らかに物の結びつきによる法的紐帯は霊と霊の紐帯である。それは物そのものが霊であり、霊に属している。この点から、何かを誰かに与えることは自分の一部を与えることになる。」ー中略ー「ある人から何かを受け取ることは、その人の霊的な本質、魂を受け取ることになるからである。そのような物を保持し続けることは危険であり、死をもたらすかもしれない。」ー中略ー「贈与交換、この観念の体系のなかでこそ、他人の性質や身体の一部をその人に返さねばならないということが明瞭に論理的に理解される。」

今ではものの交換はお金のやり取りをすることで成立している。そこには、霊とか魂とかはありうるべくもない。それが近代主義、現世の暮しである。が、お金や合理性だけでやりとりしている社会は一見するとスムーズに流れている。けれど、子どもたちがほんらい、友と遊び語り合うことが大好きなはずが、不登校になったり、イジメが生じるのは。また大人になっても自殺や鬱になるものが増えているのは、人そのものが、霊でも魂でもなく、あつかってしまっていることが、大きなもんだいとして横たわっていることをおもう。

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