宇ち中
宇ち多゛中毒のページ




2006/10/07
帰省ついでに、5月に金の字をご一緒した草薙に住む先輩と合う約束をしていたのですが、急遽キャンセルの連絡が。金の字で先輩の奥様のおめでたを知り大喜びをしたのですが、いよいよ赤ちゃんが産まれそうとのこと。それは呑んでいる場合じゃありませんね、という訳でそれでもこの日はどうしても行きたいお店があり、一人で東海道線に乗り込んで降り立った駅は新蒲原、時刻は14:30。目指すお店の口開けは16時ですのでしばらく付近を散策することにしました。駅から北へ向かい、旧国道1号線、旧東海道と歩いていくとすぐ山になります。神社の横から始まる登山道っぽいところを登っていくとちょっとしたハイキングコース。そしてたどり着いたのは御殿山公園というところでした。展望台からは富士山が綺麗に見えます。



富士山から地元富士市の街並み、そして伊豆半島と駿河湾が一望できます。そして清水方向には、午後の光を受けて駿河湾が綺麗に光ってました。



ちょっとしたハイキングといい眺めで昼のビールがすっかり抜けて、気持ちよく新蒲原の町に下りてきました。旧東海道の古い街並みなどを歩き、途中広重の蒲原宿に描かれた大木なども見たりして時間を潰したのですが、目指すお店には開店の10分前に到着してしまいました。



新蒲原駅ロータリーからすぐのこのお店。岩科酒店という酒屋さんがやっている岩科酒場です。ネットでたまたまその存在を知り、次に実家に帰ったら行こうと決めていたのです。数分すると店主が暖簾を出しました。まだ開店時刻ではありませんが、お店を除くと店主の奥さんがいらっしゃいます。「いいですか?」と伺うとどうぞどうぞと。カウンターの真ん中あたりにお邪魔して、ビール(大瓶、370円)をお願いします。



ビールが370円とは、倉井ストアーより安いじゃないですか。他に生ビールは430円、清酒が一杯250円とお酒の安さにもビックリですが、黒板に書かれたたくさんのおつまみも110円~と激安。凄いなーと感激していると、お隣にいかにもご近所の方と思われる方がいかにもいつも座る場所といった感じでいらっしゃいました。そこへ奥さんがさっとお酒を注ぎ、おつまみのまぐろの刺身(240円)を出し「今日は晴れて良かったね~」と。いかにも毎日決まったこの時間に毎日やってくるといった感じです。そんな光景に感激しつつも、悩んだ挙げ句注文したのは、やっこ(110円)とブリカマ(320円)です。



やっこがすぐにやってきました。一丁を横に半分に切った感じの豆腐に、刻みネギとおろし生姜、削り節がかかっています。醤油をかけて何気なく口に入れるとビックリ。とにかく削り節が美味しいのです。とっても風味があって何とも言えない旨味。感激ものです。興奮気味の気持ちも少しずつ落ち着いてきて、お店を眺めるとこれまた味わい深いじゃないですか。



コの字というよりUの字といったほうがぴったりするカウンター。ボクの座った席のうしろにはテーブルが3つほどありますが、やはりこちらに来たらカウンターに座りたいですね。壁にはレトロなポスターや、だれのものか分かりませんがサイン色紙なんかもあります。



テーブルのあるほうの壁にはいかにも年期たっぷりのブレーカーと、静岡おでんのキリンポスターなど。いい感じです。感心していると、次々とお客さんが集まってきて、気が付いたらカウンターはほぼ満席となってました。



お客さんどうし、いかにもみんなご近所さんたちといった感じで、初めて見るボクを若干違和感ありげな感じで見ます。それでも二本目のビールで酔いも回ってきて、感激でゴキゲンなボク。テレビに映っているジュビロ磐田の試合を見ながらサッカーの話題をするお客さんと店主の会話に混ぜてもらったりします。やっぱり土地柄もあり、エスパルスの話題になると皆さんかなり思い入れがあるご様子。いかにも地元ネタで盛り上がります。そうこうしていると店主が「おまたせー」とブリカマを持ってきてくれました。



いい感じに焼き上がったブリカマです。これが320円というのにもかなりの衝撃。他に黒ハン(210円)や地ダコ(320円)、そしてこちらの最高値メニュー、イルカのスマシ(400円)もかなり気になりますが、あとの行程を考えてこの二品でやめておきます。ブリカマをつつきながら二本目のビールをゆっくり呑み、まったりと流れる時間を感じながらかなりいい気持ちです。ビールを飲み干し、ごちそうさまをしたのは16:50頃。大瓶2本とおつまみ2品でお会計は1,170円です。



シンプルで控えめな字の暖簾がまた味わい深いですね。まさに地元に根付く名酒場といった感じです。しばらくお店の佇まいを眺めてしまいました。



駅に向かい歩を進めるも、思わず振り返ってしまい空を見上げると、夕方の太陽に雲が光っていい感じです。それにしても本当にいいお店を見つけてしまいました。これから実家に帰省したら必ず顔を出したくなる、そんなお店と巡り会い大満足で東海道線に乗り込みました。
(つづく)

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