年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

7月29日 しちふく 福神漬の日

2024年07月30日 | 福神漬
数年前に日本での福神漬最大出荷数の製造者 新進が申請し、7月29日が福神漬の日となった。このことはカレ―ライスの夏場需要に合わせて制定された経緯がある。
 福神漬の命名由来には七種類の野菜とあって、一番最初の時は3種類から始まり、上野・谷中界隈の七福神巡りから、七種類の野菜となり、福神漬となった。ここの野菜の内容は時代によって異なり、今では貴重なマツタケも入っていた時代があった。特にその中でナタマメという野菜は、これが入っていない福神漬は偽物と見なしても適切である。
 ナタマメは江戸時代初めに中国から日本に来た野菜である。見た目は野菜とは思えない。一応薬用の用途で入ったのだが今でもその効用ははっきりしない。牧野博士の薬用植物で効能が書かれているが、漢方薬として使われている様子が見えない。何か口臭予防の効能をうたっているものがあって、使って見たが値段の割に口臭が消えた感が無く、二度と買わなかった。でも今でも口臭予防の効能を出している歯磨きがある。
 さて福神漬には公式と言うべき、国の定義がある。日本農林規格 JASで今のネット検索で出て来る規格は二回目の規格改定時である。
 ふくじん漬け 農産物しょうゆ漬け類のうち、だいこん、なす、うり、きゅうり、しょうが、 なたまめ、れんこん、しそ、たけのこ、しいたけ若しくはとうがらしを細刻し たもの又はしその実若しくはごまのうち5種類以上の原材料を主原料とし漬け たものをいう。

 ふくじん漬けは大分類上では農産物しょうゆ漬け類に含まれ、特に生産量が多いためと、中に入る野菜の規格がまちまちだったため、特に制定され、関東の業者の意向が反映されていた。しかし時代の変化で野菜の生産量の変化で、改定時に最初に材料として含まれなかった、キュウリが入ってしまった。これは江戸時代に徳川の家紋に似ているキュウリの切り口が嫌われていて、下品の野菜と嫌われていて、幕府の初物規制を逃れ、幕末には多く品種改良と栽培普及があった。しかし福神漬の由来から、徳川幕府の上野寛永寺絡みで、酒悦の福神漬にはキュウリは入っていないし、関東の福神漬生産者はこの故事を知っていて、普通はキュウリを入れない。今の表示規定で量の多い上位の数種の野菜なので、キュウリを表示しているのが少なくなった感がある。やはりカレ―ライスの付け合わせで、刀豆ほど目立たない。
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