築地市場大物業界40周年記念講演会 2
8月8日築地市場東京都講堂にて午後12時半から築地市場マグロを扱っている業者の団体(大物業界)の40周年記念行事としてグジラ博士と知られている小松正之氏(政策研究大学院教授)の『これからのマグロ・現在と将来』の講演会があった。
続いて今の日本の漁業は食品業のGDP100兆円の中で農業は10兆円であるが水産業は1兆6千億円ほどで統計の中では誤差の範囲となるくらいの数字であると言う。最近発表された食料自給率が39%から40%になったことは単に食料の輸入が減ったことによる自給率向上であって、小松氏によると自給率向上より日本の食品供給力の数字を重視しないと食の危機が生じた時に問題となると言う。
さてマグロの話になって来て講演は驚く展開となった。マグロは大きく分けて熱帯型と温帯型の区別があって温帯型の代表は本マグロで熱帯型のマグロの代表はキハダマグロであるという。温帯型は寒い地方にいるため脂肪分が多く成長が遅い。熱帯型マグロは成長力があるが脂肪分が少ない。一番極端な例は熱帯地域で取れるカツオで脂肪分が少なく日本沿海に来るカツオは寒い地方のため脂肪分が多いと言う。
熱帯地方でまき網漁でマグロを乱獲していてマグロ資源は危機であると言う。さらに乱獲によって魚体の小さくなったマグロは主に猫のペットフード用となっていてその缶詰の価格が人間の食べるマグロの缶詰より高価格であると言う。猫のためにマグロを乱獲して良いのだろうか。
地球温暖化の影響で本マグロの産卵地がフィリピン沖から日本よりになったが、日本漁民は本来は産卵する魚を漁獲制限しなければならないのにマグロが大漁となってスーパーで安価で販売することは将来のマグロ資源の枯渇を招くと警告していた。
さらに小松氏は『きんき・きちじ』を例にとってマグロの将来と日本漁業の行く末を講演した。『きんき』と言う魚は昔は魚体は大きかったが乱獲のため魚体が小さくなり、小さいものは単価が安いため、漁獲高をあげるためますます乱獲になっていると言う。日本近海の底引き網漁は統計上の計算であるが同じ海底を一ヶ月半おきに底引き網漁のため魚の虐殺が行われていると言う。これでは大きく育つ魚が少なくなり、産卵が減りますます漁獲高が減る。減った収入を補うためさらに底引きの回数を増やす悪循環になっていると言う。これは日本漁業の法の精神が終戦直後の状態から改定していないためで漁業者は自分が漁獲しなくとも誰かが獲ってしまうため止められないと言う。小松氏は漁場毎に制限を設け罰則強化して魚体を大きくしてから獲らないといずれ資源が無くなるという。
山菜のワラビなども根こそぎにとって熊が活動するところまで人間が入って行って襲われ熊が射殺されると同じではないのだろうか。
これまで聞いていて次の会合のため全部が聞くことが出来ずマグロの仲卸の若い人達の小松氏との質疑が聞けなかったのは残念であったが居眠りする人や雑談する人もなく日本魚業の根本を支えている築地市場マグロ仲卸の将来に対する指針が聞けたような感じがする。
8月8日築地市場東京都講堂にて午後12時半から築地市場マグロを扱っている業者の団体(大物業界)の40周年記念行事としてグジラ博士と知られている小松正之氏(政策研究大学院教授)の『これからのマグロ・現在と将来』の講演会があった。
続いて今の日本の漁業は食品業のGDP100兆円の中で農業は10兆円であるが水産業は1兆6千億円ほどで統計の中では誤差の範囲となるくらいの数字であると言う。最近発表された食料自給率が39%から40%になったことは単に食料の輸入が減ったことによる自給率向上であって、小松氏によると自給率向上より日本の食品供給力の数字を重視しないと食の危機が生じた時に問題となると言う。
さてマグロの話になって来て講演は驚く展開となった。マグロは大きく分けて熱帯型と温帯型の区別があって温帯型の代表は本マグロで熱帯型のマグロの代表はキハダマグロであるという。温帯型は寒い地方にいるため脂肪分が多く成長が遅い。熱帯型マグロは成長力があるが脂肪分が少ない。一番極端な例は熱帯地域で取れるカツオで脂肪分が少なく日本沿海に来るカツオは寒い地方のため脂肪分が多いと言う。
熱帯地方でまき網漁でマグロを乱獲していてマグロ資源は危機であると言う。さらに乱獲によって魚体の小さくなったマグロは主に猫のペットフード用となっていてその缶詰の価格が人間の食べるマグロの缶詰より高価格であると言う。猫のためにマグロを乱獲して良いのだろうか。
地球温暖化の影響で本マグロの産卵地がフィリピン沖から日本よりになったが、日本漁民は本来は産卵する魚を漁獲制限しなければならないのにマグロが大漁となってスーパーで安価で販売することは将来のマグロ資源の枯渇を招くと警告していた。
さらに小松氏は『きんき・きちじ』を例にとってマグロの将来と日本漁業の行く末を講演した。『きんき』と言う魚は昔は魚体は大きかったが乱獲のため魚体が小さくなり、小さいものは単価が安いため、漁獲高をあげるためますます乱獲になっていると言う。日本近海の底引き網漁は統計上の計算であるが同じ海底を一ヶ月半おきに底引き網漁のため魚の虐殺が行われていると言う。これでは大きく育つ魚が少なくなり、産卵が減りますます漁獲高が減る。減った収入を補うためさらに底引きの回数を増やす悪循環になっていると言う。これは日本漁業の法の精神が終戦直後の状態から改定していないためで漁業者は自分が漁獲しなくとも誰かが獲ってしまうため止められないと言う。小松氏は漁場毎に制限を設け罰則強化して魚体を大きくしてから獲らないといずれ資源が無くなるという。
山菜のワラビなども根こそぎにとって熊が活動するところまで人間が入って行って襲われ熊が射殺されると同じではないのだろうか。
これまで聞いていて次の会合のため全部が聞くことが出来ずマグロの仲卸の若い人達の小松氏との質疑が聞けなかったのは残念であったが居眠りする人や雑談する人もなく日本魚業の根本を支えている築地市場マグロ仲卸の将来に対する指針が聞けたような感じがする。