隔月開催している北九州地区情報交流勉強会を小倉駅近くのホテルで行いました。写真は、勉強会の参加者による自己紹介も兼ねた短い挨拶の場面です。色々な業種の企業、団体の幹部が出席されていて、自己紹介を聞いているだけで、北九州の景気動向や不動産市場動向がわかりました。私の講演に対しても、アベノミクスの短期的、中長期的な日本経済に対する影響に関する意見・質問がありました。出席者によっては、福岡地区と北九州地区の勉強会に交互に参加して、参加者同士の交流を図っています。北九州勉強会は、福岡勉強会の3分の1以下の規模ですので、継続的に催しを続けることによって規模の拡大を図っていきたいと思います。
また今日は、月例の民主党県連常任幹事会の日に当たります。その前には、野田国義選対会議も開催され、参議院選挙に向けた取り組みの集約と活動方針の策定を行いました。参議院選挙に向けた政治的な重点課題として、アベノミクスの対する評価と国民生活への影響と憲法96条改正問題の二つがあります。前者に対しては、既に前に記述しているので繰り返しませんが、後者に関してはどのような意味を持つか確り主張していくべきです。憲法96条の条文は以下の通りです。
「第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。」
96条改正の主張とは、国会での発議を両院議員の三分の二以上から、過半数に変更することによって国会の発議を容易にして、国民投票にかけやすくしようとすることが主要な論点です。憲法9条の変更をするための戦術という意図もあり、このような論点からマスコミが賛否の報道をすることも多くあります。しかし私は、憲法改正の発議を法律並みまでバーを下げることで、先人たちが苦労して獲得し、守ってきたもののを失う懸念がある点に注目します。
例えばマスコミにとって基本中の基本である表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密等を規定した憲法21条も時の権力によって形骸化される恐れがあるのに、そのような論点での報道はまだ少ないと思います。私は憲法改正に必ずしも反対しませんが、必要ならその条文の改正を正面から議論すべきと考えます。憲法改正を容易にする96条改正は、基本的人権などの制限などにつながる懸念を抱きます。
「第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」
最後は国民投票にかけるということで、時の権力の暴走を止めることができるという主張も一定の説得力があります。しかし郵政解散選挙や政権交代選挙を経験することによってわかったことは、民意はその時代の気分やマスコミ等の報道によりぶらされるということです。政治家として、戦前、戦後の多くの教訓と歴史から学ぶことが、憲法問題に対峙する姿勢であると痛感させられるこの頃です。