前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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スイス出張報告

2007年10月07日 | Weblog
 昨日スイス出張(外遊という言葉は好きではないので出張にしました。)から戻ってきました。時差ぼけで早朝に目が覚めて眠れないので、ブログをアップすることにしました。
 第一日目のWTOに関する議員運営会議(於IPU本部)は、欧州議会、フランス、カナダ、中国、メキシコ、ケニア、イラン、南ア等の十数カ国の議員代表が参加し、WTO交渉の行方をフォローアップし、今後のIPU理事会の運営方法や次のIPU総会の日程等に関して話し合いをしました。WTOの交渉は、現在G4(米国、EU、ブラジル、インド)で折衝されておりますが、G4の大使及び農業部会議長等から交渉の行方に関して現状報告を受けました。G4大使の楽観的な報告に対して、IPU参加各国、特に開発途上国代表を中心に米国の対応等に厳しい注文が付く一方、WTO交渉の早期成立に対して悲観的な見方が相次ぎました。日本から参加した議員は一人であったので、日本政府の意見として、関税の上限設定に反対するとともに、米(コメ)などの重要品目設定に対する柔軟な対応の必要性を農業部会の議長のニュージーランド大使に会議の中の質疑応答の時間に主張しておきました。
 この会議を通じて、各国の議員と親しくなりました。たまたま昼食会合で一緒だった欧州議会代表(ポーランド)、中国、南ア代表及びIPU事務局長等と意見交換ができました。今回のWTOのテーマは、農業問題、環境や途上国開発が中心で、専門外のことも多々ありましたが、非常に有効な意見交換ができました。
 二日目は、ジュネーブからバーゼルに移動して、国際決済銀行(BIS)の事務局と、昼食もはさんで約3時間ほど意見交換を行いました。米国サブプライムローン問題、CDOやABCP等の証券化市場への影響、流動性リスクに対するバーゼルⅡ合意の有効性等、かなり専門的になりますので、ここでは割愛します。
 三日目は、チューリッヒに移動してスイス最大の銀行であるUBS本社に表敬訪問して、サブプライム問題や欧州市場の動向に関して意見交換をしてきました。先週から今週にかけて、シティ銀行、ドイツ銀行、UBS、メリルリンチ等主要欧米銀行がサブプライム関連で多大な償却をするという報道がありました。短期金融市場での流動性の欠如や証券化市場での混乱は、三洋証券破綻後の日本のコール市場の混乱やアジア通貨危機、LTCM破綻による世界的資本市場の信用収縮を彷彿させるものです。しかしこれまで数々の危機を克服してきた世界の資本市場は、今回の危機にも充分に対処するだけの知恵と協力体制があるとの意見で一致しました。
 今回の海外主張を通じて、日本の政局の行方や構造改革への影響に対する質問が多くありました。世界第二位の経済大国に対する期待や注文の大きさを実感することも多かった出張でもありました。
 
 今日は、地元でいくつかの行事があるため、早朝の飛行機で福岡に帰る予定です。議員の場合地元活動があるので帰国後もゆっくりできないので、海外出張も楽ではありません。でも無理をしていく価値も充分にあると実感した海外出張でした。