前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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インフレ転換の予兆

2005年02月07日 | Weblog
 日経新聞「経済教室」に伊藤元重東大教授の寄稿が載っていた。二度のオイルショックを克服し、レーガン・サッチャー両政権による規制緩和によりこの20年インフレは解消している。また東西冷戦の終結による共産圏の資本主義化はデフレ傾向に拍車をかけている。伊藤教授が指摘するのは、先進国の高齢化による財政悪化、中国等の経済発展による一次産品の値上がりにより、デフレからインフレへと潮目が変わってきたという指摘である。
 先週末のG8は、BRICs(Brasil,Russia,India,Chinaの頭文字)諸国が参加して、もはや先進国だけでは何も決めることができなくなってきているということが明らかになった。BRICsが、これまで同様の高い成長率を続けていったら、10年後、20年後の世界は大きく変化することが予想される。
 このような時代に日本のとり組むべき課題も多い。経済がインフレへ転換した場合、財政赤字と国の過剰な債務の下ハイパーインフレになることをいかに避けるか、また年金生活者などインフレ弱者の地位をいかに守るかである。またBRICsの台頭で、これまでのように対米一辺倒の外交政策の見直しが必要になろう。またBRICsが先進国と同じような経済水準になった時、地球環境は持続可能かである。
 伊藤教授の寄稿に触発され、色々な疑問が沸いてきた。やはりいい論文というのは、それに触発され、色々な考えが浮かんでくるものである。出勤前の一時、我が家で政治・経済教室にいる気分になりました。