山形の森 保守醒論

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国民栄誉賞の歓喜する足下で、問われるニッポンの国家安全保障の行方

2011-08-03 13:48:33 | Weblog
「なでしこジャパン」に団体初の国民栄誉賞授与が正式発表された。
昭52(1977)、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えるような顕著な業績があった」人に表彰するとして、福田赳夫内閣時に創設された国民栄誉賞。
単にWカップ優勝実績のみでなく、恵まれない競技環境を克服しての栄光ゆえ、大震災復興に喘ぐ日本の現状からも国民の喜びはひとしおと推察する。
プロ野球・王貞治のホームラン世界新記録達成を見越しての国民栄誉賞の創設(1977.8)。 756号達成の二日後(9.5)に早速授与された。
その喜びの裏面で進行していたのが、北朝鮮工作員による日本人拉致の実行であった。
第一号受賞となった王選手への授与式から2週間後の9.19、能登半島宇出津海岸で久米裕拉致事件が発生、内偵していた石川県警公安課は実行犯の一人李秀吉を逮捕、拉致の供述も取り(石川県警には)警察庁長官賞が授与された見事な公安による捜査事件であった。
が、検察庁は不起訴処分を下し釈放したのである。
なにやら、海上保安庁が逮捕したにも拘わらず、那覇地検が不起訴釈放した(2010.9)尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の(中国人船長)処理案件と似ている。
(福田内閣)日本政府の偽善宥和処分を見透かしたように、9.28日本赤軍ダッカハイジャック事件(超法規的措置で身代金付き釈放)、11.15横田めぐみ拉致事件、と以降の不幸な無法拉致事件が連続して実行されていくのである。
いまさらではあるが、この宇出津事件の検察処理過程で、政治的な関与が無かったのか、いまだ解決を見ない北朝鮮による拉致事件の真相解明のためにも、当時の経緯総括が必要であろう。
それも当時の政権与党自民党自身が、身を切る覚悟で為すべきことで、その結果は政権奪還に価する真の政治勢力に価するのかの証明にもなろう。
国民が「なでしこジャパン」の受賞の喜びに沸く間でも、為政者は粛々と国民の安全保障を一義に考えねばならない。
およそ政権延命の利用などと過ぎるものではあるまいに・・・。
サッカー女子ワールドカップ(W杯)初優勝の「なでしこジャパン」、国民栄誉賞授与の歓喜する足下で、ニッポンの危機管理と国家安全保障の行方が問われる。
コメント (1)
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