BSで古いイギリス映画「ミッション」(1986年)をみた。
1753年に起きたグアラニー戦争(南米)の史実をもとにした作品だ。
イエズス会の宣教師たちが苦労しながらグアラニー族の間で布教し、
農園も軌道にのせたが、スペイン、ポルトガルなど本国や植民者たちの都合で移転命令。
グアラニー族がこれを拒否し戦いに至るというもの。
宣教師たちは葛藤の末、ある者は自ら剣をとりグアラニー族と共に戦い、
またある者は戦闘を拒否し、無抵抗のまま犠牲となる。
このあたりがどこまで史実であるかはわからないが、
グアラニー族と運命を共にする宣教師たちの生き様はとても感動的だ。
キリスト教を広めるということ。
これはしばしば本国の経済的あるいは領土的野心と重なってきたかに見受けられる。
が、末端で布教にあたる宣教師たちの熱意、そして誠実。
彼らの行動が時として本国や植民者たちの意図とは異なることにならざるをえないというところが興味深い。
そんなことを感じさせる映画だった。
ついでながら、映画の中で流れるオーボエ、
さらにケーナ(ピンクージョか?)で演奏される主題曲はとてもすばらしい。
さすがはエンニオ・モニコーネ!という感じ。
なお、この映画の主旨とは別に感じたこと。
それは宗教者が自分のもつ宗教を相対視する努力の必要性だ。
「未開民族の邪悪な宗教からの解放」
そんな考えがいかに尊大で狭量であることか。
何かとイスラム世界が諸事件にかかわる今日、この意味は決して小さくないと思うのだが・・・
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