稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

死刑執行の果てに

2018年07月29日 | 日々
 事件の構図
 7月26日、オウム死刑囚13人、全員の刑が執行された。

 特異な事件ではあった。

 ぼくには事件全体を通して二つの契機が見えるような気がする。

 ひとつは早川紀代秀の「私の誤りはグルは間違うことがないと信じていたことです」
の言葉に代表される教祖への絶対的信頼。

     

 もうひとつは井上嘉浩の「救済の名において・・・多くの方々の命を奪ってしまった」
の述懐にみる「救済」という動機だ。

 人の普通の感覚では絶対になしえない一線が教祖への無批判(思考停止)の信頼と
救済という「善」のために容易に乗り越えられてしまうという構図。

     

 繰り返される狂気
 確かに今の世でこれは特異に見えるひとつの狂気だ。

 が、過去をさかのぼれば ぼくは連合赤軍事件にも共通したものを感じる。

 さらに、国家的な規模では中国で吹き荒れた文化大革命、
さらに日本の太平洋戦争、そしてナチズムにもだ。

 その限りでは性格や規模を別とすれば、この種の歴史は繰り返すように思えてならない。

 絶対的信頼に隣り合わせる迷い
 ただ、今回死刑となった一人 横山真人(54)のこと。

 彼も地下鉄サリンの散布実行者の一人だった。
 当日、彼は計画どおり電車に乗ったものの、警察官の乗った車両をねらうと教えられていたのに、
乗客は普通のサラリーマンばかり。

 なぜ?という疑問がわき、結果的にサリンの一袋だけにしか穴をあけられなかったということだ。

     

 もちろん、乗客は負傷したものの、その車両からは死者は出なかったそうだ。
 これは一例ながら、教団の最高幹部といえども迷いや疑問は起こりうるということなのだろう。

 幹部たちにもあったはずの迷い
 おそらく他の死刑囚にも、それはあったはずだ。
 
 狂気の世界に分け入った者を後戻りさせるということほど難しいことはない。
 けれども、そこに可能性があるとすれば、おそらくこの迷いや疑問しかないだろう。

 刑の執行が終わり、テロで犠牲になられた方々の無念とはまた別に、
ぼくは死刑囚たちが最後にたどりついたであろう無念を思う次第だ。
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大暑の源流部

2018年07月27日 | トラウト
 例年なら大暑のころでも間断なく釣りに通ったもの。

 ところが今年は違う。
「命にかかわる・・・」の言葉どおり、とてもやっていられない。

 今日は「短時間だけ」と自分に言い聞かせ、バイクで賀茂川水系へ。

「ウーン、確かに暑い!」

 今年何度か入ったこの場所。

     

 水が減っている。

 それに水温は24℃まで上がっている。

 時々小アマゴがルアーについてくるが、成魚の姿はさっぱり。

 やっと待望の手ごたえ!

 と思ったらカワムツ。

 いつもならカワムツなどは釣れないのだが・・・。

 天気予報で伝えられている土日の雨でどうなるか。

 災害が起きなければいいのだが。

 本日 水温 24℃
     カワムツ 2匹 
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映画「ミッション」あれこれ

2018年07月25日 | 日々

 BSで古いイギリス映画「ミッション」(1986年)をみた。

 1753年に起きたグアラニー戦争(南米)の史実をもとにした作品だ。

 イエズス会の宣教師たちが苦労しながらグアラニー族の間で布教し、
農園も軌道にのせたが、スペイン、ポルトガルなど本国や植民者たちの都合で移転命令。
グアラニー族がこれを拒否し戦いに至るというもの。

     

 宣教師たちは葛藤の末、ある者は自ら剣をとりグアラニー族と共に戦い、
またある者は戦闘を拒否し、無抵抗のまま犠牲となる。

     

 このあたりがどこまで史実であるかはわからないが、
グアラニー族と運命を共にする宣教師たちの生き様はとても感動的だ。

 キリスト教を広めるということ。
 これはしばしば本国の経済的あるいは領土的野心と重なってきたかに見受けられる。

 が、末端で布教にあたる宣教師たちの熱意、そして誠実。
 彼らの行動が時として本国や植民者たちの意図とは異なることにならざるをえないというところが興味深い。

 そんなことを感じさせる映画だった。

     

 ついでながら、映画の中で流れるオーボエ、
さらにケーナ(ピンクージョか?)で演奏される主題曲はとてもすばらしい。

 さすがはエンニオ・モニコーネ!という感じ。

 なお、この映画の主旨とは別に感じたこと。

 それは宗教者が自分のもつ宗教を相対視する努力の必要性だ。

 「未開民族の邪悪な宗教からの解放」
 そんな考えがいかに尊大で狭量であることか。

 何かとイスラム世界が諸事件にかかわる今日、この意味は決して小さくないと思うのだが・・・
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ウナギの行方

2018年07月19日 | 日々
 毎年この季節になると話題になるウナギの高値。

 昨年話題となった代用食材としてのナマズ。
 今年は話が出ないけど、どうなったんだろう?

 ところで、先日放映されたNHK『ダーウィン・・・』によると、ウナギは都会の川にもいるという。

 横浜で小学生が一夜沈めておいたカゴにもなんとウナギ!

     
    ( NHK「ダーウィン・・・」から、以下同じ )

 東京の日本橋、隅田川、多摩川などでもたくさん確認されているそうだ。

     

 専門家によれば「ウナギは川を選べないから」だという。

 つまり、太平洋で生まれたウナギの稚魚は海流にのり、たまたま出会った川に入る。
 たとえそれが清流だろうがドブ川だろうが・・・ということらしい。

 なるほど、このあたりがサケと違っているわけだ。

 が、隠れるところが少ないはずの都会の川、ウナギたちはどこで?

 調査によると、ウナギたちは捨てられた鉄板やパイプをねぐらとしているらしい。

     

 こうみてくると、ウナギたちもなかなかたくましく生き延びているようだ。

 ただ、最近では絶滅危惧種といわれるウナギ。
 
 その原因には諸説あるらしい。

 ひとつは乱獲、さらにはダムや堰がウナギの遡上を妨げているとか。

 なお、この番組でウナギの摂餌風景は圧巻!

     

 ウナギたちは夜の間に鋭い嗅覚で生きた魚たちをさかんに食べているという。

 いずれにせよ、ロマンあふれるウナギたち、生き延びてほしいね。
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天然ヤマメの谷でフラフラ

2018年07月17日 | トラウト
 かつてない猛暑、しばらく続きそう。

 なら、今行っておかなければひどい渇水は目前!

 と意を決し、今日は天然ヤマメの谷へ。

 が、入渓してすぐに肩、頭、腕・・・全身に伝わってくる熱気。

 帽子を水に漬けてかぶりなおす。

 しばらくすると暑さにも慣れてきた。

 ところが、ルアーを追うヤマメの姿が少ない。

 やっと小ヤマメが1匹。

   

 時々ルアー追うのはこのサイズだけ。

 いよいよけわしい谷あいを上がり始める。

   

 しかし、ヤマメがいるはずのたまり、今日はほとんど「不在」。

 こうなると疲れは倍増。

 のどの渇きも普通ではない。

 いつもどおり、水は車に置いたまま。

 やむなく、渓流の水をゴクゴク。

 ここは人家も果てるところ、汚くもなかろうと。

   

 ああ、うまい!けどヌルい。

 それでも、この暑さ、やっぱり限界。

 予定よりも早い地点で、林道への急斜面を登る。

 フラフラになって納竿。

 本日 水温 一気に22℃。
     小ヤマメ 3匹 
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苦戦の増水だったが

2018年07月14日 | トラウト
 京都市内の河川も落ち着いてきた。

 もうほどよい水位になっているはずと出かけてみた。

 が、それほど甘くはなかった。

 いつもとは違い、瀬は盛り上がり、泡立っている。

   

 ルアーを投げ込んでもまったく反応がない。

 アマゴたちはどこかで雨宿りならぬ激流宿りでもしているのか。

 やっとこさ、泡の切れ目からポツリと最初の1匹。

   

 とはいえ「今日はくたびれもうけ?」のいやな予感。

 けれども、釣り上がるにしたがって、渓相も変わってきた。

 落ち込みからやや開けたたまり、ここでルアーをかすめる魚影。 

   

 ここから上流一帯はこの類の好所に恵まれている。

 イワナ君もやっと顔を見せてくれた。

   

 泡だった瀬は無視し、ひたすら水面の平坦な場所をじっくり。

 やがて今日一番の重い手ごたえ。

   

 このタラコのようなブ厚い唇がたまらない!

 なんとか釣果にめぐまれた一日。

 本日 水温 19℃
     イワナ 4匹(17~20cm)
     アマゴ 8匹(13~25cm)
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改良メダカの流行

2018年07月11日 | 日々
 MBSのVOICEで最近のメダカ事情を知った。

 なんでも最近メダカの飼育が流行しているらしい。

 ぼくはてっきり野生のメダカを飼育しているのか?と思ったが違っていた。

 さまざまな特徴をもったメダカを交配し、自分好みのメダカ、
つまり改良メダカをつくっていくのだという。

     
       ( MBSのVOICEより )

 この作業は専門業者だけでなく、飼育者自身の楽しみとして広く行われているそうだ。

 番組ではしめくくりに
「改良メダカは絶対に野に放たないでください」と訴えていた。

 野生のメダカは川ごとに繊細に適応しており、
その秩序が一気に乱れるおそれがあるからだという。

 なるほど、そうなればアマゴたちの放流事業。

 すでに本来の秩序を大きく乱しているということになるわけだ。

 せめて天然モノが棲息する領域だけは静かにしておきたいものだ。

     
       ( 同  上 )

 ところで、野生メダカも今は絶滅危惧種だそうな。

 子どもの頃、郷里 串本の用水路にたくさんいた。

 今はたんぼもなくなり、その用水路もコンクリートで固められてしまっている。

 この放送をみて、もう一度メダカの自然な姿を見たいものと思ったが、
「どこへ行きゃあ・・・?」。
 
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大雨去って

2018年07月09日 | 日々
 やっと雨がやみ、梅雨明けとの報。

 近所の川はまだごうごうたる流れだが、濁りもうすくなってきた。

   

 さて、誰でもそうだろうが、大雨は何度も経験してきたはず。

 けれども、こんなに長い大雨を実際に体験したのは初めてだ。

 ぼくの住む町内には低いところがあり、これまで何度か被害にあってきた。

 そのため、排水用の小型ポンプを置き、有志で運用している。

「今夜は起こされるか?」
 などと心配していたが、今回は無事にすんだ。

 ただ、西日本全体にわたる被害はやはり甚大だ。

 数十年に一度という大雨だと聞く。

 が、その周期はますます短くなってきているようで不安だ。

 被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
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天然トラウトの谷へ

2018年07月03日 | トラウト
 一年ぶりの訪問。

 この谷、昨年は釣れなかった。

 が、今回は釣友 森さんの情報で釣れることを確信しての入渓。

 入ってみて、それほど甘くはなかったものの、いる!。

   

 稚魚も時々釣れてしまうけれど、成魚が主流なのはうれしい。

 イワナ君も歓迎に出てきてくれた。

   
 
 ほっそりしていてどこかドジョウ風。

 さて、久しぶりに晴れた渓谷は緑がとてもきれい。

 とはいえ、いつの間にかクモの巣との格闘が本格的な季節に。

   

 クモの巣の季節こそ、ここのトラウトも活発。

 とにかくここは始まりが遅いのだ。

 そんなわけで、楽しませてもらった一日。

   

 本日 水温 19℃
     アマゴ 13匹(11~23cm)
     イワナ  2匹(17~18cm)  

  
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