稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

再び広島には静寂がもどり

2016年05月30日 | 日々
 伊勢志摩サミットは大過なく終了。
 国内政治の場では増税延期をめぐってまたまた衆院解散論議。

 それにしてもオバマ演説。

 抽象的で、翻訳調の文言がわかりにくかった。

 が、全体としてオバマ大統領の広島訪問。
 日本では好意的に受け止められていたようだ。

 それは演説内容よりも、被爆者との握手や抱擁など、可視的な部分に負うところが大きかったかにみえる。

        

 ところで、大統領の広島訪問に先立ち、大統領の謝罪はあるのか、ないのか?ということが話題となった。

 米国内では元々原爆投下を肯定する考えが根強い。
 訪問直前にも、元米軍兵士から「日本政府は、バターンで死の行進をさせたことに謝罪してほしい」という要望まで出ていた。

 大統領の広島演説では予想どおり謝罪はなかった。

 が、大統領は人の責任の問題について、原爆を投下したパイロットを許した女性のことを引き合いに出して述べた。
 彼女が許したのは「憎いのは戦争そのものだと分かっていたから」だと。

 原爆投下に関わらなかった国の政治家とは違い、オバマ氏は原爆投下を行ったアメリカ、その国の大統領。
 この点を素通りするのはむずかしかったのだろう。

 そこで、「戦争そのもの」というアメリカでも日本でもない抽象的な悪魔のようなモノを元凶として、ここにさらりと触れたものとぼくは推測する。

 こうすれば、米国世論を刺激することはなく、日本でもおおむね受け入れられるとみたにちがいない。

        
 
 ただ、「憎いのは戦争そのもの」という言葉、
 オバマ氏に限らずよく使われる言葉ながら、ここには人のかかわりが消し去られているのでは?というのがぼくの危惧するところだ。

 戦争というもの、そこに政治家、政党、圧力団体、国民・・・そうした人々がどのようにかかわったのかという歴史を国民が省み、教訓をおさえておかなければ何が問題だったのかということも見えはしないはず。

 「未来志向」とはそうでなければ・・・とぼくは思うのだが。
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源流部にも初夏は訪れ

2016年05月28日 | トラウト
 土曜日、釣り場に向かっていると、釣友 森さんと再会。
 ちょうど川から道に上がって来られたところ。

 朝からの釣果を見せてもらうと

      

 アマゴが5匹、みんな20cm前後の型ぞろい。

 ほぼ一年ぶりの再会、イスに座って1時間ほど四方山話。

 さて、ここからお互い別行動。
 ぼくは人の入らぬ源流部に足を踏み入れた。

 季節的に少し早いか?と案じたが、それは問題なかった。

     

 小さいのもだんだん活発に。

 ウス暗い森の中の流れ、ここでもアマゴは待ちかまえていた。

     

 次いで秘境のような箱庭。

     

 この水底からルアーをひったくったアマゴ。

     

 ズッシリした24cm。

 やがて、源流部はますます木の枝にさえぎられ、この先は不能に。

 今度はやや下流部に転じる。

 森さんがぼくの車のところで帰り支度。
 釣果を見せてもらうと

     

 「おっ、追加してる。いいイワナ君も」

 ここで森さんは引き上げ。

 さて、再入渓。

 今日はじめてのイワナ!

     

 うれしい。

 そして、段差の下に広がる開き。

     

 ここでいい手ごたえ!

      

 出た!今季最大の26cm。
 手に取るとムニュッとした感触、そして重み。
 これはたまらん。

 もう陽も傾き、ここで納竿。

 いやあ、源流部も確実に初夏のおもむき。
 短くもいい季節になった。

 本日 水温 16℃
     イワナ       2匹(17~18cm)
     アマゴ、ヤマメ 17匹(13~26cm) 
  
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記者会見場の流れ 考

2016年05月27日 | 日々
 舛添知事が27日の会見で改めて政治資金問題に言及。

 調査依頼した「第三者」とは誰なのか。
 関心はそこに集まっているが、今のところ明かされていない。

 さて、記者会見での政治家の対応はいろいろ。
 興味深いのは、政治家の対応が記者たちをあるいは黙らせ、あるいは勢いづかせるということ。

 20日だったか、会見では舛添知事
「専門家に依頼し、公正な目で厳しく調査のうえ公表したい」の繰り返し。

      
 
 2時間ほどこんな調子で、記者たちもイライラ模様。 
 ある記者からは
「舛添知事はケチだという声もあるがどう思われます?」という質問まで。

 普通ならば、質問を受ける側がキレるような問いかけ。
 会見の場はここまで記者たちの押せ押せムード。

 ぼくはこのニュースをみながら思った。
 元都知事の石原慎太郎氏ならどう答えたろうと。
「会議で使ったホテルの部屋代、どこが悪いんだ、君」と言ったろうか。

 前大阪市長の橋下氏ならどうだろう。
「今、質問されたあなた、どこの社?、ここから出て行ってください!」
 と声を荒げたろうか。

       

 記者会見場の流れ、政治家の対応ひとつで大きく決まる。
 あの会見はそれを如実に示したように思われる。

 間もなく都議会。
 見通しは厳しそう。

 手の届くところに政治資金も公金もない我が生活。

 ここは静かなり。
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京都高速延伸中止

2016年05月26日 | 日々
 かねてより計画されていた京都高速の延伸。

 西大路、久世橋、堀川の三線について市長が中止を表明した。

 効果の限定性に加え、財源確保のむずかしさが原因らしい。
 特に、東日本大震災のあと課題となった橋梁の耐震補修の財源にもからむそうだ。

 これはとても喜ばしいことだ。

       

 景観問題もさることながら、借金財政のなか、無理な工事は必要なかろう。
 「あれば便利」などと言っていられる時代ではない。

 それよりも、水道管の更新をはじめとした既存のインフラ整備をよろしくお願いしたい。
 いつまた破裂するかわからない。
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再び天然トラウトの谷へ

2016年05月24日 | トラウト
 先日の好調に続き、今日はその上流へ。

 しばらく岩盤質の川底が続いて苦戦ながら、最初のアマゴがルアーに。

     

 これも体高のある野生の1匹。

 さらに上がると「おっ、久しぶりのイワナの成魚!」

     

 さらに、またまたイワナ!

     

 この谷、確かにイワナはいる。
 それでも経験則ではアマゴに比べれば10%、あるいはそれ以下。

 これはうれしい。

 昼になり、休憩で車へ。

 再び始動。

 渓流に降りようとして「ンッ」。
 これは探し求めていたカシワの木?

     

 図鑑によれば、カシワは日本中どこにでもあるという。
 けれども、ぼくの山歩きの範囲では見つからなかった。

 ぼくはこの木の葉がどことなくユーモラスで憧れるのだ。

 でも、少し違うかな。

 冬には雪深いこの地、根元の曲がり方がすごい。

 さて、釣り再開。

 今度はきれいなアマゴがかかった。

     

 これもすばらしい体高。

 水の中に放してやると、石の間に頭をつっこむ。

     

 なかなか動かない。
「世話がやけるなあ」と手をつっこんで解放。

 この上流でもイワナ、アマゴを追加。

 奥に入り、だんだん水が少なくなってきた。

     

 ここでもアマゴが1匹。

 が、このあとは大岩、大石が連続し、ルアーはむずかしく。

 ここで断念。

 久々にいいイワナ君に出会えてうれしい初夏の日。

 放流がないにもかかわらず、この渓谷の豊かさ。

 感謝!

 本日 水温 16℃
     イワナ 5匹(16~21cm)
     アマゴ 9匹(16~20cm)
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過疎の在所にて

2016年05月22日 | トラウト
 川沿いの墓石群
 前から気になっていた川沿いの墓石。

     

 陸軍歩兵・・・と刻まれた墓石。
 明治38年とある。

 日露戦争での戦死者なのだろう。

 もうひとつの墓石群。

     

 土台が浸食され、川に向かって傾いている。

 たまたま出会った地元のおばあさんに尋ねてみた。

「ああ、墓石があるらしいですねえ。私らも知らんけど。
 昔は川沿いにお墓があったらしいけど、大水で被害に合うて、山へ移したんやそうです。
 でも、最近はここも年寄りばっかりで山のお墓へよう登らんということで、またこの在所へ移したんです。」

 見ると在所の中に新しい墓地がある。
 ということは、川沿いの墓石は役目を終え、そのままになっているということか。

 地元の人々からさえ忘れられてしまっているということがどこか痛ましい。

「お寺はあるんですか?」
「あります、あれです」

 おばあさんの指さす方、確かにお寺だ。

「ほう、この在所は何世帯でしょうか?」
「18世帯です」

「えっ、するとお寺さんもやりくりが苦しいですね」
「そうです、住職さんは学校の先生とかけもちです」

 おばあさんは、若い人がみんな出ていったこと、けれども、在所の行事には帰ってきてくれて心強いことなどを話してくれた。

 が、この在所の将来、ぼくには決して明るくは見えなかった。

 高齢化、人口減は過疎地でもっとも厳しいという印象だ。

 天然トラウトを求めて
 さて、入渓。
 ここは今季初めて。

 久々に汗ばむような陽射し。
 木々の葉が輝くように明るい。

     

 早速ルアーをくわえ込んだアマゴ。

     

 夏の活性にはまだ及ばないが、ルアーを追って反転・・・などはない。
 ガッチリ、迷わずくわえこんでくれる。

     

 小アマゴの姿はまだまったく見ない。

 時季が少し早いのだろう。
 天然トラウトの谷、今年も健在!

 本日 水温 16℃
     イワナ  1匹(16cm)
     アマゴ 11匹(18~21cm) 
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目からうろこ『これは、温泉ではない』

2016年05月21日 | 
 『これは、温泉ではない』(松田忠徳 著 光文社新書 2004年刊)

 この本、温泉ファンには実におもしろく、目からうろこの一冊。

 著者は洞爺湖温泉に生まれ、温泉に造詣の深い学者。

 論点は多岐にわたるが、著者おすすめは100%かけ流しの温泉。

 「温泉」と称しても、実際のところ、日本の温泉のおよそ7割は循環式だそうだ。
 つまり温度の低い温泉、湯量の少ない温泉などで、加温し、循環させているわけだ。

 タンク・ローリーで遠方の温泉から湯を運び入れ、それを循環させているところもある。
 愛知県はその34%が運び込みというから驚く。

 そういえば、昨年4月、このブログでも書いた有馬温泉某ホテルでのこと。

 フロントで「ここの源泉は何度ですか?」と尋ねると
「ここは・・・トラックで運んでいますので・・・」
 とても言いにくそうだったことを思いだす。

 大温泉郷といえども、後発のホテルはこんなものなのか。

     

 本書導入部で扱っている2002年、宮崎県の日向サンパーク温泉。
 レジオネラ菌で7人が亡くなった事件とその背景への著者の考察は厳しく、とても説得的だ。
 
 温泉ファンにはおすすめ。
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賀茂川本流奥山のアマゴ 朱点なぜうすい?

2016年05月20日 | トラウト
 賀茂川漁協の組合長と電話で話すことができた。

 ひとつは賀茂川奥山のアマゴ・・・朱点がない!!

 これはどういうことなのか?という質問。

     
      ( 5月12日 奥山で釣ったヤマメ? )

 組合長曰く
「アマゴの放流のとき、ヤマメが混ざったのでは?
 買い付けのとき、アマゴ飼育水槽のとなりにヤマメ飼育水槽があることも。
 そんな状況なので・・・」とのこと。

 もうひとつ、賀茂川水系奥山のアマゴはなぜ朱点がうすいのか?という質問。

     
      ( 5月12日 奥山で釣った朱点の薄い1匹 )

 組合長曰く
「そのエリアは在来種の多いところ。
 たくさんの堰堤で区切られており、近親交配となりやすい。
 そうなると朱点がうすくなってしまう」と。

 フーム、そんなものなのか。
 クワガタなどでは近親交配が続くと個体が小さくなるとは聞いたが・・・。

 それにしても若い組合長、元気で明るい。

 こうした質問にもていねいに答えてくれる。
 うれしいかぎりだ。

 またお願いします!
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賀茂川水系本流奥 期待はすれど

2016年05月19日 | トラウト
 堰堤の連続する賀茂川本流の奥。

 今日入ったのは堰堤間の距離が1300メートルという長い場所。
 こんないい場所はあまりない、と言わざるをえない悲しい水系。

 入渓すると、大岩がたくさんあり、いい渓相。

     

 しかし、こういう場所でもアマゴの沈黙は続く。

 いったいルアーを何回投げ込めばアマゴは顔を出してくれるのか?
 そんな愚痴にも似た思いで黙々と上がる。

 それでも忘れたころにきてくれる。

     

 リールのハンドルを軽くつまんでいると、突然の重みにハンドルを離してしまうこともたびたび。
 釣る側の緊張感がなかなか続かない。

 おかげでバラシの多い日となった。

 終点の堰堤。

     

 ここで黒っぽいアマゴが1匹。

  やはり全般に朱点はうすい。

     

 どうして奥山のアマゴは朱点がうすいのだろう?

 堰堤下はハンデ戦のようで達成感も今ひとつながら、やっぱりうれしい。

 本日 水温 15℃
     アマゴ 5匹(14~19cm)
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笙の川 甘かった予測

2016年05月17日 | トラウト
 昨日の雨、大丈夫だろうと笙の川へ。

 中流域に入ったが、甘い予測は完全に外れた。

 白泡が立ち、ポイントが・・・。
 それどころか、入渓しても歩くこともままならぬ。

 流されるのはかまわないが、カメラだけは・・・。

 ヨチヨチ歩きで前進。

 水が勢いよく流れ込む奔流。
 そのわきで、やっといい手ごたえ。

     

 今季最大の24cm。
 これはアマゴやね。

 さらに比較的平らな水面となった流れ込み。

     

 ここでもヤマメ。

     

 いつもなら難なく遡上できる川も今日はここで断念して場所移動。

 岸からねらえるポイントで奔流を流す。

 水流にもまれるミノーを注意深くトゥイッチ。
 グググッという手ごたえ。

     

 これも元気なアマゴ。

 最後は堰堤下を丹念に。

 コツンと微妙な反応。
 合わせると水中から小魚が飛び出し、草むらへポトリ。

     

 なんと、7cm。

 朱点がある。
 3年前からアマゴの放流をやめている漁協。

 ならばこれは自己繁殖したものにちがいない。

 こういう川の生命力、いつまでも続いてほしいね。

 それにしても増水の渓流はむずかしい。
 一般に、増水は渓流魚を活気づかせると言われる。

 が、実際はそれほど簡単ではない。

 とにかく、今日は甘かった。

 本日 水温 14℃
     アマゴ・ヤマメ 7匹(7~24cm)
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