稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

桐島聡の死 聞いてみたかった胸の内

2024年01月29日 | 日々
 「本名は桐島聡」と名乗った男が死亡した。

 警察はまだ調査中とのことだが、おそらく桐島に間違いなかろう。

 桐島の顔はぼくもよく覚えている。

 交番などあちこちに指名手配の顔写真が貼られていたからだ。

 驚くのは、桐島が長期にわたり「内田洋」の名前で公然と働いていたことだ。

 人の風貌というものは、年月がたつと気づかれにくくなるようだ。

 彼がかつて所属していた「東アジア反日武装戦線」。

 主にアジアに進出する企業へのテロを起こした集団で、
彼らの活動によって多くの死傷者を出している。

 「何の罪もない人々を・・・」
というのが普通の人々の気持ちだが、彼らにとってはそうではない。

 彼らは「爆死し、あるいは負傷した者は無関係の一般市民ではない。植民者である」
(三菱重工爆破後の犯行声明)と。

 つまり社員たちも共犯者だとして、そのテロを正当化したのだ。
 (のちには裁判などで彼らは謝罪に転じたそうだが。)

 いずれにしても、彼らの思想と活動は短絡的で稚拙という印象をぬぐえない。

       

 「最期は本名で迎えたい」との桐島の述懐。

 これは桐島が死期の近いことを悟ってのものだろう。

 それは「逃げ切った」ことへの安堵の気持ちなのか?

 他方では、爆弾で死なせたり深刻なケガを負わせた人々に対する桐島の胸の内はどうだったのだろう。

 まさか、あの当時の考えのままではあるまい。

 未熟で流動的な青年期の考え方は、歳月とともに変わりうるとぼくは信じるからだ。

 桐島が悔いているなら、せめて真剣に謝罪の言葉を述べてほしかったところだ。

 桐島の胸の内をぜひ聞いてみたかったところだが・・・。 
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日本の技術のかげりなのか、せめて誠意ある対応だけは

2024年01月21日 | 日々
 英国郵便局の冤罪事件が同国史上最大のものとして報道さている。

 700人以上の郵便局長らが横領罪に問われたというもの。

 財産を失い、自殺に追い込まれるなど、その悲劇は広範囲で深刻だ。

 最近になって、これは横領ではなく
会計システムの不具合によるものであることがはっきりしてきた。

 ぼくにとって衝撃的なのは、
そのシステムが富士通の子会社が開発したということだ。

 英国といえば、以前に日本の列車運行システムが評価され、
英国でも導入するという話があり、ぼくも誇らしく思ったことがあった。

 しかし、このたびの冤罪事件に接すると、
日本の技術もすでにその光を失っているのでは?とがっかりしてしまう。

     

 さらに驚いたのは、システムを開発した子会社が
このシステムを納入した1999年時点で、その欠陥を把握していたという報道だ。

 子会社側はシステムの修正を試みたようだが、成功しなかったらしい。

 ならば、欠陥を公表して、
冤罪事件の続発だけは止めなければならなかったのではないのか?

 最近の報道では、英国政府もそれを早くから把握していたらしい。

 しかし、富士通は英国政府関係のシステムにも深く関与しており、
政府は政治問題化に配慮し、動かなかったとかの報道だ。

 いずれにしても気の毒なのは、政府や子会社の事実上の無策のなか、
冤罪を背負わされたたくさんの郵便局関係者たちだ。

 技術のことはさておき、せめて富士通側が誠意ある対応につとめ、
倫理的な信頼だけは失わないこと、これを切に願う。
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続・全員無事脱出

2024年01月05日 | 日々
 羽田の航空機からの脱出について詳しいことがわかってきた。

 衝突してから旅客機を停止させたとき、
機長らのいるコックピットでは火災発生に気づいていなかったという。

 インターホーンは衝突事故で故障しており、
客室乗務員からのコックピットへの連絡は通じなかったようだ。

 が、機長が客室に行ったとき、
すでに2か所で緊急脱出が始まっていたという。

 脱出するうえでの安全な扉の選択を含め、これらは機長の指示でなく、
客室乗務員ら自身の判断と行動によるものだったそうだ。

 ぼくはここのところがスゴいと感心するのだ。

     

 組織というもの、非常時にはよく指示待ちにおちいりやすい。

 訓練でも、「誰が誰に」指示という型どおりの「筋書き」に沿ったものになりがちなのだ。

 この方法では、実際の事故で、
頂点にいる者が不在あるいは指示なしとなれば組織は動かない。

 日航の堤常務執行役員は記者会見で
「乗務員が危険なドアを開けることなく脱出させたことが大きい。
 過去の教訓も生かし、ケーススタディを重ねた成果が出た」(産経)と述べたそうだ。

 そうだとすれば、考えさせる教育や訓練が
思考・判断能力を持った客室乗務員らを育てたことになる。

 今回の最大の教訓となるだろう。
 
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全員無事脱出 それを可能にしたもの

2024年01月02日 | 日々
 2日夕刻、驚きのニュースが入ってきた。

 羽根田空港で、着陸してきた旅客機と海保の航空機が衝突、炎上したというもの。

 乗客と乗員併せて379人は全員無事脱出したということだ。

 なぜ両機が衝突したのかは今後の調査を待つしかない。

     

 ぼくが感心したのは、着陸してきた旅客機が
いわば火だるま状態で滑走して停止、そこからの緊急脱出だったことだ。

 これまでぼくが報道で知らされた脱出劇は、
たいてい「エンジンの一基から発煙」など、割合軽いものが多かったように記憶する。

  上空での発煙なら着陸までに時間はあり、
機長の乗員への指示も比較的余裕をもってできるだろう。

 しかし、今回は衝突・炎上から機体停止まではほんのわずか。

 ひょっとすると機長の指示がないまま、
乗員たちは自主的に予定の行動に入ったのかもしれない。

 その真相はともかく、そうして炎上する中、
よくパニックにならず全員を無事脱出させえたものだと感心する。

 これには、関係者の平素からの訓練や
イメージ・トレーニングの積み重ねがあるはずで、その努力に心から拍手を送りたい。
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謹賀新年 2024

2024年01月01日 | 日々
 新年おめでとうございます。

 このブログを御訪問いただき、ありがとうございます。

 昨年はぼくにとって、コロナや骨折など災い多い年になりました。

 最近はことのほか、寄る年波を実感しています。

 渓流歩きも体にこたえ、入渓時間もずいぶん短くなってきました。

 そう考えれば、転倒による骨折も偶然ではないかもしれません。

 今年は安全第一を心掛け、ひかえめにと思っています。

 皆さん、本年もどうぞよろしく。

     
 
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