稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

「解決!空き家問題」

2017年01月30日 | 日々
「住まいと街の解説者」という中川寛子さんの著作。
( ちくま新書 2015.11.10刊 )

 日本全国で増え続ける空き家。
 このままなら今後ますます急速に増えるという。

 中川さんはその原因と対策を提言する。

 とはいえ、ひと口に「空き家」といえども内容は様々。

 その解決策と事例を個別に紹介していて本書は興味深い。

     
 
 ただ驚いたのは、空き家が増えることの原因だ。

 もちろん、いろいろあろうが、中川さんによれば国の政策(無策)によるという。

 日本では戦後確かに住宅難の時代があった。
 が、1968年、数の上では住宅ストックが世帯数を上回るに至ったそうだ。

 けれども、国は景気刺激策として住宅建設を奨励してきたというわけだ。
 そういえばよく耳にする新築に伴う税制措置などがこれにあたるのだろう。

 それが今も続いていることが底流にあるという。

 中川さんによれば、もっとも深刻なのは空き家の予備軍。

「最後にババをひくのは30代、40代」だとか。
 
 背筋が寒くなりそう。 

 空き家をかかえている人、そうなるかも知れない人にはおすすめの一冊。
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祝いの花を贈られし友と再び

2017年01月24日 | 日々
 多くの勤め人が働くなかで、節目のひとつとなるのが昇進。

 ぼくも幾たびかそのうれしさとそれに伴う重圧を味わってきた。

 もちろん、時がたてばそんな重圧も過去の話となってしまいはするものの。
 が、それでも渦中にあるときの緊張はひととおりではない。

 ぼくにとって、最後の昇進のときほど緊張したことはなかった。

 着任の日、ひとときも待ってはくれない仕事の回転、その合間をぬってのあいさつ回り、
まだなじみの薄い同僚や上司たちとのやりとり。

 初日の仕事が終わり、帰宅したときにはぐったり。

 ところが玄関を開けるとそこに花束。

 家族に尋ねると、昼間に配達されたという。

 花束には久野(仮名)さんからの「おめでとうございます」のメッセージ。

 久野さんはかつての職場のやや年輩の同僚。

 一日の疲れが吹き飛ぶようにうれしかった。
 あたかも久野さん、ぼくの初日の苦労をすべてわかってくれているかのようで。

 このままでは花束がしぼんでしまう、もったいない!と撮っておいた写真がこれだ。

     

 久野さんには早速お礼の電話を入れておいた。

 最近、ぼくは郷里の墓じまいに続いて、実家の処理を終えたあと、
自分の半生で忘れえぬ人たちともう一度会っておくことにしている。

 今日、その久野さんにお会いした。
 年賀状のやりとりを別とすれば、お会いするのは十数年ぶりだ。

 お体はあまり丈夫ではなかったようだが、とても元気そうだった。

 退職後の今もマンション管理などの仕事をされているらしい。

 改めてあの花束のお礼を伝え、昔話に花を咲かせた後、お互い元気でと言い合ってお別れした。

 こんな友にめぐまれてよかったとしみじみかみしめた雪の日。
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ギャレス・マローンの魅力

2017年01月18日 | 日々
 BSで「ギャレス・マローンの職場で歌おう!」

 彼は英国の合唱団指揮者で放送者。

     

 この番組では、マローンが船会社、スーパー・マーケット、市役所などを訪ね、そこで合唱団をつくってはコンテストに導く。

 集まった団員たちは初めはバラバラながら、次第にまとまりをみせていく。

 各合唱団のこの成長過程がみていてとても楽しい。

     

 ぼくには感心する点がいくつもある。

 マローンが各職場に飛び込んで合唱団への参加を呼び掛ける。
 それにたくさんの従業員が積極的に応えるということ。

 また、練習などは勤務時間内にやっているようだが、事業者がそれを承諾している点。

 日本ならどうだろう?

 これほどたくさんの働き手が加わるだろうか?
 それ以前に、事業者がそれを承諾するだろうか?
 という点だ。

 これは日本と英国の土壌の違いなのか?

     
          ( 合唱団に聴衆が歓呼 )

 いずれにせよ、合唱にはぼくがよくコンクールで目にするような「禁欲的」ともいうべき雰囲気は少しもない。
 開放的でとても明るいのだ。

 もうひとつ。
 マローンの指導の仕方だ。

     

 合唱団をほめて育てるという方法がみごと。

 ぼく自身の半生を振り返って、合唱はともかく、そういった人との触れ合い方がはたしてできたろうか?などと思いこんでしまう。

 すばらしいギャレス・マローンの世界。
 魅力的だ。
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ガラス細工のような木々

2017年01月16日 | 日々
 土曜日から三日間、よく降り続いた。

 京都は久々の雪景色となった。

 夜、外を歩くと木々の枝に雪がつもり、さながらガラス細工。

     

 山の景色も一変した。

 しばらく釣りには行ってないが、これでは道中不安。

 当面、寒気のゆるむのを待つしかない。

 アジングの師匠からは、中アジが十数匹との知らせ。

 サイズを問わなければ、2月初めくらいまではいけそうとのことながら・・・。
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「お寺さん崩壊」にみる世相

2017年01月14日 | 日々
 いやあ、とても興味深い本だった。

 自身僧侶である水月昭道氏が著した「お寺さん崩壊」(新潮新書 2016.12.20刊)。

 本書によれば、いま全国で寺院が急速に減っているらしい。 
 その主な原因は、特に地方での急激な人口減少=檀家の減少。

     

 氏によれば、宗派にもよるが、寺院経営が成り立つ分岐点は檀家数300軒だという(P33)。

 が、実際にはそれを下回っていながら寺院経営をしているところがたくさんある。
 それを支えるのは僧侶の教師や役所勤めなどの兼業だそうだ。

 そういえば昨年5月22日、このブログでも、アマゴ釣りで通りがかった在所の寺のことを紹介した。
 18世帯の小さな在所だった。 

 在所のおばあさんが、住職は学校の先生も兼ねておられますと話していた。

 またよく報道される無住の寺からの仏像盗難などもこれに深く関わっているのだろう。

 本書では、存廃ぎりぎりの寺院の苦労などが様々な挿話を交えて紹介されている。

 なお著者の水月氏。
 本書の第6章では「それでも私は仏道を歩む」を説く。
 仏教、そして寺院の在り方に等々について・・・。

 信仰心のないぼくには、そのあたりはあまり興味はない。

 ただ、読み終わって、この先、寺院はますます集約されてゆき、広域化せざるをえないだろうということ、
それほどまでに人口減少、特に地方のそれは深刻だと感じた次第だ。

 農林漁業の荒廃、野生動物の跋扈・・・国土の疲弊は多様な形で表れている。
 
 この国はいったいどこに向かっているのだろう。
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クアイカの驚き

2017年01月09日 | 
 先日のBS『釣り百景』での話。

 解説によると、アオリイカにもいろいろ種類があって
1 シロイカ 広く分布
2 アカイカ 鹿児島、五島、徳島、和歌山などを北限
3 クアイカ 琉球諸島や小笠原を北限

 ということになっているらしい。

 今回『釣り百景』に出演した和歌山市在住の湯川マサタカさん。

     
       ( クアイカの検体 )

 氏が広島大学生物圏科学研究所(海野准教授)に送った検体からクアイカが確認され
たという。

 海野助教授によれば、死滅回遊の可能性もあるが、串本町とすさみ町の二カ所で
釣り上げられたとなれば、これは偶然ではなく集団で棲息している可能性も考えられる
とのこと。

     
 
 そういえば、昨年すさみ町の網にかかったウモレオウギガニ。

 世界最強の猛毒ガニらしいが、南方系だとか。

 温暖化の勢いはすさまじい。

 南紀でもそのうちGTが釣れるなどと喜んではいられない。

 なんともはや。
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アジングの達人に再会したけれど

2017年01月07日 | 
 今夜はメバル無視でひたすらアジねらい。

 12月20日以来のこの釣り場。

 けれども今夜はライズなし、あたりもなし。

 小さなあたりに合わせると、ねらっていなかったはずのメバル君。

     

 19時、昨年12月20日に出会った達人が到着。

 話を聞くと、12月はよく釣れたこと、また元日も3日も釣れたこと。
 しかし、年が明け、勢いは弱くなったとのことだった。

 達人師匠のそばで見学。
 が、あたりもなし。

 達人師匠でもダメなのかァと納得しつつもがっかり。
 今日は日が悪いのか?

 やがて師匠は別の場所の様子を見に行った。

 ぼくはそのままダラダラと続けた。
 すると 20:30頃、初めての強いあたり。

 メバルとは違う重さ、やっぱり!

     

 尺にはほど遠いが、ぼくには久々の大物!

 間もなく達人が戻ってきた。

 二人で並んで投げ続けたが沈黙。

 達人が言うには
「厳しいですが、ここのアジはまだ終わったわけではないと思います。
 終わってしまえば、4月までもう釣れなくなりますが・・・」

 いろいろ教えたもらった。

 遅くなったのでぼくは先に失礼。

 達人は深夜までやってみるとのこと。

 また教えてもらおう。

 本日 ア ジ 1匹(24cm)
     メバル 2匹(14~15cm)
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初釣り 2017

2017年01月04日 | 
 若狭に到着。

 小さい港に5人も。
 さすが正月休み。

 割り込みもむずかしいと思ったが、そこはなんとか。

 先客がガシラを釣っている。
 布バケツの中を見せてもらうと5匹ほど。

     

「昨日はここで30匹ほど釣れたんですけど、今日はダメです」
 と言う。

 釣り場は港先端のテトラ。

     

 いわゆる「穴釣り」だ。

 あたりはあるが、なかなかのらないらしい。
 エサはゴカイの類だそうだ。

 活発な時季はワームでもよく釣れるそうだが、冷え込むとやはり生エサだという。

 さて、初釣り。

 が、時合になっても何のあたりもなし。

 やっと「コンッ」。

 巻き上げるとアジ君。 

     

 これでおわり。

 やはりたくさん人が出て、たたかれまくったのか?

 次の港もその次もやはり釣り人。

 メバルの反応はない。

 そこで底の透けて見えるやや浅いところに遠投。
 ワームを水面で揺さぶりながら泳がせるとこれにヒット。

     

 12月頃のパターンとは違ってきた。

 でも昨年同様、この時季、メバルはだんだん小ぶりになってきた感。

 やや不満の残る初釣りとなった次第。

 帰りには安曇川筋で大きなオス鹿に衝突しそうになりヒヤリ。

     

 当日 メバル 4匹(12~13cm)
     ア ジ 4匹(11~13cm)
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謹賀新年

2017年01月01日 | 日々
 新年おめでとうございます。

 昨年も我がつたないブログに御訪問いただき、ありがとうございます。

 元日のおだやかな陽光を浴びると、思わず「春!」などと勘違いしてしまいそうです。
 が、寒いのはこれから。

 それでもあとしばらくすれば渓流の水もぬるむと心がはずみます。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

     
コメント (2)
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