稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

外交決着とは別に

2015年12月30日 | 日々
 藤原審爾さんの小説

 高校のころだったか「辱しめられても」(藤原審爾 著)という小説を読んだことがある。

 戦後占領下の日本。
 列車内で若い奥さんが米兵に凌辱され、鉄橋通過時に身を投げるという筋書き。
 「奥さん」とは名ばかりで、入籍すれど挙式はまだしていなかったというもの。

 もちろんこれは創作だが、著者が実際の犯罪から組み立てたものであることは容易に想像しえた。
 当時のぼくには呆然とするほどの衝撃だった。

 それは日常的な性犯罪とは異なり、圧倒的な力の差を背景とした体制の中で起こっている。
 ぼくの衝撃とどうしようもない怒りはその点にあった。

 千田夏光さんの労作

 ぼくが韓国の「従軍慰安婦」のことを初めて知ったのは大学時代。
 千田夏光氏の著作を通じてだった。
 (氏の著作について、細部の点で議論のあることは承知している。)

        
 
 これもまた衝撃だった。
 公式文書の有無は別として、日本の軍がこれに深く関わっていたことについてだ。

 学生時代のあるとき、酔った戦争体験者から聞いたことがあった。
「ワシが初めてアレをしたのは、朝鮮女やった・・・」

 これに類する話は、同じく戦争体験をもった職場の人からも聞いたことがある。

 どの人にも共通していたのは、いわば昔話として淡々と語られていたことだ。
 いずれについてもぼくは唾棄すべきこととしてその場を外したことを覚えている。

 外交決着とは別に

 性犯罪やそれに関わることが偶発的なことではなく、
 特定の体制の中で起こるとき、それはその同胞にいやしがたい傷を残す。

 最近の日韓合意。
 今日の新聞で「10億円 少女像の撤去が前提」の報。
 どちらかといえば、韓国政府に負担が大きく、今後の成り行きはわからない。

        

 いずれにしても、外交上の処理とは別に、ぼくらは慰安婦問題を含む植民地支配のことは忘れるべきではなかろう。
 「子や孫の代までひきずっては・・・」と言った安部首相。

 ぼくは二度と繰り返してはならないこととして、この事実は子や孫の代まで伝えなければならないと思うのだが。
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映画「お早よう」から

2015年12月28日 | 日々
 BSで放映された「お早よう」(1959年)。

 これも小津安二郎監督の作品だ。

 テレビのない家庭の二人兄弟。

 近所のテレビをみに行くと母親がおこる。

     

「テレビを買ってよ」
「だめ」

 とうとう兄弟は「食べない、口をきかない」というストライキ。

 あれこれのすえ、ついにテレビを買ってもらうことに。

     

 ごくありふれた日常生活のひとこま。

それをドラマに結実させるという手法はすごい。

 それにしても、この時代、テレビ、洗濯機、冷蔵庫・・・
 まだその一部がごく少数の家庭に入り込み始めたにすぎない。

     

 そういえばぼくの子どもの頃、夏休みの日課。
 冷蔵庫に入れる氷一貫目を自転車で買いに行かされたのはいつまでだったろう。
 
 その後の冷蔵庫があえて「電気冷蔵庫」と呼ばれた一時期があった。
 思えばなつかしい。

     

 そんな大海のような潜在需要があった時代に躍進した東芝やシャープ・・・。

 時代の移り変わりを如実に示したかのこの一年。
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アジのライズを待ったが

2015年12月25日 | 
 さて、先日高校生に教えられたとおりの場所へ。

 夕刻のライズを待つ。

 となりには夜のガシラねらいのおじさん、いっしょにアジング。

 暗くなったころ、このおじさんにアジ。
 20cmはあろうかという良型。

    

 いよいよ始まったか!と小型ミノーに付け替え。

 が、その後はさっぱり反応がない。
 ライズもまったくなし。

 そのうちにとっぷり・・・。

「状況は毎日同じではないんやから」と自らを納得させる。

 やむなく港の常夜灯のある場所へ。

    

 アジは前回なみにはポツポツ。

 しかし、足元。
 先日はいっぱいいた透明の稚魚が今夜は1匹も。

 ライズが起きなかったのはこのことと関係があるのか?

 というわけで不発。

 陽はまた昇る。

    
   ( ジグ・ヘッドを丸飲み、なかなか口を開けてくれないアジ君 )
 
 本日 ア ジ 13匹(12~18cm)
     メバル  1匹(14cm) 
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古いアルバムを開き

2015年12月23日 | 日々
 買い替えたプリンター。
 安物ながら、スキャナーがついている。

 今のプリンター、これが標準なのか?

 四苦八苦しながら写真をスキャン。
 やっとのことでパソコンに転送できた。

 これを機会にアルバムを整理しようと思い立った。

 写真アルバムはたくさんあるが、まず見ることがない。

 重たい、ブ厚い。
 それにホコリをまず落さなければ・・・といった面倒くささから。

 幼少期のアルバム。

     

 ぼくの小さかった頃、カメラ、いや写真機と呼んだそれはぜいたく品。
 写真を撮るには写真屋に来てもらわなければならなかった。

 それでもよくぞ両親は写真を残してくれていたものとしみじみ。

 他方、高校時代の頃からはカメラがずいぶん身近になった。

 たくさんの写真。

     

 今から見ると、ピントのズレ、足切れ、傾き・・・。
 いやはや満足できるものは少ない。

 中には、これはどこで、いつ撮ったのか?という写真も多い。

 そんなわけでスキャンしつつも大半を処分。

 が、古い写真は呼び起こしてくれる。
 幼かった、あるいは若かったあの頃、そして友たちの記憶。

 思えば長い月日を歩んできたもの。
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ミノーでアジング 傾聴

2015年12月21日 | 
 到着は16時30分。
 若狭の空はまだ明るい。

 港の先端でアジング開始。
 のりはしないがすぐあたり、これはいける!

 アジにしては何か重々しい手ごたえ。
 上がってきたのはメバル。

   

 いよいよメバル君のお出まし。

 桟橋にほかのグループが来たので移動。

 次の釣り場。

   

 高校生がいる。

「こんばんは、釣れました?」と尋ねると
「釣れましたけど、もう今は釣れなくなりました。」

 丸坊主頭で礼儀正しい、いかにも純朴そうな高校生だ。

 釣ったアジを見せてくれた。

   

 オッ!豆アジではない。
 測らせてもらうと18cmもある。

 ぼくがこのあたりで釣る豆アジとは少し違う。

「どうやって?」と尋ねると
「夕方、暗くなる直前、アジのライズが活発になったんです。
 これはイワシの子を食べている!とミノーに換えたんです。
 するとガンガンきたんです」と。 

 ミノーを見せてもらうと、本体が4cm、リップを含めると6cmの小型。

   

 ぼくは今までミノーではアジを釣ったことがない。
 アジのライズの中に投げ込んでも釣れなかった。
 ミノーに食いつくのはかなり大型のアジでは?と感じていた。

 やはりライズで食べているそのときのエサの種類によるのかもしれない。

 うーん、傾聴、傾聴。
 
 この高校生、「もう列車の時間なので帰ります」と自転車にまたがった。
 聞くと、近くの駅まで自転車で走り、そこから電車だという。
 車やバイクがないのはつらいね。
「さよなら、気をつけて」
「さよなら」

 後姿を見送りつつ、無灯火自転車やけど大丈夫かいな、と心配。

 さわやかな気分になりながら、ぼくの方はさらに釣りを楽しんだ次第。

   

 本日 メバル  3匹(14~15cm)
     ア ジ 12匹(12~15cm)
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古座川 上流のメッキをねらったが

2015年12月13日 | 
 またまた郷里 串本へ。

 今日は古座川へメッキ釣りに。

 以前から聞いていたが、メッキは河口から何キロも上がるという。

 いったいどのあたりまで?
 という疑問に自ら答えを出すべく古座川上流へ。
 
 15時、少し早いが開始。

 間もなく竿がしなる。
「ン、重い・・・けど・・・?」

 ムニュムニュした引き。

 上がってきたのは



 ウグイ君、28㎝。

 次いで再び!



 なんと、立派な32cm!

 16時30分、もう最高の時間帯に入るはず・・・。

 が、ウグイ君ばかり。

 16時50分、くたびれはてて断念。
 敗北の調査釣行となった。

 夜は串本港でアジング。

 が、釣れたのは



 外道のハタンポ。
 今年の串本港はこれがわいているそうな。

 最後に重くしなった竿先。
「アッ!神田さんに大きいのが!」
 と釣友 宇田さんが叫ぶ。 



 意外にもマゴチ。

 今日はメッキもアジも顔を見ずの日。

 本日 ウグイ 7匹(23~32cm)
     マゴチ 1匹  
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タクシー運転手の嘆き

2015年12月09日 | 日々
 久しぶりにタクシーに。

 個人タクシーだが、乗ったとたんにタバコの臭い。

 しみついたようないやな臭い。

 それはともかく、走りながら運転手と雑談。

「最近はタクシーに乗る人もめっきり少のうなりました。
 終電車が出てからタクシーに乗る人もいまへん。
 みんな終電車までに帰らはりますわ。

 大阪方面やったら奥さんが車で迎えに来ます。
 その方が安うつきますから。」

(ほう、そんなものか)

  
   ( タクシー乗り場の風景 本文とは関係ありません )

「乗り逃げにはまいりますわ。
 マンションの前で降りて『ちょっとお金をとってくるわ』。
 それっきり帰ってきません。
 座席に残された紙袋、中身は石と新聞。
 女の人に多いんです。」

(マンションに設置のカメラで確認しては?)

「そんなことやってたら仕事になりまへんわ。
 少額のお金で手間ヒマかけられへんです。」

(もっともなこと)

 話はカードのことに。
「私の車、もうカードの機械は外しました。
 不良のカード、もう7回もやられましてん。
 大手のタクシー会社はカード情報、毎日更新してます。
 でも私ら個人タクシーでは、そないしょっちゅうでけへんのですわ。」

 ひとしきりまくしたてたうえでこう言った。

「人を信用でけん、これほど情けないことはありまへん」と。

 いや、この言葉、本当に重い。

 そういえば、タクシーが偽札をつかまされたとか、強盗とかよく聞く話。
 この職業、性悪の最前線に立っているかにみえる。
 
 人を信用できる社会。
 それへの願望はもちろんとしても、現実はスキを見せればダマされるということか。

 こんな納得をしなければならんとは、世の中、確かに「情けない」。

 言いそびれてしもた。
「車内は禁煙にした方がエエんやない?」と

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旧友との再会

2015年12月05日 | 日々
 久しぶりの大阪で同窓会。

 さすが水都大阪。

      

 水のある風景。
 こういうのは京都にない。

 食堂街を歩いているとカレー屋。

      

 「上等カレー」という名前が大阪的でいいね。

 さて、最近、同窓会が重なる。

 久々に会うと、健康、家族、墓のことなどは話題は多彩。
 が、各人の身辺にはいろいろな変化が。

 そういえば、先日会った友の言葉が気になる。

 認知症になってしまった父親。
 車は危ない!と運転を断念させたら次は自転車で動き回る。
 体はことのほか元気なのだ。

「それは危ないね、事故にでもあったら・・・」と言うと
「もうエエねん、どうなろうと」という投げやりな返事。

 よく尋ねると、親を見守る旧友夫婦も疲れ果てているとのこと。

 投げやりになるのもわかる。

 でも、親が逝って「ホッ」とするような情況。
 許されぬ感情とはいえ、厳しい現実は多そうだ。

 その日々の「戦争」のような状況が後々にまで残すであろう傷。

 生き残った者たちをさいなむとすればそれはあまりにも痛々しい。
 
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串本港 アジング二日目

2015年12月02日 | 
 串本で用事を済ませるともう夕方。

 今日はヒラメをあきらめメッキ。

 けれども釣り場に着くともう日没前。

 1投目でヒット。

     

 が、これ以降は「フッ」とかすれるようなメッキの気配のみ。

 メッキは群れでルアーを襲うとき、集団でルアーにまとわりつくことが多い。

 そのときに手元に伝わってくる「フッ」というかすかな重み。
 水圧がかかっているのだろう。

 普通はこのあとにグンとのることが多いのだが・・・。

 今日はこれだけで暮れてしまった。

 昨夜に続き、夜の串本港。

     

 今夜はサビキ師が占領。

 今夜も会った釣友 宇野さん。
「神田さん、ボク、しばらくアジングやめときます。」
「エッ、なんで?」
「ここ最近、ひと晩がんばっても数匹ではねえ・・・」

 やっぱりダメなのか。

 ともかく開始。

 間もなく、海面でワームを流しているとグンと重み。

     

 アジではなくセイゴではないか!

 その後、やっとアジ。

     

 が、今夜はいまひとつ。

 波止の外をキャロで遠投したが、これも1匹にとどまった。

 ま、いろんな日があるか。

 本日 ア ジ 2匹(18~19cm)
     セイゴ 1匹(23cm)
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串本 久々にアジの顔

2015年12月01日 | 
 郷里 串本へ。

 夕刻、用事を終えて砂浜へヒラメねらいに。
 ベスト・タイムの日没時。

 が、反応なし。
 ミノーがむなしく足元に戻るだけ。

 今日はボラのジャンプさえない沈黙。

 一息入れて夜の串本港でアジング。
 なぜか、今夜は誰もいない??

 早速きた!

     

 いやあ、うれしい。
 アジの顔を見るのは久しぶり。

 続いて ン?

     

 これはムツ君。
 針山のような歯もするどく。

 いやはや、数は多くないものの、久々の手ごたえ。

 サビキ釣り師もアジング師もいなかったからか?

 本日 アジ 7匹(17~19cm)
     ムツ 2匹(18~20cm) 
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