稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

桐島聡の死 聞いてみたかった胸の内

2024年01月29日 | 日々
 「本名は桐島聡」と名乗った男が死亡した。

 警察はまだ調査中とのことだが、おそらく桐島に間違いなかろう。

 桐島の顔はぼくもよく覚えている。

 交番などあちこちに指名手配の顔写真が貼られていたからだ。

 驚くのは、桐島が長期にわたり「内田洋」の名前で公然と働いていたことだ。

 人の風貌というものは、年月がたつと気づかれにくくなるようだ。

 彼がかつて所属していた「東アジア反日武装戦線」。

 主にアジアに進出する企業へのテロを起こした集団で、
彼らの活動によって多くの死傷者を出している。

 「何の罪もない人々を・・・」
というのが普通の人々の気持ちだが、彼らにとってはそうではない。

 彼らは「爆死し、あるいは負傷した者は無関係の一般市民ではない。植民者である」
(三菱重工爆破後の犯行声明)と。

 つまり社員たちも共犯者だとして、そのテロを正当化したのだ。
 (のちには裁判などで彼らは謝罪に転じたそうだが。)

 いずれにしても、彼らの思想と活動は短絡的で稚拙という印象をぬぐえない。

       

 「最期は本名で迎えたい」との桐島の述懐。

 これは桐島が死期の近いことを悟ってのものだろう。

 それは「逃げ切った」ことへの安堵の気持ちなのか?

 他方では、爆弾で死なせたり深刻なケガを負わせた人々に対する桐島の胸の内はどうだったのだろう。

 まさか、あの当時の考えのままではあるまい。

 未熟で流動的な青年期の考え方は、歳月とともに変わりうるとぼくは信じるからだ。

 桐島が悔いているなら、せめて真剣に謝罪の言葉を述べてほしかったところだ。

 桐島の胸の内をぜひ聞いてみたかったところだが・・・。 
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