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寒い国から帰ったスパイ


監督 マーティン・リット
出演 リチャード・バートン、クレア・ブルーム、オスカー・ウェルナー

 ジョン・ル・カレの原作は読んでないが、この映画もなかなか面白かった。東西冷戦時代のベルリン。もちろんベルリンの壁はまだあった。そのベルリンの西側に駐留する英国情報部のリーマス。最近仕事をよくしくじる。今日も、連絡員を射殺された。どうも東側におる元ナチの大物スパイ、ムントがワザしているようだ。
 リーマスは情報部をクビになり、図書館でアルバイト。そこの司書の女で共産党員とねんごろになったりするが、自堕落な生活をおくり酒びたりのアル中。あげくは食料品店のオヤジをぶん殴って刑務所送りに。出所した彼に妙な団体が接触してくる。
 全篇にわたって軽い緊張感が漂っている。桂枝雀師匠なら「緊張と緩和」で大爆笑なのだが、この映画は「緊張」はあるが「緩和」はないので大爆笑はない。だいたいが、リーマスのやってることが、その業務の性質上、どれがホンマでどれがウソかよく判らん。敵をあざむき味方もあざむくため、全部ウソかもしれん。あるいはリーマスは見たとおりの男で、全部ホンマかも知れん。
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