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虎屋火事

「にいさん、ちょっと聞いておくんなさい」
「なんやおトラはんかいな」
「きょうというきょうはもう別れよ思うてまんねん」
「どうしたんや」
「ええ調子でなげてたんや」
「ほう」
「158キロも出して投げてたんや」
「ええやんか」
「ところがウメノがバンド処理で悪送球」
「ま、あいつも若いからな」
「でタイムリー、四球四球、タイムリーでアッという間に5点」
「あかんな5点もとられたら、はよ別れ」
「そやけどアテ好きで応援してんねんから」
「どないすんねん」
「どうしましょ」
「ほな、こうせい。昔、モロコシにアンコクジダイのトラゆうエライ学者の先生がおったんや。その先生、毎年毎年最下位や。けどファンはついてった」
「はい」
「おまはんも思い切って今年はずっと最下位を通してみい」
「そんなんイヤやわ」
「それが試しやんか。これでついてくるようやったらほんまもんのファンや」
「ほな、さっそく今日から負けますわ」
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