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ビアンカ・オーバースタディ


 筒井康隆         角川書店

 なんでも筒井の初めてのラノベだそうだ。ラノベは初めてだそうだが、ジュビナイルなら筒井は「時をかける少女」をはじめいろいろ書いている。ラノベとジュビナイルはどう違うのか知らんが。
 この小説、ま、ひとことでいうのなら、マッド・サイエンティストものという方が正鵠を射ているだろう。マッド・サイエンティスというと、血走った目をして白髪白ヒゲで白衣を着た狂気の老人というのが、一般的なマッド・サイエンティス像だが、この小説の場合は違う。高校生の美少女なのだ。
 ビアンカ北町はこの高校で一番の美少女。いつも男子の視線を集めている。短いスカートで階段を登る。下からのぞかれたってへっちゃら。
 ビアンカの部活は生物部。部員はビアンカと先輩の千原の二人だけ。ウニを受精させて観察してるがウニじゃもの足りん。人間のをやりたい。で、目をつけたのは後輩の塩崎。ビアンカが何か頼んで断れる男子はいない。ビアンカは塩崎のあそこを刺激して精子を出させて採取。
 ところで先輩千原は実は未来人。未来は巨大カマキリが大量発生して人類の危機。千原はカマキリ退治用の天敵にすべくアフリカツメガエルの採集に、現代にやって来ていたのだ。
 このアフリカツメガエルの卵子に塩崎の精子や、生物部顧問のシュワちゃんこと工藤教諭の精子を受精させてつくった、塩崎カエルやシュワちゃんカエルを持って、ビアンカ、塩崎、「学校一の美女」沼田耀子、ビアンカの妹中学一かわいいロッサたちはカマキリ退治に未来へととぶ。
 と、まあ、こんな話だが、エロっちゃエロだが、読んでいてビアンカの美少女っぷりよりも、カエルと人間のあいの子をつくろうという、マッドサイエンティストっぷりの方に目がいった。

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