雫石鉄也の
とつぜんブログ
ジェネラル・ルージュの凱旋
監督 中村義洋
出演 竹内結子、阿部寛、堺雅人、羽田美智子、高嶋政伸、野際陽子、國村隼
小生、胃潰瘍が持病。胃に穴を開け大量の出血をして、救急車で病院に搬送されたこともある。救急外来で一晩すごしたことも何度かある。
救急外来には実に様々な患者が来る。それもひっきりなしに。目薬がきれただけという人から、交通事故で生きているのか死んでいるのか判らない人まで。
これが近くで大惨事、例えばJRの福知山線脱線事故のような大規模な事故が起きれば近隣の病院は、戦場のような様相になるだろう。そして、その場の医師は、そこに横たわる血まみれの患者を必ず助けようとするだろう。この人の命を救う。何よりもそれを優先するだろう。
「救命救急センター長の速見は医療機器メーカー、メディカルアーツと癒着している。看護師長の花房も共犯だ」
という密告文が、東城大学付属病院倫理委員会委員長田口公子に届く。速見は「ジェネラル・ルージュ」「血まみれ将軍」と呼ばれる、救急医療の天才。10年前のデパート火災の時は、水際立った陣頭指揮で大勢の患者を病院に受け入れ、救った。
速見との癒着が疑われる医療機器メーカーの営業マン磯部が病院内で転落死する。そして倫理委員会が開かれる。委員長は田口。副委員長は精神科の沼田。映画の中でいわれていたが、病院のドル箱は精神科。設備投資がいらず薬をじゃんじゃん出せる。それに比べて救命救急は治療費の取りっぱっぐれが多い。病院の運営にはお金が要るのだ。速見は搬送されてくる患者を必ず受け入れる。患者のタライ回しは絶対にしない。
はたして、速見は本当にメディカルアーツと癒着して私腹を肥やしているのか。磯辺の死は自殺か他殺か。
原作では田口は男性だが映画では女性になっている。どうかなと思ったが竹内はうまくやっていた。ほんわか、フワフワした竹内の演技が、緊迫した救命救急のシーンのアクセントとなって面白かった。
速見がいつもチュッパチャップスを口にしているが、これがラストの伏線となっている。また、「ジェネラル・ルージュ」は「血まみれ将軍」以外にももう一つ意味がある。速見のキャラが際立っていた。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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中村監督は『ゴールデン・スランバー』も面白かったことだし、見てみようかな、、、そういえば、堺雅人と竹内結子は『ゴールデン・スランバー』の主役とヒロインですね。
だからどうしたってわけではないですが。
なかなか良くできたエンターティメントに仕上がっていました。
竹内結子はうまいですね。だだきれいなだけではない女優さんです。この映画の竹内を見て、売れっ子なのが納得しました。
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