goo

鴨川ホルモー


万城目学    産業編集センター

 このブログの友好ブログであるブックレビューブログ「読みほす」の「まくら」さんが面白いからぜひ読むべしと勧めてくれた。読んだ。面白かった。さすが1日1冊のペースで本を読んでいるブックレビュアーの「まくら」さん。面白い本を勧めてくれたもんだ。
 京都、大学サークル、ポケモン。この三つのキーワードで三題話を作ったらこの長編になるのでは。
 物語の舞台は京都。登場人物は京大の学生。だから、清水寺とか金閣寺といった有名観光地ではなく、京大の学生さんが出没する土地がよく出てくる。百万遍とか烏丸丸太町とか三条木屋町の居酒屋とか。京都の学生街の雰囲気がよく出ていた。
 大学のサークル活動の話である。お話そのものは青春小説の定石を踏まえている。ウジウジと悩む内向的な主人公。主人公が想いを寄せる美女。主人公と行動をともにする親友。的確なアドバイスや的確でないアドバイスをくれつつもけっこう面倒見が良い先輩。優秀でイヤミで憎たらしいライバル。そして最初はそっけない優等生の女の子。この優等生の女の子はお約束どおり、メガネッ子。で、最初はパッとしないこのメガネの子がだんだん魅力的になって、最後には救いの女神になる。メガネを取るとかわいかった、というのも定石どおり。主人公の味方をするのは美女かメガネッ子かどっちかな。
 最後のキーワード。ポケモン。彼らが行うサークル活動は、もちろんテニスやスキーといったもんではない。ちょっと想像では考えられないサークル活動。タイトルの「ホルモー」をやるサークルである。焼肉屋でホルモン焼を食うサークルでもない。では「ホルモー」とは何か。ネタばれになるのでここではいわない。どうか本書をお読みください。絶対面白いから。「ポケモン」という言葉はヒントになる。もう少しヒントを。主人公の名前「安倍」もちろん突然辞任のKYのシンゾウ君ではない。もっと大昔の安倍さんである。その安倍さんのお仕事「陰陽道」に関係している。
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 10月11日(... 10月12日... »