のんちゃんのり弁

監督　緒方明
出演　小西真奈美、佐々木りお、岡田義範、村上淳、岸部一徳、倍賞美津子

　小巻は31歳。子持ち。亭主持ち。金なし。仕事なし。手に職なし。ただし、亭主は捨てる予定。この亭主、定職は無く、小説を書くといっているが、一行も書いてない。しかし、「ジャージの二人」にも小説を書くといっている男が出てくるが、小巻の亭主同様一行も書いてない。どうして映画に出てくるダメ男は、書かない／書けない、「小説を書く」男なんだろう。小生は、とりあえず定職に就いているし、小説も3行以上は書いている。この連中よりは、ちょっとぐらいはマシな男だと自分では思っている。
　で、小巻、いろいろ面接を受けるがダメ。水商売も経験するがダメ。ところが居酒屋で食べたサバの味噌煮に衝撃を受けて、自分のやるべきことが判る。娘ののり子に作るお弁当が幼稚園で好評で、料理は好きだった。居酒屋の主人に弟子入りを志願して、弁当屋になるべくがんばる。
　主役の小西がいきいきとしていて魅力的。好演熱演。ダメ亭主役の岡田相手に大立ち回りのアクションまで繰り広げる。
　この映画のフードスタイリストの飯島奈美さんの本は、小生も何冊か持っているが、飯島さんの料理は奇をてらわない料理で好感が持てる。この映画にも飯島さんの料理がいろいろ出てくる。それも、この映画の魅力である。