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恐怖の報酬


監督 アンリ・ジョルジュ・クルーゾー
出演 イブ・モンタン、シャルル・ヴァネル、フォルコ・ルリ、ペーター・ファン・アイク

 傑作サスペンス映画である。サスペンス、いうまでもなく、ハラハラ、ドキドキ、ヒヤヒヤ、どないなんねやろ、と観客に思わせて楽しませる映画である。
 いかにハラハラさせるか。設定が大切である。状況の設定、舞台の設定、人物の設定。これらの設定が下手であれば、まったくハラハラもドキドキもしない。ハラハラドキドキしないサスペンス映画ほど退屈なモノはない。
 その点、この映画は非常によくできている。これら諸設定を観客にわかりやすく知らしめなくてはならない。映画の前半で手際よくまとめている。
 南米と思われる荒野の町。いろんな所からくいつめ者たちが流れてくる吹き溜まりのような町。そんな町に耳寄りな話がもたらされる。
 500キロ離れた油田で火事。消火にニトログリセリンが必要。そのニトロをトラックで運ぶ運転手を募集。ニトロは微弱な衝撃で爆発。ものすごく危険な仕事である。報酬は2000ドル。大金である。求人は4人。食いつめ者たちが大勢石油会社におしかけるが、ほとんどの者が、あまりの危険な仕事に恐れをなす。
 無鉄砲な若者で望郷の念が強いマリオ。マリオと同じフランス人で大物風のジョー。肺の病で余命いくばくもないが陽気なルイージ。ナチスに迫害された過去を持つクールなプロのビンバ。
 この4人が2台のトラックに乗って危険な旅に出る。マリオはジョーと、ルイージはビンバと組む。
 行先にはでこぼこ道。方向転換できない狭い道。腐ってスポンジみたいな木の通路。道をふせぐ大岩。絶体絶命の困難が待ち受ける。極限の恐怖に4人の男たちの「地」がむき出しになる。さて、生き残るのはだれだ。
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