goo

ぎせい豆腐


 これギセイ豆腐です。犠牲豆腐ではありません。べつに豆腐が犠牲になって、あなたを助けてくれはしません。豆腐はそんなに人は良くありません。確かにカドがあるように見えて、その実やわらかく、人あたりはいいです。冬の寒い時は温かい湯豆腐に、夏の暑い時は冷奴になって、私たちをもてなしてくれます。しかし、豆腐のほとんどは水です。豆腐はああ見えて水くさいんです。親密さをよそおっていますが、ほんとは冷淡です。ですから、あなたがほんとうに困っていても、どたんばになって見捨てることでしょう。
 それはさておき、これ擬製豆腐と書きます。擬は擬態の擬です。昆虫が木の枝や花に化けることを擬態といいますね。あの擬態です。もどきという意味です。豆腐を崩して調理して、いろんな「もどき」にするわけですね。卵焼きもどきとか。
 さて調理にかかるとしましょう。豆腐はくずしてザルなどに入れ水切りをします。30分は水切りしましょう。
 中の具はにんじん、ごぼう、しめじを用意しました。にんじんとごぼうは下ゆでしておきましょう。まず、しめじを空炒りします。しめじは炒ると香りがたちます。ここに下ゆでしたにんじんとごぼうをいれ、塩と砂糖で味をととのえます。もちろんにんじんとごぼうは小さなサイの目に切っておきましょう。にんじんとごぼうをゴロンと長いまま入れたら食べにくいです。
 くずした豆腐をボールに入れてください。ここに調味した具、それに卵を一個いれて、ガーとかきまわしてください。
 これを卵焼き器に入れて加熱します。下側だけ固まります。えいやっとひっくり返してもいいですが、失敗すると悲惨です。それまでの苦労が水の泡です。弱火で7分ぐらい加熱するといいでしょう。あとは、そのままガスレンジ付属の魚焼きグリルに入れればいいです。あれだと上側が加熱されます。こうして上下固まればでき上がりです。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
« とつぜん対談... 石黒浩先生の... »
 
コメント
 
 
 
雫石さん ()
2015-10-17 19:10:04
タイトルから、戦う豆腐とか矛盾したイメージが浮かびました。凍った豆腐の角がぶつかるように、絶対零度の世界は、あらゆるものが戦う道具に変わってしまうものかも知れません。熱を上げよと、思いました。
 
 
 
うまい! (アブダビ)
2015-10-17 22:51:13
料理は未だ…ですが、
豆腐と人情の枕から、クッキング技法に流れてゆくのが楽しく読めました。
料理レシピの「文」を誉めても仕方ないかもしれませんが。
ふと思うのですけど、実は管理人さんのSFマガジン想い出帳を全部、読んでしまいまして。その時からふと…
筒井氏もそうですが、結構に落語好きでらっしゃいませんか?
どうも管理人さんが記事を執筆されるときのスタイルが、4枕(起承転結)でなく、3枕(序破急)な気がしました。
 
 
 
隆さん (雫石鉄也)
2015-10-18 05:02:15
絶対零度の世界なら、あらゆるものがこおって、戦う武器には困りませんが、みんなこうるのですから、そもそも戦いは起きないんじゃないですか。
 
 
 
アブダビさん (雫石鉄也)
2015-10-18 05:05:33
おおせのとおり、私は落語好きです。私、コレクションの趣味はありませんが、落語のコレクションはしてます。落語のDVDはけっこう持ってます。桂米朝師匠、桂枝雀師匠の主な噺はたいてい持っているのではないでしょうか。
 
 
 
下らぬ殺生してしまいました (アブダビ)
2016-08-09 04:17:38
ゲテモノ料理専門ブログの「ざざむし。」を紹介した事があります。あそこで「ドジョウ地獄鍋」の実演実験記事があったので、過日に真似をしてみました。
どぜう は知人から頂物。
このやり方は穴をあけた豆腐の周囲にドジョウを置いた器を冷水の上に浮かべ、熱湯を冷水に注いでドジョウを生殺しにしてゆくもの。
でも…焦って熱くし過ぎて、豆腐は暴れるドジョウでバラバラに…
結局、煮込んで食うハメになり、残酷な事をした意味がない…てか「ざざむし。」氏も言われてますが、普通に柳川鍋にする方が美味かった!
最近、ジビエの流行でE型肝炎が頻発してます。
野性鳥獣の生肉食が原因です。
生で食うとかする背景には「狩猟=料理の持っ残酷性」への変な期待があるのでは?
無益な殺生をしてしまった今は反省します。
やはり食べ物は普通に美味いのが一番!
 
コメントを投稿する
 
現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。