雫石鉄也の
とつぜんブログ
バーバー吉野
監督 荻上直子
出演 もたいまさこ、米田良、大川翔太、松村諒、宮尾真之介、桜井センリ
その町の男の子はみんな同じ髪型。山あいの小さな町。散髪屋は町に1軒。だから、男の子たちはみんな、その散髪屋「バーバー吉野」のおばちゃんに散髪してもらう。吉野のおばちゃんは男の子の頭を同じヘアースタイルにしかしない。ビートルズのマッシュルームカットのような髪型「吉野刈り」。学校も散髪は「バーバー吉野」でするようにとの指導。だからこの町の男の子は全員「吉野刈り」。
おばちゃんのお父さんも、お祖父さんもこの町で散髪屋をして、子供たちの頭を「吉野刈り」にしてきた。100年前から、男の子は「吉野刈り」さしたる理由はない。それが町の伝統。伝統は大切にしなくては。
こんな町に一人の転校生が都会からやってきた。茶髪の彼は「吉野刈り」にすることを断固拒否する。彼を中心に少年たちの心に変化が。
みずみずしい少年の成長の物語。大人の権威に押さえつけられていた少年たちは、その権威に疑問を抱き、反抗し成長していく。大人の、子供たち管理の象徴が「吉野刈り」で最高権力者が吉野のおばちゃんなのだ。
クラスのマドンナ的女の子の胸のふくらみが気になる。△△は××が好きやって、友だちが女の子が好きになることをはやし立てる。大人に分からないところにある「秘密基地」でエロ本を回し読み。男の子ならだれでも心当たりがあるエピソードを交えつつ、性に目覚め、そして「自由」を目指し成長する少年たち。鉄棒を股に挟んで滑り降りるシーンがある。こうして降りると気持ちいいよ。と、いっていたが、これなんか男の子がオナニーを覚えるきっかけを思わせる。
最後に、男の子たちが、全員口々に「本当いうと、ぼくも吉野刈りはイヤだったんだ」という。感動的なシーンだった。こうして少年たちは大人の呪縛をふり切って自由になっていく。そして大人になる。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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センセのストーリー解説が素晴らしすぎて、つい引き込まれてしまいました。
これレンタルで出てますかね?ちょっと探してこようかと思います。
もたいまさこって、このテの作品に欠かせないカンジがしますね。
この荻上直子監督は「かもめ食堂」「めがね」の監督さんです。ちょっと注目している女性監督です。
この「バーバー吉野」が1作めです。
もたいさんは3作とも出ていますね。小林聡美さん同様、荻上作品に欠かせない女優さんですね。
いつかの「アヒルと鴨のコインロッカー」を見つけたので借りて観ました♪すごくいい作品でした。ボブディランのCDを封印して、神様に見て見ぬふりをしてもらうという発想、胸がキュンとなりました。役者もいい味出てましたね。伊坂さんの原作も読んでみたくなりましたo(^-^)o
「アヒルと鴨のコインロッカー」いいでしょう。私は、観た後、ボブ・ディランを聞きたくなって、聞きました。
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