29日(月)。わが家に来てから今日で2787日目を迎え、タス通信によるとモスクワ市内で27日、ロシア軍参謀本部のセクレターレフ副部長の自動車が、ウクライナへの侵攻に反対する女性により放火された というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアにも反プーチン市民がいることが分かる 放火は良くないが放歌高唱ならOK?
昨日、東京芸術劇場コンサートホールで読売日響第249回日曜マチネーシリーズを聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」、メンデルスゾーン「交響曲第3番 イ短調 作品56 ”スコットランド” 」です 演奏は①のピアノ独奏=河村尚子、指揮=ユライ・ヴァルチュハです
ユライ・ヴァルチュハは1976年ブラチスラバ生まれ。2009年から16年までRAI国立管首席指揮者を、2017年からベルリン・コンツェルトハウス管の首席指揮者を務め、今年6月にヒューストン響の音楽監督に就任しました
コンサート仲間S氏から譲り受けた席は1階T列12番、最後列右通路側です
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは林雄介、その隣は長原幸太というダブルコンマス態勢を敷きます
1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1854年から1858年にかけて作曲、1859年1月22日にハノファーでブラームスのピアノ、ヨアヒムの指揮で初演されました 本作は ブラームスが最初に2台のピアノのためのソナタを書き、満足できなかったため、交響曲化を図り、さらにピアノ協奏曲化を図った作品です 第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります
ピアノ独奏の河村尚子はハノーファー国立音楽芸術大学在学中にミュンヘン国際コンクール第2位入賞、クララ・ハスキル国際コンクールで優勝しています 現在、ドイツのフォルクヴァンク芸術大学教授を務めています
ヴァルチュハの指揮で第1楽章が劇的な第1主題で開始されます 「マエストーソ」を意識した悠然としたテンポで音楽が進みます その後、河村のソロが静かに入ってきます この曲は「ピアノ序奏をもつ交響曲」とも言われていますが、まさに河村のピアノとオケが対等の立場でスケールの大きな演奏が展開します 第2楽章では、河村の瞑想的なピアノが印象的です 金子亜未のオーボエが華を添えます 第3楽章は冒頭から河村のピアノが軽快に演奏され、その後、オーケストラと絡みながら躍動感あふれる音楽が繰り広げられます 終盤のカデンツァはファンタジックそのもので、魅了されました そして、独奏ピアノとオーケストラとの重層的な演奏により力強いフィナーレを飾りました
満場の拍手に河村は、アンコールにブラームス「4つのピアノ小品 作品119」から第1曲「間奏曲 ロ短調」をしみじみと演奏、再び大きな拍手を浴びました
プログラム後半はメンデルスゾーン「交響曲第3番 イ短調 作品56 ”スコットランド” 」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809ー1847)が1830年に作曲開始(1842年改作・完成)、1842年3月3日にライプツィヒでメンデルスゾーンの指揮により初演されました メンデルスゾーンは1829年4月(20歳)、初めてイギリスを訪れ、ロンドン滞在後にスコットランドを旅行しました エディンバラにあるメアリー・スチュアートゆかりのホリルード宮殿脇の礼拝堂を見た時に、この曲の冒頭部分を着想したといいます しかし、本格的に作曲に取り組んだのは10年以上経った1841年夏で、1842年1月に完成しました 第1楽章「アンダンテ・コン・モート ~ アレグロ・ウン・ポーコ・アジタート ~ アッサイ・アニマート ~ アンダンテ・コメ・プリマ」、第2楽章「ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァチッシモ ~ アレグロ・マエストーソ・アッサイ」の4楽章から成ります この曲は全4楽章が続けて演奏されるのが特徴です。また、この曲は第3番となっていますが、これは出版順で、実質的に最後の交響曲です。メンデルスゾーンの交響曲は完成順に第1番、第5番、第4番、第2番、第3番となっています
ヴァルチュハの指揮で第1楽章に入ります 哀愁漂う曲想は悲劇の女王メアリー・スチュアートを念頭において書いたのでしょう 第2楽章は軽快なスケルツォです クラリネットの金子平、オーボエの金子亜未、フルートのフリスト・ドブリノヴの演奏が素晴らしい 第3楽章のアダージョはこの曲の白眉です 弦楽アンサンブルによる憂いを帯びた息の長いフレーズが美しく会場に響き渡ります 第4楽章は一転、勇壮で軽快な音楽が繰り広げられます。ここでも金子亜未のオーボエが冴え渡り、弦楽アンサンブルの渾身の演奏が光ります 全体を通して聴いてみて、ヴァルチュハという指揮者は、8月23日に読響を振ったマーラー「第9交響曲」の時と同様、どちらかと言うと「アダージョ」楽章の方が良いのではないか、と思いました ゆったりしたテンポによりじっくり聴かせます 読響は指揮者の意図をしっかり受け止め、真摯な演奏に徹していました