30日(月)。普段は吠えない犬が、クマに襲われた主人を助けるために吠えて撃退したというニュースがありました アベノミクスの要請で、企業はベアだ賞与だと負担を強いられています(私は賛成です)。中小企業の社長さんにとって、この犬はヒーローでしょうね。なにしろベアを押さえたのですから・・・・・・月曜の朝からワン・パターンですんまへん
閑話休題
先日、ギンレイホールで映画「小さいおうち」を観ました この映画は第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、山田洋次監督が実写化した作品です 私はかなり前に文庫本で読んでいたのでストーリーはすんなりと入ってきました。ストーリーは
「健史(妻夫木聡)は時々親類のタキ(倍賞千恵子)の家に様子を見に行っていたが、タキは大学ノートに自叙伝を書いていた 映画はタキの自叙伝をなぞる形で進んでいく。昭和11年、山形の田舎から東京に出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れにある赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働くことになった そこには、玩具会社の重役を務める主人の雅樹(片岡孝太郎)と美しい妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな生活が続いていたが、ある日、主人の会社に入った藝大出の青年・板倉(吉岡秀隆)と出会った時子が、いつしか彼に魅かれていくことにタキは気づく 時子は板倉と密会を続けるようになるが、タキはそれが主人や子どもに知れたら大変なことになる、と思い、密会を止めさせようと決心する」
晩年のタキ役の倍賞千恵子さんを見ていて「さくらさん、ずい分、歳をとりましたねえ」と思わず叫びそうになりました。また、同じように、板倉役の吉岡秀隆を見て「満男君は変わらないねえ」と感心しました。山田ファミリー健在なり、ですね
若き日のタキを演じた黒木華さんは「小さいおうち」で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞したことは周知のことですね いかにも昭和10年代の日本の典型的なお手伝いさんといった雰囲気を出しています
中嶋京子さんのモデルにしたバージニア・リー・バートンの絵本「小さいおうち」(石井桃子訳)は、子どもたちが小さい頃によく読んであげた本です
ところで、私が映画を観て関心があるのは、どんな音楽が使われているか、ということです 板倉が平井家を訪ねてきて、居間で時子とレコードを聴くシーンで、板倉が「これはストコフスキーがノン・タクトで指揮をしている演奏です。指揮棒を持たないことをノン・タクトというのです」と言います その時レコードから流れていたのはチャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」でした 「ストコフスキーと言えばオーケストラの少女ですね。ご覧になりましたか?」と時子が言うと、板倉が「そう。少女はディアナ・ダーヴィンでした」と答えます。ディアナ・ダーヴィンはあの映画の中でモーツアルトの「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」の中の「アレルヤ」を軽やかに歌っています
山田監督は「男はつらいよ」シリーズでも、毎回、何らかのクラシック音楽を使っていました それぞれの映画での選曲にはセンスの良さを感じます