31日(木)。月末になったので、恒例により3月の3つの目標の実績についてご報告します ①クラシック・コンサート=20回、②映画=0、③読書=7冊でした。②についてはNetflxで「おくりびと」を観ましたが、映画館には全く行かなくなってしまいました
ということで、わが家に来てから今日で2637日目を迎え、米食品医薬品局(FDA)は29日、米製薬大手ファイザーと米モデルナの新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種について、50歳以上の人と免疫不全の人を対象に緊急使用を許可した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
免疫低下のため打たざるを得ないのは分かるけど いつまで打ち続ければいいんだ?
昨日は夕方5時からオペラ公演鑑賞のため、夕食づくりはお休みしました
昨夜、東京文化会館大ホールで東京春祭ワーグナー・シリーズvol.13 歌劇「ローエングリン」(演奏会形式)を聴きました 出演はローエングリン=ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー、エルザ=ヨハン二・フォン・オオストラム、テルラムント=エギルス・シリンス、オルトルート=アンナ・マリア・キウリ(エレーナ・ツィトコーワの代役)、ハインリヒ王=タレク・ナズミ、王の伝令=リヴュー・ホレンダー、ブラバントの貴族=大槻孝志、高梨英次郎、後藤春馬、狩野賢一、小姓=齋藤園子、藤井玲南、郷家暁子、小林紗季子。管弦楽=NHK交響楽団、合唱=東京オペラシンガーズ、指揮=マレク・ヤノフスキです
ヤノフスキは1939年ポーランド生まれなので今年満83歳です 2014年から17年まで春祭ワーグナー・シリーズ「ニーベルングの指環」全4部作を指揮し鮮烈な印象を残しました 2020年「トリスタンとイゾルデ」と2021年「パルジファル」を指揮する予定でしたが、新型コロナ禍のため中止となったため、今回は3年ぶりの待望の公演となります
「ローエングリン」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1846年から48年にかけて作曲、1850年にワイマルで初演された3幕11場から成るオペラです
物語の舞台は10世紀前半のブラバント王国。ハインリヒ王がハンガリーと戦うための仲間を集めるためにやってくる しかしブラバントには王がいないので貴族テルラムントに尋ねると、王女エルザが弟のゴットフリート王子を殺したと説明する 実はテルラムントは魔法使いの妻オルトルートにそそのかされて、自分がブラバントの王になろうと企んでいたのだった そこで、エルザとテルラムントのどちらが正しいのか神の前で決着することになる エルザは一人の騎士が現れて自分の代わりに戦ってくれると言う すると、白鳥に曳かれた小舟に乗って騎士が現れる🦢 騎士はエルザに、自分の名前を尋ねないように言い渡す。騎士はテルラムントを簡単に打ち負かしたためエルザが正しいことが証明され、騎士とエルザは結婚する 諦めきれないテルラムントとオルトルートはエルザに近づき、騎士との約束を破らせようと挑発する するとエルザにも結婚相手の騎士が誰なのか知りたい欲望が湧いてくる そして、ついにエルザは騎士に名前を尋ねてしまう そこへテルラムントが剣を持って襲い掛かってきたので騎士は彼を殺してしまう 騎士はエルザが約束を破ったので ここには居られないと言い、自分は神の聖なる盃を守る騎士ローエングリンだと名乗る 皆が驚く中、オルトルートはまんまとエルザに約束を破らせたと言って喜ぶ 迎えに来た白鳥を見て、ローエングリンはその白鳥がオルトルートの魔法によって姿を変えられたゴットフリート王子だと悟る ローエングリンが祈りを捧げると白鳥はゴットフリートの姿に戻る オルトルートは悲鳴を上げ倒れ伏す。ローエングリンは聖地モンサルヴァートへと去っていく。王子が戻ったことを皆で喜ぶが、エルザだけは深い悲しみに沈むのだった
自席は1階R7列1番、右サイドの左通路側です 会場は3列目までが新型コロナ感染拡大対策として空席になっています。全体を見渡してみると、9割近くは埋まっているようです
拍手の中、N響の面々が入場し配置に着き、合唱団がその後方にスタンバイします オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後方にコントラバスという通常配置。コンマスは白井圭です
演奏会形式のため、舞台上には 指揮台の左右にそれぞれ3本の譜面台が置かれていて、歌手は出番になると上手から、あるいは下手から登場して歌います
しっかりした足取りで指揮台に向かうヤノフスキの姿を見て感激しました 彼にはカリスマ性があります ヤノフスキの指揮で第1幕への前奏曲がヴァイオリンの弱音で開始されますが、その繊細で美しい演奏に背筋が寒くなるほどの感動を覚えました ヤノフスキの指揮姿はとても83歳とは思えない矍鑠たるもので、いつも通り 的確な指示を出し、メリハリのある音楽づくりに徹します
第2幕では、冒頭のチェロの重低音がとても印象に残りました
第3幕では、ヤノフスキは拍手が鳴りやまないうちにタクトを降りおろし、輝かしい前奏曲を開始しました
ローエングリンを歌ったヴィンセント・ヴォルフシュタイナーは恵まれた体型を生かして歌う輝くテノールで、歌唱にまったく無理がありません
エルザを歌ったヨハン二・フォン・オオストラムは美しくも強靭な歌唱力の持ち主で、オーケストラの強音を突き抜けて声が届きます
テルラムントを歌ったエギルス・シリンスは声が良く通るバリトンです
オルトルートを歌ったアンナ・マリア・キウリは身体全体を使って歌う、演技力に優れたメゾ・ソプラノです
ハインリヒ王を歌ったタレク・ナズミは深みのあるバスで、威厳があり存在感が抜群でした
王の伝令を歌ったリヴュー・ホレンダーは力強い歌唱が印象的なバスです
東京オペラシンガーズの合唱は迫力がありました
特筆すべきはヤノフスキ指揮NHK交響楽団の演奏です 渾身の弦楽器、輝く金管楽器、よく歌う木管楽器が総力を挙げての熱演を展開しました オケの本体とは別に、時として舞台裏や舞台袖に配置されるトランペットの「バンダ」が、立体的な音響効果に貢献していました
指揮者、オーケストラ、歌手陣、合唱団の全てが実力を発揮した凄い演奏でした 3年待った甲斐がありました 3月末にして「今年のマイベスト1」最有力候補が現れた感があります