人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭ワーグナー・シリーズで歌劇「ローエングリン」(演奏会形式)を聴く ~ マレク・ヤノフスキ指揮NHK交響楽団:早くも今年の「マイベスト1」候補入り

2022年03月31日 07時17分09秒 | 日記

31日(木)。月末になったので、恒例により3月の3つの目標の実績についてご報告します ①クラシック・コンサート=20回、②映画=0、③読書=7冊でした。②についてはNetflxで「おくりびと」を観ましたが、映画館には全く行かなくなってしまいました

ということで、わが家に来てから今日で2637日目を迎え、米食品医薬品局(FDA)は29日、米製薬大手ファイザーと米モデルナの新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種について、50歳以上の人と免疫不全の人を対象に緊急使用を許可した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     免疫低下のため打たざるを得ないのは分かるけど いつまで打ち続ければいいんだ?

 

  昨日は夕方5時からオペラ公演鑑賞のため、夕食づくりはお休みしました  

 

         

 

昨夜、東京文化会館大ホールで東京春祭ワーグナー・シリーズvol.13 歌劇「ローエングリン」(演奏会形式)を聴きました 出演はローエングリン=ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー、エルザ=ヨハン二・フォン・オオストラム、テルラムント=エギルス・シリンス、オルトルート=アンナ・マリア・キウリ(エレーナ・ツィトコーワの代役)、ハインリヒ王=タレク・ナズミ、王の伝令=リヴュー・ホレンダー、ブラバントの貴族=大槻孝志、高梨英次郎、後藤春馬、狩野賢一、小姓=齋藤園子、藤井玲南、郷家暁子、小林紗季子。管弦楽=NHK交響楽団、合唱=東京オペラシンガーズ、指揮=マレク・ヤノフスキです

ヤノフスキは1939年ポーランド生まれなので今年満83歳です 2014年から17年まで春祭ワーグナー・シリーズ「ニーベルングの指環」全4部作を指揮し鮮烈な印象を残しました 2020年「トリスタンとイゾルデ」と2021年「パルジファル」を指揮する予定でしたが、新型コロナ禍のため中止となったため、今回は3年ぶりの待望の公演となります

 

     

 

「ローエングリン」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1846年から48年にかけて作曲、1850年にワイマルで初演された3幕11場から成るオペラです

物語の舞台は10世紀前半のブラバント王国。ハインリヒ王がハンガリーと戦うための仲間を集めるためにやってくる しかしブラバントには王がいないので貴族テルラムントに尋ねると、王女エルザが弟のゴットフリート王子を殺したと説明する 実はテルラムントは魔法使いの妻オルトルートにそそのかされて、自分がブラバントの王になろうと企んでいたのだった そこで、エルザとテルラムントのどちらが正しいのか神の前で決着することになる エルザは一人の騎士が現れて自分の代わりに戦ってくれると言う すると、白鳥に曳かれた小舟に乗って騎士が現れる🦢 騎士はエルザに、自分の名前を尋ねないように言い渡す。騎士はテルラムントを簡単に打ち負かしたためエルザが正しいことが証明され、騎士とエルザは結婚する 諦めきれないテルラムントとオルトルートはエルザに近づき、騎士との約束を破らせようと挑発する するとエルザにも結婚相手の騎士が誰なのか知りたい欲望が湧いてくる そして、ついにエルザは騎士に名前を尋ねてしまう そこへテルラムントが剣を持って襲い掛かってきたので騎士は彼を殺してしまう 騎士はエルザが約束を破ったので ここには居られないと言い、自分は神の聖なる盃を守る騎士ローエングリンだと名乗る     皆が驚く中、オルトルートはまんまとエルザに約束を破らせたと言って喜ぶ 迎えに来た白鳥を見て、ローエングリンはその白鳥がオルトルートの魔法によって姿を変えられたゴットフリート王子だと悟る ローエングリンが祈りを捧げると白鳥はゴットフリートの姿に戻る オルトルートは悲鳴を上げ倒れ伏す。ローエングリンは聖地モンサルヴァートへと去っていく。王子が戻ったことを皆で喜ぶが、エルザだけは深い悲しみに沈むのだった

 

     

 

自席は1階R7列1番、右サイドの左通路側です 会場は3列目までが新型コロナ感染拡大対策として空席になっています。全体を見渡してみると、9割近くは埋まっているようです

拍手の中、N響の面々が入場し配置に着き、合唱団がその後方にスタンバイします オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後方にコントラバスという通常配置。コンマスは白井圭です

演奏会形式のため、舞台上には 指揮台の左右にそれぞれ3本の譜面台が置かれていて、歌手は出番になると上手から、あるいは下手から登場して歌います

しっかりした足取りで指揮台に向かうヤノフスキの姿を見て感激しました 彼にはカリスマ性があります ヤノフスキの指揮で第1幕への前奏曲がヴァイオリンの弱音で開始されますが、その繊細で美しい演奏に背筋が寒くなるほどの感動を覚えました ヤノフスキの指揮姿はとても83歳とは思えない矍鑠たるもので、いつも通り 的確な指示を出し、メリハリのある音楽づくりに徹します

第2幕では、冒頭のチェロの重低音がとても印象に残りました

第3幕では、ヤノフスキは拍手が鳴りやまないうちにタクトを降りおろし、輝かしい前奏曲を開始しました

ローエングリンを歌ったヴィンセント・ヴォルフシュタイナーは恵まれた体型を生かして歌う輝くテノールで、歌唱にまったく無理がありません

エルザを歌ったヨハン二・フォン・オオストラムは美しくも強靭な歌唱力の持ち主で、オーケストラの強音を突き抜けて声が届きます

テルラムントを歌ったエギルス・シリンスは声が良く通るバリトンです

オルトルートを歌ったアンナ・マリア・キウリは身体全体を使って歌う、演技力に優れたメゾ・ソプラノです

ハインリヒ王を歌ったタレク・ナズミは深みのあるバスで、威厳があり存在感が抜群でした

王の伝令を歌ったリヴュー・ホレンダーは力強い歌唱が印象的なバスです

東京オペラシンガーズの合唱は迫力がありました

特筆すべきはヤノフスキ指揮NHK交響楽団の演奏です 渾身の弦楽器、輝く金管楽器、よく歌う木管楽器が総力を挙げての熱演を展開しました オケの本体とは別に、時として舞台裏や舞台袖に配置されるトランペットの「バンダ」が、立体的な音響効果に貢献していました

指揮者、オーケストラ、歌手陣、合唱団の全てが実力を発揮した凄い演奏でした 3年待った甲斐がありました 3月末にして「今年のマイベスト1」最有力候補が現れた感があります

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

澤和樹著「教養として学んでおきたいクラシック音楽」を読む ~ これから本格的にクラシック音楽を聴いてみようと思う方に最適なガイドブック

2022年03月30日 07時19分38秒 | 日記

30日(水)。わが家に来てから今日で2636日目を迎え、米カリフォルニア州の連邦地裁判事は28日、米連邦議会議事堂の占拠事件に関連する判決の中で、トランプ前大統領が議会によるバイデン大統領の正式な選出手続きを不正に妨害しようとした可能性が高いとの見解を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプの犯罪性は明らかだ 次期大統領選に出馬できないように永久追放しないと

 

         

 

昨日、夕食に「筑前煮」「生野菜とモッツァレラチーズのサラダ」「もやしの味噌汁」を作りました 筑前煮は久しぶりに作りましたが、味がよく浸み込んで美味しく出来ました

 

     

 

         

 

澤和樹著「教養として学んでおきたいクラシック音楽」(マイナビ新書)を読み終わりました 澤和樹氏は1955年 和歌山県生まれ。1979年東京藝術大学大学院修了。ロン=ティボー、ヴィエニアフスキ、ミュンヘンなどの国際コンクールに入賞     1990年 澤クヮルテット結成。英国王立音楽院名誉教授。2016年4月より東京藝術大学学長を務める

 

    

 

本書はマイナビ新書の「教養として読んでおきたい」シリーズのクラシック音楽編です     タイトル通り、主にクラシック音楽入門者向けにクラシック音楽の美しさ、楽しさ、素晴らしさをヴァイオリニストで東京藝大学長である澤和樹氏が、演奏者としての経験や教育者としての考えに基づいて分かりやすく解説したものです

本書は次のような章立てで構成されています

第1章「クラシック音楽とは何か?」

第2章「おすすめクラシック音楽・名曲カタログ ~ バロック・古典派編 ~

第3章「クラシック音楽家として生きるということ」

第4章「おすすめクラシック音楽・名曲カタログ ~ ロマン派から近現代まで ~

第5章「演奏会に行ってみよう」

第6章「もっと聴こう、クラシック音楽」

第7章「これからもクラシック音楽は生き続ける」

まず、第1章では「クラシック音楽とは、長く大切にされてきた音楽」だと定義しています これほどシンプルで分かりやすい言葉はないでしょう。この章では「室内楽」についても触れています 少人数の弦楽器や管楽器で演奏される音楽を「室内楽」と呼んでいますが、「室内楽は室内で演奏する音楽という意味ではない」と注意を促しています ドイツ語で「カンマームジーク」、イタリア語で「ムジカ・ダ・カメラ」と呼ばれるこの音楽は、何となく部屋の中で演奏される音楽全般を指すと思われがちだが、それは間違いであり、「室内楽とは、あくまでも教会音楽に対して、主に王侯貴族の館で演奏される世俗の音楽を指す」と解説しています

また、「クラシック音楽は、王侯貴族から一般市民へ受け継がれた芸術である」が、その大きな転換を促したのはベートーヴェンだったと指摘しています ハイドンにしてもモーツアルトにしても、貴族からの庇護を受けていたので、貴族たちが好むような穏やかで快い音楽を作る傾向が強かったが、その反骨精神から、「食事をしながら聴くな、黙って俺の音楽を聴け」という強い音楽表現で作曲し、音楽家を芸術家という領域に引き上げたのがベートーヴェンだった、と解説しています

第2章ではバロック、古典派の作品から澤氏が推薦する曲を厳選して紹介していますが、彼がヴァイオリニストであることから、どうしても弦楽器に偏る傾向があります

バロックではJ.S.バッハの作品として「ブランデンブルク協奏曲」「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」「無伴奏チェロ組曲」「2つのヴァイオリンのための協奏曲」を推薦しています 人によっては、なぜ「マタイ受難曲」「ミサ曲ロ短調」あるいは一連の「カンタータ」が入っていないのか?と思われる人もいるでしょうが、そこは入門編ということで仕方ないと思います ヴィヴァルディの作品では「ヴァイオリン協奏曲集」より「四季」を推薦しています

古典派では、ヨーゼフ・ハイドンの作品として「弦楽四重奏曲 ニ短調 ”五度”」「同 ハ長調 ”皇帝”」「同 ニ長調 ”ラルゴ”」を推薦していますが、交響曲はありません

一方、モーツアルトの作品は多岐にわたります 「ピアノ協奏曲」では第20番、第21番、第23番、第27番を、「弦楽協奏曲」ではヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲を、「交響曲」では第25番、第35番、第36番、第39番、第40番、第41番を、「弦楽四重奏曲」では第14番~第19番(ハイドン・セット)を、「弦楽五重奏曲」では第3番、第4番を、「オペラ」ではフィガロの結婚、ドン・ジョヴァンニ、コジ・ファン・トゥッテ、魔笛を推薦しています その一方、ピアノソナタやヴァイオリンソナタはありません

ベートーヴェンの作品としては、交響曲(全9曲)、ピアノ協奏曲第4番、第5番、弦楽四重奏曲第7~第9番(ラズモフスキー)、第12番~第16番、ピアノソナタ第8番、第30番~第32番を推薦しています

ロマン派では、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、フランク、ビゼー、ドビュッシー、ラヴェル、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフが取り上げられており、それぞれの代表曲が紹介されています 興味のある方は本書を手に取ってご覧ください

第5章では、演奏会の選び方について 演目、形式(大規模、小規模など)、楽団、演奏者など、どのように選んだらよいかアドヴァイスが書かれています 「予習をしなくても大丈夫。しておくとさらに楽しい」と書かれていますが、まさにその通りで、いきなり聴くよりは、前もってCDなりで予習をしておくと楽しみが倍増します

また、コンサートでの拍手について、澤氏は次のように書いています

「交響曲のように複数の楽章からなる曲の場合は、楽章間での拍手はしないのが通例です 楽章ごとに拍手するのは、たとえるならばフランス料理のフルコースでスープが出たらお金を払い、魚料理が出たらお金を払い、肉料理が出たらまたお金を払う・・・というようなもの。お支払いは、最後のデザートまでゆっくり味わってからでよいのです

私が経験した中で一番多かった「曲の途中での拍手」はチャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」の第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の勇ましい音楽が終わった直後です 感激のあまり会場のあちこちから拍手が起こることが少なくありませんでした おそらくこの曲を初めて聴いた人の多くが拍手をしたのだと思いますが、演奏家の集中力を削ぐ恐れがあるので、あらかじめプログラムで4楽章あることを確認したうえで聴くようにした方がよいと思います しかし、指揮者の藤岡幸夫氏も主張しているように、演奏が良いと思ったら楽章間であろうがなかろうが拍手してもいいじゃないか、少なくとも恥ずかしいことではないと思います ただし、私はやりません。出来るだけ事前に予習をするし、あらかじめプログラム冊子を読んでおきますので

第7章で気になったのは、藝大の学長として身近に感じたこととして、「日本では芸術や音楽に対する関心が全体的に薄くなっているという傾向がある 大学で芸術を学ぼうとする若者が減ってきている。少子化で子どもや若者の絶対数が減っているという状況もあるが、志望する受験者の数はそれ以上の勢いで減少している」と指摘していることです。また、「芸術振興にかける予算は日本の国家予算全体のわずか0.1パーセントあまりにすぎず、教育設備を整えるにも、文化芸術を国内や海外に広める活動を行うにも不十分だ」という指摘も気になります

本書は明日、2022年3月31日をもって東京藝大学長を退任する澤和樹氏が、学長として最後の一般向けの仕事として残したクラシック音楽入門ガイドブックです とくにこれから本格的にクラシック音楽を聴いてみようと思う方を中心にお薦めします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京春祭「ショスタコーヴィチの室内楽」を聴く ~ 周防亮介 ✕ 上野通明 ✕ 北村朋幹 ✕ 鍵冨弦太郎 ✕ 田原綾子で「ピアノ五重奏曲」他 / フェスタサマーミューザ日程決まる

2022年03月29日 07時19分51秒 | 日記

29日(火)。桜が満開です 昨日 行きつけの整骨院の帰りに、近くの石神井川(北区滝野川)に行って写真を撮ってきました 川では鴨が泳いでいました

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2635日目を迎え、ベルリンの大統領官邸で27日、ウクライナとの連帯を示すための演奏会が開かれ、ベルリン在住の指揮者、沖澤のどかさんが、急病で降板した芸術監督のキリル・ぺトレンコさんに代わってベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     世界中の指揮者が のどか ら手が出るほど欲しい代役を掴んだ のどか さんでしたね    

 

         

 

昨日の夕食は、頂きものの「比内地鶏の炊き込みご飯」をメインに、「豚バラ肉とちぎり厚揚げの和風炒め」「生野菜とモッツァレラチーズのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 炊き込みご飯はおこげが出来ていてとても美味しかったです

 

     

     

 

         

 

毎年7~8月にミューザ川崎で開催されている「フェスタサマーミューザ」のラインアップが発表されました 在京オーケストラを中心に10楽団が参加するほか、例年通り音大オケも出演します。今年の特徴は大阪フィルが初参加することです 主なラインナップは以下の通りです

7月23日(土)15時開演 東京交響楽団「オープニングコンサート」(指揮:ジョナサン・ノット)ラヴェル「ラ・ヴァルス」、ストラヴィンスキー「エボニー協奏曲」他。

  24日(日)17時開演 「真夏のバッハⅦ」(パイプオルガン:ジャン=フィリップ・メルカールト)オール・バッハ・プログラム。

  26日(火)18時半開演 洗足学園音楽大学(指揮:秋山和慶)オール・ラヴェル・プログラム。バレエ付き。

  28日(木)15時開演 神奈川フィル(指揮:大植英次)ストラヴィンスキー「火の鳥」、バーンスタイン「キャンディード」他。

  29日(金)19時開演 読売日本交響楽団(指揮:井上道義)ブルックナー「交響曲第9番」、ハイドン「交響曲第45番”告別”」。

  30日(土)16時開演 NHK交響楽団(指揮:下野竜也)ベートーヴェン「交響曲第7番」、ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(三浦文彰)。

8月 2日(火)19時開演 東京都交響楽団(指揮:アラン・ギルバート)ラフマニノフ「交響的舞曲」、プロコフィエフ「交響曲第1番」他。

   3日(水)15時開演 新日本フィル(指揮:広上淳一)山本直純音楽特集(「和楽器と管弦楽のためのカプリチオ」他)。

   4日(木)19時開演 東京シティ・フィル(指揮:藤岡幸夫)レスピーギ「ローマの松」、コープランド「クラリネット協奏曲」(ストルツマン)。

   5日(金)19時開演 大阪フィル(指揮:尾高忠明)エルガー「交響曲第1番」、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」(ラシュコフスキー)他。

   7日(日)15時開演 東京フィル(指揮:ダン・エッティンガー)リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」(服部百音)他。

   9日(火)18時半開演 昭和音楽大学(指揮:田中祐子)ベルリオーズ「幻想交響曲」、フォーレ「ペレアスとメリザンド」より他。

  10日(水)15時開演 日本フィル(指揮:現田茂夫)ブラームス「交響曲第1番」、R.シュトラウス「4つの最後の歌」(森谷真理)他。

  11日(木)15時開演 東京交響楽団「フィナーレコンサート」(指揮:原田慶太楼)プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」組曲他。

チケットの発売は、①友の会先行(セット券)4月18日、②友の会先行(1回券)4月20日、③Web先行(セット・1回券)4月23日、④一般(セット・1回券)4月28日の各10時からとなっています 私は例年通りオーケストラセット券(全11公演)を取る予定です また音大オケ2公演と真夏のバッハも取ろうと思います

 

     

 

         

 

昨夜、東京文化会館小ホールで東京・春・音楽祭 参加公演「ショスタコーヴィチの室内楽」を聴きました     プログラムはショスタコーヴィチ①24の前奏曲作品34(ヴァイオリンとピアノ版)、②ピアノ三重奏曲第2番ホ短調作品67、③ピアノ五重奏曲ト短調作品57です    演奏はヴァイオリン=周防亮介、鍵冨弦太郎、ヴィオラ=田原綾子、チェロ=上野通明、ピアノ=北村朋幹です

自席はセンターブロック5列目右通路側です。会場はかなり入っています

1曲目は「24の前奏曲 作品34」(D.M.ツィガーノフ&I.アウエルバッハ編:ヴァイオリンとピアノ版)です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906‐1975)が1932年から翌33年にかけて作曲したピアノ独奏用の作品を、ヴァイオリンとピアノのデュオ用に編曲したものです 第1番から第24番までが長調 ⇒ 短調 ⇒ 長調 ⇒ 短調の順になっています

上下黒の衣装、ロングヘアがトレードマークの見た目ほとんど女性といった風情の周防亮介が、北村朋幹とともに登場、演奏に入ります 曲はロマン的な曲想あり、ショスタコーヴィチらしいアイロニカルな曲想あり、これがショスタコーヴィチ?という意外な曲想ありといった変化に富んだ曲が次々と現れます 怪人20面相ならぬ快人24面相のショスタコーヴィチの作品群です 周防 ✕ 北村は1曲ごとに変化する作品に対し、気持ちを切り替えて集中力に満ちた演奏を展開しました

2曲目は「ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 作品67」です この曲は1944年に作曲、音楽評論家でショスタコーヴィチの芸術の推進者でもあり親友でもあったI.ソレルチンスキーの追悼のために献呈されました 第1楽章「アンダンテ ~ モデラート ~ ポコ・ピウ・モッソ」、第2楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「アレグレット ~ アダージョ」の4楽章から成ります

周防、北村、上野の3人がスタンバイし、第1楽章に入ります 冒頭、弱音器を付けたチェロが最高音(ハーモニクス)で静かにレクイエムを奏でます チェロの低音部でなく高音部を鳴らすところはショスタコーヴィチらしいと思います モデラートに移ると3人の演奏に力が入ってきます 第2楽章は実質スケルツォですが、3人がお互いに煽り立てるようなアグレッシブな演奏を展開し、聴いている方も思わず前のめりになります。凄い演奏でした 第3楽章は一転、ヴァイオリンとチェロが哀悼を込めた悲愴な音楽を奏でます 切れ目なく続く第4楽章では、ヴァイオリンのピッツィカートに続き、ピアノが力強く演奏されます そして、周防と上野によるバトル的なアグレッシブな演奏を中心に、北村を交えた丁々発止のやり取りが展開し熱くなりますが、フィナーレはそれまでの喧騒がなかったかのように静かに曲を閉じます この辺もショスタコーヴィチらしいと思います

演奏を聴き終わって、この3人のアンサンブルは素晴らしいと思いました とりわけ周防と上野のコンビは息がピッタリです

 

     

 

プログラム後半はショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57」です    この曲は1940年に作曲、同年モスクワで初演されました 第1楽章「プレリュード」、第2楽章「フーガ」、第3楽章「スケルツォ」、第4楽章インテルメッツォ」、第5楽章「フィナーレ」の5楽章から成ります

第2ヴァイオリンに鍵冨弦太郎、ヴィオラに田原綾子が加わり5人で演奏に入ります 第1楽章は北村の力強いピアノ独奏から入ります 第2楽章にかけて内省的で瞑想的な曲想が続きますが、第3楽章に入ると一転、はじけるようなリズム中心の音楽が展開し、演奏者もノリノリです 第4楽章は上野のチェロのピッツィカートに乗せて演奏される周防のヴァイオリンが素晴らしかった 第5楽章は肩の力が抜けたような軽妙な曲想で、フィナーレも静かに終わります

演奏を聴き終わって真っ先に思ったのは、5人ともべらぼうに巧いということです 個々人の演奏能力が高いゆえに素晴らしいアンサンブルが可能になっていると言えます

「良い演奏」というのは、その作曲家や作品が増々好きになったり再評価したりするものです その点、この日の演奏はショスタコーヴィチの偉大さを再認識できた素晴らしい演奏でした

アンコールはショスタコーヴィチの「二人でお茶を」の編曲バージョンではないかと思います 粋な選曲、しゃれた演奏でした

下の写真はコンサート開演前に撮った夕暮れ時の上野公園の桜です 今まさに春爛漫です

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下野竜也 ✕ 音楽大学フェスティバルオーケストラでブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」、三善晃「祝典序曲」を聴く / 芸術と政治プロパガンダ ~ 日経「文化時評」から

2022年03月28日 07時00分26秒 | 日記

28日(月)。昨日の日経朝刊「文化時評」に同社編集委員・赤川省吾氏が「政治プロパガンダの甘美な調べ 待ち望まれるのは強権を支えるのではなく、倒す芸術」という見出しのもと 世界の音楽界を取り巻く状況について論評しています 超略すると次の通りです

「ロシアがウクライナの国土を踏みにじり、欧米ではクラシック音楽でもロシア排除が進む。やむを得ないだろう 政治と音楽が関係ないというのは詭弁に過ぎない 戦後欧州史を振り返れば、強権国家における芸術分野は常に政治プロパガンダと表裏一体だった 日本も覚悟を問われる。ミュンヘン市の名門オーケストラ、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めるロシアのワレリー・ゲルギエフは、『プーチンの仕掛けた残虐な侵略戦争を批判してほしい。そうでなければ契約を打ち切る』と市長から通告を受けたが、明確な返答をしなかったため解任された 仮に残留ならどうなっていたか。聴衆は総スカン。コンサートのたびにブーイングの嵐となっていただろう 欧州はオケや歌劇場を手厚く財政支援する。行政として侵略戦争を是認する音楽家は、誰であろうと税金で抱えることはできない 即時解任は当然の帰結だ。音楽が政治と無縁というのは幻想だ。強権国家で芸術家の地位が高くなれば権力に近づくことを、欧州は経験則として知っている。人事や予算を握るには、反体制派の弾圧など人権抑圧に目をつぶって体制の一部になるしかないからだ しかし、高い芸術性があってもプロパガンダに協力すれば、汚点は一生ついてまわる。ロシアのオケを欧州に招くのは難しい。興行収入は経済制裁の抜け穴になるからだ。欧州から遠い日本にこの緊張感はなかなか伝わらないが、今後は鈍感ではいられない。待ち望まれるのは強権を支えるのではなく、倒す芸術。1989年、チェコスロバキアの共産独裁を終わらせたビロード革命の主役は劇作家ハベルだった いまはロシアの民主化につながる、勇気ある芸術パワーに期待したい

日本と違い、欧州諸国ではオーケストラや歌劇場に対する経済支援が手厚いだけに、責任者としては納税者である国民から批判される前にリスク回避の行動を取らざるを得ないのだと思います それにしても「高い芸術性があってもプロパガンダに協力すれば、汚点は一生ついてまわる」という言葉は、ナチスを美化した映画監督リーフェンシュタールや、元ナチス党員だった指揮者カラヤンなどの歴史的事例があるだけに重みがあります

ということで、わが家に来てから今日で2634日目を迎え、ウクライナ侵攻で苦戦を強いられているロシアのルドスコイ第1参謀次長は侵攻開始からの1か月を総括し、ウクライナ軍の戦闘能力を弱体化したので、今後は親ロ派の支配地域を含む東部のドネツク、ルガンスク2州全域の「解放」に注力すると説明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     かつて日本軍が「後退」を「転進」と言い換えたレトリックをまんまと応用したな

 

         

 

昨日、「東京・春・音楽祭2022」主催者から東京春際ワーグナー・シリーズ「ローエングリン」の出演者変更お知らせメールが届きました それによると、3月30日と4月2日に東京文化会館大ホールで開催予定の「ローエングリン」のオルトルート役エレーナ・ツィトコーワ(メゾ・ソプラノ)は「本人の都合により出演が出来なくなり、代わってアンナ・マリア・キウリが出演することになった」としています 本番の3日前になって急きょ代役通知とはどうなっているのでしょうか それと、いつも気になるのは「本人の都合」とは何なのか、ということです その都度、契約ってなに?と言いたくなります

 

     

 

         

 

ヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」の映画のチケットを取りました 4月23日(土)13時から銀座ブロッサムホールで上映されます 1972年オットー・シェンクの演出による作品で、ロザリンデ=グンドゥラ・ヤノヴィッツほか、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏です

 

     

     

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「第11回  音楽大学フェスティバルオーケストラ」演奏会を聴きました プログラムは①三善晃「祝典序曲」、②ブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”」です 演奏は音楽大学フェスティバルオーケストラ(上野学園大学、国立音楽大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学、東京音楽大学、東京藝術大学、東邦音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学の選抜メンバー)、指揮=広島交響楽団音楽総監督の下野竜也です

弦は左から第1ヴァイオリン(15)、第2ヴァイオリン(14)、チェロ(10)、ヴィオラ(12)、コントラバス(8)という並び メンバーリストによると、コンミスは洗足学園の松本志絃音さんです 管楽器は1曲目と2曲目でメンバーが入れ替わるようです

 

     

 

1曲目は三善晃「祝典序曲」です この曲は三善晃(1933‐2013)が1970年の大阪万博に際して万博から委嘱されて作曲した作品で、同年3月14日の開会式で太陽の塔が立つお祭り広場で岩城宏之指揮NHK交響楽団により初演されました

下野の指揮で演奏に入りますが、西洋風の音楽と和風の音楽がミックスされたような曲想で、弦楽器も管楽器もパーカッションもリズム感に満ちたアグレッシブな演奏を展開しました

 

     

 

休憩なしで2曲目に入りますが、ステージの準備の合間に下野氏がマイクを持って登場しトークに入りました

「昨日、ミューザ川崎で同じ曲を演奏しました このフェスティバルはコロナ禍のため20年、21年の2年間中止になってしまいました 今回はコロナ感染拡大を防ぐため休憩なしのプログラムを組みました これから演奏するブルックナー『交響曲第4番』では朝比奈隆、ギュンター・ヴァントといった大巨匠を思い出します 若い指揮者がブルックナーを演奏するのはどうしたものか、といった議論があるかもしれませんが、若い頃からチャレンジすることは大事なことだと思います 一方、学生時代にブルックナーを演奏する機会もあまりないと思います ちなみに、舞台上の学生の皆さんで今回初めてブルックナーを演奏するという人は を挙げてください」と問いかけると、約半数の学生が を挙げました。これにはビックリしました

さて、準備が整ったのでブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”」(ハース版)の演奏に入ります この曲はアントン・ブルックナー(1824‐1896)が1874年に作曲(その後数度改訂)した作品です この日は、1878年と80年に改訂した楽譜をもとにロベルト・ハースによって校訂された「ハース版」によって演奏されます 第1楽章「躍動して、しかし速すぎずに」、第2楽章「アンダンテ・クアジ・アレグレット」、第3楽章「スケルツォ:運動的に」、第4楽章「躍動的に、しかし速すぎずに」の4楽章から成ります

弦楽器の微妙なトレモロに乗ってホルンが主題を奏でますが、このホルンが素晴らしかった ここで失敗するとズッコケますが、安定感抜群でした 第2楽章ではオーボエ、クラリネット、フルートといった木管楽器が素晴らしい演奏を展開していました 第3楽章ではホルン、トランペット、トロンボーンといった金管楽器が冴えわたりました 中間部のレントラー風の音楽では弦楽器と木管楽器のやり取りが楽しく聴けました 第4楽章では弦楽器群の渾身の演奏に、ホルンを中心とした金管楽器、木管楽器、打楽器が加わり、音の大伽藍を築き上げました

満場の拍手に、下野はセクションごとに学生たちを立たせ、スポットライトを当てました

下野氏の指揮を見ていて感じたのは、丁寧な音楽づくりです 短時間のうちに、よくもここまで学生の寄せ集めオケを仕上げたものだ、と驚きます 流石は「オーケストラ・ビルダー」と言われているのも伊達ではないと思いました

この日の演奏をもって大学を卒業していく学生も少なくないのではないかと想像しますが、進学先・就職先は決まっているのでしょうか? 他人事ながら心配になります 小さな親切、大きなお世話でしたね

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高関健 ✕ 東京シティ・フィルでマーラー「交響曲第9番 ニ長調」を聴く ~ 第350回定期演奏会 / 表現者の覚悟「書きたくないものは、書かない」 ~ 朝日・近藤康太郎氏のエッセイから

2022年03月27日 07時20分48秒 | 日記

27日(日)。昨日の朝日朝刊のコラム「多事奏論」に同社天草支局長の近藤康太郎氏が「表現者の覚悟『書きたくないものは、書かない』」という見出しのもと エッセイを寄せています 近藤氏は九州・天草で朝日新聞の天草支局長を務めながら、水田で米作りをしたり猟師をしたり他の新聞社の若手の指導をしたりしているユニークな新聞人です エッセイの後半部分で音楽について触れているので、その部分をご紹介します

「ウクライナ侵攻のあおりで、ロシア人芸術家が活動の場を狭められている 自国政権への態度を明確に示さないと、欧米などでは仕事を外される 大スターのソプラノ歌手アンナ・ネトレプコも、今季、米メトロポリタン歌劇場での仕事がキャンセルされた 鮮明に『反プーチン』を表明しないからだ。民間人も殺す陰惨な侵略で、劇場のこの対応には、多くの人が納得しているのかもしれない。ネトレプコは声明を出している。『第一にわたしはこの戦争に反対です。わたしはロシア人で祖国を愛していますが、ウクライナにも友人がいます 彼らの悲しみと被害に自分の胸もつぶれている』『それでも、わたしはもうひとつ、付け加えなければならないのです。アーティストに政治的な意見を表明するよう強制するのは、正しいことではありません』。平和は尊い。独裁は悪だ。あたりまえである。というか、だれも反対しようのない命題ではないか。しかし、なにかを言うこと、書くことを、強制されたくはない。たとえどんなに正しいことであっても、だ。それがアーティストの、表現者の、底の底にある気骨ではないか。言うべきことは、言いたいときに、言いたい表現形式で、言う

近藤氏のご指摘の通りです。それが「言論の自由」というものでしょう   もちろん、「言論の自由」とは「言いたいことを言う、書きたいことを書く」自由であるとともに、「言いたくないことは言わない、書きたくないことは書かない」自由でもあります しかし、その前提条件として「言論の自由」が保障されていなければなりません 今のロシアに言論の自由はあるのか  中国には  北朝鮮には  

ということで、わが家に来てから今日で2633日目を迎え、ロシア軍は25日、クリール諸島(北方領土と千島列島)で3千人以上が参加する軍事演習を開始したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ウクライナ問題で対ロシア制裁を課してる日本が気に食わないようだ  小心者だな

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィルの第350回定期演奏会を聴きました   プログラムはマーラー「交響曲第9番ニ長調」です    この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1909年から翌10年にかけて作曲、1912年にウィーンで初演されました 第1楽章「アンダンテ・コーモド」、第2楽章「穏やかなレントラーのテンポで、いくぶん歩くように、そして極めて粗野に」、第3楽章「ロンド ~ ブルレスケ:アレグロ・アッサイ、きわめて反抗的に」、第4楽章「アダージョ:非常にゆっくりと、抑えて」の4楽章から成ります

先日の定期演奏会の時に、定期会員で隣席のままははさんがチケットを譲ってくださったので(ままははさん、ありがとうございました)kiriokaさんをお誘いしました

開演20分前から指揮者・高関健氏によるプレトークがありました 「今回の定期演奏会は第350回だが、そのうち300回は指揮をしてきた マーラーの交響曲第9番を初めて聴いたのは1970年のバースタイン指揮ニューヨーク・フィルの来日公演で、当時中学3年だったが心の底から感動を覚え、さっそくスコアを買い求めて勉強したが、さっぱり分からなかった その後、バーンスタインやカラヤンの演奏を身近で聴く機会があり、2人の作品に対するアプローチ方法の違いを知ることができた 今回の演奏にあたっては、2人の演奏を(CD等で)聴かず、スコアだけを頼りに指揮を執ることにした 最新のスコア研究の成果を演奏に反映させるので、普段聴き慣れた曲想と違うように感じる箇所もあるかもしれない ご覧の通り、ステージ上には収音マイクが何本も立てられている。録音していずれ(CDで)皆さまにお届けできると思う というわけで、ケータイ等の電源を予め切っていただきたい」との話がありました

周囲を見回したkiriokaさん「男の人が多いんですね」。私は「マーラーやブルックナーの交響曲の時は男性客が圧倒的に多くなり、男性トイレに長蛇の列ができます その一方、反田恭平やかてぃんが出演する時は女性トイレに長蛇の列ができます」と答えました。プレトーク終了後、本番までの時間にはその言葉通り男子トイレに長蛇の列が出来ました 会場はいつもの定期演奏会よりも圧倒的に多い客入りです 高関健のマーラーですから当然です

 

     

 

拍手の中、楽団員が配置に着きます 弦は14型で左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置。コンマスは戸澤哲夫です

高関氏の指揮で演奏に入りますが、全体を通して弦楽器群の渾身の演奏に心打たれます 今回はとくに上手に位置した第2ヴァイオリンの活躍が目覚ましく、対抗配置にした意味が生かされていました フルートの竹山愛をはじめとする木管楽器愚群が素晴らしい演奏を展開、トロンボーン、トランペット、ホルン、チューバといった金管楽器群も厚みのある演奏を繰り広げていました また、ティンパニを中心とする打楽器群も迫力ある演奏を展開しました 第3楽章終了後、しばらく間を空けてから 気持ち新たに臨んだ第4楽章「アダージョ」では、弦楽器群の集中力に満ちた渾身の演奏が心に沁みました

ピアニッシモで演奏が終わり、しばしのしじまの後、満場の拍手とスタンディングオベーションが高関 ✕ シティ・フィルの面々に送られました   シティ・フィルは平均年齢が若いオケですが、一生懸命演奏する姿に応援したくなります このオケにはそういうファンが多いようです。素晴らしい演奏でした

 

     

 

久しぶりにKiriokaさんとお会いできたので、終演後 オペラシティ地下のブリティッシュ・パブで生ビールを飲んで歓談しました 腰痛のためお正月以降アルコールは控えていましたが、痛みも大分和らいできたので、この日解禁にしました ネトレプコのMET降板の話やら、N響や読響のコンサートの話やら、彼女の教えているピアノ教室の話やら、気が付いたら2時間以上も話し込んでいました 来月、オペレッタ「こうもり」の映画を観に行きましょうと約束してお別れしました。楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大友直人 ✕ 清水和音 ✕ 新日本フィルでモーツアルト「ピアノ協奏曲第24番」、ドヴォルザーク「交響曲第9番」他を聴く ~ 新日本フィル”扉”シリーズ

2022年03月26日 20時21分27秒 | 日記

26日(土)。わが家に来てから今日で2632日目を迎え、北朝鮮は24日、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射実験を行ったと朝鮮中央通信が25日報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ウクライナ危機のどさくさに紛れて またミサイル実験か 火星に向けて発射してよ

 

         

 

昨日、夕食に2週間に一度のローテ入りした「チキンステーキ」と「人参とピーマンの中華スープ」を作りました もうすっかり作り慣れたので美味しく出来ました

 

     

     

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「すみだクラシックへの扉 第5回定期演奏会」を聴きました プログラムは①細川俊夫「開花Ⅱ」、②モーツアルト「ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491」、ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です モーツアルトは、たしか上岡敏之指揮アンヌ・ケフェレックで演奏する予定だったのが新型コロナ禍の影響で中止になり、あらためてリオ・クオクマン指揮ケフェレックで演奏することになっていたのですが、またしてもコロナ禍の影響で指揮者もピアニストも代役となったものです これには心底ガッカリです 指揮者は二の次で、ピアニストはケフェレックで聴きたかったのです

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスは西江王子です クラリネットのトップは元新日本フィル首席で元東京藝大教授の山本正治氏が客演しています

1曲目は細川俊夫「開花Ⅱ」です この曲は細川俊夫(1955~)が2006~07,09年に東京クヮルテットのために作曲した弦楽四重奏曲「開花」を2010年にオーケストラ用に編曲した作品です 小室敬幸氏のプログラムノートによると「『蓮  lotus』は蓮根から芽が出て、水面から上へ茎が伸び、その先につぼみをつけて最終的に花を咲かせる。本作ではその過程を、冒頭から持続されていく『シ♭』の音が水面を、それより下の音は水中、更に低い音域は泥のなかを、反対に『シ♭』より上の音は空を表すことで描いていく」という作品です

大友の指揮で演奏に入りますが、前半は弦楽器を中心として、風が静かに吹いているような曲想で、やがて蓮の芽が出て花開くような華やかさが瞑想的に表現されました 曲は静かに閉じましたが、最後の音が消えて3、4秒後くらいに「ピコン」という音が聴こえました 一瞬、演奏の一環かと思いましたが、客席の左サイド後方から聴こえたので、どうやらSNSの着信音のようでした こういう紛らわしいのは止めてほしいと思います あれほどケータイやスマホの電源は切りなさいとアナウンスしているのに、馬耳東風の輩が必ずいます。反省してほしいと思います

2曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が1786年に作曲しました。「第20番ニ短調K.466」と並ぶ短調の協奏曲です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグレット」の3楽章から成ります

全体を通して聴いた印象は、河村幹子のファゴット、野津雄太のフルート、山本正治のクラリネットが冴えていました 第3楽章におけるピアノ・ソロによるカデンツァが超スローテンポで始まったのには驚きました こういう演奏は初めて聴きました 大友 ✕ 新日本フィルはソリストを支えながらデモーニッシュな演奏を展開しました

休憩時間にパトロネージュ部の登原さんに「クラリネットに山本正弘氏が客演してたけど、2人が相次いで辞めてしまって大変だね」と声をかけると、「そうなんです。現在オーディションをやっていると思います」と語っていました。プログラム冊子(2・3月号)巻末のメンバーリストには「クラリネット&バスクラリネット マルコス・ペレス・ミランダ」の記載はありますが、「クラリネット」の記載はありません。優秀な奏者を出来るだけ早めに手当てして盤石な態勢を整えてほしいと思います

 

     

 

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841‐1904)がニューヨークのナショナル音楽院の院長として招かれたアメリカ滞在中の1893年に作曲、同年ニューヨークで初演されました 小室氏のプログラムノートによると、ドヴォルザークのナショナル音楽院の年俸は1万5000ドル(現在の日本円で7500万円程度)とのことです。破格の扱いですね これなら故郷のボヘミアを離れて遠いアメリカに行く気にもなるでしょう 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォッコ」の4楽章から成ります

全体を聴いた印象は、弦楽器群の渾身の演奏が印象に残ります この曲でもフルートの野津、ファゴットの河村の演奏が素晴らしかったです また第2楽章「ラルゴ」では森明子のイングリッシュホルンが”いいところ”を全部かっさらっていきました この曲を聴くと、小学校高学年の時に入っていたボーイスカウトのキャンプで歌った「遠き山に陽は落ちて」という野営の歌を思い出します また、この楽章の終盤で演奏される弦楽トップ8人によるアンサンブルが抒情的で素晴らしかったです 第3楽章では固いマレットにより打ち込まれるティンパニが心地よいアクセントを刻んでいました 第4楽章冒頭は機関車好きのドヴォルザークの趣味が音楽として表現されています 蒸気機関車が力強く発進する様子を思い浮かべます ドヴォルザークはニューヨークに赴いても現地の機関車を観に行っていたのでしょうね

会場いっぱいの拍手とブラボー手ぬぐいの声援に、大友 ✕ 新日本フィルはブラームス「ハンガリー舞曲第1番」をアグレッシブに演奏、再び満場の拍手に包まれました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京・春・音楽祭で「N響メンバーによる室内楽」を聴く~モーツアルト「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」他 / ロシアのキーシンら、グネーシン音楽学校校長に抗議声明

2022年03月25日 06時50分37秒 | 日記

25日(金)。月刊音楽祭のツイッターは「グネーシン音楽大学の教員とキーシン、トリフォノフら卒業生がプーチン支持のホフロフ校長に抗議声明」という記事をツイートしています 超訳すると次の通りです

「モスクワのグネーシン音楽大学で22日、教員と卒業生、学生オーケストラのメンバーが 指揮者で校長を務めるミハイル・ホフロフに対する抗議声明を発表した プーチン大統領によるウクライナ侵略を支持する「Z」の文字の入ったTシャツを着て学生オーケストラを指揮したホフロフに対する抗議声明で、エフゲニー・キーシンやダニール・トリフォノフも署名している ホフロフはこの6日、学生オーケストラとベートーヴェンの交響曲第5番の第1楽章を演奏、その様子を YouTube チャンネル『 Gnessin  World  Channel 』に投稿した。しかし、それが未成年の学生を動員してのプーチン大統領を支持するための政治活動であるといった批判が殺到、21日に投稿が削除されるという事態に発展した 声明は『この行為は、世界最高の音楽学校の一つであるグネーシン音楽大学の評判を著しく傷つけ、有名な元教員たちの名誉と記憶を侮辱するものである 校長がこの醜い宣伝のために未成年の生徒を集め、自分の個人的な軍国主義的世界観の表現手段として利用したことは忌まわしいことだと考える 私たちの学校の元生徒、卒業生、教師は、この恥ずべき行為を最も強い言葉で非難し、学校の歴史に恐ろしい汚点を残したと考える』と強烈に非難している

これに関連して、Duneという方がツイッターに「ホフロフはグネーシン音楽大学(音楽アカデミー)ではなく、グネーシン音楽学校の校長。公開状も学校の教師、卒業生、生徒182名の連名による」と投稿しています グネーシン音楽学校といえば、ピアニスト・松田華音が卒業生ですね ロシア国内でのこうした行動は勇気のいることだと思います ロシア国民が真実を知ってプーチンを大統領の座から引きずり降ろさないとこの戦争は終わらないのではないか、と思います その意味では今回の行動は大きな一歩だと思います

ということで、わが家に来てから今日で2631日目を迎え、海外メディアによると、ロシアのタブロイド紙「コムソモリスカヤ・プラウダ」が21日、ウクライナでの「特別軍事作戦」でロシア軍の死者は9861人に上り、1万6153人が負傷したという記事を掲載したが、すぐに削除された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシア側は軍の犠牲者を明らかにしていないが  相当にダメージを受けているはず

 

         

 

昨日、夕食に「三元豚バラカルビと にんにくの芽炒め」「生野菜とアボカドのサラダ」「卵スープ」を作りました 豚カルビ美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夕、東京文化会館小ホールで東京・春・音楽祭参加公演「N響メンバーによる室内楽」を聴きました プログラムは①ダンツィ「木管五重奏曲 変ロ長調 作品56-1」、②モーツアルト「アダージョ 変ロ長調 K.411」(木管五重奏版)、③同「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」、④ヒンデミット「小室内音楽 作品24-2」、⑤トゥイレ「六重奏曲 変ロ長調 作品6」です     演奏はフルート=甲斐雅之、オーボエ=吉村結実、クラリネット=松本健司、ファゴット=水谷上総、ホルン=今井仁志、ピアノ=萩原麻未です

 

     

 

自席はセンターブロック5列目の通路側です。会場は半分くらいの入りでしょうか N響メンバーの室内楽としては寂しいような気がしますが、必然のような気もします その理由は①玄人好みのプログラミングと②比較的高い料金設定です ①については、全5曲のうち良く知られているのはモーツアルトの「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」くらいで、あとの4曲は見たことも聴いたこともない、という人がほとんどではないかと思います 私はこの日演奏されるダンツィもヒンデミットもトゥイレも生まれて初めて聴きます このうちの1曲でもベートーヴェン「ピアノと管楽のための五重奏曲」とかモーツアルト「管楽のためのセレナード」のどれかにしたら、もっと客入りは期待できると思います 今回のプログラムは「聴衆が聴きたいプログラム」というよりは「演奏者が演奏したいプログラム」だったと思います また、②についてはS席:5,500円、A席:4,000円という料金は若干高いのではないか、と思います 500円ずつ下げたらイメージが違うと思いますが、どうでしょうか

また、せっかくセンターブロックE列(5列目)のかなり”いい席”を取ったのに、すぐ前席の男性の背(座高)が高く、吉村さんも萩原さんも良く見えませんでした こういうのは不運としか言いようがないですね 私の場合、チケットを単発で取る時は結構ツイていて、すぐ前席が空いていて見通しが良かったりするのですが、今回はツイていませんでした たまにはこういうこともあります

さて、1曲目はダンツィ「木管五重奏曲 変ロ長調 作品56-1」です この曲はフランツ・ダンツィ(1763‐1826)が作曲した9曲の木管五重奏曲のうち最も人気のある作品です 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「アレグレット」の4楽章から成ります

演奏者は左からフルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットという並びです

ダンツィはモーツアルトを敬愛していたということだけあって、演奏を聴いていると曲想がモーツアルトによく似ています 吉村結実のオーボエ、甲斐雅之のフルートが良く歌っていました

2曲目はモーツアルト「アダージョ 変ロ長調 K.411」(木管五重奏版)です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が1782年から翌83年にかけて作曲した作品で、オリジナルは2本のクラリネットと3本のバセットホルンのための曲です モーツアルト研究家のアインシュタインは、この曲はモーツアルトが所属していたフリーメーソンの儀式のために書かれたと主張していますが、そう言われてみれば穏やかで宗教的な神秘さを感じます

3曲目はモーツアルト「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」です この曲はモーツアルトがピアノ、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのために1784年に作曲した作品です 第1楽章「ラルゴ ~ アレグロ・モデラート」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグレット」の3楽章から成ります

ブルー系の衣装を身にまとった萩原麻未がピアノに向かい、オーボエの吉村を筆頭に4人の管楽奏者とともに演奏に入ります    萩原の演奏はソフトで気品があります 一音一音の粒立ちがきれいで流麗に音楽が流れます そんな萩原の演奏に呼応するかのように吉村のオーボエが、水谷のファゴットが、今井のホルンが、松本のクラリネットが優しく気高く歌います とても優雅なアンサンブルでした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はヒンデミット「小室内音楽 作品24-2」です この曲はパウル・ヒンデミット(1895‐1963)が1922年にわずか5日で書き上げた、フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットのための作品です 第1楽章「快活に、適度な速さの四分音符で」、第2楽章「ワルツ、一貫して非常に静かに」、第3楽章「落ち着いて、素朴に、八分音符で」、第4楽章「速い四分音符で」、第5楽章「非常に生き生きと」の5楽章から成ります

第1楽章はまるで楽器同士のおしゃべりを聴いているような賑やかな曲想が続き、ヒンデミットのユーモアを感じました 第2楽章はワルツはワルツでもいびつなワルツという感じの曲です ラストは鶏の鳴き声が聞こえました 第3楽章はちょっと幻想的です 短い第4楽章を経て、第5楽章ではそれぞれの楽器が快活に吹き鳴らされ、喧騒の中で曲を閉じます とても面白い曲でした

最後の曲はトゥイレ「六重奏曲 変ロ長調 作品6」です この曲はトゥイレが、リスペクトしていたリヒャルト・シュトラウスの父で名ホルン奏者だったフランツ・シュトラウスに華を持たせるように書いた作品です 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ガヴォット:アンダンテ、クアジ・アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

この曲では再びピアノの萩原麻未が加わります 萩原のピアノのトレモロに導かれて今井のホルンが牧歌的な第1主題を奏でますが、この演奏が素晴らしかった 第2楽章に入ると、次第にスケールの大きな演奏が展開します 第3楽章のガヴォットは軽快そのものの演奏が続きます 吉村のオーボエが良く歌います 終盤ではピアノと木管楽器群との丁々発止のやり取りが素晴らしく、熱狂のうちにフィナーレを迎えました

この日のプログラムは初めて聴く曲ばかりで緊張しましたが、N響の木管奏者はやはりソリスト級のテクニシャンが揃っているな、と思いました やはり室内楽は個々の奏者の実力の裏付けがあるからこそ見事なアンサンブルが達成できるのだと、あらためて思いました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナの指揮者ユルケヴィチによる新国立オペラ「椿姫」を巡る出来事 ~ 日経「明日への話題」文化人類学者・上田紀行氏のエッセイから

2022年03月24日 08時15分39秒 | 日記

24日(木)その2.よい子は「その1」から見てね。モコタロはそちらに出演しています

昨日の日経夕刊第1面のコラム「あすへの話題」に文化人類学者・上田紀行氏がエッセイを寄せています 新国立劇場でヴェルディのオペラ「椿姫」を鑑賞した時のことを書いていますが、たぶん21日の千秋楽公演をご覧になったのだと思います ヴィオレッタを歌った中村恵理の”全身全霊をなげうった哀切極まりない絶唱”に感動を覚えたことを書いたうえで、後半はカーテンコールの様子を次のように紹介しています

「終演後は万雷の拍手。オペラはどんな悲劇でもカーテンコールで歓びを爆発できる 指揮者が呼び寄せられ舞台中央に。しかしそこからが違った。歌手たちが客席を指す。そして彼はそこから涙が止まらなくなった 聴衆が掲げていたのはウクライナの国旗だった。ウクライナ人指揮者ユルケヴィチは胸のチーフに何回も触れながら、涙をぬぐった。ウクライナカラーのチーフ。来日直後に母国が侵攻された中、公演を成功に導いた 魂が引き裂かれる毎日、どんな思いで椿姫に向き合ったのだろう。気づくとオーケストラのコンサートマスターが立ち上がって熱烈に舞台に向かって拍手をしていた ロシア生まれ、滞在歴約30年のニキティン。泣いた。この一瞬に。希望に。いや無力さに。分からない。ただただ泣いた

これを読んで、そこにいた聴衆は上田さんと同じ思いでユルケヴィチに拍手を送り 涙したのではないか、と思います

新国立オペラ「椿姫」については3月10日のプルミエ(初日)公演の様子を翌11日付toraブログでご紹介しました 興味のある向きはご覧ください

本公演上演中の11日間にロシアのウクライナ侵攻は市民への無差別攻撃に変わってきました 祖国ウクライナが、グレーテス国連事務総長が「生き地獄」と呼ぶまでの国家存亡の危機にある中、全5公演を成功に導いたユルケヴィチ氏のプロフェッショナル魂には頭が下がります また、オーケストラピットからユルケヴィチに拍手を送ったグレブ・ニキティンの態度を見ると、音楽に国境はないことをあらためて感じるとともに、一人の独裁者の妄想のために多くの無実の市民が理不尽に殺されていくことに大きな怒りを覚えます

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新日本フィル「室内楽シリーズ ~ 澤田和慶プロデュース編 愛に触れて」を聴く / ロシアのウクライナへの侵攻に関しラトルら音楽家119人が嘆願書を発表 ~ 月刊音楽祭から

2022年03月24日 06時52分53秒 | 日記

24日(木)その1。月刊音楽祭はツイッターで「ラトルら世界的な音楽家119人が嘆願書。ウクライナ侵略戦争の即時停止、ロシアのアーティストの一律ボイコットに反対の訴え」という記事をツイートしています ツイートの内容は以下の通りです

「世界的な音楽家119人が22日、ロシアによるウクライナ侵略戦争を終わらせ、ロシアのアーティストをボイコットすることを終わらせるための嘆願書を発表した サイモン・ラトルをはじめ、アントニオ・パッパーノ、ファビオ・ルイージといった指揮者、バリ・コスキーやアンドレアス・ホモキといった演出家、バーバラ・ハン二ガンやマティアス・ゲルネといった歌手が署名している 『嘆願書』は『プーチン全体主義体制が主権国家ウクライナに対して放った無法戦争、ロシアの戦車やミサイルが無実の市民を狙っており、いかなる場合も正当化できない』と述べ、『病院や学校、劇場や大学、教会などの民間人への爆撃や暴行は、戦争犯罪、人道に対する罪であり、例外なく明確に非難されなければならない』と強調している。また、『この残虐な戦争の影響を受けているすべての人々の苦しみは計り知れない。このような状況において、私たちの以下の訴えは最優先事項とはみなされず、おそらく一部の人々には無関係または不快に映るかもしれないことを理解している 私たちは、プーチン政権とその擁護者、宣伝者、プーチンやその政府とのつながりが明確に文書化されている情報操作者に対し、制裁と外交圧力をかけることを全面的に支持する』と述べている。一方、『すべてのロシア人とベラルーシ人、この2つの国の文化人すべてが、この恐ろしい侵略を支持しているわけではない したがって、われわれは、独裁者とその支持者の行動を、彼らの共謀の直接的な証拠なしに、ロシア人やベラルーシ人を非難することは不当であると考える』とも述べ、ロシアやベラルーシのアーティストをひとまとめにボイコットすることにも反対している」

そして、署名しているアーティストを列挙していますが、私に名前が分かるアーティストは以下の通りです

サイモン・ラトル、アントニオ・パッパーノ、フランツ=ウエザー・メスト、エドワード・ガードナー、アンドレアス・ホモキ、レオニダス・カヴァコス、フランツ・ペーター・ツィンマーマン、タベア・ツィンマーマン、パトリシア・コパチンスカヤ、ドミトリー・シコトヴェツスキー、タニヤ・テツラフ、イアン・ボストリッジ、イサベル・ファウスト、アレクサンダー・メル二コフ、トマス・ザンデルリンク、マイケル・ザンデルリンク、アリス・サラ・オット、ルノー・カプソン、ダヴィッド・アフカム、マティアス・ゲルネ、レイフ・オヴェ・アンスネス、ファビオ・ルイージ、クリスティアン・ヤルヴィ。

日本人アーティストの名前が見当たりませんね。こうした動きが広がると良いと思います

ということで、わが家に来てから今日で2630日目を迎え、モスクワの裁判所は22日、ロシアの反政権運動家アレクセイ・ナワリヌイ氏に対し、詐欺や法廷侮辱罪で禁錮9年と罰金120万ルーブル(136万円)を言い渡した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチンの政敵への対処法は暗殺するか不当逮捕のうえ刑期を延長するかどちらか

 

         

 

昨日、夕食に「ぶりの照り焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「マグロの山掛け」「舞茸の味噌汁」を作りました 和食はいいですね

 

     

 

         

 

昨夜、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ ~ 澤田和慶プロデュース編 愛に触れて」を聴きました プログラムは①ボロディン「弦楽四重奏曲第2番 ニ長調」、②レスピーギ「メゾ・ソプラノと弦楽四重奏のための『黄昏』」、③ウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」、④フォーレ「やさしき歌」です 演奏はヴァイオリン=澤田和慶、竹中勇人、ヴィオラ=高橋正人、チェロ=多田麗王、コントラバス=城満太郎、ピアノ=鈴木花織、メゾ・ソプラノ=錦織まりあです

最近の室内楽シリーズは結構お客さんが入っていて驚きます この日も9割以上は入っていると思われます 開演前に本日のプロデューサーである第1ヴァイオリン奏者・澤田和慶氏による「プレトーク」がありましたが、前回同様ほんの4分程度で終わってしまいました 元第2ヴァイオリン奏者・篠原秀和さんによる「15分間 ノー・ペーパー 立て板に水」の天才的なトークが懐かしい    シノハラ、カムバック

 

     

 

1曲目はボロディン「弦楽四重奏曲第2番 ニ長調」です この曲はアレクサンドル・ボロディン(1833‐1887)が結婚20周年を記念して1881年に作曲、1882年にペテルブルクで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「ノクターン:アンダンテ」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ ~ ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

この曲は何と言っても単独でも演奏される第3楽章「ノクターン」が聴きどころです    冒頭の多田麗王のチェロ独奏が素晴らしかったです

2曲目はレスピーギ「メゾ・ソプラノと弦楽四重奏のための『黄昏』」です この曲はオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)が1914年に作曲した作品です 原詩はイギリスのロマン派詩人シェリーが1816年に書いた作品で、傍らで冷たくなっている恋人を見つけた娘は亡霊のように生きていく、という物語です

ソプラノ独唱の錦織まりあは愛知県立芸術大学声楽科を首席で卒業。ヨーロッパ各地でマスタークラスを受講しディプロマを取得、内外で活躍しています

錦織まりあが黒とゴールドを基調とするエレガントな衣装で登場します 美しい声質で高音も低音も自然に楽々と出ています 相手の男性を失った後、一人で長く生きた女性の悲しさ・無念さを切々と歌い上げました バックを務めた弦楽奏者は1曲目よりもアンサンブルが良かったと思います

休憩後の1曲目はウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」です この曲はアントン・ウェーベルン(1883‐1945)が1905年に作曲しました シェーンベルクに出会う前の21歳の時の作品で、「なんのこっちゃわからんちん」の十二音技法のかけらもないロマン的な作風です この曲ではそれぞれの楽器が良く鳴っていてアンサンブルも素晴らしかったと思います 途中で一瞬演奏が止まったような気がしましたが、楽譜通りか、フェイントか、よく分かりませんでした 4人は何事もなかったように演奏を続け、拍手を受けていました

最後の曲はフォーレ「やさしき歌」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845‐1924)がヴェルレーヌの詩に基づいて1892年から94年にかけて作曲した連作歌曲集です 当時50歳近くになろうとしていたフォーレは家庭のある女性エマ・バルダックに惹かれており、草稿を書き上げるたびに、ソプラノのエマに歌ってもらい、彼女の助言を得て推敲を重ねたそうです 第1曲「後光に包まれたひとりの聖女」、第2曲「朝焼けが広がるのだから」、第3曲「白い月」、第4曲「ぼくは偽りの道を歩いていた」、第5曲「ぼくはほとんど怯えていた、実のところ」、第6曲「お前が消えてしまう前に」、第7曲「さて、それはある晴れた夏の日のことだ」、第8曲「そうだろう?」、第9曲「冬は終わった」の9曲から成ります

錦織まりあが白を基調とする衣装に”お色直し”して登場、ピアノの鈴木花織も加わり、演奏に入ります

錦織の歌唱は高音が美しくよく伸びます そして何より感心するのは美しいフランス語による歌唱です 1曲1曲気持ちを切り替え、幸福な愛の喜びを歌い上げました 鈴木花織のピアノも素晴らしく、弦楽奏者のアンサンブルもソリストを盛り立てていて良かったと思います

男性陣4人は飲み仲間らしいので、打ち上げが楽しみでしょうね まん延防止特別措置も解除になったので、4人までと言わず、女性の2人を加えても問題なさそうです うらやましか~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内藤博文著「世界史で深まるクラシックの名曲」を読む ~ 興味深いエピソードや知識が満載の クラシック好きも入門者も楽しめる”読んで ためになる本”

2022年03月23日 07時21分59秒 | 日記

23日(水)。つい先日、都内で桜 の開花宣言が出たばかりなのに、昨日は雪が降ってきたりして、ちょっと ゆき過ぎ ではないかと思いました   先日の福島県沖地震で複数の火力発電が停止したうえ、気温低下で暖房需要が上がり電力不足が予想されることから、政府が「電力需給逼迫警報」を発令したので、昼間は暖房を点けず厚着して一日中ベッドに横になって読書をして過ごしました

新日本フィルから「パトロネージュ会員」継続依頼文書が届いたので、午後8時過ぎにホームページから「維持会員」として2口登録しました すると、パトロネージュ部の登原さんから早々とお礼のメールが届きました 要するに彼女は残業しているわけです 個人として出来ることは限られますが、新型コロナ禍がまだ終息していない中、運営が容易でないオーケストラを支えたいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2629日目を迎え、ロシアの裁判所は21日、SNS(交流サイト)のフェイスブックやインスタグラムを運営する米メタを過激派組織に認定するとの判断を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアは「三権分立」が存在しないプーチン独裁政権だということが良く分かるな

 

         

 

昨日は一日中寒かったので「炒めにんにく醤油鍋」にしました 材料は豚バラ肉、キャベツ、シメジ、もやし、長ネギ、ニラ、豆腐です。〆はラーメンにしました

 

     

     

 

         

 

内藤博文著「世界史で深まるクラシックの名曲」(青春新書)を読み終わりました 内藤博文氏は1961年生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て、現在は主に歴史ライターとして西洋史から東アジア史、芸術、宗教まで広い分野にわたり執筆活動を展開しています

 

     

 

著者は「はじめに」の中で次のように書いています

「モーツアルトとフランス革命の関係に限らず、クラシック音楽と世界史は深く結びついている ベートーヴェンを語るとき、皇帝ナポレオンは外せないし、ワーグナーを語るなら、バイエルンの『狂王』ルートヴィヒ2世やアドルフ・ヒトラーが顔を出す。ショスタコーヴィチの音楽にハマるなら、おのずとソ連の独裁者スターリンの話が出てくるし、バッハの音楽を知っていくと、そこにプロイセンのフリードリヒ2世(大王)の姿が見えてくる クラシック音楽は、世界史から影響を受けるのみならず、世界史を動かしてもいる たとえば、1829年に初演されたロッシーニのオペラ『ウィリアム・テル』は、1830年のパリ7月革命(フランス7月革命)の導火線となった ヴェルディのオペラはイタリアの独立と統一を煽り続けもした。ワーグナーのオペラ『ローエングリン』を聞いてしまったがために、ヒトラーは荒廃したドイツで権力を握ろうとした クラシック音楽、とくに傑作オペラは、権力者から市井の民までをも突き動かす情動を孕む。そして彼らに一国の命運を変転させるほどの巨大なエナジーを注ぎ続けてきたのである

本書は作曲家と彼らにまつわるエピソードなどの別に、次の20章から構成されています

1.バッハと狡猾なるフリードリヒ2世 ~ 最高傑作「マタイ受難曲」が1世紀以上も演奏されなかった理由

2.ヘンデルとイギリス・ハノーヴァー朝の始動 ~ ヘンデルのオペラがイギリスで大成功を収めた裏側

3.モーツアルトとフランス革命の勃発 ~ 二重の意味で革命的だったオペラ「フィガロの結婚」

4.ハイドンと将軍ナポレオンの台頭 ~ 音楽が世の中に大きな力を持つことを証明した「辺境の人」

5.ベートーヴェンと皇帝ナポレオンの暴風 ~ なぜ交響曲第9番は「合唱付き」となったのか

6.ロッシーニとパリ7月革命の衝撃 ~ ナポレオン没落後のヨーロッパを熱狂させたロッシーニ・クレッシェンド

7.ウェーバーとプロイセンの充実 ~ プロイセン(ドイツ)の大国化を後押しした「魔弾の射手」

8.ショパンとポーランドの亡国 ~ パリ7月革命がショパンの「革命エチュード」を生んだ

9.メンデルスゾーンと国民国家の目覚め ~ 「器楽音楽王国・ドイツ」の栄光を構築しようとした神童

10.ヨハン・シュトラウス父子とパリ2月革命の余波 ~ 「ラデツキー行進曲」が打ち消した革命と独立の世界

11.ヴェルディとイタリア統一運動 ~ 「ナブッコ」がイタリアの第2の国歌のようになった経緯

12.オッフェンバックと皇帝ナポレオン3世の帝政 ~ 第2帝政下、狂騒のパリで花開いたオペレッタ

13.ワーグナーと統一ドイツの誕生 ~ 楽劇王がバイロイトに祝祭劇場を建てた真の目的

14.ブラームスとウィーンの黄昏 ~ なぜブラームスは統一ドイツから距離を置いたのか

15.チャイコフスキーと皇帝アレクサンドル2世の改革 ~ チャイコフスキーが「悲愴」で予感していたロシアの混沌

16.ドヴォルザークとヨーロッパ各地の独立運動 ~ クラシック入門の定番曲「新世界より」に秘められた二重性

17.プッチーニとグローバル化する世界 ~ 「蝶々夫人」「トゥーランドット」・・・異国文化を採り入れた背景

18.ストラヴィンスキーと第1次世界大戦前夜 ~ ヨーロッパの栄光の時代の終わりを告げていた「春の祭典」

19.ショスタコーヴィチと全体主義の時代 ~ スターリンのために作曲された?「革命と勝利の交響曲」

20.カラヤンと東西冷戦 ~ 資本主義社会の顔として、作曲家よりも有名になった指揮者

上記の通り、最後のカラヤンだけが作曲家ではなく指揮者ですが、著者は20世紀の世界音楽史の中でヘルベルト・フォン・カラヤンの存在を無視することは出来なかったのでしょう

こうして見出しを見るだけでも、各作曲家がかかわった出来事や作品が頭に思い浮かびますが、初めて気づかされることも少なくありませんでした たとえば、ベートーヴェンとナポレオンの関係は、ベートーヴェンが「交響曲第3番”英雄”」をナポレオンに献呈しようとしたものの、彼が皇帝に即位したことから取り止めたことはよく知られています。本作ではベートーヴェンが1770年の生まれであるのに対し、ナポレオンは1769年生まれと1歳しか違わないことが指摘されています つまり2人は全く同じ時代を生きていたわけで、ベートーヴェンがナポレオンを強く意識していた理由が良く分かります

また、チェコではドヴォルザークよりもスメタナの方が高名だと言われているそうですが、その理由も納得しました ドヴォルザークは「交響曲第9番”新世界より”」「チェロ協奏曲」「弦楽四重奏曲第12番”アメリカ”」「スラブ舞曲集」などで世界的にお馴染みの作曲家です 一方、同じチェコの作曲家スメタナは連作交響詩「わが祖国」の第2曲「モルダウ」やオペラ「売られた花嫁」くらいしか知られていません 著者はチェコ国内ではスメタナの方が支持されているが、その理由は、スメタナの方が愛国の作曲家だからだと指摘しています 世界では「モルダウ」しか知らなくても、チェコの国民は「わが祖国」全6曲を愛している。それはチェコ人の愛国心を鼓舞し、チェコに誇りを抱かせる音楽が詰まっているからだといいます 一方、チェコ人にとってドヴォルザークがもどかしいのは、その全盛期がアメリカ時代であることだ、と指摘しています たしかに、新世界交響曲にしても、チェロ協奏曲にしても、弦楽四重奏曲第12番にしても、すべて米ニューヨークのナショナル音楽院の院長時代に作曲されました

プッチーニのオペラについての指摘は「なるほどね」と思いました それは「プッチーニの傑作オペラの多くはイタリアを舞台にしていない たしかに『トスカ』の舞台はイタリアのローマだが、他の傑作オペラはイタリアどころか、ヨーロッパからも離れていく。『マノン・レスコー』の第3幕の舞台は、フランスの港町ル・アーブル港で、第4幕の恋人たちが朽ち果てていく舞台となるのが新大陸のニューオーリンズの荒野である 以後も、『蝶々夫人』の舞台は日本の長崎、『西部の娘』はカリフォルニアで、遺作の『トゥーランドット』は中国の北京である プッチーニは異国に興味を感じた。そこから、イタリア・オペラの世界を全世界に広げたのだ」という指摘です

上記に限らず、興味深いエピソードや知識が満載のクラシック好きも入門者も楽しめる「読んで ためになる本」です   広くお薦めします

本日、toraブログのトータル訪問者数が209万 I P を超えました( 2,090,449 I P。トータル閲覧数は 6,860,575 P V )。これもひとえに普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝いたします。これからも毎日休むことなくアップして参りますのでモコタロともどもよろしくお願いいたします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする