人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立劇場「オペラパレス」でベッリーニ「夢遊病の女」のゲネプロを見学する ~ クラウディア・ムスキオ & アントニーノ・シラグーザ & 妻屋秀和ともに絶好調、ハラハラドキドキの演出!

2024年10月01日 00時03分01秒 | 日記

10月1日(火)。今日から10月。月日の流れは速いもので今年も残すところあと91日になってしまいました 先月 運の悪かった人は、月が変わったので運が良くなるかもしれません   ポジティブ・シンキングでいきましょう

ということで、わが家に来てから今日で3549日目を迎え、ロシアの独立系メディア「インサイダー」は29日、ロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏がロシア北極圏の刑務所で今年2月に死亡した際、ロシア当局が調査報告書を改ざんしていたと報じたが、専門家は毒殺が疑われる症状を隠蔽し、自然死に見せかける意図があった可能性を指摘している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     当初 自然死と言ってたが不自然だった やはりプーチン政権が政敵を暗殺したんだ

         

昨日の夕食は、あまり時間がなかったので「牛もも肉と牛タン」焼き肉にしました あとは「生野菜とアボカドとチーズのサラダ」「湯葉のスープ」です。たまには焼き肉も良いものです

     

         

昨日14時から新国立劇場「オペラパレス」でベッリーニの歌劇「夢遊病の女」のゲネプロ(衣装付き舞台稽古)を見学しました これは新国立劇場の会員サービス「クラブ・ジ・アトレ」の抽選で当選したために実現したものです 本番は10月3日(木)の初日公演を聴く予定でしたが、他のコンサートとダブったため、10月14日の最終公演に振り替えました それだけに、本公演の前にゲネプロを見学できるのは本当にラッキーです

出演はアミーナ=クラウディア・ムスキオ(ローザ・フェオラの代役)、アルヴィーノ=アントニーノ・シラグーザ、ロドルフォ伯爵=妻屋秀和、テレーザ=谷口睦美、リーザ=伊藤晴、アレッシオ=近藤圭。合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京フィル、指揮=マウリツィオ・ベニーニ、演出=バルバラ・リュックです なお、本公演はテアトル・レアル、バルセロナ・リセウ劇場、パルレモ・マッシモ劇場との共同制作によるもので、ベッリーニのオペラは新国立劇場としては初上演となります

     

「夢遊病の女」はヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801-1835)がフェリーチェ・ロマ―二の台本により作曲、1831年にミラノのカルカーノ劇場で初演された全2幕各2場から成るオペラです

スイスの小さな村の娘アミーナは若い領主のエルヴィーノとの結婚が決まり喜びに浸っているが、夢遊病にかかっており、お忍びで村に帰ってきた領主ロドルフォ伯爵の泊っている宿屋の部屋に入って寝たことから、エルヴィーノに疑われる しかし、ロドルフォ伯爵が彼女の潔白を証言し、疑いがはれて2人は結ばれる

     

会場は1階席センターブロック15列目まではディレクター等の専用スペースのため ほとんど空席になっており、それ以外の席が「賛助会員」と「当選者」に割り当てられています 主催者側から指定されたのは1階18列31番、センターブロック右通路側です 寄付をしている「賛助会員席」(左右ブロック)よりも「当選者席」(センターブロック)の方が良い席を与えられているようで、申し訳ない気持ちになりました

ベニーニがオーケストラピットに入りスタンバイしますが、演奏に入る前にステージ上では、アミーナと10人のダンサーによりコンテンポラリーダンスが無伴奏で躍られます どうやらダンサーたちはアミーナにしか見えない「眠りの精」のような存在、あるいは「アミーナの潜在意識」を象徴しているようです このダンサーたちは第2幕冒頭ほかでも登場し、機敏な動きで素晴らしいダンスを披露します 今回の演出はバレエを加えることによって「グランド・オペラ」を目指したのだろうか、と思いました

     

主役のアミーナを演じたクラウディア・ムスキオはイタリア・ブレーシャ出身のソプラノです フェッラーラ・フレスコバルディ音楽院修了。2017年ナポリ・サンカルロ歌劇場「魔笛」パミーナでデビュー 2020/21年シーズンからシュトゥットガルト州立歌劇場専属歌手として活躍しています 卓越したヴォイス・コントロールによる美しいコロラトゥーラで、アリアや二重唱を歌い上げ、聴衆を魅了しました

アルヴィーノ役のアントニーノ・シラグーザはイタリア・メッシーナ出身のテノールです 世界中のオペラ劇場で主要な役柄を歌っており、特にロッシーニのオペラでは最高の歌手と言われています 独特の声で、最高音も無理なく出る驚くべき歌唱力です 2002年の新国立劇場でのロッシーニ「セヴィリアの理髪師」アルマヴィーヴァ伯爵を演じたシラクーザの圧倒的な歌唱を思い出しました

ロドルフォ伯爵役の妻屋秀和は東京藝大・大学院修了のバスです 1994~2001年ライプツィヒ歌劇場、2002~11年ワイマールのドイツ国民劇場専属歌手を務め、新国立オペラでは常連歌手として活躍しています どんな役柄を歌ってもそつなくこなす歌手ですが、今回も低音の魅力を発揮しました

ゲネプロなので紹介は3人にとどめておきますが、歌手陣は「ベルカント・オペラ」の魅力を存分に楽しませてくれました 歌手陣を支えたのは、ベニーニ指揮東京フィル、そして新国立劇場合唱団の素晴らしい演奏です

     

演出面で際立っていたのは第2幕第2場におけるアミーナの登場です アミーナは夢遊病状態のまま、ある場所でアリアを歌いますが、それがトンデモナイ場所で、私は彼女を見ながらハラハラドキドキしていました アミーナ役は当初ローザ・フェオラが出演の予定でしたが「芸術上の理由」で降板しました その真相は「あんな場所で歌うなんて、私には怖くてできません 私を殺す気ですか わたし、実家に帰らせていただきます」ということではないか、と勝手に想像しました それが事実でないにしても、代役で歌い演じたクラウディア・ムスキオは歌と演技に優れているだけでなく、肝が据わっていると思いました

拍手の中カーテンコールが繰り返されましたが、ゲネプロを見学した限り、歌手陣は絶好調です ベニーニ ✕ 東京フィル&新国立劇場合唱団も万全です

新国立オペラ2024/2025シーズンの幕開けを告げる公演です 時間的に余裕のある向きは是非ご覧になってはいかがでしょうか 聴いて良かった と思うはずです

     

コメント
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