人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラ改革~大野和士新芸術監督の目論見 / 黒沢清監督「散歩する侵略者」、北野武監督「アウトレイジ 最終章」を観る / 「エピス・クァルテット」他のチケットを取る~JTアートホール

2018年01月31日 07時52分01秒 | 日記

31日(水)。月日の流れは速いもので、1月も今日で終わりです 今年も残すところ あと334日になってしまいました。焦ります   フェイクですけど

ということで、わが家に来てから今日で1218日目を迎え、米連邦捜査局(FBI)のマケイブ副長官が29日辞任したが、トランプ大統領がマケイブ氏は民主党寄りで中立でないとして批判していたことが一因らしい というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      マケイブ氏には大統領の行動のチェックを期待してたのに 負警部になっちゃった

 

                   

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」「やわらかホウレンソウ」「トマトとエノキダケとベーコンのスープ」を作りました 「麻婆茄子」はひき肉の代わりに豚バラを使っていますが、食べ応えがあります 「やわらか~」はホウレンソウを茹でて、ニンニク、赤唐辛子、醤油を煮たてて かけただけのシンプル料理です。これは新聞の料理コーナーに載っていた料理研究家・村松眞由子さんのレシピですが、とても美味しいです

 

     

 

                   

 

昨日の日経夕刊 文化欄に「新国立劇場20周年 改革へ新芸術監督 ~ オペラ レパートリー拡充」の見出しによる記事が載りました 超訳すると

「オペラ部門の次期芸術監督・大野和士が改革を打ち出したのは『レパートリーが先細りになる』との危機感からだった 打開策のひとつは『脱レンタル』だ。海外の劇場が制作したオペラを新国立劇場が上演する場合、従来は演出や舞台のデザインにあたる部分を『借りる』形が大半だった 1上演ごとの契約で、そのつど装置や衣装を外国から借りる。上演が終われば返却するから、再演時も新たに契約を結び、借り直さなければならなかった これに対し、大野が掲げたのは『買い取る』手法。上演権を買い、装置や衣装を国内で保管する。装置などは日本で作ることも可能となる ケントリッジ演出による『魔笛』がその最初の試みだ ベルギーのモネ劇場で初演された舞台だが、今回は装置の一部を日本で作る。『やりたいとき、いつでも上演できるようになる。自然とレパートリーは増える』と大野はもくろむ。さらに1幕もの2作品を同時上演する『ダブルビル』を導入する。最初はジャン二・スキッキ』と『フィレンツェの悲劇』の組み合わせだ 大野はリヨン歌劇場首席指揮者などを務め、海外のオペラ人脈に通じている。公演費削減が続く中、世界基準のオペラハウスを目指す難しい課題と向き合う。新制作には2年に1度、日本人の作曲家への委嘱作品を加え、東京発の新作を世界に発信していきたいという

「借りる」から「買い取る」への転換は、公演のコストパフォーマンスが図られるのであれば歓迎すべきことだと思います とくに装置や衣装を日本国内で作るというアイディアは、日本人の技術力の高さを考えると より低いコストで より高い価値が創造できる可能性があると思います   問題は世界レベルの歌手陣を呼ぶには相当高いギャラを支払わなければならないということです これについては、記事にあるように、大野新芸術監督の海外のオペラ人脈に期待するしかないのかな、と思います 新しい方針による最初の試みは10月のモーツアルト「魔笛」とのことですが、この公演が今後の上演の試金石になります その意味で、今から観るのを楽しみにしたいと思います

 

     

 

                   

 

2月23日(金)午後7時から虎ノ門のJTアートホール「アフィニス」で開かれる「アフィニス  アンサンブル  セレクション  特別演奏会」のチケットを取りました 前半はアンサンブル・コア・ドゥ・ロゾーにより①ハイドン「ロンドン・トリオ第3番」、②ルトスワフスキ「トリオ」、③モーツアルト「5つのディヴェルティメント変ロ長調K.439b第5番」が、後半はエピス・クァルテットにより ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調」が演奏されます  これはエピス・クァルテットのベートーヴェン狙いでチケットを買いました 彼らのコンサートを聴くのはこれで3度目になります

 

     

     

 

                   

 

昨日、早稲田松竹で「散歩する侵略者」と「アウトレイジ 最終章」の2本立てを観ました

「散歩する侵略者」は黒沢清 監督・脚本による2017年の作品(129分)です

数日間行方不明になっていた不仲の夫・真治(松田龍平)が まるで別人のようになって帰ってくる。急に穏やかで優しくなった夫に 妻の加瀬鳴海(長澤まさみ)は戸惑う。真治は会社を辞め、毎日散歩に出かけていくが、鳴海は真治が一体どこで何をしているのか疑問を抱く その頃、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発するようになっていた。ジャーナリストの桜井(長谷川博巳)は取材中、天野(高杉真宙)という自称”宇宙人”の若者に出会い、二人は事件の鍵を握る女子高生・立花あきら(恒松祐里)の行方を探し始める。3人は行動を共にするが、彼らが新種のウィルスをまき散らしている張本人だとして厚労省を名乗る男たちから追われ、事態は思わぬ方向へと動く 鳴海は真治から「地球を侵略するために来た」と衝撃の告白を受ける。そして天野もあきらも宇宙人の仲間であることが分かる。地球への侵略開始の合図を送る通信機が完成し、宇宙に向けて電波が送られる

 

     

 

侵略者たちは会話をした相手から、その人が大切にしている「概念」を奪っていきます 侵略者が人差し指で相手の額に触れると 脱力して「家族」「仕事」「所有」「自分」といった概念が奪われ、その人からはその「概念」が永遠に失われてしまいます

最後に、鳴海が「侵略されて どうせ死ぬのだから、私から”愛”という概念を奪って欲しい」と提案しますが、真治は出来ないと拒否します しかし、最後には説得され、彼女の額を指で触れると、逆に真治が脱力してしまいます そして何故か宇宙人による侵略は中止されます。鳴海が犠牲になることによって 宇宙人である真治に 人間に対する”愛”が芽生え 地球を侵略から守った、ということになるのでしょう

それにしても、宇宙から来た侵略者が身近で散歩してたら、マジ コワイっすね

 

     

 

                     

 

「アウトレイジ 最終章」は北野武 監督・脚本・編集による2017年の作品(104分)です

関東「山王会」 対 関西「花菱会」の抗争後、大友(ビートたけし)は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長(金田時男)の下にいた  そんな折、取引のため韓国滞在中の花菱会の幹部・花田(ピエール滝)がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう   これをきっかけに、国際フィクサー「張グループ」 対 巨大暴力団組織「花菱会」の一触即発の事態となる   激怒した大友は、すべての因縁に決着をつけるべく日本に戻ってくる。時を同じくして、その「花菱会」では会長(大杉蓮)を引きずり下ろすための卑劣な内紛が勃発していた

 

     

 

第1作「アウトレイジ」、第2作「アウトレイジ  ビヨンド」を見ていないのでストーリーが良く理解できないのですが、要するに裏社会の「裏切り」「駆け引き」「騙し合い」が繰り返されるアウトレイジ(極悪非道)の戦争物語です

数えたわけではないのですが、この映画で一番多かったセリフは「バカ野郎!」です 何かというとすぐに「バカ野郎!」が飛び出します。映画を観ている方は、「バカ野郎!」と言っているのバカ野郎なのか、言われている方がバカ野郎なのか分かりません たぶん両方かな それと、主人公の大友(ビートたけし)は、相手が武器を持っていようがいまいがお構いなく、問答無用に拳銃をぶっぱなします 「アウトレイジ」だからそうなるのでしょうが、今のヤクザはそんな簡単・単純ではないでしょう。リクルート面で不利です

登場人物のほとんどがヤクザの男どもという設定でココロがササクレテしまいそうですが、救いは警視庁組織暴力対策部(いわゆる”マル暴”)の刑事・繁田(松重豊)の正義感です 上からの命令で事件の捜査から外されると辞表を提出します 

そんなカッコいい彼は その後どうしているかといえば、全国の街の隠れた名物食堂を食べ歩きして 孤独のグルメ をやっているそうです    それ  早く言ってよ~

 

     

 

 

本日 toraブログのトータル訪問者数が89万 I P を超えました。これもひとえに普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます   これからも1日も休まず書き続けて参りますので 引き続きお読みくださるようお願いいたします

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読響「オーケストラ解体新書」、岡田暁生「クラシック音楽とは何か」、土田京子「和声法がさくさく理解できる本」、「東京CLASSIC地図」他を買う / 早見和真著「イノセント・ デイズ」を読む

2018年01月30日 08時03分14秒 | 日記

30日(火)。わが家に来てから今日で1217日目を迎え、大相撲初場所で初優勝を飾ったジョージア出身の前頭3枚目・栃ノ心が29日、春日野部屋で記者会見し「賜杯は重かった」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     重かった賜杯は 良い重い出 になるだろね  ところで今 横綱って誰がやってんの?

 

        

 

昨日は久しぶりに「カレーライス」を作りました あとはいつもの「生野菜サラダ」です。カレーはいつも2種類のルーを混ぜていますが、今回はSBゴールデンカレーとグリコZEPPINカレーの中辛です

 

     

 

        

 

昨日はコンサートも映画の予定もなかったので、久しぶりに池袋のジュンク堂書店まで歩きました 書店に行けば最低5冊は買い込む習性があることは自覚しているのですが、どうしても行きたくなってしまうのです こういうの「活字中毒」と言いますね

という訳で、本を5冊買いました。いつもは3階の文庫・新書コーナーを徘徊するのですが、今回は10階の芸術書コーナーから回った関係で音楽関係書籍が4冊になりました それにしても、クラシック音楽だけでも多種多様な数多くの本が出版されていることに驚きます 作曲家、音楽史、評論、エッセイ・・・・挙げて行ったらキリがありません 背表紙を見ていると片っ端から読みたくなります でもそんなお金ないし、読む暇もないし

ということで、1冊目は読売日本交響楽団編「オーケストラ解体新書」(中央公論新社)です 目次を見ると、読響の指揮者であるカンブルラン、テミルカーノフ、スクロヴァチェフスキ(故人)たちのこと、楽団員の生活、コンサート当日のドキュメント、事務局の日常などが紹介されているようです

 

     

 

2冊目は岡田暁生著「クラシック音楽とは何か」(小学館)です 岡田暁生氏は音楽学者、京都大学人文科学研究所教授で、多くの音楽関係書籍を執筆しています この本は新聞の書評で紹介されていたのを見て興味を持ちました

 

     

 

3冊目は内池久貴編「東京CLASSIC地図」(交通新聞社)です この本には①クラシック喫茶、②レストラン&バー、③音楽ホール、④クラシック音楽専門店(CDショップ、楽器店など)が紹介されています クラシック喫茶の本は持っていますが、②~④まで網羅された本は持っていないので購入しました

 

     

 

4冊目は土田京子著「和声法がさくさくと理解できる本」(ヤマハ・ミュージック・メディア)です これは何冊か購入した「1冊でわかるポケット教養シリーズ」の1冊です

 

     

 

5冊目は音楽を離れて、R.D.ウィングフィールド著「クリスマスのフロスト」(創元推理文庫)です 実は 以前買った「フロスト日和」を読み始めたばかりなのですが、これが滅茶苦茶面白いのです 「このシリーズなら間違いなし」と、思わず購入しました

 

     

 

読み終わったけれど まだブログでご紹介していない本が数冊あるので、それらを登場させてから 順にご紹介していきます

 

          

 

早見和真著「イノセント・ デイズ」(新潮文庫)を読み終わりました 早見和真氏は1977(昭和52)年 神奈川県生まれ。2008(平成20)年に「ひゃくはち」で作家デビュー。この作品は映画化、コミック化されベストセラーに。15年「イノセント・デイズ」で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞

 

     

 

物語の主役は田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で死刑を宣告される 恋人から別れを告げられたことから激昂し犯行に及んだというのがその理由だった。彼女の人生に関わってきた人々ー産婦人科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官たちの追想から、彼女の本当の姿が浮かび上がる 幼なじみの弁護士が 彼女は殺人犯ではないと確信して再審を求めて奔走するが、本人は再審請求を拒否、刑に服する覚悟を決めている。かくして、彼女の刑は執行された。しかし、真犯人は別にいた

この作品を読み終わった時に感じたのは、深い感動でした 悲しさと言うのでもない、やりきれなさと言うのでもない、やはり感動です。心に深い傷を負った田中幸乃は、自身が犯人ではないことを自覚しながらも、もはや失うものは何もない、あとはこの世の中から消えるしかない、というところまで追いつめられていたのです

この作品のエピローグで、女性刑務官が馴染みのバーでテレビのニュース番組を観るシーンが描かれています。画面に映し出された容疑者の女の写真は、名前の横に表示された44歳という年齢よりも老いを感じさせる女ですが、隣席のカップルが次のような会話をします

男「悪そうな女」

女「なんかこの事件、前にもあったよね。っていうか、この女、見たことない?」

男「さぁ、どうだろう。そういうタイプなんじゃないの?」

女「タイプって?」

男「だから、なんていうかさ・・・・やってそうじゃん。いかにもさ」

この会話に対し刑務官は「全身の毛が震え、ハッキリとした敵意を抱いた」が、「全然違うかもしれないのにね」と、小声でつぶやいた。

「なんか いかにもだなってさ、私も間違いなくそう思ってたんだ。何も知らないくせに。自分勝手に決めつけて

この場面で、刑務官は一度は幸乃を凶悪犯罪者と決めつけていたことについて深く反省しているのです

翻って、自分自身のこととして捉えて、テレビに映し出された容疑者を「悪そうな女」とか「いかにも やってそうじゃん」と思ったことことはないのか、と自問するとき、そういうことはないとは言い切れない自分がいます 「疑わしきは罰せず」と言う言葉がありますが、刑が確定するまでは、あくまで「容疑者」であって「犯人」ではないし、事例によっては「冤罪」ということもあります

この作品は、人々の容疑者に対する何気ない偏見をたしなめているようにも思います

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矢崎彦太郎+新交響楽団でフランク「交響曲ニ短調」、レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」「ローマの祭り」を聴く~音に囲まれる快感を体験:新協第240回演奏会

2018年01月29日 08時03分22秒 | 日記

29日(月)。わが家に来てから今日で1216日目を迎え、平昌冬季五輪に向け 五輪史上初めて北朝鮮と韓国の選手で構成する女子アイスホッケーの南北合同チーム「コリア」が、異なる政治体制で歴史を刻んできたことにより お互いに通じにくい言葉が少なくないことから「言葉の壁」に直面している というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      ロボットの君とウサギの僕が会話できるのに  同じ民族同士が通じないんだって!

 

                     

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第240回演奏会を聴きました プログラムは①フランク「交響曲ニ短調」、②レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」、③同「ローマの祭り」です 指揮は矢崎彦太郎です

 

     

 

自席は1階N列24番、センターブロック右通路側です。会場は8割近く入っているでしょうか

オケのメンバーが配置に着きます。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの編成。コンミスは堀内真実さんです

1曲目はフランクの「交響曲ニ短調」です セザール・フランクはフランスの作曲家というイメージがありますが、1822年に当時オランダ領だったベルギーの古都リエージュで生まれました フランスに帰化したのは50歳になってからのことです。この「交響曲ニ短調」を完成させたのはフランクが66歳の時でした この曲の特徴は、多くの交響曲が4楽章構成なのに対し3楽章から成ること、3つの主題が全楽章にわたって何度も登場する「循環形式」であることです

矢崎彦太郎が指揮台に上がり第1楽章が開始されます 低弦による海の底から湧き上がってくるような重い音楽が会場を支配します。何と暗い曲なんだろう と思っていると、しだいに堂々たる音楽が展開します ともにオルガン奏者で作曲家だったブルックナーに通じる確たる構築性を感じます 第2楽章は弦のピッツィカートに導かれたコールアングレによる抒情的な旋律で開始されますが、これがしみじみと良い演奏でした 第3楽章に入ると、今までの憂鬱な雰囲気が嘘だったかのように、力強い歓喜の音楽が展開します 新交響楽団の面々は、弦楽器も管楽器も打楽器も精力的な演奏で、カタルシスを生み出しました

 

     

 

プログラム後半の最初はレスピーギの交響詩「ローマの噴水」です これはイタリアの作曲家レスピーギによる「ローマ三部作」=「ローマの噴水」(1916年)、「ローマの松」(1924年)、「ローマの祭り」(1928年)の第1作です 第1曲「夜明けのジュリア谷の噴水」、第2曲「朝のトリトンの噴水」、第3曲「昼のトレヴィの噴水」、第4曲「黄昏のメディチ荘の噴水」の4曲から成ります

2階正面バルコニーのパイプオルガン席にオルガン奏者がスタンバイします。矢崎彦太郎の指揮で第1曲「夜明けのジュリア谷の噴水」が開始されます この曲では特にフルートとオーボエが素晴らしい演奏を展開しました 全曲を通して、色彩感溢れる演奏によって、ローマの夜明けから日没までの噴水の有り様が見事に描かれていました

ここで管楽器が大幅に入れ替わり、さらに2階正面バルコニーにはトランペット奏者が3人スタンバイし、最後の「ローマの祭り」の演奏に入ります この曲は第1曲「チルチェンセス」、第2曲「五十年祭」、第3曲「十月祭」、第4曲「主顕祭」の4曲から成ります

第1曲の「チルチェンセス」は「サーカス」と同義のイタリア語で、この曲では、皇帝ネロが民衆の歓心を買うために催したキリスト教徒虐殺の見世物のことを指しています 曲の冒頭からトランペットによる勇ましいファンファーレが吹き鳴らされます 音が後方からも聴こえてきたので、どうやら2階席にもトランペット奏者がスタンバイしていたようです。1階席中央で聴いていると、一昔前の「4チャンネルステレオ」で聴いているような気分になります。まさに「音に囲まれる快感」です

すごくいいな!と思ったのは第3曲「十月祭」で演奏されたマンドリンです メロディーは異なるもののモーツアルトの「ドン・ジョバン二」のセレナードを想い起こしました また、コンミスの堀内さんによるヴァイオリン独奏は素晴らしい演奏でした

最後の第4曲「主顕祭」は、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」か ラヴェルの「ラ・ヴァルス」か と思うような、文字通り「お祭り騒ぎ」の賑やかな音楽で、トランペットを中心とする管楽器が主導して狂喜乱舞の世界を表出します この音楽に乗って大衆が踊り出したらDJポリスの出動を要請するところです

この日の演奏はフランクの交響曲も良かったですが、何と言っても「ローマの祭り」の第1曲「チルチェンセス」のサラウンド・ステレオ的な「音に囲まれる」快感です

 

本日 toraブログのトータル閲覧数が330万 PV を超えました。これも普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝しております これからも毎日根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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「知られざるモーツアルト『教会ソナタ』の楽しみ」を聴く~宗教音楽なのに ほとんどディヴェルティメント か シンフォニア:紀尾井ホール室内管弦楽団によるアンサンブルコンサート

2018年01月28日 07時53分48秒 | 日記

28日(日)。わが家に来てから今日で1215日目を迎え、大手仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円分もの仮想通貨が流出したことから、仮想通貨相場は問題を受けて下落した状態が続いている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      得体の知れない通貨に手を出すべきではない  これはハイ通貨? ハイチュウか!

 

          

 

モーツアルトの誕生日(1756年1月27日生)である昨日、紀尾井ホールで 紀尾井ホール室内管弦楽団によるアンサンブルコンサート「知られざるモーツアルト『教会ソナタ』の楽しみ」を聴きました プログラムはモーツアルト①「教会ソナタ」14曲、②バッハ「平均律クラヴィーア曲集から5つのフーガ」(弦楽四重奏版)、③「アンダンテK.616」、④「アダージョとフーガK.546」です 演奏は、ヴァイオリン=野口千代光(東京藝大准教授)、森岡聡(リューベック音大在学中)、ヴィオラ=小峯航一(京都市響首席)、チェロ=菊池知也(日本フィル・ソロチェロ)、コントラバス=吉田秀(N響首席)、オルガン=大塚直哉(東京藝大准教授)です

 

     

 

自席は1階6列19番。右ブロック左から2つ目です。会場は9割近くらい入っているでしょうか

オール・モーツアルト・プログラムで、どのようにプログラミングするのか興味があったのですが、次のような曲順に演奏されました

1.教会ソナタ 3曲

2.バッハの平均律クラヴィーア曲集から5つのフーガK.405

3.教会ソナタ 3曲

  休憩(20分)

4.教会ソナタ 3曲

5.アンダンテK.616

6.教会ソナタ 3曲

7.アダージョとフーガK.546

8.教会ソナタ 2曲

モーツアルトは教会ソナタを17曲作曲していますが、この日演奏されたのは、そのうちの14曲です モーツアルトがザルツブルクに居た時期のうち16歳から23歳ごろまでに作曲されました 大きな特徴は教会の典礼のために作られたのに声楽曲ではなく器楽曲であること、そしてヴィオラが使用されないことです 当時、周囲に優秀なヴィオラ奏者が存在しなかったのでしょうか。理由は分かりません

ヴァイオリンの野口千代光、森岡聡、チェロの菊池知也、オルガンの大塚直哉が登場します 最初に演奏するのは「教会ソナタK.212、K.67 、K.68」の3曲です どういう理由でこの曲順に並べたのか不明ですが、まるで1つの交響曲を聴いているような感じでした 最初のK.212はほとんどシンフォニア(前奏曲)とでも言うべき曲想です。そしてK.68は交響曲のフィナーレそのものです

次に「バッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻から5つのフーガ」が野口、森岡、小峰、菊池の4人により演奏されました。5つのフーガはハ短調K.405-1、変ホ長調K.405-2、ホ長調K.405 -3、ニ短調K.405-4、ニ長調K.405 -5ですが、モーツアルトが1782~83年に弦楽合奏用に編曲したものです 同じメロディーが異なる楽器に受け継がれていくフーガは聴いていて楽しいです 高音のヴァイオリンから低音のチェロに移っていく曲もあるし、その逆の曲もあります。モーツアルトも一目置いていたバッハの偉大さが伝わってきます

次に演奏されたのは、「教会ソナタK.144 、K.225、K.245」の3曲です。演奏は野口、森岡、菊池、吉田、大塚というメンバーです この3曲は一つの交響曲と言うよりは、それぞれ独立したディヴェルティメント(喜遊曲)とでも言うべき楽しくウキウキする曲です

 

     

 

プログラム後半の最初は、「教会ソナタK.274、K.69、K.241」の3曲です 演奏は休憩直前と同じメンバーです。この3曲も、それぞれが独立したシンフォニア、あるいはディヴェルティメントと言うべき明るく楽しい曲想です

次に大塚直哉のオルガン独奏により「アンダンテ  ヘ長調K.616」の演奏に入ります この曲を聴いていて、なぜかモーツアルトの歌劇「魔笛」を感じました。ザラストロやパパゲーノのアリアが聴こえてきたように思いました

次いで「教会ソナタK.145、K.224、K.244」の3曲が演奏されました。野口、森岡、菊池、大塚というメンバーです。この3曲もほとんどシンフォニア、あるいはディヴェルティメントといった印象です

次に「アダージョとフーガ  ハ短調K.546」が弦楽五重奏により演奏されました この曲を聴いていて、モーツアルトの歌劇「ドン・ジョバン二」のデモーニッシュな序曲(お酒を飲みながら一晩で書いたと言われる)を思い起こしました

最後は野口、森岡、菊池、吉田、大塚の5人により「教会ソナタK.336、K.328」が演奏されました K.336のハ長調の教会ソナタを聴いたら「これは ほとんどオルガン協奏曲だ」と思いました。教会ソナタの中でも特殊な作品だと思います   オルガンの代わりにピアノで弾いたら、ほとんどモーツアルトの初期のピアノ協奏曲と呼んでも良いほどです  終曲にオルガンのカデンツァがありますが、大塚氏の演奏は現代のオルガンの能力を最大限に生かし、低音から高音まで自由自在に即興的な演奏を展開し、モーツアルトの即興演奏を彷彿とさせました

プログラム・ノートによると、「教会ソナタ」は正確には「書簡朗読ソナタ」で、ミサにおける書簡朗読の後に演奏される器楽曲だそうです しかし、上に書いた通り、いずれの曲もディヴェルティメント(喜遊曲)、あるいはシンフォニア(序曲)のような明るく楽しい曲ばかりで、とても厳かな教会での典礼のための作品であるとは思えません 昨日のブログで書いたように、あたかもモーツアルトの「『ミサ曲ハ短調K.427』が まるでオペラのようだ」と言うのと同じように、「『教会ソナタ』はまるでディベルティメントのようだ」と言えるのではないかと思います 当時のザルツブルクの人たちの中には、教会に礼拝に行くというよりもモーツアルトの「教会ソナタ」を聴くのが楽しみで出かける人もいたのではないか、と密かに思ったりします

アンコールは6人全員が出場し、モーツアルト晩年の傑作「アヴェ・ヴェルム・コルプス  ニ長調 K.618」を演奏しました  この曲は1791年6月17日に、妻コンスタンツェの療養を世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したのもです   わずか46小節の 演奏時間にして3分ほどの小曲ですが、天国的な美しさです 

この日のプログラムは 生演奏で聴くのが初めての曲ばかりでしたが、いずれも素晴らしい演奏で、モーツアルトの誕生日に相応しい充実したコンサートでした

 

     

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ジェームズ・ジャッド+新日本フィルでハイドン「交響曲第100番”軍隊”」、ロッシーニ「スターバト・マーテル」を聴く / 今日はモーツアルトの誕生日(1756年1月27日生まれ)

2018年01月27日 08時04分03秒 | 日記

27日(土)。昨日の日経朝刊第1面トップは「病児・学童  受け皿拡大 厚労省 共働き世帯支援」という見出しによる記事でした 保育所では急な発熱などへの対応を広げ、現在の2.5倍の年150万人まで受け入れるようにする、というものです

この記事を読んで、20数年前、息子を保育園(0歳児・1歳児)に預けていた時のことを思い出しました。園長先生から「日本保育協会が病児保育に関するパネル・ディスカッションを開くことになったが、保護者の代表として出席してくれないか」と頼まれました 当時、私は息子の保育園への送り迎えをほぼ100%やっていたので、珍しい父親として白羽の矢が立ったのだと思います。パネル当日は出張帰りの日だったのですが、せっかくの依頼なのでお引き受けしました。当日は大学教授、保育園の園長、厚労省の係長クラスの女性らを含め5人くらいのパネラーが出席しましたが、多くのパネル・ディスカッションの定石通り、各自が意見を述べるだけで時間切れになり、ディスカッションまでは至らなかったと記憶しています 私は保護者代表という立場なので「子どもは親が仕事を休めない時に限って高熱を出したりする。保育園はそういう時は預かってくれないのが現状だ どうしても仕事で休めない時は、座薬で一時熱を引かせて保育園に預け、熱が出たと保育園から職場に電話がかかってきたら迎えに行くということもあった そういう意味では、病児を預かる制度があると親としては助かる」というような発言をしたと記憶しています 

17年度で2万6千人いる待機児童も大きな問題ですが、保育園に預けても 親の就労を阻む課題は少なくありません 今回の厚労省の対応は改善の第一歩となるものだと思いますが、国は 子供を育てながら安心して働くことができる環境整備に もっと投資すべきだと思います

ということで、わが家に来てから今日で1214日目を迎え、中国メディアによると 黒竜江省ハルビンの3つのホテルで客室清掃を隠し撮りした映像が動画サイトで公開されたが、ハルビン・ケンピンスキーホテルの清掃員が便器を洗うブラシでコップを洗い、ハルビン・シャングリラホテルの清掃員はコップとゴミ箱を同じ雑巾で拭き、その雑巾を便器の水で洗っていた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これがアメリカに次ぐ経済大国の実態なの? 中国は大国どころか小国じゃね?

 

                     

 

昨日、夕食に「ニラのスタミナ丼」と「湯豆腐」を作りました 今まで豚小間で「豚丼」を作ったことはありますが、ニラを使ったスタ丼は初めてです。ニラは3束使いましたが、もっと多くても良かったかも知れません

 

     

 

                     

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「ルビー(アフタヌーン・コンサートシリーズ)」定期演奏会を聴きました プログラムは①ハイドン「交響曲第100番”軍隊”」、②ロッシーニ「スターバト・マーテル」です ②の独唱は、ソプラノ=髙橋絵理、メゾソプラノ=谷口睦美、テノール=宮里直樹、バス=ジョン・ハオ、合唱=栗友会合唱団、指揮はジェームズ・ジャッドです

 

     

 

オケはいつもの新日本フィルの編成。コンマスは西江王子です

1曲目はハイドン「交響曲第100番ト長調”軍隊”」です ハイドンは1790年(58歳の時)に約30年間お仕えしたエステルハージ公爵家から離れました。円満退職といったところでしょうか ロンドンでコンサートのプロデューサーをやっていたヨハン・ペーター・ザロモンに声をかけられ、現地に渡り作曲活動をすることになり、1791年1月~92年6月、さらに1794年2月~95年8月の2回渡英しています。そこで、現在「ザロモン交響曲集」と呼ばれている12曲の傑作(交響曲第93番~第104番)を生み出しています

この第100番は「軍隊」という愛称で親しまれていますが、これは第2楽章に出てくる軍楽隊のような曲想によるものです 第1楽章「アダージョーアレグロ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「メヌエット:モデラート」、第4楽章「フィナーレ:プレスト」の4楽章から成ります

イギリス生まれの指揮者ジェームズ・ジャッドが登場し指揮台に上がります。私にとっては毎年夏に開かれるアジア・ユース・オーケストラの首席指揮者として馴染み深い人です ハイドン特有の古典的な様式の中にもユーモアあふれる曲想はジャッドにピッタリです とくに第3楽章「メヌエット」は優雅さと楽しさに溢れていました

 

     

 

プログラム後半は、ロッシーニ「スターバト・マーテル」です ロッシーニ(1792~1868)は76年の生涯でしたが、その半分生きたところ(1829年=37歳)で、最後のオペラ「ウィリアム・テル」を発表して、ほとんど引退してしまい、数少ない教会音楽や器楽曲などを作曲するだけになりました。あとはグルメ生活を送っていたようです この「スターバト・マーテル」はそんな時期に書かれた宗教曲です。「スターバト・マーテル」というのはイエス・キリストの母であるマリアに心を寄せて、愛する子(キリスト)が磔になった際の悲しみを伝えた聖歌です

この曲は、第1曲「導入」、第2曲「アリア」、第3曲「二重唱」、第4曲「アリア」、第5曲「合唱とレチタティーヴォ」、第6曲「四重唱」、第7曲「カヴァティーナ」、第8曲「アリアと合唱」、第9曲「四重唱」、第10曲「終曲」から成ります

舞台後方に栗友会合唱団が並び、オケと独唱陣が配置に着きます 左からソプラノ=髙橋絵理、メゾソプラノ=谷口睦美、テノール=宮里直樹、バス=ジョン・ハオという並びです

ジャッドの指揮で第1曲「導入」が開始されます 冒頭の管楽器による音の広がりを聴いて、「まるでワーグナーの楽劇のようだ」と驚きました。この曲を聴くのは、昨年9月1日のサントリーホール・リオープニング記念演奏会で聴いて以来2度目ですが、その時はそうは思いませんでした まるでロッシーニがワーグナーを先取りしたかのような感覚を覚えました

第2曲「アリア」はテノールの宮里直樹が歌いましたが、この人の歌は今月13日の文京シビック「響きの森クラシック・コンサートシリーズ」で聴いたばかりです ひと言で言えば「破壊力のある強靭なテノール」です 最高音がラクラクと出ます いま若手のテノールではナンバーワンではないかと思います

第3曲「二重唱」はソプラノの髙橋絵理とメゾソプラノの谷口睦美によるデュオです 髙橋絵理は初めて聴きましたが、高音が良く伸び、力強いソプラノだと思いました 谷口睦美は今週火曜日に千住明「万葉集~明日香風編」で聴いたばかりですが、底力のあるメゾソプラノで、声が良く通ります この二人で聴くデュオは、まるでオペラの二重唱を聴いているようでした モーツアルトの「ミサ曲ハ短調」が「まるでオペラのようだ」と思うのと同じように、ロッシーニの「スターバト・マーテル」も「まるでオペラのようだ」と言えるかもしれません

さらに、最後の第10曲「終曲」は、あまりにもドラマティックな終わり方で、ほとんどオペラのフィナーレの大団円を思い浮かべます

次にロッシーニの「スターバト・マーテル」を聴くのは4月15日の「東京・春・音楽祭」のコンサートです どんな演奏が聴けるのか、今から楽しみです


     


話は180度変わって、今日はモーツアルトの誕生日(1756年1月27日生まれ)です 紀尾井ホールに「知られざるモーツアルト『教会ソナタ』の楽しみ」を聴きに行きます

 

     

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クリストファー・ノーラン監督「ダンケルク」を観る~新文芸坐 / キェシロフスキ監督「トリコロール/赤の愛」を観る~早稲田松竹

2018年01月26日 08時01分10秒 | 日記

26日(金)。昨日、映画を観終わったのでスマホの電源を入れると、いつも 魚の逸品を送ってくれる勝浦市在住のS君からメールが入っていました 昨日のブログに「歌野正午」と書かれているが「歌野晶午」の間違いではないか、という指摘でした

「えっ、マジっすか」と思ってスマホ版でブログを見ると S君の指摘の通り「歌野正午」になっていました どうやら いつも愛読している「佐藤正午」と取り違えていたようです  S君のメールには「新聞学科だったので人名の間違いが気になりました」と書かれていましたが、同じ新聞学科卒として恥ずかしい限りです あらためてS君に感謝するとともに、さっそく見出し・本文とも訂正させていただきました。ご了承ください

ということで、わが家に来てから今日で1213日目を迎え、昨年1年間に懲戒処分を受けた全国の警察官は260人だったが、内訳は盗撮・強制わいせつ・セクハラといった異性関係が83人、窃盗・詐欺・横領などが57人、交通事故・違反が40人だった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       警察官ではなく軽率官と呼ばれないようにしてほしい  町会処分程度で済むように

 

          

 

昨日、夕食に「手羽元ほろほろ煮スープ」と「生野菜とタコとスモークサーモンのサラダ」を作りました 「手羽元~」は初挑戦ですが、1時間 煮込んだ甲斐があって とても美味しく出来ました 材料は鶏手羽元、白菜、玉ねぎで、塩、粗びき胡椒、コンソメで味付けしています 日本酒の熱燗を飲んだので、つまみに礼文島産のイカの塩辛もいただきました

 

     

 

          

 

昨日、新文芸坐で「ダンケルク」を観ました これはクリストファー・ノーラン監督による2017年アメリカ映画(106分)です

ダンケルクというのはドーバー海峡に面したフランスの港町のこと。1940年 第二次世界大戦の真っ最中、ヒトラー率いるナチス・ドイツ軍はポーランドに侵攻し、そこから北フランスまで勢力を伸ばした。電撃的な戦いでフランスとイギリスの連合軍の兵士40万人をダンケルクに追い詰める。事態に危機感を抱いたイギリス首相チャーチルは、ダンケルクに取り残された兵士たちを無事に生還させるため史上最大の救出作戦を命じる。イギリスからは軍艦だけでなく、約900隻の民間船舶が自らの意志で現地に向かい、兵士たちと一般市民が協力し合い命がけで人命救助を行った。その結果、多くの兵士たちが奇跡的に救出された

 

     

 

この映画は、ノーラン監督が初めて実話に基づいて製作した映画ですが、これまでの戦争映画と異なるのは、憎きナチス・ドイツをやっつける”イケイケドンドン”の映画ではなく、ドイツ軍に包囲されて身動き取れないダンケルクから兵士たちを生還させる”撤退”を描いた映画であることです 軍艦や戦闘機から攻撃されて恐怖を抱く連合軍の兵士たちの姿が リアルな映像と迫力ある不気味な大音響で浮かび上がります

「それにしても、当時のイギリスの国民性は凄いな」と思うのは、軍艦や戦闘機を相手に900艘もの民間船舶が 兵士たちを救助するために出動したという歴史的事実です   こういう国と戦争をしたら勝てるわけがありません   そういう時代に生まれなくて良かったとつくづく思います

 

     

 

          

 

早稲田松竹で「トリコロール/赤の愛」を観ました これはクシシュトフ・キェシロフスキ監督による「トリコロール三部作」の第3作にあたる作品で、1994年スイス・フランス・ポーランド合作映画(96分)です

モデルの仕事をしている女学生のバランティーヌ(イレーヌ・ジャコブ)は、ある日、車で犬をはねてしまう 首輪に書かれた住所をもとに飼い主を訪ねるが、その初老の男(ジャン=ルイ・トランティニャン)の反応は冷たく、バランティーヌは犬を動物病院で治療を受けさせた上で部屋に連れて帰る。ある日、彼女のもとに多額の現金書留が届く。犬は怪我から回復したが、彼女の元から逃げ出し行方不明になってしまう 元の飼い主のところに戻ったのだろうと再び男を訪ねると、犬がいて、現金書留の送り主がその男であることを知る 男は元判事で、他人の電話を盗聴するのが趣味だと明かす 盗聴を止めるよう必死に説得するバランティーヌに男は次第に心を動かされ、遂に止める決心をする そしてお互いの境遇を語り合うようになる。バランティーヌはフェリーでドーバー海峡を渡ることになったが、嵐でフェリーが転覆し生存者はわずか数名だというニュースが流れる。バランティーヌはそのフェリーに乗っていた

 

     

 

バランティーヌを演じたイレーヌ・ジャコブは、同じキェシロフスキ監督の「二人のベロニカ」のヒロイン 二役を演じた女優さんです 監督は余程お気に入りなのでしょう

この映画では、音楽担当のズビグニェフ・プレイスネルによるボレロ風の音楽が色々な場面で流れますが、何かが起こりそうな雰囲気を漂わせていました

ところで、映画の終盤、フェリーが転覆して生存者が助け出されるシーンがテレビ映像として流れますが、「トリコロール三部作」の「青の愛」「白の愛」の登場人物がこぞって登場します これによって、三部作に一貫性を持たせる意図が完結されたわけですね

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歌野晶午著「ずっとあなたが好きでした」を読む~読後「してやられた!」と嘆息すること必至の傑作短編集

2018年01月25日 07時56分27秒 | 日記

25日(木)。気象情報によると、日本の5500メートルと1500メートル上空に強い寒気が流れ込んでいることから、今日は 全国的に記録的な寒さになるようです こういう日はベートーヴェンの「第九」の第4楽章を歌ってはいけません 「歓喜の歌」でこれ以上 寒気を呼ばないで さむっ

ということで、わが家に来てから今日で1212日目を迎え、ロシア疑惑を捜査するマラー特別検察官がセッションズ司法長官を聴取したことについて、トランプ大統領は「全く懸念もしていない」と記者団に述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「全く懸念もしていない」とか言ってるけど 本音は恐ロシアと思ってんじゃね?

 

                     

 

昨日の夕食はすき焼きにしました わが家は子供たちが肉大好き人間なので、どうしても肉料理が多くなりがちです でも すき焼きなら白菜、エノキダケ、シイタケ、長ネギ、糸こんにゃくを入れ、焼豆腐も入れるので栄養のバランスは十分とれます

 

      

 

                     

 

歌野晶午著「ずっとあなたが好きでした」(文春文庫)を読み終わりました 歌野晶午は1961年千葉県生まれ。1988年に「長い家の殺人」でデビュー。2003年刊行の「葉桜の季節に君を想うということ」で第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞しています

 

     

 

この本は2013年4月~2014年9月の間に別冊文芸春秋ほかに発表された11の短編に 書き下ろし作品2編を加え2014年10月に単行本としてまとめたものを、2017年12月に文庫化したものです

「ずっとあなたが好きでした」「黄泉路より」「遠い初恋」「別れの刃」「ドレスと留袖」「マドンナと王子のキューピッド」「まどろみ」「幻の女」「匿名で恋をして」「舞姫」「女!」「錦の袋はタイムカプセル」「散る花、咲く花」の13編から成ります 共通点は恋愛が描かれているということです

そもそも歌野晶午氏の作品を読もうと思ったのは、前回読んだ「葉桜の季節に君を想うということ」の最後の1行で「してやられた!」と思ったからです

この文庫本の最初に登場する短編「ずっとあなたが好きでした」を読んで、再び「してやられた!」と感嘆しました 主人公は中学3年生の大和ですが、アルバイト先で女子高生に惹かれ、一緒にランチをするのを楽しみにしていたのに、上司が二人を引き離そうとする 上司も彼女のことが好きだからに違いない、と大和は推測する。いじめとしか思えない仕打ちに 我慢できなくなった大和は最後に上司を問い詰め 罵倒する すると上司はハンカチで額の汗をぬぐって ひと言 つぶやく。その ひと言で世界がひっくり返る 音楽で言えばラヴェルの「ボレロ」の最後のどんでん返し

その意味では森鴎外の名作「舞姫」のタイトルをパクった作品も最後の1行が強烈です 主人公がフランス人の女性と結婚して日本に連れ帰り、母親に紹介するのですが、その母親のひと言で世界がひっくり返る 両作品とも、人が常識と考えていることを逆手にとって見事に肩すかしを食らわせます

13作すべてをご紹介する訳にもいかないのでこの辺にしておきます 最後に一つだけ付言しておきます

実はこれらの作品はそれぞれ別々の年齢・生活環境にある主人公の恋愛事情が描かれているのですが、全編を読んだ後、再び「してやられた!」と感嘆することになります その理由と本書の仕掛けの分析は巻末に寄せられた大矢博子さんの「必ず本編を読み終わってから読んでほしい解説」で紐解かれています その解説の1ページ目の最後の行に「次ページから先は完全に仕掛けをばらすので、くれぐれも本文読了後にお読みください。未読の人はここまでですよ!」と書かれています  私はこの忠告を忠実に守って読みましたが、その方がミステリーの醍醐味を味わえます 文庫本で669ページの大作ですが、読み始めたら止まらない面白さです。お薦めします

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大友直人+開原由紀乃+東京交響楽団でラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」、千住明:オペラ「万葉集~明日香風編」他を聴く~第26回Kissポートクラシックコンサート

2018年01月24日 08時05分01秒 | 日記

24日(水)。わが家に来てから今日で1211日目を迎え、米ワシントン・ポスト紙が 就任2年目に入ったトランプ大統領の最初の1年間の演説、声明、ツイッターなどを「ファクトチェック(事実確認)」した結果、虚偽や事実関係で誤解を招く主張を2140回繰り返したと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     日本じゃ「嘘八百」が通り相場だけど  米国は「嘘2140」だもの スケールが違う!

 

          

 

昨日、夕食に「豚バラ、甘酢ネギ胡麻だれ」と「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました 本当は豚肉をカリッとするまで炒めるのですが、時間の関係でハショリました

 

     

 

          

 

昨夕、サントリーホールで第26回Kissポートクラシックコンサートを聴きました   プログラムは①千住明「Our Home Port」、②ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」、③千住明:オペラ「万葉集」~明日香風編です  ②のピアノ独奏は開原由紀乃、③の額田王=小林沙羅、鏡王女=谷口睦美、中大兄皇子・天智天皇=吉田浩之、大海人皇子・天武天皇=福島明也、十市皇女=隠岐彩夏、混声合唱=ミナトシティコーラス。管弦楽=東京交響楽団、指揮=大友直人です

 

     

 

オケはいつもの東響の並び、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスはグレブ・二キティンです

1曲目は千住明「Our Home Port」です この曲は公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団(Kissポート財団)設立20周年を記念して作曲された作品で、2017年1月に世界初演されました 千住氏は自宅も事務所も港区ということで所縁があるとのこと 聴いた限りでは、明るく希望に満ちた曲想で、聴きようによってはアニメ映画のテーマソングのようでもあります

2曲目はラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」です この曲は1931年(作曲者56歳)に作曲され翌32年に初演されました。他の曲と全く異なるのは冒頭がムチの一発で開始されるところです ムチの一発とはいえ、本物のムチを振り回してパチッと音を出すわけではありません。前にいる管楽奏者の首に巻き付いたら大変なことになります 演奏では2枚の板を挟んで音を出すような楽器を使用します。これを知らないと無知と言われそうです

ピアノ・ソロの開原由紀乃さんが黒を基調とする銀のラメ入りの衣装で登場します 彼女は1992年広島県福山市出身で、95年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール・ピアノ部門セミファイナリスト、16年第14回東京音楽コンクール・ピアノ部門第3位の入賞歴があります

大友直人の指揮で第1楽章に入りますが、何度聴いてもいい曲です まるでジャズです。開原さんの演奏はその雰囲気が良く出ていました 第2楽章はしみじみといい曲です。美しさの極みです そして第3楽章はまたしてもジャズです。ラヴェルは素晴らしい

 

     

 

プログラム後半は千住明:オペラ「万葉集」~明日香風編です 私はこの曲を東響定期で聴いているので今回が2度目です。このオペラは黛まどかの台本による作品ですが、今回は第24回公演の「二上挽歌編」に次ぐ上演です 出演は額田王(ぬかたのおおきみ)=小林沙羅、鏡王女(かがみのおおきみ)=谷口睦美、中大兄皇子・天智天皇(なかのおおえのみこ・てんちてんのう)=吉田浩之、大海人皇子・天武天皇(おおあまのみこ・てんむてんのう)=福島明也、十市皇女(とおちのひめみこ)=隠岐彩夏、混声合唱=ミナトシティコーラスです

このオペラの舞台は7世紀半ばから終わり頃の日本。主人公は「万葉集」初期の女流歌人・額田王です 鏡王の娘である額田王は、大海人皇子(天武天皇)と結婚し、娘・十市皇女をもうけるが、大海の皇子の兄・中大兄皇子(天智天皇)の寵愛を受けるようになり後宮入りする 額田王の姉・鏡王女は中大兄皇子の妻だったが、妹の後宮入りに伴い離縁され、中臣鎌足の妻になるーーそんな姉妹の数奇な人生と恋を音楽で描いています

ミナトシティコーラスの面々がP席にスタンバイします。約200名の男女比は男声1対女声3の割合です 老若男女と言いたところですが、男声陣の平均年齢は日本人男性の平均寿命に限りなく近いのではないかと思われます 日本の高度成長を牽引してこられ、さらにコーラスに取り組む姿には頭が下がります

ソリストの5人が入場し指揮者の前に横一列にスタンバイします 小林沙羅さんは濃いピンクと黒を基調とする 着物をデザインした洋風の衣装で、形から額田王に近づけています。プロ根性と言えるでしょう 他のソリストは黒を基調としているところは共通しています

この公演の最大の貢献者は最初から最後まで出ずっぱりで主人公の額田王を歌った小林沙羅さんです  他のソプラノ歌手と違った個性的な美声を持っています そして鏡王女を歌った谷口睦美さんも深みのある歌声で絶好調でした 男性では中大兄皇子・天智天皇を歌った吉田浩之氏が伸びのあるテノールで好調でした 十市皇女を歌った隠岐彩夏さんは出番が少なかったのが残念なくらい素晴らしい歌声でした 大海人皇子・天武天皇を歌った福島明也氏はベテランの味を発揮しました

このオペラを聴いて感じるのは、日本人が日本語による日本のオペラを歌うと何と自然なことか、ということです ソリストたちは伸び伸びと歌っているように見受けられます もちろん、作曲家がそのように書いているからであることには違いありませんが

大きな拍手の中、作曲者の千住明氏がステージに呼ばれ カーテンコールが繰り返された後、大友氏が「このオペラには第2章があるのですが、最後にそれを演奏して終わりにしたいと思います」と告げました

そしてオペラ「万葉集」の「二上山挽歌編」のフィナーレ部分を、小林沙羅さんのソロと混声コーラスを中心とする合唱で歌い上げ、オペラを締めくくりました

同じアンコールでも、このようなアンコールは歓迎できます。会場が盛り上がりました

ミナトシティコーラスの皆さん、お疲れ様でした。素晴らしいコーラスでした

 

     

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「地域の響き~兵庫芸術文化センター管弦楽団」~朝日新聞の記事から / クシシュトフ・キェシロフスキ監督「トリコロール/白の愛」を観る~タンゴ風の音楽が流れる:早稲田松竹

2018年01月23日 07時48分02秒 | 日記

23日(火)。わが家に来てから今日で1210日目を迎え、米国のトランプ政権と連邦議会の対立を受けて20日から始まった一部政府機関の閉鎖の影響で、ニューヨークの観光名所 自由の女神像が職員が休みのため 島に観光客が渡れなくなった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 自由の女神がかかげる たいまつから タバコの火を借りてた人は 当面禁煙だね

 

          

 

昨日、夕食に「クリームシチュー」と「生野菜と鶏むね肉のサラダ」を作りました クリームシチューには、子供たちはピザ用チーズを、私は胡椒をかけて食べます。好みの違いですね

 

     

 

                     

 

朝日新聞夕刊で連載中の「地域の響き」の第2回目は兵庫芸術文化センター管弦楽団(兵庫県西宮市)です 記事を超訳すると

兵庫芸術文化センター管弦楽団は、2005年設立と日本のプロオーケストラで最も新しく、唯一の仕組みを持つ楽団で、佐渡裕が芸術監督を務める県立劇場の専属オーケストラ 唯一の仕組みとは『若手育成を目的とし、楽団員の在籍最長3年』であること 定員48人のコアメンバーは、35歳未満の奏者を 西宮、東京、ウィーン、ベルリン、ニューヨーク、シカゴで開くオーディションで選ぶ 在籍中のコアメンバー42人のうち日本人は20人、出身は15の国・地域に及ぶ。公演は、オペラが1演目8公演程度、定期演奏会が9回27公演、県内の中1が劇場で鑑賞する『わくわくオーケストラ教室』が40公演、室内楽演奏会や街中でのアウトリーチも含めて年間約130公演 コアメンバーは毎年3分の1ほどが入れ替わる。長年の『楽団固有の音』は生み出しにくいものの、任期満了前に別の楽団のオーディションに合格するメンバーもいて、人材供給源としての知名度は徐々に上がってきた 読売日響、京都市交響楽団など国内のほか、デトロイト響、ミュンヘン・フィル、ニュージーランド響など、判明しているだけで17の国と地域の48楽団に 64人が採用されている

この記事を読むと、地方のプロオーケストラの中にも「オーケストラ・アンサンブル金沢」やこの「兵庫芸術文化センター管弦楽団」のような国際色豊かな個性的な団体が増えつつあることを感じます 両オーケストラは方向性こそ違うものの、地域に根差したオーケストラという点では共通しているのではないか、それは地方のオーケストラにとって一番大切なことではないか と思います

 

          

 

早稲田松竹で「トリコロール/白の愛」を観ました これはクシシュトフ・キェシロフスキ監督によるフランス革命の精神「自由、平等、博愛」を込めた国旗、青・白・赤のトリコロールをモチーフとして製作された3つの独立した物語の第2作で、1994年スイス・フランス・ポーランド合作映画(92分)です

パリに住むポーランド人の美容師カロル(ズビグニェフ・ザマホフスキ)は、慣れない外国生活で一時的に性的不能に陥ってしまう フランス人の妻ドミニク(ジュリー・デルビー)は、それが愛の終わりだと裁判所に離婚請求を申し立てる 失意のカロルは地下鉄の通路でミコワイという同国人と知り合う。ミコワイの協力で辛うじて故郷にたどり着いたカロルは 新しい事業を起こして成功し大金を手に入れる カロルはドミニクをポーランドに呼び寄せ、彼女の愛を取り戻すために とんでもない計画を立て、ミコワイらの協力を得て実行に移す

 

     

 

この映画の結末を観て、カロルが実行した とんでもない計画が 本当にドミニクの心を取り戻すためのものだったのか、あるいは裁判にまで離婚を持ち込んだドミニクへの復讐心から出たものだったのか、分からなくなりました ひねくれた考え方をしなければ、ドミニクの心を取り戻すためのものだったと言えると思いますが

ところで、冒頭の法廷のシーンで、ある女性が部屋を間違えて入室しようとして止められる場面がありますが、この女性は「トリコロール三部作」の第1作「青の愛」で主人公を務めたジュリエット・ピノシュでした 監督は このシーンで 彼女に青から白へ バトンを手渡す役割を与えたわけですね

この映画では音楽担当のズビグニェフ・プレイスネルによるタンゴ風の音楽が様々なシーンで流れますが、なぜかパリにもポーランドにも似合っていました

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キェシロフスキ監督「二人のベロニカ」を観る~イレーヌ・ジャコブ抜きには考えられない作品:早稲田松竹

2018年01月22日 07時47分07秒 | 日記

22日(月)。わが家に来てから今日で1209日目を迎え、北朝鮮が当初 平昌冬季五輪の開催に合わせて韓国に派遣する三池淵(サムジョン)管弦楽団の現地事前調査団を20日から派遣するとしていたのに 直前になって突然理由を伝えず中止を申し入れていたが、20日になって、21日から訪韓させると韓国側に伝え 訪韓した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

          韓国で開く冬季オリンピックなのに 完全に挑戦的な北朝鮮に振り回されてね?

 

                     

 

早稲田松竹で「二人のベロニカ」を観ました これはクシシュトフ・キェシロフスキ監督による1991年フランス・ポーランド・ノルウェー合作映画(98分)です

同じ年の同じ日の同じ時刻に生まれた二人のベロニカ(イレーヌ・ジャコブ 二役)。一人はポーランドで歌の才能が認められ、初めて舞台に立つが 胸の痛みを感じ、突然の死を迎えてしまう もう一人は、パリで子供たちに音楽を教える先生。ある日、人形劇の人形使いのアレクサンドルに出会い、恋に落ちる 彼女はもう一人のベロニカが身近にいる感覚を覚え、これから自分の身に起こることを予感して行動するようになる

 

     

 

この映画は主人公のベロニカを演じたイレーヌ・ジャコブの魅力を抜きにしては成り立たない作品です

この映画ではトリコロール三部作と同様、音楽をズビグ二エフ・プレイスネルが担当していますが、ポーランドの舞台上で倒れたシーンで使われた音楽が、パリのベロニカが恋人に出会うシーンで使われるなど、音楽に大きな役割を与えています

この映画を観て、自分の分身のような人間がどこかに存在することがあるだろうか、と考えてしまいました というのは、私には一度そういう経験があるからです 今からン十年前の 社会に出てまだ3~4年くらいしか経っていない頃だったと思います。勤務先法人の入居するビルの地下1階に軽食喫茶Rがあり、その前を通った時、ガラス越しに私にそっくりの顔をしてそっくりの茶色のスーツを着ている人物が見えたのです 一瞬あれっ?!と思いましたが、急いでいたので振り返ることはしませんでした 先方はこちらに気が付いていませんでした。それ以来、二度と彼の姿を見ることはありませんでした こういうのをドッペルゲンガー現象と言うのでしょうか? あの時、もう一人の自分に声をかけていたらどうなっていただろうか? 皆さんにはそういう経験はありませんか

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