31日(土).昨日は大掃除第2弾をやってくたびれ果てました今日は年越しと新年を迎えるための買い出しです.わが家では例年,海老天を載せて年越し蕎麦を食べます.お正月は関東風のお雑煮で,もち,里芋,ほうれん草,鶏肉,椎茸を入れてしょうゆ味で仕立てます おせち料理は,昨年から,娘のバイト先のレストラン特製の洋風おせちです皆さんのお宅はいかがでしょうか?
さて,お約束どおり,今年のクラシック・コンサート・ベストテンを発表します これはあくまでも私がこの1年間に聴いた124回のコンサートの中から,独断と偏見によって上位10本を選ぶものです
最初に整理の意味で,月を追って,印象に残ったコンサートを振り返って見たいと思います
1月=6日の東響定期でリストの「ピアノ協奏曲第1番」を弾いたアリス・沙良・オットは裸足のピアニストでした彼女は12日にリサイタルを開き得意のショパンを軸に感性豊かな演奏を聴かせてくれました.19日のアンサンブル・ゼフィロによるモーツアルトの「管楽器のための音楽集」は楽しいコンサートでした翌20日のキオイ・アンサンブルによるモーツアルトの「管楽器のための音楽集」は,グラン・パルティータが豊かな響きで満足しました.23日のショパン・コンクール・ガラコンサートは,ソナタ第2番を弾いたアヴデーエワがやっぱり断トツでした
2月=12日のN響定期でチョン・ミュンフンがマーラーの「交響曲第3番」を振りました.藤村美穂子のメゾ・ソプラノ共々素晴らしい演奏でした20日のマリインスキー・オペラの来日公演,プッチーニの「トゥーランドット」はタイトルロールを歌ったグレギーナの迫力が忘れられません.27日の新日本フィルの定期ではフランス・ブリュッヘンがバッハの「ミサ曲ロ短調」を振り,バッハの深さを表現しました
3月=10日のフロイデ・フィルの定期は指揮者・宇宿允人の死去により中止に.翌11日の東日本大震災の影響でこの日の東響オペラシティ・シリーズ定期をはじめ,3月だけでも8公演の払い戻しを受けました.その中には,ロン・ティボー国際コンクール・ガラコンサート,ヒラリー・ハーン・リサイタル,チョン・ミュンフン=チェコ・フィル,新国立オペラ「マノン・レスコー」が含まれています
4月=4月7日の新国立オペラ・プレミエ公演の振替として,19日にR・シュトラウス「バラの騎士」が上演され,原発事故のため来日不能となった代役の日本人歌手が活躍しました
5月=連休中のラ・フォール・ジュルネ音楽祭は,大震災の影響で大幅にプログラムが変更され,ほとんどチケットを買い直しましたそのうち,3日に桐朋学園オーケストラをバックに伊藤恵が弾いたシューマンと妻クララの両ピアノ協奏曲は素晴らしい演奏でした10日にチョン・ミュンフン指揮ソウル・フィルのコンサートは,ドビュッシーとラヴェルの曲が急きょチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に変奏され,庄司紗矢香がソリストを務めました.「悲愴交響曲」共々集中力の高い素晴らしい演奏でした29日の新国立オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」は舞台を現代に置き換えた演出でしたが,すんなりと受け入れられました
6月=メトロポリタン・オペラ来日公演を3本観ました.8日のプッチーニ「ラ・ボエーム」,10日のヴェルディ「ドン・カルロ」,19日のドニゼッティ「ランメルモールのルチア」です.このうち「ラ・ボエーム」は待望のネトレプコが来日出来なくなりフリットリがミミを歌いました.ドン・カルロではフリットリの代わりにポプラフスカヤがエリザべッタを歌いましたルチアだけがタイトルロールを予定通りダムラウが歌いました.代役に次ぐ代役でしたが,メトの底力を見せ付ける公演になりました.12日にはパシフィカ・カルテットがベートーヴェンの弦楽四重奏曲を演奏,完成度の高い演奏を6曲聴きました.21日には3月12日に中止となった新日本フィル定期の代替公演があり,ダニエル・ハーディングがマーラーの「第5交響曲」を振り,観客の声援に応えていました
7月=16日の東響定期でウィーンフィルのコンマス=キュッヒルと東響首席ヴィオラの西村真紀によるモーツアルトの「ヴァイオリンとヴィオラによる協奏交響曲」が演奏され,美しい響きが会場いっぱい響き渡りました23日には金子三勇士のピアノ・リサイタルを聴きました.新人ながら堂々たる風格でした.
8月=2日にチョン・ミュンフン指揮アジア・フィルのコンサートがあり,ベートーヴェンの第7交響曲とブラームスの第1交響曲が演奏されました.アンコールに何とベートーヴェンの第5交響曲”運命”のフィナーレを演奏,度肝を抜かれました.これ以上の熱演は望めないでしょう 6日には清水和音によるラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏会があり,すべて暗譜で弾き通しました.29日には大野和士指揮東京フィルによるマーラー「交響曲第2番”復活”」があり,皇太子も拍手を送っていました
9月=11日にロッシーニの権威アルべルト・ゼッタ指揮藤原歌劇団による「セヴィリアの理髪師」がありました.22日には三ツ橋敬子指揮東京シティフィルによるコンサートがあり,ブラームスの第1交響曲ほかを演奏,トスカニーニ指揮者コンクール第2位の実力を見せました24日にはボローニャ歌劇場来日公演でベッリーニ「清教徒」を観ました.待望のフローレスが来日できず,シラクーザが代役を務めましたが,代役は大成功でした27日にはハープの高野麗音とピアノの萩原麻未によるジョイント・リサイタルがあり,この時初めて萩原麻未の実力を見せ付けられました.サン=サーンスの「トッカータ」の超高速演奏は忘れられません
10月=1日に日本人演奏家によるモーツアルトの「グランパルティータ」ほかを聴きました.2日には新国立オペラ,ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」を観ました.歌手陣が揃っていました4日には仙台フィルのショスタコーヴィチの第5交響曲他を聴き,間接的に被災地を支援しました16日にはプラハ国立歌劇場の来日公演でプッチーニ「トスカ」を聴きました.ノルマ・ファンティーニのトスカは最高です
11月=5日にショパンコンクール優勝者アヴデーエワのピアノ・リサイタルを聴きました.さすがの実力者です17日には萩原麻未の日本デビュー・リサイタルを聴きました.”恐ろしいピアニスト”を再確認しました23日には新国立オペラでドヴォルザーク「ルサルカ」を観ました.日本人歌手が頑張りました29日には,三ツ橋敬子指揮東響,萩原麻未のピアノでシューマン「ピアノ協奏曲」を聴きました.彼女のロマン派はすごくいいです
12月=8日にフォーレ四重奏団による演奏でモーツアルト,ブラームス,フォーレを聴きました.一度聴いただけですっかり気に入りました23日には「生きる」コンサートで萩原麻未のピアノによるモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番」を聴きました.彼女の古典もすごくいいです
以上,駆け足で1年を振り返ってみましたが,上に挙げただけでも35公演になります.ここからベスト10を選んでみます.いよいよ結果発表です
第1位:チョン・ミュンフン指揮アジア・フィル(8月2日.ベートーヴェン「交響曲第7番」,ブラームス「交響曲第1番」)
第2位:高野麗音+萩原麻未ジョイント・リサイタル(9月27日.サン=サーンス「トッカータ」,ラヴェル「ラ・ヴァルス」ほか)
第3位:メトロポリタン・オペラ=ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」(6月19日.ダムラウほか)
第4位:チョン・ミュンフン指揮ソウル・フィル(5月10日.チャイコフスキー「第6交響曲」「ヴァイオリン協奏曲」vn:庄司紗矢香)
第5位:フォーレ四重奏団(12月8日.モーツアルト,ブラームス,フォーレのピアノ四重奏曲)
第6位:アヴデーエワ・ピアノ・リサイタル(11月5日.ショパン「舟歌」,プロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第2番」,ワーグナー「タンホイザー序曲」ほか)
第7位:ボローニャ歌劇場=ベッリーニ「清教徒」(9月24日.シラグーザ,ランカトーレほか)
第8位:三ツ橋敬子指揮東響=ブラームス「交響曲第1番」,シューマン「ピアノ協奏曲」(11月29日.ピアノ:萩原麻未)
第9位:萩原麻未ピアノ・リサイタル(11月17日.シューマン「謝肉祭」,ハイドン「ピアノ・ソナタニ長調」ほか)
第10位:プラハ国立歌劇場=プッチーニ「トスカ」(10月16日,ノルマ・ファンティーニほか)
番外:松本幸四郎主演「アマデウス」公演(11月12日)
以上の通りですが,われながらアーティストがかなり偏っていると思います曲種ではピアノ曲が多いですね.一応順番を付けてみたものの,どう入れ替えても大して変わりはありませんさて,皆さんの今年のベスト10はいかがでしょうか?
閑話休題
1年の最後の日に当たって,このブログへのアクセス数をご紹介させていただきますブログ開設の2月15日から昨日12月30日までの間375本のブログを書きましたが,トータルIP(総訪問者数)は延べ57306人,トータルpv(総閲覧ページ数)は166122ページでした.公表されている最新の期間(12月18日~同24日の1週間)では1368・IP,6154pvで,大雑把にいえば,毎日200人前後の方がご覧になっている計算になります.また,このgooブログは全国で166万6千人以上の人が書いていますが,同期間中のtoraブログは5360位となっています
toraブログをご愛読いただいた皆さまにあらためて感謝いたします 体力の続く限り来年も毎日更新していきますので,ご覧いただき,コメントをお寄せいただけると嬉しいです
最後に,2012年が皆さまにとって良い年になりますようお祈りいたします
〔わがP.Cビル正面の門松です〕