30日(日)。今日で6月も終わり。ということは今年も半年が終わってしまうことになります 若者言葉で言えば、「えっ、もう7月になるわけー、マジっすか!ぶっちゃけマジでチョー速いしー、みたいなー」でしょうか。っていうかー、ヤバイじゃん
閑話休題
昨日は午前中にマンションの管理組合の定時総会があったので出席して、午後に初台の新国立劇場(中劇場)で泉鏡花・原作、香月修・作曲によるオペラ「夜叉ケ池」を観ました 今年2013年は泉鏡花の生誕140周年、戯曲「夜叉ケ池」発表100周年。そんな記念すべき年に上演されるオペラ「夜叉ケ池」は新国立劇場創作委嘱作品で世界初演です 出演者はダブルキャストですが、最終日のこの日は、白雪に腰越満美、百合に砂川涼子、晃に西村悟、学円に宮本益光ほか。指揮は十束尚弘、演出は岩田達宗、オケは東京フィルです
ストーリーは、
「越前の山奥を訪れ、夜叉ケ池の伝説を聴かされた萩原晃は、村の美しい娘・百合を妻とし、故郷を捨て鐘楼番となり、日に3度鐘を突き続けていた 夜叉ケ池の主・白雪は白山剣が峰千蛇ヶ池の公達に想いを寄せているが、自分が夜叉ケ池から去ると村が水没してしまうため、人間と交わした鐘の約束に縛られていた そんなある日、村人達は雨乞いの生贄として百合を夜叉ケ池に捧げようとする 百合は自害、絶望した晃は鐘の掟を破る。雷鳴が轟き、村は水に飲みこまれる」
このオペラは4年以上前に、新国立劇場芸術監督の尾高忠明氏から作曲家・香月修(かつき・おさむ)氏に委嘱され、作曲された作品です その時の尾高監督の要望は「口ずさめるような親しみ易い歌のあるオペラ」ということだったそうです プログラムの「初演にタイムスリップ」コーナーに尾高監督のインタビュー記事が載っています それによると、桐朋学園高校3年の文化祭で木下順二作「夕鶴」(芝居)を上演したとき、尾高氏が”与ひょう”を、井上道義氏が”惣ど”を演じ、香月修氏が音楽を担当したとのことです
舞台は泉鏡花の世界を再現するかのような幻想的なもので、照明を有効に使って物語を浮かび上がらせます
歌で印象に残るのは、百合を歌った砂川涼子です 着物を着て歌う日本の歌は自然に耳に馴染んで、すんなりと入ってきます やっぱり日本人には日本語のオペラが一番合うような気がします 次いで、期待以上だったのは萩原晃を歌った西村悟です とく通るテノールです。白雪を歌った腰越満美も会場の隅々まで行き渡る美しいソプラノで迫力がありました
第2部では鯉七、蟹五郎、鯰入がコミカルな歌と動きを見せますが、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」のピン・ポン・パンの3人を想い起させます
今回のオペラは、日本語のオペラ特有の”日本語なのに何を言っているのか分からない”作品ではなく、尾高監督の要望どおりの「親しみ易い歌のあるオペラ」だと思います
幕が下りて、カーテンコールが始まり、歌手陣に続いて作曲家の香月修氏が登場しましたが、歌手の一人一人と握手をし世界初演の喜びを分かち合っていました