人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

藤岡幸夫 ✕ リチャード・ストルツマン ✕ 東京シティ・フィルでコープランド「クラリネット協奏曲」、チック・コリア「スペイン」、レスピーギ「ローマの松」他を聴く ~ フェスタサマーミューザ

2022年08月05日 07時17分50秒 | 日記

5日(金)。わが家に来てから今日で2763日目を迎え、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の名称が変更された当時に文部科学大臣だった自民党の下村博文衆院議員は4日、「今となったら責任を感じる」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どれだけ霊感商法の犠牲者が出たか知らないはずがないだろ  反省するのが遅すぎ

 

         

 

昨日、夕食に「豚しゃぶ」「生野菜サラダ」「冷奴」「舞茸の味噌汁」を作りました 豚しゃぶにはキャベツが合います

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2022」参加公演「東京シティ・フィル ジャズとスペインを巡る音の饗宴 チック・コリア  トリビュート Vol.1」を聴きました プログラムは①コープランド「クラリネット協奏曲」、②チック・コリア「スペイン ~ 六重奏とオーケストラのための」、③リムスキー・コルサコフ「スペイン奇想曲 作品34」、④レスピーギ:交響詩「ローマの松」です 演奏は①のクラリネット独奏=リチャード・ストルツマン、②のジャズ六重奏:ピアノ=宮本貴奈、ベース=井上陽介、ドラムス=高橋信之介、トロンボーン=中川英二郎、サックス=本田雅人、サックス&フルート=小池修、マリンバ独奏=ミカ・ストルツマン、指揮=藤岡幸夫です

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び 中央にはハープとピアノがスタンバイします。管・打楽器はいません コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はコープランド「クラリネット協奏曲」です この曲はニューヨーク生まれのアーロン・コープランド(1900ー1990)がジャズ・クラリネット奏者、ベニー・グッドマンの委嘱により1948年に作曲、1950年にグッドマンの独奏、フリッツ・ライナー指揮NBC交響楽団によりニューヨークで初演されました 第1楽章「ゆっくりと表情豊かに ~ カデンツァ、自由に」、第2楽章「速めに」の2楽章から成ります

今年80歳を迎えたストルツマンが矍鑠とした足取りで登場します    元気だなぁと思っていると、指揮台の下手の椅子に座って演奏するようです     第1楽章はハープとピアノに導かれてストルツマンのクラリネットが静かに入ってきますが、弱音の美しさが際立っています    終盤のカデンツァは高音から低音までの吹き分けが見事で、自由自在に演奏を繰り広げていました    第2楽章では軽快なテンポによりノリノリの演奏が展開しました

満場の拍手にカーテンコールが繰り返されますが、ストルツマンは小走りで出てきて指揮台でUターンし、再び舞台袖に引き上げていきました    椅子に座って演奏するほど身体の調子が悪いのかと心配していたのに、元気溌剌オロナミンCです    しかも、もう一度、ランニング・カーテンコールを繰り返しました     私も長い間コンサート通いをしていますが、2度も嬉々としてランニング・カーテンコールをする演奏家を見たのは今回が初めてです。しかも80歳の演奏家で    「ストルツマンはストレスマンかい」と言いたくなりました

2曲目はチック・コリア「スペイン ~ 六重奏とオーケストラのための」です この曲はジャズ・ピアニストで作曲家のチック・コリア(1941ー2021)の名作「スペイン」を元にした作品です 彼は1970年代に「リターン・トゥ・フォーエヴァー」を率いて活動しましたが、そのバンドの第2作アルバム「ライト・アズ・ア・フェザー」の中にチックの作曲した「スペイン」が収録されています ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」の第2楽章のテーマを題材として組み立てています 今回は、ジャズ六重奏にマリンバを加えた七重奏とオーケストラが共演する編曲により演奏されます

オケの手前のスペースにジャズ集団が並びます 下手にピアノの宮本、上手にサックス&フルートの小池、サックスの本田、トロンボーンの中川が並び、その後方にベースの井上、ドラムスの高橋が控え、上手奥にマリンバのミカがスタンバイします 全体像としては、指揮者・藤岡氏とオケがステージ奥にスタンバイし、その手前のスペースにジャズバンドが控える形なので、指揮者はジャズバンドを背にして指揮をすることになります プレトークで藤岡氏は「とにかく楽しいセッションですが、どのタイミングでオケが出るのかが難しい曲です どこかおかしいと思ったら、すべて私の責任です 楽しみながらも緊張して演奏したいと思います」と語っていましたが、一番大変なのは藤岡氏です 曲の全体の流れは「オープニング・アンド・イントロダクション」 ~ 「スペイン・テーマ」 ~ 「終結」となります

結論から先に言うと、7重奏のソリストは滅茶苦茶上手いのです 各自がソロを演奏するシーンでは、会場から拍手が起きましたが、「これがジャズだ」というスカッとする演奏です 宮本の抒情的なピアノが素晴らしい ベースの井上とドラムスの高橋は確かな技術の裏付けがある安定した演奏です 破壊力があったのはサックスの本田、フルート&サックスの小池、そしてトロンボーンの中川の演奏です 聴衆の拍手もあり、演奏者はノリノリでした 藤岡幸夫 ✕ 東京シティ・フィルもしっかりと7人をフォローし、対等に張り合っていました

長い人生の中で、私は一時期ジャズに凝ったことがありますが、その時に悟ったのは「ジャズは肉体を解放し、クラシックは精神を解放する」ということでした    彼らの熱い演奏を聴いている間、足で拍子を取り、自然と身体がスウィングしていました    まさに肉体が解放されていました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はリムスキー・コルサコフ「スペイン奇想曲 作品34」です この曲はニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844ー1908)が作曲、1887年に初演されました

作品は、スペインのアストゥリアス地方の民謡を主体とし、ソロで活躍するパートが多いことが大きな特徴になっています 第1曲「アルボラーダ」、第2曲「変奏曲:夕べの踊り」、第3曲「アルボラーダ」、第4曲「ジターンの情景と歌」、第5曲「アストゥリアス地方のファンダンゴ」から成ります

この曲では、全体を通してクラリネット、コーラングレ、フルート、オーボエなどのソロの演奏が素晴らしい 戸澤コンマスのヴァイオリン・ソロによる演奏も冴えています

最後の曲はレスピーギ:交響詩「ローマの松」です この曲はオットリーノ・レスピーギ(1879ー1936)が1924年に作曲、同年ローマで初演されました 「ローマの噴水」(1916)「ローマの祭」(1924年)とともにローマ三部作と言われ、作曲者のローマに寄せる深い愛着を表現した作品です 第1部「ボルゲーゼ荘の松」、第2部「カタコンベ付近の松」、第3部「ジャ二コロの松」、第4部「アッピア街道の松」の4曲から成ります

第1部「ボルゲーゼ荘の松」では冒頭からイタリアの燦燦と輝く太陽のイメージが広がります 色彩感溢れる演奏が見事です 第2部「カタコンベ付近の松」に入ると一転、コントラバスやチェロによる重低音が共同墓地の不気味な様子を表します 第3部「ジャ二コロの松」ではクラリネットの弱音の美しさが際立っていました 竹山愛のフルート独奏も見事でした 終盤で鳥のさえずりがありますが、プレトークで藤岡氏は、「あまりにも多くの鳥が賑やかに鳴くと、それまでのロマンティックな雰囲気が台無しになるので、控えめに演奏するようにしたい」と語っていましたが、狙い通りの演奏だったと思います 最後の第4部「アッピア街道の松」は、ローマ軍が進軍する街道に生える松並木の情景を描いたものですが、ステージ上のフルオーケストラに、パイプオルガン、その左右にスタンバイした6人のバンダ(別働隊)が加わり、スケールの大きな音楽が色彩感豊かに描かれました プレトークで藤岡氏は、「この曲はクラシック音楽の中で一番派手な作品ではないかと思います」と語っていましたが、冒頭からフィナーレまでテンションが上がりっぱなしの作品ということで言えば、その通りかもしれません

この日の公演は、ジャズありクラシックありのアメリカ、スペイン、イタリアを巡る音楽の旅でしたが、このプログラミングを企画し、それにふさわしいアーティストを集めた藤岡幸夫氏は素晴らしく、頼もしいと思います

 

     

     

コメント
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