人生の目的は音楽だ!toraのブログへようこそ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

松田華音「ピアノ・リサイタル」を聴く~プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」,ムソルグスキー「展覧会の絵」他~間が欲しい演奏

2017年10月31日 07時59分31秒 | 日記

31日(火).早いもので今日で10月も今日で最後です   わが家に来てから今日で1126日目を迎え,気象庁が30日,冬の訪れを告げる「木枯らし1号」が東京都心で吹いたと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                  去年より10日早いそうだ ご主人は財布の中に木枯らし1号が吹いたと言ってたよ

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚バラとゴボウの柚子コショウ煮」「生野菜とタコのサラダ」「トマトとタケノコとウインナのスープ」を作りました   「豚バラ~」のゴボウは太くならないようにピーラーで剥きました

 

     

 

                                           

 

昨夕,東京オペラシティコンサートホールで「松田華音 ピアノ・リサイタル」を聴きました   プログラムは①チャイコフスキー/リスト編「歌劇”エフゲニー・オネーギン”から『ポロネーズ』」,②プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」から10の小品,③ムソルグスキー「展覧会の絵」です 

松田華音(かのん)は1996年5月香川県高松市生まれの21歳   2002年秋,6歳でモスクワに渡りエレーナ・ペトロ―ヴナ・イワノーワに師事,翌年ロシア最高峰の名門音楽学校,モスクワ市立グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校ピアノ科に第1位で入学,2013年2月,同校を首席で卒業,同年9月にモスクワ音楽院に日本人初となる政府特別奨学生として入学.2014年11月にドイツ・グラモフォンからCDデビューを果たしています

 

     

 

松田華音の演奏を聴くのは2015年4月7日に東京オペラシティで聴いて以来2年半ぶりです

自席は1階19列12番,センターブロック左から2つ目です.会場は8割方埋まっている感じでしょうか

1曲目は チャイコフスキー/リスト編「歌劇”エフゲニー・オネーギン”から『ポロネーズ』」です   この曲はプーシキンの小説に基づき1878年に完成されたオペラ「エフゲニー・オネーギン」の第3幕の舞踏会のシーンで流れる壮麗な音楽です   天才リストが1880年にピアノ用に編曲しています

ブルーの鮮やかなドレスで登場した彼女は,前より大人びて見えました   ピアノに対峙する彼女は歯切れよくダイナミックに演奏します   まずは挨拶代わりといったところでしょうか

2曲目はプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」から10の小品です   この曲は1934~35年に作曲され,1938年のバレエの初演に先立って1937年にピアノ編曲版として発表されて 作曲者自身のピアノにより初演されました

第1曲「フォークダンス」,第2曲「情景」,第3曲「メヌエット」,第4曲「少女ジュリエット」,第5曲「仮面」,第6曲「モンタギュー家とキャプレット家」,第7曲「僧ローレンス」,第8曲「マーキュシオ」,第9曲「百合の花を手にした娘たちの踊り」,第10曲「別れの前のロメオとジュリエット」の10曲から成ります

松田華音の演奏は,最小音から最大音までのダイナミックレンジが広く,第6曲「モンタギュー家とキャプレット家」では力強い演奏で聴衆を魅了します   彼女の演奏の大きな特徴の一つは歯切れの良さで,もう一つは曲の間を空けることなく ほぼ連続して弾き進めることです   集中力を高めるためには最善の方法かも知れません.が,少し先を急ぎ過ぎか,と思わないでもないです

 

     

 

プログラム後半はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」です   この曲は,1874年に35歳で急死した親友の建築家・画家のヴィクトル・ハルトマンの遺作展を見た時に受けたインスピレーションをもとに作曲されました   ほとんど見向きもされなかったこの作品が脚光を浴びるようになったのは,モーリス・ラヴェルが管弦楽用に編曲してからです

曲の冒頭と途中に,展覧会で絵を見て歩く様子を表す「プロムナード」が置かれ,全部で10枚の絵が音楽で表現されます

プロムナード,第1曲「小人」,プロムナード,第2曲「古い城」,プロムナード,第3曲「テュイルリーの庭」,第4曲「ビドロ」,プロムナード,第5曲「卵の殻を付けたひなどりのバレエ」,第6曲「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」,プロムナード,第7曲「リモージュの市場」,第8曲「カタコンブ」,第9曲「鶏の足の上の小屋(バーバ・ヤーガ)」,第10曲「古都キエフの大門」から成ります

松田華音がピアノに向かいプロムナードの演奏に入ります   予想外の速いテンポで驚きました   この曲では音の強弱・濃淡を自由自在に弾き分け,ダイナミックな演奏を展開し 色彩感豊かな音の世界を表出しました   

ただ,全体的に速めのテンポでサクサクと演奏するのは良いのですが,前の「ロミオとジュリエット」と同様,曲と曲の間に”間”を置かず次に進んでしまうので,余韻に浸っている余裕がありません   あたかも,ベルトコンベアに乗って10枚の絵を次から次へと”見せられている”という感じがします   演奏側と聴衆側の両方の立場に立って客観的に見ると,集中力を維持するためには,間を置かずに連続して演奏する方が良いと思いますが,それは程度問題で,もう少し余裕が欲しいと思いました   ただ,そのように演奏することが彼女の演奏スタイルだとしたら,つまり,意図してそのような演奏を目指しているとしたら,聴く側が考え直さなければなりません   かのマルタ・アルゲリッチはショパンのプレリュードで,いくつかの曲を繋げて演奏し あたかも1つの物語を語るような効果を上げていましたが,それと同じような効果を狙っているのでしょうか   こればかりは本人に訊いてみないと分かりません

鳴りやまない拍手とブラボーに,ムソルグスキーの「古典様式による間奏曲」を演奏   それでも鳴りやまないので,彼女のテーマ音楽を演奏しました.曲は「パッヘルベルの華音」です

 

     

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ウェールズ弦楽四重奏団でハイドン「弦楽四重奏曲第41番」,ベルク「弦楽四重奏曲」,シューベルト「弦楽四重奏曲第14番”死と乙女”」を聴く~第一生命ホール / 恩田陸さんの「栞へのこだわり」

2017年10月30日 07時52分56秒 | 日記

30日(月).昨日の日経朝刊 文化欄に小説家・恩田陸さんが「栞の救出」というエッセイを寄せていました   超訳すると,

「本の栞が大好きだ.スピン(紐)が付いている本は便利だが,スピンが付いていない本に,どの栞を使うか考えるのは楽しい   使う栞はだいたいいつも決まっているので,『これ,栞になるな』と加工したものや,洋服のタグを転用したものは引き出しに詰め込まれたままになってしまう.たくさん栞を持っているくせに,旅先で読む本には栞は使わない   以前,お気に入りの栞を持って旅に出たのだが,旅先で落としてきてしまったからだ   『本を読む』ということ,本という物体を手に取って開き 著者と対峙するのは,とても個人的で能動的な行為なのだと思う.一冊一冊が,まさに著者との一対一の真剣勝負   ガチンコ勝負は,いつだって面白い

読書はまさに個人的で能動的な行為だと思います   私の場合は恩田さんのようにガチンコ勝負まではいきませんが    恩田陸さんといえば,音楽コンクールを扱った直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」をまだ読んでいません   目下 一日も早く文庫化するよう念じているところです

栞の話に戻りますが,現在 私は下の栞を使っています   これは数年前にHさんから瀬戸内海の犬島にある精錬所美術館に行った時のお土産としていただいたものです   精錬所の建物のレンガをデザインしたものだということです.もうボロボロですが,捨てることが出来ません  これまでいったい何冊の本に挟まれてきたことでしょう   声が聞こえてきます.疲レンガな

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1125日目を迎え,オシッコを決められた場所でしないでリビングの絨毯にすることがあり シミだらけになってしまったことから,新しいのを買ってもらい 感想を述べるモコタロです

 

     

        シッコ猶予をもらいました 今度の絨毯は同色系で 甲賀流”隠遁の術”で隠られそう

 

                                           

 

昨日,晴海の第一生命ホールでウェールズ弦楽四重奏団のコンサートを聴きました   プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第41番ト長調 作品33-5」,②ベルク「弦楽四重奏曲作品3」,③シューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調『死と乙女』」です

ウェールズ弦楽四重奏団は2006年に桐朋学園の学生により結成され,2008年のミュンヘン国際音楽コンクールで東京クァルテット以来38年ぶりに入賞を果たした(第3位)ほか,内外のコンクールで入賞経験のある若手メンバーによるクァルテットです   﨑谷直人は神奈川フィルのコンマス,三原久遠は東京都交響楽団のヴァイオリン奏者,横溝耕一はNHK交響楽団のヴィオラ奏者,富岡廉太郎は読売日響の首席チェリスト(予約済み)です

 

     

 

自席は1階8列12番,左ブロック右通路側です.会場は6割程度の入りでしょうか.ちょっと寂しく感じます

1曲目はハイドン「弦楽四重奏曲第41番ト長調」です   ハイドンは弦楽四重奏曲作品33(第37番から第42番までの6曲)をロシアのペドロヴィッチ大公に献呈してたことから,「ロシア四重奏曲」と呼ばれています   この曲はその5番目の曲です.この時すでにハイドンは弦楽四重奏によって全4楽章形式のスタイルを確立させています.交響曲の父であるとともに,弦楽四重奏曲の父でもある所以です   第1楽章「ヴィヴァ―チェ・アッサイ」,第2楽章「ラルゴ・エ・カンタービレ」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ」,第4楽章「フィナーレ:アレグレット」から成ります  

第1ヴァイオリンの﨑谷氏を中心に,モーツアルトにも影響を与えたハイドンらしい明快な音楽が奏でられます   富岡氏のチェロは聴くたびに素晴らしいと思います

2曲目はベルク「弦楽四重奏曲作品3」です   プログラム・ノートによると,この曲は 師であるシェーンベルクの無調音楽から強い影響を受けて書かれた作品で,ベルク自身の言葉によれば,恋人の両親に結婚を反対されていた忸怩たる思いが反映しているとのことです   第1楽章「ゆっくり」,第2楽章「適度な速さで,4分音符で」の2楽章から成ります.はっきり言ってこういう曲は苦手です   また咳が出てきました   曲想としては師のシェーンベルクよりはるかに聴き易いと思いますが,曲を楽しむまでには多くの修業が必要のようです.私は降ります

 

     

 

プログラム後半はシューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調『死と乙女』」です   シューベルトは20歳頃に歌曲「死と乙女」を作曲しましたが,その7年後にそのメロディーを使って弦楽四重奏曲を書いたのがこの作品です   第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」,第4楽章「プレスト」の4つの楽章から成ります

第1楽章冒頭はいつ聴いても衝撃的です   死神がいきなり現れたような恐怖を感じます.第2,第3楽章を経て,第4楽章がまた死の恐怖を感じさせる音楽です   タランテラの音楽に乗って死神が少女を誘い出し,連れ去っていくような不穏な雰囲気を感じさせます   4人の演奏はそういう雰囲気を良く出していたと思います

鳴りやまない拍手に4人は,ハイドンの「弦楽四重奏曲第1番」から第3楽章「アダージョ」を演奏し,聴衆のクールダウンを図りました

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

三枝成彰の最新オペラ「狂おしき真夏の一日」を観る~モーツアルト「フィガロの結婚」,R.シュトラウス「ばらの騎士」へのオマージュ:林真理子台本,秋元康演出で勝負をかける

2017年10月29日 08時36分12秒 | 日記

29日(日).わが家に来てから今日で1124日目を迎え,米CNNが27日,昨年の米大統領選にロシアが介入した疑惑を捜査するマラー特別検察官が 最初の被疑者を訴追しワシントンの連邦大陪審に受理されたが,被疑者は明らかにされていない というニュースを見て一人芝居をするモコタロです

 

     

       後ろに隠れてるトランプ関係者 キミは囲まれている 武器を捨てて出て来なさい!

 

                                           

 

昨日,東京文化会館大ホールでオペラ「狂おしき一日」を観ました   これは林真理子原作,三枝成彰作曲,秋元康演出によるオペラです   出演は,佐藤しのぶ,小川里美,小林沙羅,坂本朱,小川知帆,大島幾雄,ジョン・健・ヌッツォ,大山大輔,村松稔之.管弦楽=新日本フィル,合唱=六本木男声合唱団ZIG-ZAG,指揮=大友直人,美術=千住博,ドラマツゥルク=田尾下哲です

 

     

 

東京文化会館大ホールは4月4日の東京・春・音楽祭でワーグナー「神々の黄昏」以来 ほぼ6か月ぶりです   入口で プラスティックの棒を渡されました    いったい何を企んでいるのか

 

     

 

掲示の説明によると「サイリウム・ライト」だそうです   「折って,手に持ったまま第1幕をご鑑賞ください」とあります.丸めて手首に巻きました    一体何をさせる気だ ???

 

     

 

ロビーには作曲家,演出家,原作者などへの花が所せましと飾られていて,中にはこういうのもありました   さすがはエンターテインメントの”仕掛け人”秋元さん,モテます

 

     

 

自席は2階R4列6番,右ブロック左通路側です.会場はほぼ9割方埋まっているでしょうか.5階席まで良く入りました   開幕チャイムが鳴り,会場の照明が暗転します.すると,会場いっぱいに青白い光が煌めき始めました   入口で渡された「サイリウム・ライト」の放つ光が,さながら太陽に煌めく海の波のようです   これは言うまでもなく,AKB48をプロデュースした秋元康氏による舞台と客席を一体化させる鮮やかな演出です

   

     

 

舞台は現代の日本.ある夏,鎌倉海辺に建つ一軒の西洋館.そこに,医師の大石恭一・陽子夫妻と彼らの子供たちが暮らしている.長男の太郎はフリーター,次男の次郎はゲイで,どちらも医師の仕事を継いでくれないのが夫婦の悩みの種.太郎にはフランシーヌというフランスから来た妻があり,海辺でカフェを開業しようとしているが,まだ籍を入れていない.美しく開放的な彼女に,義父である恭一は男として惹かれてしまう.そこに恭一の愛人で,太郎の最初の女でもある看護婦のエミコや,次郎の恋人のユウキが登場,お互いに惚れたり惚れられたりで,事態は混乱を極めていく

タイトルからも分かる通り,このオペラはモーツアルト「フィガロの結婚」(狂おしき一日)とリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」という2大喜歌劇へのオマージュであり,すべての愛は素晴らしいものであると謳う作品です    

キャストは医師の大石恭一=大島幾雄,妻・陽子=佐藤しのぶ,長男・太郎=ジョン・健・ヌッツォ,次男・次郎=大山大輔,太郎の妻・フランシーヌ=小川里美,次郎の恋人・ユウキ=村松稔之,恭一の愛人で太郎の最初の女・エミコ=小林沙羅,執事・フミエ=坂本朱,若い家政婦・リサ=小林知帆という錚々たるメンバーです

幕が開いて歌手が歌い始めると,ステージの左右上方に日本語の字幕スーパーが出ます   日本語で歌うオペラに日本語のスーパーを出すのって,これも秋元康さんのパロディーでしょうか   でも,結果的にはあって良かったと思います.歌詞が聞き取りにくいケースもあったので

 

     

 

今回初めて聴いて素晴らしいと思ったのは,次郎の恋人でゲイのユウキを歌い 演じたカウンターテナーの村松稔之です   1,000円で購入したプログラムに掲載のプロフィールによると,京都府出身で,東響藝大大学院を首席で修了.現在ミラノに住み,ノヴァ―ラ.G.カンテッリ音楽院古楽声楽科に在籍しているとのこと   歌唱にまったく無理がない美しいカウンターテナーで,演技力もあります   いずれバッハ・コレギウム・ジャパンにも呼ばれることでしょう

次に印象に残ったのはエミコを歌い 演じた小林沙羅です   小林沙羅というと「ジャンニ・スキッキ」のラルレッタに代表されるような可憐な女性が似合う歌手というイメージが強いですが,今回は恭一の愛人で太郎の最初の女という役柄をそつなくこなしています   何よりその美しいソプラノが最大の魅力です.この人の日本語は良く聞き取ることができます

他の歌手については個々に取り上げることはしませんが,それぞれが役柄にピッタリの人選で,歌唱力の素晴らしさは共通しています

物語の展開の点では,ストーリーにもうひとひねりあれば良いのだが,と思う面もありましたが,あまり複雑になると歌が疎かになる恐れがあるので仕方ないのかも知れません

ルイ・ヴィトン・ジャパンでPRディレクターとして活躍する斎藤牧里のプロデュースによる出演者の衣裳は,派手な色彩で劇画チックです   また,彼らのヘアはボリューム感たっぷりで大盛りデザートのよう

演出で出演者と同じくらい重要な働きをしていたのは照明です.とくにスポットライトの使い方が鮮やかで,ステージ上の登場人物や海に見立てた会場を走らせるスポットライトの光はまるで生き物のようでした

モーツアルトの「フィガロの結婚」のフィナーレは全員の合唱で次のように歌われます

「苦しみと気まぐれと狂気のこの日を,ただ愛だけが,満足と陽気さで終わらせることができるのだ   花嫁花婿よ,友人たちよ,さあ踊りに行こう,楽しく過ごそう   爆竹に火をつけよう.楽しい行進曲に合わせて,みんなでお祝いをしに行こう

三枝版「狂おしき真夏の一日」のフィナーレでは,大きな風車(かざぐるま)を登場させ,出演者全員が登場して次のように歌います

「世の中はいいように回っている.許し合うためにいざこざがあり,忘れるために裏切りがある.世の中はいいように回っている

かくして21世紀日本のドタバタ喜歌劇は終わったのでした   全4幕:約3時間15分(休憩20分✕2回を含む)は あっという間で,とても楽しいオペラでした

「狂おしき真夏の一日」は本日午後2時から,31日(火)午後6時半からも上演されます

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「ロマン派のピアノ協奏曲の黄金時代」CD20枚組を聴く~知られざる名曲の数々 / 読響2018年度定期会員継続手続きを進める / 誉田哲也著「インデックス」を読む

2017年10月28日 07時49分42秒 | 日記

28日(土).昨日は風邪も回復基調になってきたので 映画を観に行こうかと思ったのですが,まだ時々咳も出るし,今日から4日連続コンサートを控えているので,大事をとって外出は避けることにしました

昨日 BGM代わりに聴いたのは「ロマン派ピアノ協奏曲の黄金時代」(20枚組CD)です   このCDにはロマン派の作曲家45人のピアノ協奏曲(「ピアノと管弦楽のための曲」を含む)が収録されていますが,一般的に知られた作品は含まれていません

このアルバムは新宿のタワーレコードで買ったのですが,いつ買ったかは覚えていません   20枚のCDは個々に紙ジャケに収容されていますが,曲目解説は付属のCD-ROMに英文で収録されているだけで,プリントアウトされたものはありません

 

     

 

有名な作曲家の作品ではウェーバー(「ピアノ協奏曲第1番,第2番」),ショパン(「アレグロ・デ・コンチェルト」),シューベルト/リスト(「さすらい人幻想曲」),シューマン(「イントロダクションとアレグロ  アパショナート」),チャイコフスキー(「ピアノ協奏曲第3番変長調作品75/79」,「コンチェルト・ファンタジー」),ラロ(「ピアノ協奏曲ヘ短調」),ガーシュイン(「協奏曲へ調」)等が収録されています

それ以外で名前が知られている作曲家の作品では,フンメル(「ピアノ協奏曲ト調」,「ピアノ協奏曲ホ調」),カルクブレンナー(「ピアノ協奏曲第1番」),フィールド(「ピアノ協奏曲第2番」),ルビンステイン(「ピアノ協奏曲第4番」),メトネル(「ピアノ協奏曲第3番」),グラズノフ(「ピアノ協奏曲第2番」),バーバー(「ピアノ協奏曲」)等が収録されています

逆に言えば,上記以外はクラシック音楽愛好家でも あまり馴染みのない作曲家や作品だということが出来ます   しかし,実際に聴いてみると 知られざる名曲が まだまだあることを知らされます   このアルバムのタイトルは「ロマン派の~」ですが,それぞれの作品が個性に溢れ,文字通り「ロマンティックな~」と言えるような曲想に溢れています

例えば,6枚目に収録されているヘンゼルトの「ピアノ協奏曲ヘ短調」を聴いてみると,第1楽章冒頭などは,ベッリーニのオペラ「ノルマ」序曲のようにドラマティックです

ところで,13枚目に収録されているチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第3番変ホ長調 作品75/79」を聴いてみたら,「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23」と3つの楽章とも曲想がまったく同じでした   何かの間違いではないかと 念のため各楽章を比べてみました

 

         【 第1番変ロ短調作品23 】        【 第3番変ホ長調 作品75/79】

第1楽章  アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ アレグロ・ブリランテ 

第2楽章  アンダンティーノ・センプリーチェ          アンダンテ

第3楽章  アレグロ・コン・フォーコ              アレグロ・マエストーソ

 

全楽章とも違いますね   しかし,曲想(メロディー)は同じです   ウィキペディアで「チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第3番』を調べてみたら,概要次のように書かれていました

「チャイコフスキーのピアノ協奏曲の一つ.ただし,全曲の完成には至らず   チャイコフスキーは初めは『人生』と銘打った交響曲を構想していたが,それを破棄してピアノ協奏曲として生まれ変わらせようとした.しかし完成以前に死去したため,完成したのは第1楽章『アレグロ・ブリランテ』のみで,それが死後に遺作として作品75という番号付きで出版された   彼の死後,弟子のタネ―エフが第2楽章と第3楽章のスケッチを補筆・編集し,『アンダンテとフィナーレ』とした(出版に当たって『作品79』とされた)

第1番は1874年11月~75年2月に作曲され,第3番は1893年10月に作曲されていることも分かってるので,2つの曲がまったく異なる作品であることが再確認できましたが,依然としてなぜ同じ曲想(メロディー)なのかが不明です

いよいよ怪しくなってきたので,付属のCD-ROMで曲目解説を見ると,やはり「ピアノ協奏曲第1番」ではなく「ピアノ協奏曲第3番」の解説が載っていました

そこで今度はYouTubeで「ピアノ協奏曲第3番」を検索して,ゲイリー・グラフマンのピアノ,ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団による演奏(1965年録音)で第1楽章を聴いてみたら,まったく違うメロディーが流れてきました

結論です   このアルバムの13枚目に収録されているチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第3番」の中身は「ピアノ協奏曲第1番」だったのです どうしてこういう間違いが起こるのか不明ですが,常識的には あり得ないことです

このアルバムは 「BRILLIANT  CLASSICS」というレーベルで出ていますが,安売り専門のレコード会社です   EUで製造されているようですが,具体的にどこの国で造られているか分かりません   まあ,買う方はそれを承知で買っているわけですが,表示と中身が異なるのは困ったものです   風邪が治りかけていたのに,一気に悪化しそうです   それでもなお,普段 馴染みのない隠れた名曲を発見する喜びには代えがたいものがあります

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1123日目を迎え,麻生太郎副総理兼財務相が衆院選の勝利を「北朝鮮のおかげ」と発言した問題で,菅義偉官房長官が「政府・与党の北朝鮮への対応が選挙戦で評価された」と発言の真意について釈明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       正確には 北朝鮮の(脅威を煽った)おかげで自民党は圧勝したと言うのが正しい

 

                                         

 

昨日,夕食に「豚肉と大根の炒め煮」「生野菜と生ハムのサラダ」「肉団子とシメジと人参のスープ」,さらに 大根の葉の茎の部分を湯がいて「お浸し」を作りました   大根は捨てるところがありませんね

 

     

 

                                           

 

読売日響から「2018年度会員券継続手続き確認案内」のハガキが届きました   会員を①そのまま継続するか,②コースや席を変更するか,③継続しないか,について10月20日までに通知することになっていたのですが,まだ申込書を郵送していなかったので届いたものです   もともとの会員継続案内には「現在の席は11月19日まで取り置きする」旨が書かれていたので,放っておいても大丈夫だろうと勝手に思っていたのですが,取りあえず①②③のいずれかを選択して10月30日までに返信しなければならないようです   さっそく②を選択して申込書を送付しておきました  方針としては現在の「定期演奏会」はそのまま継続し,座席を変更することを考えたいと思います.良い席がなければ取り置いた現在の席にしようと思います   そもそも 現在のシーズンはサントリーホールの全面改修工事に伴って上半期の読響定期演奏会が東京芸術劇場で開かれていたので,まだ1度もサントリーホールの自席で下半期の公演を聴いていないのです   それでも次シーズンの席を決めなければならないので迷うのです   今回は特殊な事情だったので仕方ありませんが,出来るだけ迷わずに済むようにして欲しいものです

 

     

 

                                           

 

誉田哲也著「インデックス」(光文社文庫)を読み終わりました   誉田哲也の作品はこのブログで数多くご紹介してきましたね   この作品は2014年11月に単行本として刊行された短編集を文庫化したものです   このブログでもご紹介した「インビジブルレイン」事件後,池袋警察署の刑事課強行犯捜査係担当係長を拝命する姫川玲子を主人公とする8つのストーリーが収録されています

 

     

 

「アンダーカヴァー」「女の敵」「彼女のいたカフェ」「インデックス」「お裾分け」「落としの玲子」「夢の中」「闇の中」の8つのストーリーのうち,3編目の「彼女のいたカフェ」と6編目の「落としの玲子」は前後2作品の間に挟まれた「間奏曲」的な一息つくような作品になっています

「アンダーカヴァー」では,玲子は自腹で高価な時計や衣装を身に着け,女バイヤーに成り切って犯人をおびき寄せて逮捕につなげます

「女の敵」では,姫川玲子が5年前に捜査一課殺人犯十係主任を拝命した直後に遭遇した,女同士の嫉妬がからんだ薬物使用がらみの事件を振り返ります

「インデックス」では,ヤクザの親分が失踪したと見せかけた妻を追い詰め,事実を突き止める話です

「お裾分け」は,74歳の地主に39カ所もの傷を負わせ殺害した意外な犯人に玲子が迫ります

「夢の中」と「闇の中」は,通り魔的な犯行と目されていた殺傷事件から,複雑な親子関係をめぐるやりきれない真相を突き止める姫川玲子の活躍を描きます

そして,間奏曲的な「彼女にいたカフェ」は,池袋の大型書店に勤務する加地未冬が,客として喫茶スペースに来て難しい法律関係の本を読んでは机に突っ伏す 憧れの髪の長い女性について語ります   その女性とは,刑事になるために猛勉強していた若き日の姫川玲子でした   モデルとなっている書店は,記述内容から 明らかにジュンク堂書店池袋本店です

同じく間奏曲的な「落としの玲子」は,居酒屋で上司が落とした写真をもとに上司をからかう話です

今から遡ること11年前の2006年に誉田哲也著「ストロベリーナイト」が刊行されました   ここで初めてヒロインの姫川玲子が登場し,捜査に当たる「姫川班」が結成され,数々の難事件に挑むことになるわけですが,この「インデックス」には当時の姫川班のメンバーが登場するので,「ストロベリーナイト」を読んだことがある人には懐かしく,ストーリーがすんなりと入ってくると思います  しかし,そこは語り口の上手い誉田哲也のことですから,いきなり「インデックス」を読んでも十分楽しむことができます

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

柴田克彦著「山本直純と小澤征爾」,イリーナ・メジューエワ著「ピアノの名曲」,西加奈子著「サラバ!(上・中・下)」他を買う / 都民芸術フェスティバルのチケット届く

2017年10月27日 07時47分07秒 | 日記

27日(金).昨日は,久々に天気も回復し 風邪も完治するまではいかないまでも改善してきたので 久しぶりに外出しました   バスで池袋に出て,豊島区役所で国民健康保険の移行手続きをしてから,ジュンク堂書店池袋本店に行きました   下にご紹介する8冊の本を買ったのですが,書店であれを買おうか これにしようかとクルージングしていると元気が出てきます   つくづく活字人間だなと思います

帰りがけに春日の文京シビック・チケットに寄って「響きの森  クラシック・シリーズ  2017-2018」のシリーズセット券(4枚)を,代金引換で引き取ってきました   S席21,000円です

 

     

 

家に帰ると日本演奏連盟から,先日NETで取った「都民芸術フェスティバル」の「オーケストラ・シリーズ  8枚セット券」と「室内楽シリーズ券」2枚が届いていました

 

     

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1122日目を迎え,中国共産党を今後5年間率いる習近平総書記の2期目の指導部が発足したが,党最高指導部の政治局常務委員には周氏の後継者となるべき若手リーダーは入らなかった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      習一強  友達優遇  後継者育成なしで長期政権を狙う・・・どこかの国に似てね?  

 

                                           

 

昨日,夕食は「すき焼き」にしました   普段 夕食はビールやワインを飲んで おかずだけ食べているのですが,風邪で薬を飲んでいる関係でアルコールは飲めません   そうすると ご飯がないと食べられないことが判明しました

 

     

 

                                           

 

本を8冊買いました   1冊目は柴田克彦著「山本直純と小澤征爾」(朝日新書)です   本の帯にある通り,「この二人がいなければ,日本にクラシックは存在しなかった」という日本クラシック界の2大巨人の生きざまを描いています

 

     

 

2冊目はイリーナ・メジューエワ著「ピアノの名曲」(講談社現代新書)です   メジューエワはロシア出身の現役ピアニストです

 

     

 

3~5冊目は西加奈子著「サラバ!(上・中・下)」(小学館文庫)です   直木賞受賞作の待望の文庫化です

 

     

     

     

 

6冊目は荒木源著「独裁者ですが,なにか?」(小学館文庫)です   ジャケ買いです 次のミサイルが飛んでこないうちに読み終わりたいと思います

 

     

 

7冊目は柚月裕子著「孤狼の血」(角川文庫)です   柚月裕子の作品は大藪春彦賞を受賞した「検事の本懐」をはじめ何冊かご紹介しましたが,好きな作家の一人です

 

     

 

8冊目は知念実希人著「螺旋の手術室」(新潮文庫)です   知念実希人の作品は「時限病棟」「仮面病棟」「優しい死神の飼い方」など何作かご紹介しました

 

     

 

いずれも,内容をこのブログでご紹介していきます

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

イタリア弦楽四重奏団によるモーツアルト「弦楽四重奏曲全集」を聴く習慣 / 佐藤正午 著・牛尾篤 画「花のようなひと」を読む

2017年10月26日 07時57分21秒 | 日記

26日(木).風邪が長引いていて 体調が思わしくないので 昨日も一日中家で過ごしました 昨日BGM代わりに聴いたのはイタリア弦楽四重奏団によるモーツアルト「弦楽四重奏曲全集」(8枚組CD・1966 ~1972年録音)です

 

     

 

私がイタリア弦楽四重奏団の演奏を初めて聴いたのは,30数年前にオーディオ・マニアOさんの家で聴いたハイドン「弦楽四重奏曲第67番ニ長調”ひばり”」のLPレコード(1965年録音)でした   タンノイのスピーカーから流れてくる弦楽四重奏の何と明るく伸びやかな演奏だろうか  と即座に気に入ってしまいました   翌日にはLPレコードを購入していました

※下の写真は同じ演奏によるCDです.

 

     

 

それ以来,このモーツアルトの「弦楽四重奏曲全集」をはじめ,ベートーヴェン「弦楽四重奏曲全集」などイタリア弦楽四重奏団によるLPやCDを購入するようになりました(余談ですが,O氏宅で聴いたタンノイ・アーデンは,「JBLを買うので,安く売る」と言われ,今わが家にあります).

モーツアルトの全集を買って間もなく,風邪で1週間くらい会社を休むことがありました   その時,この際良いチャンスだと思って,連日第1番から第23番まで,8枚のCDを繰り返し聴くことにしました   そのことがきっかけで,風邪が1週間くらい長引くときはモーツアルトのこの全集を聴くのが慣例になってしまいました   というわけで,今回も聴くことになったのです

60年代から70年代にかけての録音なので今でこそ古めかしく感じますが,ステレオ録音で音質も良く,演奏はいずれも明快で伸びやかです   ハイドンとモーツアルトの弦楽四重奏曲はイタリア弦楽四重奏団の演奏が一番だと思います

ということで,わが家に来てから今日で1121日目を迎え,岩波書店が広辞苑を10年ぶりに改訂し来年1月に発売すると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                    今やグーグルで検索する時代だけど  さすがに「ググる」は収録しないようだね

 

                                           

 

昨日,夕食に「鶏のみぞれ煮」「生野菜と生ハムのサラダ」「いわし団子,チンゲン菜,エノキダケのスープ」を作りました   「鶏の~」は大根を15センチくらい使いました

 

     

 

                                           

 

佐藤正午 著,牛尾篤 画「花のようなひと」(岩波現代文庫)を読み終わりました   正午さんについては何冊もこのグログでご紹介してきましたが,「月の満ち欠け」で今年の第157回直木賞を受賞した長崎県在住の小説家です   また,この本では下の写真のような挿画が文章に添えられていますが,作者は牛尾篤さんです   牛尾さんは1958年生まれの画家で1984年 多摩美術大学油画科卒.1984-88年,国立ウィーン応用美術大学で学んでいます

 

     

 

「花のようなひと」は2005年9月,岩波書店から刊行され,今年8月に文庫化されたものです

この作品は,日常生活の中で起こる何気ない出来事や,それにまつわる心象風景を,”小説の名手”佐藤正午が様々な花々に託して描き出し,その世界を牛尾篤が洗練された挿画で鮮やかに映し出したものです

3ページで1つの物語になっていて,1ページ目と3ページ目がストーリーで,真ん中の2ページ目に挿画が挟まれています   「姉の気持ち」「バラの刺」「Eメール」「マフラー」「花束」などのタイトルで28の小さな物語が書かれています

一番 藤正午さんらしいな,と思ったのは「マフラー」です.概略こういう話です

「ある女性が空港のコーヒーショップで,左隣の空いた椅子に鞄とマフラーをおき,コーヒーを飲んでいると,ひとつ置いた右隣の椅子に鞄とマフラーを持った男が来て腰かけた   バスの乗車案内のアナウンスがあったので退席しようとマフラーに手を伸ばすと,それが右側の椅子のマフラーだと気が付いた   彼女は男に誤りバス乗り場へ歩いた.やや遅れて男が後ろを歩いてくるのがわかった.男は車中でまた話しかけてくるだろうか?  同じ柄のマフラーを話題のきっかけにして   彼女はそのときを想像して,なかば鬱陶しい気がした.同時に,なかば心が弾むような感じをおぼえながらバスへ急いだ

こういうちょっとしたことは誰もが経験することだと思いますが,正午さんはその時の人の心の機微を掬い取ります   そして,この後,男は彼女に声をかけるだろうか? 佐藤正午の小説なら絶対にかけるだろう,と思わせます   さらに言えば,一本のマフラーから500ページに及ぶ長編小説を書き上げるかも知れない,と思わせます

この本には2009年2月に岩波書店から刊行された「幼なじみ」が収録されています

1時間もあれば読み終わってしまいます.超短編集なのでどこからでも気軽に読めます.お薦めします

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ショーソン「ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール」をCDで聴く / 丹羽宇一郎著「死ぬほど読書」を読む

2017年10月25日 08時09分51秒 | 日記

25日(水).昨日も風邪が治らず咳が出ていたので家で新聞や本を読んで過ごしました   私のモットーは,風邪を引いたら無理をしない(コンサートを除く)です

昨日 読書のBGM代わりに聴いたのはショーソンの「ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール」です   演奏はヴァイオリン=ジェニファー・パイク,ピアノ=トム・ポスター,弦楽=ドーリック弦楽四重奏団によるCD(2012年7月録音)です

 

     

 

ショーソンというと,多くの人が「詩曲(ヴァイオリンと管弦楽のための)」を思い起こすのではないか,と思います.私もそうでした   この「ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール」を生演奏で聴いたのは,今年の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」でのアルデオ弦楽四重奏団他による演奏(5月5日)を含めて3回あります   聴けば聴くほど名曲だな,と思いCDを購入しました   それ以来,ショーソンと言えばこの曲を思い起こすようになりました

エルネスト・ショーソンは1855年にパリで生まれ1899年に自転車事故により44歳の若さで死去しています   パリ音楽院でマスネ,フランクに学ぶ傍ら,しばしばバイロイト参りをしてワーグナーの楽劇を聴き,彼の影響を強く受けるようになります   この「ヴァイオリン~」ではフランクの影響が垣間見られます

この曲は1889~91年にかけて作曲されました   第1楽章「決然と」,第2楽章「シシリエンヌ:速くなく」,第3楽章「荘重に」,第4楽章「非常に速く」の全5楽章から成ります

第1楽章「決然と」の冒頭は,文字通り決然としたテーマ(3つの和音)から開始されますが,このテーマが後々繰り返し出現します   師匠フランク譲りの「循環形式」です   この曲の大きな魅力は第2楽章「シシリエンヌ」の抒情的で美しい音楽でしょう   フランス音楽特有のアンニュイな雰囲気が醸し出されています.第4楽章の推進力も魅力的です

演奏時間にして40分程度の曲ですが,名曲です   一度聴いてみてはいかがでしょうか

ということで,わが家に来てから今日で1120日目を迎え,中国共産党の第19回党大会が24日閉幕し,党の憲法にあたる党規約の行動指針に,習近平総書記の政治理念を『習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想』と名前を冠した表現で盛り込む修正案が承認された というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        「特色ある社会主義思想」って 海を埋め立てて中国領土にする覇権主義のこと?

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚丼」「生野菜サラダ」「海老肉団子,シメジ,チンゲン菜のスープ」を作りました.「豚丼」は息子がタレを買ってきたので,それを使いましたが,よほど好きみたい

 

     

 

                                           

 

丹羽宇一郎著「死ぬほど読書」(幻冬舎新書)を読み終わりました   丹羽さんは1939年愛知県生まれ.名古屋大学法学部卒.伊藤忠商事に入社,98年に社長,2004年会長に就任,現在 名誉理事.公益社団法人日本中国友好協会会長.元・中華人民共和国特命全権大使

 

     

 

この本は,伊藤忠商事の元会長,元中国大使にして経済界きっての読書家が,本を読む喜び,本の選び方,本の読み方や活用法などを縦横無尽に語ったものです

この本の内容を目次で概観してみましょう

①はじめに

②第1章「本に代わるものはない」

③どんな本を読めばいいのか

④頭を使う読書の効用

⑤本を読まない日はない

⑥読書の真価は生き方に表れる

⑦本の底力

⑧おわりに

まず最初に「はじめに」で筆者は,新聞に投稿された21歳の大学生による「本は読まないといけないものなのか?」という投書を読んで驚いたことを告白します

「そんな疑問を抱くこと自体,私にとっては信じがたかったのです   読書の意義など,わざわざ探ったり,説明したりしなくても当然わかるはずのもの   それは常識以前の常識であって,空気を当たり前に吸うのと変わりないもの.少なくとも私はそんな認識を持っているので驚いたのです

これは読書好きなら誰もが感じることだと思います   普段テレビを見るかスマホをいじるかしない者にとって本を読むことに必然性はないでしょう

第1章「本に代わるものはない」の中で,筆者は次のように書いています

「人間にとって一番大事なことは,『自分は何も知らない』と自覚することだと私は思います   『無知の知』を知る.読書はそのことを,身をもって教えてくれます.本を読めば知識が増え,この世界のことを幾分か知ったような気になりますが,同時にまだまだ知らないこともたくさんあると,それとなく気づかせてくれます

これは,この本の中で一番重要な丹羽さんからのメッセージだと思います   読書については まったくその通りであると同時に,音楽についても言えることだと思います

今からン十年前の話ですが,アルバイトをしてステレオ・セットを買って,せっせとクラシックのLPレコードを買い集めて毎日毎日飽きもせず音楽を聴きました   LPが500枚くらい集まったころ,もうクラシックは十分聴いたから別のジャンルを聴こうと,一時,ジャズにのめり込んだ時期がありました   ジャズのLPを50枚くらい,本を何冊も買い込み,集中的にジャズにのめり込みました   しかし,前もってチケットを買ってあったアルゲリッチ+小澤征爾+新日本フィルによるラヴェル「ピアノ協奏曲」の演奏を聴いて,クラシックに舞い戻ることになりました

たったの500枚のLPレコードを聴いただけで,「もうクラシックは十分聴いた」と思い込むのは どこかの国の首相や都知事と同じくらいトンデモナイ慢心で,客観的にみれば「まだ聴いたことがない曲の方がはるかに多い」というのが実態で,まったくクラシックの世界を知らない無知な聴き手だったのです   クラシックに戻ってからは,出来るだけ,一度も聴いたことのない曲も聴くようになり,新しい出会いによって好きになる曲も増えるようになりました  今日ご紹介したショーソンの曲もその一つです

閑話休題

同じ第1章の中で,丹羽さんは「何が教養を磨くのか」について次のように語っています

「教養というと,大前提として知識の量が関係すると思われるのではないでしょうか.しかし,私は知識というものは,その必要条件ではないと考えます   私が考える教養の条件は,『自分が知らないことを知っている』ことと『相手の立場になってものごとが考えられる』ことの2つです  (中略)では,教養を磨くものは何か?  それは仕事と読書と人だと思います   この3つは相互につながっていて,どれか一つが独立してあるというものではない.読書もせず仕事ばかりやっていても本当にいい仕事は出来ないだろうし,人と付き合わず,人を知らずして仕事がうまくできるわけはありません   (中略)仕事というのは,お金を報酬としてもらうものとは限りません.さまざまなボランティアもそうだし,困っている人々のために働いたり,身体を動かすこともそうです

現役を引退してしまうと,読書量(コンサート,映画も)は増えるけれど,人との関わりは極端に減少するし,そうかといって,再就職する気もないし,せいぜいローテーションで回ってくるマンションの管理組合の役員を務めるくらいだと思うけれど,それでも何もやらないよりはやった方が良いのだと思います

第2章「どんな本を読めばいいのか」では,週刊誌を取り上げて次のように書いています

「ある老舗の週刊誌はスクープを連発して話題になっていますが,そのスクープ記事にしても芸能人や政治家の不倫騒動だったり,野球選手の賭博問題であったり,有名タレントの独立騒動だったりと,愚にもつかないものが圧倒的に多い   どうしてそうなるかというと,大衆の関心は他人の不幸を見聞きすることにあり,心の中には『ねたみ,ひがみ,やっかみ』に満ちているからではないでしょうか   週刊誌の役割は,大衆の下世話な覗き趣味に応えることです.人間のどろどろした部分,愚かさやくだらなさを知るために,たまに読むならいいかも知れません.しかし,ねたみやひがみがそれに向かわせているわけですから,そんなものをずっと読み続けていたら,負の感情に偏った人間になるのではないか,と私は思っています

これを読んで思い出したのは,高校の倫理社会の授業で,教師が言った言葉です⇒「人間の関心事は3つの S に尽きる.何だか分るか? 答えは,スポーツ,スキャンダル,セックスだ」.まさに週刊誌の見出しそのものです

この調子で片っ端から内容をご紹介する訳にもいかないので,以下に興味を引いた「小見出し」をご紹介しておきます

〇本の時代が復活する

〇読みながら考えないと身につかない

〇いい本を見抜く方法

〇無駄な読書なんてない

〇ベストセラーは読む価値があるのか

〇基本的に積ん読はしない

〇他人の失敗談は役に立たない

〇一つでも心に刻まれる言葉があれば,儲けもの

〇ハウツー本は読まない

この本は,本好きの人はすでに手に取ってお読みになっているはずですが,頷くことしきりだと思います

最後に丹羽宇一郎さんについて個人的な経験を書いておきます

今から10年少し前のことだったと思います.当時私は新聞関係団体の事務局に務めていましたが,いわゆる「活字離れ,新聞離れ」を防ぐにはどうしたら良いか,「新聞の活性化をどのように図ったらよいか」について特別ワーキング・グループで検討した結果,一般知識人の意見を聞くことになりました   そこで候補に挙がった一人が丹羽宇一郎さんでした   随分前のことなので発言の内容の詳細は覚えていませんが,「新聞は読者の関心から離れているのではないか   政治・経済をめぐる諸問題の報道も大事だが,読者が知りたいのは,近所の高校生の誰々が野球のピッチャーで投げて勝ったとか,身近な問題だ.そうしたことが十分報道されているように思えない」というようなことをおっしゃっていたと記憶しています   

何があっても動じないという武士のような かくしゃくたる姿勢が印象に残っています

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

中野雄著「ストラディヴァリウスとグァルネリ~ヴァイオリン千年の夢」を読む~なぜ美しい音が遠くまで飛ぶのかを解き明かす

2017年10月24日 07時54分49秒 | 日記

24日(火).昨日も風邪のため体調が最悪だったので,映画を観る予定を変更して1日中家で本を読んで過ごしました   

ということで,わが家に来てから今日で1119日目を迎え,超大型の台風21号が上陸・北上し全国各地に被害をもたらした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 ご主人は小学生の時「台風一過」を「台風一家」と思ってたとさ  怖そうな家族!

 

                                           

 

昨日は,風邪気味で調子が悪かったので,夕食は市販の餃子を焼きました   残念ながらこういうのは慣れていないので 一つ残らず焦がしてしまいました   普通の料理の方がマシにできるように思います   あとはいつもの「生野菜とツナのサラダ」と「卵スープ」です

 

     

 

                                           

 

中野雄著「ストラディヴァリウスとグァルネリ~ヴァイオリン千年の夢」(文春新書)を読み終わりました   中野雄(たけし)氏は1931年長野県生まれ.東大法学部卒.日本開発銀行を経てオーディオ・メーカーのトリオ(現・ケンウッド)役員に就任.現在 映像企業アマナ常勤顧問を務める傍ら,音楽プロデューサーとして国内外で活躍中.著書に「ウィーン・フィル  音と響きの秘密」「モーツアルト  天才の秘密」ほか多数

 

     

 

この本は,300年前に作られた木製楽器が 骨董品ではなく 現役として最高峰の地位を占めていること,それが億単位の高価な値で取引されていること,美しい音色で遠くまで音が届くこと・・・なぜそうなのかを解き明かした力作です

目次でこの本の内容を概観してみましょう

①プロローグ「二大銘器はなぜ高価なのか」

②第1章「ヴァイオリンの価値とは何か」

③第2章「ヴァイオリンという楽器Ⅰ その起源と完成度の高さ」

④第3章「ヴァイオリンという楽器Ⅱ ヴァイオリンを構成する素材と神秘」

⑤第4章「アントニオ・ストラディヴァリの生涯と作品」

⑥第5章「グァルネリ・デル・ジェスの生涯と作品」

⑦第6章「閑話休題」

⑧第7章「コレクター抄伝」

⑨第8章「銘器と事故」

⑩最終章「封印された神技」

⑪エピローグ

著者は最初に「プロローグ」で「厳然たる事実」として次のように述べています

「音楽家は,自分の持っている楽器の性能を超える演奏をすることが出来ない   ヴァイオリンをはじめ,あらゆる楽器には製造過程で造り込まれた潜在的な『音楽表現能力』というものが内在している   これは人間を含めた生物の世界と同じで,遺伝子=DNAの存在と似ていると言ってもいいだろう   (中略)ヴァイオリンの中の銘器は,古今の芸術家の作品と同じように,限られた歴史の才能によってこの世に産み出されたものであって,作品を産み出す才能自体が人類の歴史上,限定されたものと考えられる   (中略)その創作の秘密に想いを致さなけば,市場で取引されている途轍もない価格について理解することはできない

次の第1章「ヴァイオリンの価値とは何か」では次のように述べています

「『楽器の値段などというものは,ユダヤ系の楽器商が結託して吊り上げているものであって,希少価値などというものはない   それは錯覚や思い込みに過ぎない』という説が,昔から無数に流布されている.理由は『弾き比べ,聴き比べをしても,銘器を間違いなく判定できる者は誰もいない』という事実による

そして,日本,イギリス,アメリカにおけるストラディヴァリウスの聴き比べ実験の結果を紹介しています.もちろんいずれも惨憺たる結果だったとのこと

同じ第1章の中で,二大銘器の違いについて次のように述べています

「アントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737)の作った楽器=「通称ストラディヴァリウス」と,グァルネリ・デル・ジェス(1698-1744)の製作した楽器=「通称デル・ジェス」では,鳴り方が随分違う   ストラディヴァリウス(ヴァイオリン)には強烈な個性が音色と表現力に内蔵されていて,演奏者がその楽器の持つ潜在的な音の美しさと音楽的表現力を,どのようにして引き出すかという点に成功・不成功の岐路がある   いうなれば『楽器の個性に演奏者が従うという趣(おもむき)』と称しても過言ではない

そして,その具体的でわかり易い説明として,ヴァイオリニスト諏訪内晶子が書いた「ヴァイオリンと翔る」を紹介しています   彼女はストラディヴァリウスを手に入れ,楽器との”対話”を通じて1990年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝したのです

一方,グァルネリ・デル・ジェスは,楽器の方が演奏家の表現意欲を無理なく引き出す,あるいは,演奏者の意志に素直に応じてくれる包容力のようなものが備わっている,とのことです   この楽器の名声を一挙に高めたのが伝説のヴァイオリニスト,ニコロ・パガニーニで,彼は「カノン砲」と名付けられたデル・ジェスを演奏して,19世紀初頭のヨーロッパ音楽界を征服したと言われています

なお,ストラディヴァリはヴァイオリンのほかにヴィオラやチェロも作ったのに対し,グァルネリはヴァイオリンしか作らなかったそうです

第2章「ヴァイオリンという楽器Ⅰ その起源と完成度の高さ」では次のように解説しています

「ヴァイオリンの始祖=発明者には諸説あるが,有名なのはイタリア北部の街クレモナに工房を持ったアマティ家のアンドレア(推定1505-79)が1550年前後に,ほぼ独力で現在のような形状の楽器を作り出したという言い伝えである   アンドレア・アマティの作品が画期的だったのは,楽器の表板と裏板の膨らみ(アーチング)と,表板の左右にある響孔(サウンド・ホール)がf字型を成している点にある   (中略)これによって,外部に向かって放出される音響特性が飛躍的に向上し,楽器としての強度も増した

これは意外でした.あのカーブとf字功孔には意味があったのですね

第3章「ヴァイオリンという楽器Ⅱ ヴァイオリンを構成する素材と神秘」では次のように書いています

「ヴァイオリンは,本体を構成する大まかに分けて30余りの,ほとんどが木材を原材料とする部品によって成り立っている   表板に使われている木材は,一般に『スプルース』といわれるヨーロッパ産のマツ科の木材(唐檜),裏板に使われるのは『メープル』つまり楓である

・・・・・このように章を追って順番に紹介していくとキリがありません   最後に第6章「閑話休題」の中で紹介されたストラディヴァリウスと評論家・小林秀雄にまつわるエピソードをご紹介して終わりにしたいと思います   概要は次の通りです

日本で2番目にストラディバリウスを弾いたのは諏訪根自子(1920-2012)だと言われている   彼女は太平洋戦争前にヨーロッパに留学し,1943年2月,ナチスの重鎮ゲッペルス宣伝相から1722年の作といわれるストラディヴァリウスを贈呈された   同年10月,諏訪根自子はハンス・クナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルをバックにブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」を弾いた   ドイツ敗戦後,アメリカ経由で帰国した彼女は1946年10月,帝国劇場で第1回帰朝演奏会を開いた.評論家の小林秀雄もそれを聴いていたが,後に小説家の横光利一との対談で次のように感想を述べている

「先日 諏訪根自子の演奏を聴いて大変面白かった.感動した   そして色々な事が考えられたよ.よくあれまでやったものだ.まるでヴァイオリンの犠牲者といったような顔つきをしている.(中略)あの人から楽器を取り上げたら何が残るかね(中略)だが,あのヴァイオリンは偽物だと思うね,ストラディバリウスからあんな固い音が出てくるわけがない   腕が悪いとは思えぬ.18世紀のヴァイオリンの音は少しも出ていない.イミテーションを貰ったと思う.新しい木の音だ.可哀そうな楽器だよ

これについて中野氏は,

「諏訪根自子と直接話をしたこともあるが,ゲッペルスがユダヤ系の楽器商から略奪したものではなく,ナチスとしては珍しく,正当な対価を支払って購入したというヴァイオリンだったから,彼女は楽器の正当な所有権を主張していた   LPやCDの記録には,端正で気品のある音楽が刻まれている

と述べています  

ところが,諏訪根自子の死後,萩谷由喜子さんが評伝「諏訪根自子」を2013年2月に上梓した前年に,根自子の妹・諏訪晶子さんから「あのヴァイオリンは,偽物でした.ただ,それがわかったのはつい近年のことで,姉はそれを知らずに,ストラディバリウスと信じたまま,亡くなりました」という言葉を聞きます.これについて萩谷さんは「この話の裏付けはおこなった.しかしながら,真相は濃い霧の中にあり,世には,晴らしてはならない霧というものもある」と結んでいます

これを読んだ中野氏は「小林秀雄という人物の知的鑑識眼の凄さについて,語る言葉はない

と感服しています.まさに小林秀雄恐るべしです   これを読んだ私の感想は,第1章「ヴァイオリンの価値とは何か」でご紹介した「弾き比べ,聴き比べをしても,楽器を間違いなく判定できる者はいない」という言葉に行き着きます   ただし,これには小林秀雄という例外があったということです

この本には,ここで紹介しきれない多くの興味深い事実が書かれています   最近読んだ音楽関係の本の中で一番面白い本でした   楽器を演奏するしないに関わらず,クラシックを愛好する方にお薦めします

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」のチケットを取る~ベートーヴェン「第7交 響曲」他 / モーツアルト「ヴェスペレK.339」をCDで聴く / 佐藤正午著「取り扱い注意」を読む

2017年10月23日 07時57分28秒 | 日記

23日(月).昨日は,いつもの週末の通り,シャツ7枚とハンカチ4枚にアイロンがけし 家中の掃除をしてから,ベッドに寝転んでCDを聴きながら新聞2紙を読みました   CDはモーツアルトの「ヴェスペレK.339」ですが,その第5曲「ラウダーテ・ドミ二ム(主を讃えよ)」を繰り返し聴きました   この曲は,第89回アカデミー賞を受賞したアメリカ映画「ムーンライト」で使われていましたが,モーツアルト晩年の傑作「アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618」に通じる天国的な純粋さ・美しさを感じます   「ムーンライト」については4月19日の当ブログに書きましたので,興味のある向きはご覧ください

 

     

  

一休みした後,台風の影響で雨が降る中,風邪で体調が最悪の中,近くの小学校に衆院選の投票に行ってきました   午前11頃だったのですが,雨にも関わらず次々と有権者が来場していました   私の住むところは東京10区だったのですが,区割り変更とかで12区になり,一気に候補者が半減して選択肢が狭まりました   投票したい候補者がいないので,よりマシな候補者に1票を入れました.政党はまっとうなところを選びました   外に出るとNHKの腕章を巻いた女性が「出口調査」のため傘をさして待ち構えていましたが,幸か不幸か 私には声がかかりませんでした.一抹の寂しさを味わいました

ということで,わが家に来てから今日で1118日目を迎え,衆議院議員選挙の投票結果の大勢が判明し,自民・公明の与党が圧勝した というニュースを見て感想を述べるたモコタロです

 

     

    与党は 圧勝が野党分裂による”敵失”によることを自覚すべきだ 奢れる与党 久しからず

 

                                          

 

来年3月6日(火)午後7時からサントリーホールで開かれる「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」のチケットをとりました   これは毎日希望奨学金チャリティーコンサートとして毎年開催されている公演です   プログラムは①メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」,②リスト「ピアノ協奏曲第1番変ホ長調」,③ベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」で,①のヴァイオリン独奏は小林美樹,②のピアノ独奏は金子三勇士,指揮は海老原光です   このオケは全国各地のオケのメンバーや個人奏者が集まった臨時編成オーケストラで,コンマスは読響コンマスの小森谷巧です

手帳で日程が空いていることを確認して購入したのですが,買った後で手帳を見たら3月6日は,2月28日の新国立オペラ「ホフマン物語」をこの日に振り替えていたことが分かりました   幸い6日のオペラは午後2時開演,「がんばろう~」は午後7時開演なのでダブりません どうしてこういうことが起こったかと言うと,今年のと来年のと手帳が2冊あるからです   「ホフマン物語」は来年のコンサートなので来年の手帳にはしっかりと振り替え後の日程を入れておいたのですが,今年の手帳(来年3月まで記入できる)には振り替え情報を書き忘れていたのです   今回は結果オーライということだったのですが,これから気を付けないとダブルブッキングの山になります

 

     

 

                                           

 

佐藤正午著「取り扱い注意」(角川文庫)を読み終わりました   佐藤正午氏についてはこのブログで多くの作品をご紹介してきましたが,この作品は平成8年12月に単行本として刊行されたものを文庫化したものです   したがって,今から21年前の 筆者41歳の時の作品ということになります

 

     

 

主人公の鮎川英雄は県庁広報課に務める 異性にもてまくるイケメン青年   彼の周りにはいつの間にか女性がまとわりついてきます   専務秘書の三ツ森小夜子からは,近い将来の姿を占うとして口説かれたり,選挙管理委員会のアルバイトとして採用されたことで知り合い「いけない人ね」が口癖の平野美雪は,付き合ううちに英雄を配偶者候補として考えるようになりますが,英雄にはその気がありません   そのあたりの記述は次の通りです

「で,平野美雪と会った別れ際には,かならず僕は夏樹姉の記憶の中から才能という言葉をよみがえらせた   そして彼女をC・配偶者を探すため,という3つ目のタイプに分類し,彼女の背中に『取り扱い注意』のラベルを貼って自宅の前まで送り届けた

これがこの本のタイトルになっているわけですが,ここで「才能という言葉をよみがえらせた」と言っているのは,平野美雪が大学のピアノ科を出ていることを念頭に,英雄が語った次のような言葉が裏にあります

「音楽大学のピアノ科を卒業して,その特技を生かすでもなく いきなりおじのコネを頼って選挙管理委員会にもぐりこむくらいだから,彼女がピアニストとしての天分に恵まれていないのは明らかだった   ピアノを弾くために不利な手を持って生まれてきた人間がピアニストをめざす.自分の才能の程度に気付かない人間が,その才能を生かすしかない世界に人生の前半を賭けてしまう   そんな悲劇が世の中にあるだろうか,と僕は彼女の手をちらちら眺めながら考えてみたのだが,それを悲劇と呼ぶなら そんなものは世の中にはいくらでも転がっているに違いなかった

辛辣ですが,的を射ていませんか

さて,そんな英雄には西丸酔助(ようすけ)という叔父がいて,この男がトンデモナイ非常識人間なのです   ロリコン趣味で,鈴村綾という少女を誘拐するという暴挙に及び,英雄を説得し,綾も巻き込んで銀行強盗まがいの事件を引き起こします  さてさて,英雄は無事に生き延びることが出来るのでしょうか

佐藤正午特有の,時代が往ったり来たりの錯綜がありますが,「鳩の撃退法」ほどではありません   一気読み必至の本です.お薦めします

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ノット+児玉桃+東響でラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」,ラヴェル「ボレロ」他を聴く

2017年10月22日 08時13分45秒 | 日記

22日(日).昨日はマンションの管理組合の臨時総会があったので,小雨の中,風邪で体調が悪い中,近所の集会所に出向きました   いつものことながら計算上は86世帯あるはずが,理事・監事を含めて本人出席はたったの7人という体たらくでした  幸い1時間もかからずに終了したので体力的には助かりました

というわけで,わが家に来てから今日で1117日目を迎え,トランプ米大統領が20日,米連邦準備理事会(FRB)の次期議長にパウエル理事,テイラー元財務次官,イエレン現・議長の3氏を軸に考えていることを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

             パワフル・パウエルにしようかな・・・・・

 

     

      注文仕立てのテイラーにしようかな・・・てか チーズの位置 変わってね?

 

     

       まだ決めてないから この場では言えれん てか 何でチーズ? プロセスおかしくね

 

                                           

 

昨夕,サントリーホール東京交響楽団第654回定期演奏会を聴きました   プログラムは①リスト「バッハの名による前奏曲とフーガ」,②シェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」,③ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」,④ラヴェル「ボレロ」です   ①のパイプオルガン独奏は石丸由佳,③のピアノ独奏は児玉桃,指揮はジョナサン・ノットです

 

     

 

開演にあたり「指揮者の希望により1曲目と2曲目は続けて演奏される」旨のアナウンスがありました

オケのメンバーが入場し配置に着きます.態勢はいつもの東響の並びでヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対向配置をとります   コンマスはグレヴ・二キティンです.ステージ正面2階のパイプオルガン席に石丸由佳さんがスタンバイ,同時に1階のステージにノットが登場します   石丸さんは東京藝大大学院修了,2010年にシャルトル国際オルガンコンクールで優勝しています

最初にリスト「バッハの名による前奏曲とフーガ」がオルガン独奏で演奏されます   超絶技巧ピアニストとしても名声を博したフランツリスト(1811-1886)は,1848年にピアニストとしての活動から身を引き,かつてバッハが楽長を務めていたドイツのワイマールに移り住み,新たな作曲・指揮活動に専念しました バッハ所縁の地で作曲された作品の一つがこの曲で,曲のタイトルにある「バッハの名による」というのは,「BACH=シ♭ラドシ」の音型によるという意味です  

石丸さんの演奏は足から入ります.つまり,低音部から力強い音楽が奏でられます   曲を聴く限り,バッハの名前を借りてはいるものの,懐古的な曲想とは正反対のアプローチの曲で,不協和音も頻繁に現れます   浅井佑太氏のプログラム・ノートによると,「リストは不協和音の表出にこそバッハ作品の真価を見たと述べている」とのことです.確信犯ですね 確信犯リストに載せておこう

石丸さんの素晴らしい演奏が力強く閉じるとオルガン奏者に当てられていた照明が暗転,同時に今度はステージに照明が当てられ,ノットの指揮でシェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」の演奏に入ります   この曲は1926年5月~8月に作曲され,1928年12月2日にフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルによって初演されました   曲はシェーンベルク,指揮するのはタクトがブルブル震えて 曲の出だしが分かりずらいと言われていた巨匠フルトヴェングラーということで,ベルリン・フィルの連中が「振ると面喰う」と言ったかどうかは分かりません

この曲は,「導入部」に続く「主題」と「9つの変奏」「フィナーレ」から成りますが,シェーンベルクにとって十二音技法による初の大規模管弦楽曲という位置づけにあります 驚くのは,複雑怪奇なこの曲が,この日 演奏されるラヴェルの「ボレロ」と同じ1828年に作曲されたという事実です  これはベルリオーズの「幻想交響曲」が,ベートーヴェンの「第九」の初演(1824年)からわずか6年後の1830年に初演されたという事実と同じくらい衝撃的です

実を言うと,この曲が始まった直後あたりから,風邪の影響で咳が出そうになり,涙が流れ落ち,鼻汁が流れてきて,落ち着いて音楽を聴く気分ではなくなってきました   どうもシェーンベルクには拒否反応が起こるみたいで困ります   一種のアレルギーでしょうか.単なる風邪でしょうか

終演後,ものすごい拍手とブラボーが起きましたが,皆さんどこまでわかっていらっしゃるのでしょうか   この曲のどこが良いのか,だれでもいいから教えてくれ

 

     

 

プログラム後半の1曲目はラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」です   この曲はラフマニノフ(1873-1943)が4つのピアノ協奏曲を書いた後の,1934年7月~8月にルツェルン湖畔の別荘「ヨーロッパの家」で作曲され,1934年11月7日にラフマニノフのピアノ独奏,ディズニーの「ファンタジア」でお馴染みのレオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団によって初演されました

タイトルにある「パガニーニの主題」というのは,19世紀のヴァイオリンの奇才パガニーニの「無伴奏ヴァイオリンのための”24のカプリス”」作品1の第24曲の主題のことです

ソリストの児玉桃さんが朱色の鮮やかな衣装で登場,ピアノに向かいます   この曲は「導入部」「第1変奏」「主題」「第2変奏~第10変奏」,「第11変奏~第18変奏」「第19変奏~第24変奏」という順に演奏されます   曲の冒頭から,児玉さんとノット+東響との丁々発止のやり取りで火花が散ります   このコンビで聴いていると,あたかもこの曲がたった今生まれたばかりの作品のように新鮮に感じます   特に児玉さんは,音符に書かれている音を再現していることには違いないのですが,刺激的で まるで即興演奏のように感じます   これは彼女の音楽作りの大きな特徴かも知れません

鳴りやまない拍手とブラボーに,児玉さんはラヴェルの「鐘」から「悲しい鳥たち」を繊細かつ抒情的に演奏し,さらに大きな拍手を受けました

最後の曲はラヴェルの「ボレロ」です   あまりにも有名なこの曲は,もともとモーリス・ラヴェル(1875-1937)がバレエ・ダンサーのイダ・ルビンシュタインの依頼によって作曲した「バレエ音楽」です   この曲で思い出すのは,このブログでもご紹介したクロード・ルルーシュ監督による1981年公開映画「愛と悲しみのボレロ」におけるジョルジュ・ドンが踊った「ボレロ」です  まさにバレエは芸術だということを証明しています   小太鼓による4分の3拍子を基調とするスペイン舞踏のリズムにのって演奏される息の長い旋律は,まったく変化することなく,楽器を変えて執拗に繰り返され,最後にどんでん返しを迎えて一気に終結します

ピアノがステージ右サイドに移動され,ステージ中央のチェロとヴィオラの中間に小太鼓の女性がスタンバイします   文字通りフル・オーケストラ態勢で「ボレロ」に臨みます

弦の小さなピッツィカートと小太鼓の刻むリズムに乗って,フルート⇒クラリネット⇒ファゴットというように楽器を変えて同じメロディーが奏でられます   最初は演奏する楽器も少なく小さな音だったのが,だんだん楽器の数が増えていき音が大きくなっていきます   これが聴く側の高揚感を呼び起こします   単純なメロディーがしつこく繰り返されるだけの15分足らずの曲が,なぜこれほどまでに人々の興奮を呼ぶのか? それは各楽器のもつ機能を最大限に発揮させ色彩感溢れる音の大伽藍を築き上げるからでしょう   しかも,最後のどんでん返しで,その大伽藍を一気に崩壊させてしまうところがまた,興奮を呼び起こします

この日の東響は,ソロを担当する木管楽器群がベストとはいいがたい出来だったように思います   満席近い聴衆の前でミスすることなくソロを吹くのは相当度胸のいることだと思いますが,そこはプロです   ノー・ミスまでいかなくても,スムーズな演奏を期待したいと思います

4曲を聴き終わって感じるのは,前半の無調を中心とする何だかわからんちんの音楽のモヤモヤを,後半の調性音楽が吹き飛ばした,といった感じです   「ただし,これはあくまでも個人による感想で,個々人によって異なります」ってサプリメントの通販広告かい

コメント
この記事をはてなブックマークに追加