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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

秋山和慶+洗足学園音楽大学+谷桃子バレエ団・牧阿佐美バレヱ団・東京シティ・バレエ団によるラヴェル「マ・メール・ロワ」,ショスタコーヴィチ「バレエ組曲」,ショパン「レ・シルフィード」他を観る

2017年07月31日 07時47分05秒 | 日記

31日(月).今日で7月も終わりです.月日の流れは速いですね.と毎月末に言っているような気がします  ということで,わが家に来てから今日で1034日目を迎え,北朝鮮が28日深夜に発射した弾道ミサイルについて,北朝鮮が29日,大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の第2次試験に成功したと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

          今度のミサイルはアメリカ本土に届くと言われている 米の迎撃態勢は万全か?

 

                                           

 

昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールで洗足学園音楽大学の「魅せるバレエ」公演を観ました   これは「フェスタサマーミューザ」の一環として開かれた公演です.プログラムは①ラヴェル「マ・メール・ロワ」,②ショスタコーヴィチ「バレエ組曲」,③ショパン「レ・シルフィード」,④ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」です   管弦楽は洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団,バレエは谷桃子バレエ団,牧阿佐美バレヱ団,東京シティ・バレエ団,洗足学園音楽大学バレエコース学生,指揮は秋山和慶です

バレエを最後に観たのはいつのことだったか・・・思い出せません   ここ数年では,新国立劇場のオペラ公演(「アイーダ」等)の中で踊られるバレエくらいしか観ていないかもしれません   娘が小学校の6年間 バレエ教室に通っていたので,発表会を観に行ったり,家族でどこかのバレエ団の「白鳥の湖」を観に行ったりしましたが,「今は昔」の話です   随分ご無沙汰してしまいました

 

     

 

自席は2階の2CA4列50番,斜め右ブロック右から3つ入った席です.会場はさすがに家族連れが多いようです   ステージを見ると,奥のスペースにオケが並び,手前のスペースでバレエが踊られるようです.オケの面々が配置に着き,指揮者・秋山和慶氏が指揮台に上がります.会場と舞台の照明が暗転,演奏者は譜面台の手許灯を頼りに演奏します

ミューザ川崎シンフォニーホールの開幕ベルでお馴染みの「ザルツブルク大聖堂の鐘」が開幕を告げます

最初は谷桃子バレエ団,同団クラスによって踊られるラヴェル「マ・メール・ロワ」です   この曲はラヴェルが友人夫妻から依頼されて彼らの子どもたちのために作曲したピアノ連弾曲で,それを管弦楽用に編曲した曲をバックに踊られます

このバレエは①紡ぎ車の踊りと情景,②眠りの森の美女のパヴァーヌ,③美女と野獣の対話,④おやゆび小僧,⑤パゴダの女王レドロネット,⑥妖精の園の6つの情景から成ります   配布されたチラシに書かれた河内連太氏による台本によると,バレエのあらすじは,

「遠くへ引っ越していく親友から,さようならも もどかしく渡された一冊の本.少女が読み迷っていると,ふいに現れたお姉さんがページをめくり,不思議な,悲しみに濡れた,奇妙な笑い声に満ちた物語が次々とあふれ出す.普段は見ることのない妖精とはだれか,魔法とは何の力か,人の心とはどんなものか,時間の流れや世界の広がりを少女は少しずつ知っていく.その時,親友の声が聞こえた.いつもそばにいるよ!」

となっています   このあらすじをなぞるように,ラヴェルの音楽に合わせてバレエが踊られます   踊り子たちの衣装がカラフルで,バレエもメルヘンチックで,何よりラヴェルの音楽が素晴らしくて十分満足できました

15分の休憩後,2番手は牧阿佐美バレヱ団,同団クラスによってショスタコーヴィチ「バレエ組曲」が踊られます   この曲は,ショスタコーヴィチが作曲した「黄金時代」「明るい小川」などのバレエ音楽や映画音楽,「ジャズ組曲」などから選曲したものを編集し直して「組曲」として発表した作品です   「ギャロップ」「リリック・ワルツ」「ダンス」「ロマンス」「センチメンタル・ロマンス」「ワルツ」「フィナーレ:ギャロップ」の7つの情景から成ります

ラヴェルの「マ・メール・ロワ」がストーリー性を持ったバレエだったのに対し,このバレエは1曲1曲の趣が異なるので,目先がクルクルと変わってとても楽しく観ることが出来ました   「大人のバレエ」を感じました

なお,プログラムに小さな文字で「本著作物の上演使用は,全音楽出版社およびショスタコーヴィチ遺族により許諾されています」という注意書きが書かれていました   ショスタコーヴィチ(1906年~1975年)の死後から42年しか経っていないので,演奏に当たっては著作権問題が生じるのでしょう

 

     

 

再び15分の休憩の後は,第3弾=東京シティ・バレエ団,グローバルクラスによるバレエです   最初にショパン「レ・シルフィード」が踊られました   この曲はショパンの作曲したノクターンやワルツなどが管弦楽用に編曲された作品です   したがって,「ショピニアーナ」とも呼ばれています  「シルフィード」とは「精霊」のことです.それを意識して,バレリーナは長めの白のスカートを着用し,背中には小さな羽根が付いています

音楽はプレリュード(前奏曲)イ長調から入ります   この曲はその昔,イ長調=胃腸調のシャレで「太田胃散.ありがとう,いい薬です」のコマーシャルで一躍有名になりました   次の「ノクターン(夜想曲)変イ長調」からバレエが踊られます   そして「ワルツ変ト長調」,「マズルカ作品33-2」,「マズルカ作品67-3」,「プレリュード  イ長調(第1曲と同じ)」,「ワルツ嬰ハ短調」と続き,最後は全員で「華麗なる大円舞曲」が踊られます

これはショパンの音楽を楽しみながらバレエを観ることができ最高でした   バレエは華麗そのものでした

最後は同じ東京シティ・バレエ団によりボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」が踊られました   この歌劇は,イーゴリ公と遊牧民の戦いが物語のベースになっています.このバレエでは男性陣が多く出演しダイナミックで男性的なバレエが展開しました   女性陣の魅惑的な踊りと相まってこの日の公演を締めくくるのに相応しい見事なパフォーマンスでした

この日出演した3つのバレエ団によるパフォーマンスに共通していたのは,第一に 基になっている音楽が素晴らしいこと,そして,その音楽に相応しい演出・振付が施されていたこと,最後にその演出に沿って素晴らしいバレエが踊られたことです

 

     

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渡邊一正+新妻聖子+津田英佑+NHK交響楽団で「プリンセス・オン・クラシックス」公演を聴く~フェスタサマーミューザ

2017年07月30日 07時48分40秒 | 日記

30日(日).わが家に来てから今日で1033日目を迎え,安倍首相が28日 首相官邸でジャーナリストの田原総一朗氏と約1時間会談し,田原氏が首相に「政治生命をかけた冒険をしないか」と首相に言ったが,首相は前向きな反応を示した というニュースを読んで感想を述べるモコタロです

 

     

     「冒険」の具体的な内容は明かさなかった まさか”政治生命”保険を導入しろとか?

 

                                            

 

昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールでNHK交響楽団の「プリンセス・オン・クラシックス」公演を聴きました   これはフェスタサマーミューザの一環として開かれたコンサートです

プログラムは①ディズニー「ファンタズミック!」からメイン・テーマ,②チャイコフスキー「眠りの森の美女」からワルツ,③交響組曲「ドラゴンクエストⅤ  天空の花嫁」から」「序曲のマーチ」「王宮のトランペット」「愛の旋律」「戦火を交えて~不死身の敵に挑む」「結婚ワルツ」,④ディズニー「ファンティリュージョン!」,⑤同「アラジン」から「ア・ホール・ニュー・ワールド」,⑥ミュージカル「エリザベート」から「私だけに」,⑦J.ウィリアムズ「雅の鐘」,⑧ホルスト:組曲「惑星」から「木星」です 

当初,3番目に「スーパーマリオブラザーズ」メドレーが演奏予定でしたが,取りやめになり,代わりにドラゴンクエストⅤに2曲が加えられ,上記の5曲となりました ⑤の二重唱は新妻聖子,津田英佑,⑥の独唱は新妻聖子です.管弦楽=NHK交響楽団,指揮=渡邉一正,司会=元フジテレビ・アナ,現在フリーアナウンサーの平井理央です

午後4時からの本番に先立って3時から同じホールで室内楽コンサートが開かれました   私にとってはこっちの方がメインです

最初は管楽五重奏による「セレクション  フロム  サウンド オブ ミュージック」です   演奏はフルート=中村淳二,オーボエ=池田昭子,ホルン=野見山和子,ファゴット=宇賀神広宣,クラリネット=松本健司という若手メンバーです   ミュージカル映画「サウンド オブ ミュージック」から「ドレミの歌」をはじめとするお馴染みの曲がメドレーで楽しく演奏されました  

この映画は素晴らしいですね   ミュージカルにもなったし(もともとミュージカル映画ですが),ジャズにも編曲(「マイ・フェイバリット・シングス」)されています   約30年前の春,私的な旅行でザルツブルクに行った時,ザルツカンマーグートをはじめ映画の舞台となったいくつかの場所を訪ねましたが,演奏を聴いていたらその時の思い出が蘇りました

2曲目は弦楽四重奏によるハイドンの「弦楽四重奏曲第74番”騎士”」です   「騎士」というニックネームは,第4楽章で演奏されるチェロの力強い演奏が,馬が駆け出すときの勇ましい様子を連想させるからだと言われています  演奏は,第1ヴァイオリン=高井敏弘,第2ヴァイオリン=横島礼理,ヴィオラ=中村洋乃理,チェロ=西山健一です   時間の関係で第1,2,4楽章が演奏されましたが,ハイドンらしい様式感のある明快な音楽でした

 

     

 

さて本番です.会場は文字通り満席です   ステージを聴衆が取り囲むミューザ川崎の満席は壮観です   ステージを見渡すと,左サイドにピアノとハープ2台が置かれています

楽員が入場し配置に着きます.ステージ後方にはマイクが3本立てられています.収録して後で放送するのでしょうか? N響定期公演ではコンマスが入場しても拍手が起こらないのですが,このフェスタでは マロこと篠崎史紀氏が入場すると大きな拍手が起こりました   弦は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスといういつものN響の編成です

指揮者の渡邊一正が登場し1曲目のディズニーの「ファンタズミック!」メイン・テーマの演奏に入ります   「ファンタズミック!」はアメリカのディズニーでは1992年にスタートしたミッキーマウスをはじめ様々なキャラクターが登場する人気のショーとのことで,そのオープニング曲がメイン・テーマです   フル・オーケストラの大音響が会場を満たします.聴き慣れない小学生はビックリしたかも

2曲目のチャイコフスキー「眠りの森の美女」は,「白鳥の湖」「くるみ割り人形」を加えたチャイコフスキーの「三大バレエ曲」の一つです  その中から「ワルツ」が演奏されます   「ワルツ」と言えば「くるみ割り人形」の「花のワルツ」が有名ですが,このワルツも優雅で楽しい音楽で,チャイコフスキーが稀に見るメロディー・メーカーであることが良く分かります  とても優雅な演奏でした

3曲目の交響組曲「ドラゴンクエストⅤ  天空の花嫁」は,ゲーム音楽の改革者と言われる作曲家・すぎやまこういち氏による音楽です   その「天空の花嫁」から「序曲のマーチ」「王宮のトランペット」「愛の旋律」「戦火を交えて~不死身の敵に挑む」「結婚ワルツ」が演奏されます   「序曲のマーチ」と「戦火を交えて~」では勇壮な音楽が展開します   「王宮~」ではトランペット・ソロのメランコリックな曲想が印象に残ります   「愛の旋律」では,フルートの独奏,そしてコンマスの独奏による美しい演奏が印象的でした   最後の「結婚ワルツ」はチャイコフスキーとヨハン・シュトラウスを足して2で割ったような華麗な音楽でした 

これでプログラム前半は終了です

 

     

 

プログラム後半は,ディズニーの「ファンティリュージョン!」で開幕します   「ファンティリュージョン!」は東京ディズニーランドでは1995年~2001年に行われていた夜のパレードとのことです   N響はキラキラ光る音楽を奏でます

次にミュージカルで活躍中の新妻聖子と津田英佑のデュエットによりディズニーの「アラジン」から主題歌「ア・ホール・ニュー・ワールド」が歌われます   この作品は青年アラジンとヒロインのジャスミン,そして魔法のランプに住むジーニーが活躍する物語です   新妻聖子はブルー系の華やかなドレスで歌いますが,二人はおそらくミュージカル公演でそうしているように,正面だけでなく,舞台の左右席やP席の方を向いて歌ったりしてサービス精神を発揮していました

新妻聖子だけがステージに残り,ミュージカル「エリザベート」から第1幕でのエリザベートの「私だけに」を歌います   この作品はミュージカル界のヒット作で,19世紀に実在したオーストリア帝国の皇后エリザベートを主人公とした作品です   低音から高音まで魅力のある声で聴衆を魅了しました

ミュージカルですから当然なのですが,二人はマイクを使って歌いました   二人の歌を聴きながら思ったのは,マイクを使わず地声で4階,5階席まで届くように歌うクラシックの声楽家は本当に凄いんだなという事です. 二人によって歌われた歌は,マイクがなければオーケストラの大音響で掻き消されていたでしょう  しかし,ここは,ミュージカルの一部を聴いているのだと割り切って聴く必要があります

次に演奏されるJ.ウィリアムズ「雅の鐘」は,1993年にボストン・ポップス管弦楽団が披露した金管楽器と打楽器による曲で,皇太子と雅子妃の結婚を祝って管弦楽用に編曲された作品です   冒頭部分は多少「和のテイスト」を感じさせる音楽でしたが,すぐに「スターウォーズ」ばりの大管弦楽曲に変わりました

最後の曲はホルストの組曲「惑星」から「木星」です   この曲の中間部は「ジュピター」として平原綾香が歌ってポピュラーになりました   まさに宇宙的な広がりを感じる演奏でした

アンコールに,メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」から「結婚行進曲」が華々しく演奏され,1時間40分のコンサートを締めくくりました

コンサートゴア―の一人として,N響には正統的クラシック音楽で勝負して欲しいと思うのですが,この日の聴衆を見渡すと親子らしき姿が少なからず見られたので,近い将来のクラシックの聴衆を開拓するという意味では「脱クラシック路線」もアリかな,と思ったりしました   さらに言えば,この日の演奏はプレコンサート=クラシックの室内楽(30分)と本番=脱クラシック(休憩を除き80分)のセットでN響コンサートだったのかな,と思いました

 

     

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児玉清著「ひたすら面白い小説が読みたくて」を読む~何か面白そうな本はないか?とお探しの人にお薦めします

2017年07月29日 07時47分51秒 | 日記

29日(土).わが家に来てから今日で1032日目を迎え,稲田防衛相が辞任を表明した同じ日に,民進党の蓮舫代表が辞任を表明したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      二人の共通点は  辞めるのが遅すぎたということ ぼくは何も役職ないから楽だよ

 

                                           

 

昨日,夕食に「さっぱりトマトのバンバンジー」「生野菜とアボカドのサラダ」「まぐろの山掛け」「冷奴」を作りました   「バンバンジー」は鶏ささみ肉を使いました.さっぱりして夏には良いですね

 

     

 

                                            

 

児玉清著「ひたすら面白い小説が読みたくて」(中公文庫)を読み終わりました   児玉清さんは1934年東京生まれ.学習院大学文学部ドイツ文学部科を卒業後,第13期ニューフェイスとして東宝映画に入社.数多くの映画・テレビドラマに出演する.芸能界きっての読書家として知られ,NHK BS放送「週刊ブックレビュー」の司会者も務めた.2011年5月死去

 

     

 

この本は,児玉清さんが書いた文庫解説を集めたものです   東西のミステリーから時代小説まで42作品を取り上げています.この本を読みながら一番感じたのは「NHK BSの週刊ブックレビューで,取り上げられた本について前のめりで熱弁をふるう児玉さんの姿が目に浮かぶようだ」ということでした

「週刊ブックレビュー」は1991年4月から2012年3月まで続いた書評番組ですが,児玉さんは1993年から2010年まで司会を務めました   観るに堪えないお笑い番組ばかりが跋扈するテレビ界の中で,唯一 私が毎週楽しみにしていた極上の番組でした

児玉さんの文章には大きな特徴があります.それは「あなただけに語りかけるような文章」です   この本に収められた文章は文庫本の「解説」なわけですが,どれを取っても,つい買ってみたくなるような語り口で書いているのです  

一例を挙げてみましょう.有川浩著「阪急電車」の解説は次のように始まります

「さあ,この電車に乗りましょう.楽しい出逢いに満ちた阪急電車に!それも今津線に! 面白い本が読みたくて,ねんがらねんじゅう本屋さんをウロウロしている僕にとって,有川浩さんぐらい有難い作家はいない.とにかくめっちゃ面白い本を書いてくれるからだ   しかも,ここが肝腎要なところだが,どの本もめっちゃ面白く,毎回その発想の妙と意表を衝くといった展開に驚き,新しい目を見開かされるばかりか,わかりやすい美しくも見事な独自の筆致でリズミカルにごく自然に物語の醍醐味を満喫させてくれる技の冴えにうっとりしてしまうのだ   となれば,そう,僕にとって有川さんは日々拝みたくなるようなエンターテインメントの神さまみたいなものだ

この文章を見たら,思わず「この本を読んでみたい」と思いませんか.かく言う私は買いました   児玉さんの書かれた通りの面白い本でした

「週刊ブックレビュー」が,週替わり司会者の書棚を紹介する回がありました.その時,児玉さんの「書庫」も紹介されたのですが,部屋一面の書棚に並んだ原書の数々に驚きました   番組の中でも,まだ翻訳されていない欧米の作品は原書を取り寄せて読んでいると話されていましたが,決して嘘ではありませんでした   児玉さんが夢中になって読んでいたのは,トム・クランシー(この本では「容赦なく」「合衆国崩壊」「レインボー・シックス」「大戦勃発」が紹介されている),ジョン・グリシャム(同「パートナー」「依頼人」「ペインテッド・ハウス」),そしてネルソン・デミル(同「王者のゲーム」)の3人でした   この3人の作品を紹介する文章は一段と熱が入っています   どの作品でも児玉さんは,小説の主人公に成りきって読んだことを告白しています

番組で紹介された作品で私が買い求めたものは数多くありますが,ジェフリー・ディーヴァー(「監禁」「ウォッチメイカー」),アダム・ファウアー(「数学的にありえない」)などは忘れられません

本屋さんに行って,「何か面白い本はないかな?」とクルージングしている人は,まずこの本を手に取って読んでから,買うべき本を絞り込んでは如何でしょうか.強くお薦めします

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チョン・ミョンフン+清水和音+東京フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」,「交響曲第3番”英雄”」を聴く~フェスタサマーミューザ

2017年07月28日 08時16分12秒 | 日記

28日(金)その2.よい子はその1から見てね   モコタロはそちらに出演しています

昨日,午後7時からミューザ川崎シンフォニーホールで東京フィルハーモニー交響楽団の「チョン・ミョンフンの『ベートーヴェン』」公演を聴きました   これはフェスタサマーミューザの一環として開かれたコンサートです  フルシャ+都響と同様,東京フィルも真打チョン・ミョンフンでこのフェスタに勝負を懸けてきました    プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」,②同「交響曲第3番”英雄”」,①のピアノ独奏は1981年,弱冠20歳でロン=ティボー国際コンクール・ピアノ部門で優勝の清水和音,指揮は東京フィル名誉音楽監督チョン・ミョンフンです

本番に先立って,午後3時半から本番と同じホールで公開リハーサルが開かれました   舞台に現れたチョン・ミョンフンは指揮台の上に設置された椅子に座って指揮をします.最初は「英雄交響曲」を仕上げます.第1楽章と第2楽章を通してさらい,第3楽章に入ると,中盤のホルン三重奏のところでストップし,細かい指示を出してやり直しをしました   そして第4楽章でも途中で演奏をストップし指示を出しました.ここで10分間の休憩に入りました

再開後はピアノ独奏の清水和音氏を迎え,全曲を通しておさらいしました   リハーサルが終わったのは5時12分.10分休憩を除けば正味1時間半のリハーサルでした

 

     

 

さて本番です.オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの編成です   コンマスは三浦章宏です

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番ハ短調」です   この曲は着想から7年を費やし1803年4月にベートーヴェン自身の独奏によりアン・デア・ウィーン劇場で初演されました   この曲の特徴は,ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲の中で唯一の短調作品で,しかも「運命」の調性「ハ短調」で書かれていることです   この日,藝大モーニング・コンサートでベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第2番」を聴きましたが,第1番,第2番がハイドンの影響を受けているのに対し,この第3番はその世界から脱出し,独自の世界を確立しようとする意欲が見える堂々たる曲想です   第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「ラルゴ」,第3楽章「ロンド:アレグロ」の3つの楽章から成ります

ソリストの清水和音がチョン・ミョンフンとともに登場,ピアノに向かいます   チョンのタクトで第1楽章が開始されます.長い序奏のあと,ピアノが入ってきます.清水のピアノはパワフルです   しかし,第2楽章「ラルゴ」では幻想的とも言える曲想をニュアンス豊かに演奏します   間を置かずに移行した第3楽章では溌剌とした演奏を展開し,華々しくフィナーレを迎えます

自席から,ヴィオラ・トップの須田祥子さんの譜面台が見えるのですが,置かれた譜面が白色でなく,相当使い込まれたようにくたびれた茶色になっているのに気が付きました   彼女の後方席の奏者の楽譜も同じ色でした.昭和を感じさせる古色蒼然たる楽譜です.何回も繰り返し使用されてきたのでしょうね

会場いっぱいの拍手とブラボーに,清水はリスト「愛の夢 第1番」をロマンティックに演奏,さらに大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半は,ベートーヴェン「交響曲第3番変ホ長調”英雄”」です   よく知られているように,この曲は,貧困層から出て王制に戦いを挑んだナポレオンへの共感を覚えて作曲しましたが,彼の皇帝即位を知って激高し「結局,あの男も権力を得たいだけの俗物だった」と叫び,スコアに記した献辞を掻き消し,新たに「ある英雄の思い出に捧げる」と書いた,と伝えられています

この曲は1803~04年に作曲され,1805年4月にアン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました   第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モルト」の4つの楽章から成ります

チョン・ミョンフンがステージ中央に向かいます.指揮台の手前まで来て,彼はタクトで指揮台の床を指して四角を描いたように見えました   指揮をするにあたり何かが足りない,といった表情が見て取れました   そこで思ったのは,指揮台にあるべき「落下防止バー」が設置されていなかったのではないか,ということです.確信はもてませんが,以前彼がマーラーを指揮した時の指揮台には「落下防止バー」が付いていたように思います

彼は「無いものは仕方ないか」という表情ですぐに指揮台に上がり,次の瞬間 タクトを振り下ろしました.チョン・ミョンフンの最初の一振りはいつも集中力に満ちています   その瞬間から楽員も聴衆も彼の催眠術にかかったようにベートーヴェンの世界に引きずり込まれます  

念のため須田祥子さんの楽譜を見ると今度は白色でした.少なくとも平成の色でした

第2楽章はゆったりしたテンポで進められ,弦楽器も管楽器も良く歌っていましたが,中でも葬送行進曲のメロディーを吹いたポーボエは素晴らしく,厳粛に響きました

第3楽章は,中盤でのホルンのトリオが素晴らしい演奏で,誇らしい音を出していました   この箇所は,リハーサルで指揮者が繰り返し詰めていたところです

第4楽章は集中力に満ちた最後の演奏が展開します.コンマスの三浦氏をはじめ楽員全員がチョン・ミョンフンのタクトに必死でついていきます   フィナーレは圧倒的でした   会場いっぱいの拍手とブラボーが指揮者とオケに浴びせられます

前日のフルシャと都響の関係がフレンドリーだとすれば,チョン・ミョンフンと東京フィルの関係は緊張感に満ちた関係だと言えるかも知れません

 

     

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東京藝大モーニング・コンサートでニールセン「フルート協奏曲」(宮川彩音),ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第2番」(白瀬元)を聴く

2017年07月28日 07時54分07秒 | 日記

28日(金)その1.わが家に来てから今日で1031日目を迎え,稲田朋美防衛相が辞任する意向を伝えたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       イナダはワラサ⇒ブリになる成長魚だから 後で久しブリに復帰すれば,許されたら

 

                                           

 

昨日,夕食に「ハッシュドビーフ」「生野菜とツナのサラダ」を作りました   午前11時から上野で,午後3時半から川崎でコンサート(とリハーサル)があるので,午前中に作りましたが,もう大変でした

 

     

 

                                           

 

昨日,午前11時から東京藝大奏楽堂で第9回藝大モーニング・コンサートを,午後3時半からミューザ川崎で東京フィルのリハーサル,午後7時から本番のコンサートを聴きました   ここでは,藝大モーニング・コンサートについて書きます

プログラムは①ニールセン「フルート協奏曲」,②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第2番変ロ長調」です   ①のフルート独奏は宮川彩音,②のピアノ独奏は白瀬元,管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団,指揮=迫昭嘉です

 

     

 

全席自由.最近は1階13列12番かその前後席がマイシートになりました   いつも通り会場は結構入っています

オケの配置は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという いつもの編成です

1曲目は1865年 デンマーク生まれのニールセン作曲による「フルート協奏曲」です   この曲は1926年に作曲されました.第1楽章「アレグロ・モデラート」,第2楽章「アレグレット」の2つの楽章から成ります

演奏者の藝大4年生・宮川彩音さんのプログラム・ノートによると,ニールセンは親しかったコペンハーゲン管楽五重奏団のメンバー全員のために5つの協奏曲を書く約束をしていたそうですが,この「フルート協奏曲」と「クラリネット協奏曲」(1926年)を完成したところで1931年に死去したとのことです  あとはホルン,オーボエ,ファゴットの協奏曲でしょうか

宮川さんが淡いピンク,ブルー,イエローの横ストライプの明るい衣装で登場し,ステージ中央にスタンバイします   藝大教授・音楽学部長の迫昭嘉氏の指揮で第1楽章が開始されます   目まぐるしく変転する曲想を聴いていると,デンマークというよりもフランスの”エスプリ”を感じます   フルートのカデンツァは超絶技巧です.タンギングが難しそうですが,宮川さんは難なくクリアします

第2楽章ではティンパニやヴィオラ,そして,バス・トロンボーンとの掛け合いが聴かれますが,なかなか面白い曲です   ニールセンと言うと「不滅」というイメージがありますが,こんなに楽しい曲を作っていたのかと感心しました   宮川さんの演奏は立派でした

 

     

 

2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第2番変ロ長調」です   この曲は1786年から1795年にかけて作曲されました.出版順で第2番になりましたが,実質的には最初のピアノ協奏曲です   第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「ロンド,アレグロ・モルト」の3つの楽章から成ります

藝大3年生,長身の白瀬元君がピアノに向かい,迫氏の指揮で第1楽章に入ります.白瀬君のカデンツァは聴かせました   全体を通して聴いた印象は,やはりベートーヴェン最初のピアノ協奏曲ということで,ハイドンの影響が強く感じられます   まさに”古典”を感じさせる堂々たる音楽ですが,まだまだ超個性のベートーヴェンには至っていません

白瀬君に求めたいのは他の人にない”個性”です.これからの活躍を期待したいと思います

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ヤクブ・フルシャ+東京都交響楽団でスメタナ:連作交響詩「わが祖国」を聴く~フェスタサマーミューザ

2017年07月27日 07時52分58秒 | 日記

27日(木).わが家に来てから今日で1030日目を迎え,専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」を条件付きで容認する方針転換を巡って混乱していた連合の執行部が,高プロの政府案の修正に関する「政労使合意」を見送る方針を固めたことが,関係者への取材でわかったという日経の記事を見て感想を述べるモコタロです

 

     

         結局「残業代ゼロ法案」だから使用者側に有利だ 越後屋  おぬしも悪よのう

 

                                           

 

昨日,夕食に「麻婆茄子」「生野菜とサーモンのサラダ」「冷奴」を作りました   後述の通り,都響のコンサートを3時半開始の公開リハーサルから聴くため,午前中に作りました   夜にコンサートがある時は,いつもは出かける直前に作っています

 

     

 

                                           

 

昨夕,ミューザ川崎シンフォニーホールで東京都交響楽団の「ヤクブ・フルシャの『わが祖国』」公演を聴きました   これはフェスタサマーミューザの一環として開かれたコンサートです.プログラムはスメタナ:連作交響詩「わが祖国」全6曲=「高い城」「モルダウ」「シャールカ」「ボヘミアの森と草原から」「ターボル」「ブラニーク」です  スメタナは1874年から79年にかけて演奏順に作曲しましたが,第1曲を書いている最中に難聴になり,第2曲以降の作曲に当たっては完全に聴力を失った状況で作曲を続け完成しました

指揮は1981年チェコ生まれのヤクブ・フルシャです   フルシャは都響の首席客員指揮者のほか,バンベルク響首席指揮者,チェコ・フィル常任客演指揮者,フィルハーモニア管客演指揮者も務めています

午後7時からの本番に先立って,午後3時半から本番と同じホールで公開リハーサルが開かれました   楽員への指示は英語で行われます.楽員はそれぞれ指摘事項を楽譜に書き込んでいきます.楽員は演奏力とともに英語を聴き取る力も必要なようです   フルシャは第1曲から順番に要所を選んで演奏し,注意事項を告げてやり直し,次にいきます.見ていて小気味が良いくらいです   第5曲「ターボル」を演奏する時は,楽譜に挟んであった絵葉書を取り出して「これがターボルです」と客席に見せました.ターボルはプラハの南100キロのところにある街の名前です   最後の「ブラニーク」のリハーサルを終えたのは4時15分.何と「最長2時間」と書かれていた公開リハーサルは45分で終了しました   私がこれまで聴いたフェスタサマーミューザのリハーサルの中で最短時間でした   都響のメンバーの力量を普段から把握している首席客員指揮者としてはこれで必要且つ十分なのでしょう   個人的には本番まで時間が余り過ぎて困りましたが,こればかりは仕方ありません

 

     

 

さて本番です.楽員が配置に着きます.オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという,いつもの都響の編成です   2台のハープが左右に分かれてスタンバイしています.コンマスはソロ・コンマスの矢部達哉,ヴィオラ首席には読響ソロ・ヴィオラ奏者の柳瀬省太がスタンバイしています.都響さん,レンタルしましたね

フルシャが登場し指揮台に上がりますが,譜面台がありません   しかし,フルシャはメガネをかけています   譜面を見ないで指揮をするのになぜメガネが必要なのか? 彼はタクトとともに,もう一つのタクト,つまりアイコンタクトによって指揮する方法を選んだのです

フルシャのタクトで第1曲「高い城」の演奏に入ります   「高い城」とはプラハのモルダウ河畔に建つヴィシェフラト城のことです.かつてボヘミア王国国王の居城でしたが,戦乱により廃墟になっています   冒頭,左右に分かれたハープが交互に古城を表す竪琴のテーマを奏でます   このテーマは全曲を通して繰り返し演奏されます.ハープに続いて管楽器が入り,次いで弦楽器の分厚い演奏が続きます.この時点で,やっぱり都響の弦楽セクションは凄いな,と思います

第2曲「モルダウ」は,プラハ市内を蛇行するモルダウ河や沿岸の人々の営みを音楽によって描写しています   冒頭,2本のフルートとヴァイオリン・セクションのピッツィカートによってモルダウ河の源流が表現されますが,このフルートが素晴らしかった   何度聴いても感動的な曲です

第3曲「シャールカ」は,チェコの伝説を題材とした音楽ですが,シャールカとはプラハ北東の谷の名前で,チェコの伝説の英雄的女性の名前です   弦楽器の気迫がダイレクトに迫ってくる渾身の演奏が展開します   中盤でのクラリネットの演奏が素晴らしく,フィナーレの畳みかけは,会場の天井が抜けるほどの迫力でした

ここで20分間の休憩に入ります.1階ロビーでたむろしていると,見たことのある高齢男性が近づいてきて「お久しぶりでした.相変わらずお元気そうですね」と挨拶してきました.昨年,この「フェスタサマーミューザ」でたまたま隣り合わせになった人でした   お互い名前も知らないのですが,懐かしさで思わず握手をしました.彼は,自席の通路を挟んで斜め後ろの席にいることが分かりました.2年連続で近くの席を取るって不思議です   何か縁があるのでしょうね.お互いにセット券を取っている関係で同じ席で数公演を聴くことになるので,また今日もお会いすることになるでしょう

 

      

 

プログラム後半は第4曲「ボヘミアの森と草原から」でスタートします   この曲はスメタナが少年時代を過ごした地方の美しい思い出を描いた音楽です.冒頭近くでの弦楽器の弱音による演奏が印象に残ります

第5曲「ターボル」は街の名前ですが,15世紀のチェコの歴史的人物ヤン・フスの死後,フス団を結成した人々の雄姿を描いた音楽です   振幅の大きな音楽が管弦楽によって描かれます   そして,「ターボル」のフィナーレの曲想をそのまま引き継いだ第6曲「ブラニーク」が演奏されます.ブラニークとは山の名前です.フス団の戦士たちはボヘミアを救おうとこの山の麓に隠れ,そこで立ち上がり,勝利を収めたという内容です

この曲では中間部でのオーボエ首席の広田智之の演奏が抜群に上手かったのが印象に残ります   そして,フィナーレの躍動感あふれる演奏は,都響の総力を結集した渾身の演奏でした

演奏が終わり何度もカーテンコールが繰り返され,フルシャがステージに呼び戻されましたが,その嬉しそうな表情を見ながら,都響はフルシャの「わが祖国」でこの音楽祭に勝負を懸けてきたな,と思いました   N響と読響の「脱クラシック路線」と比べれば明らかです   都響は真っ向勝負で臨み,その目論見は成功しました   これによって都響の定期会員は増えるかも知れません

なお,この曲を聴くにあたり,ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団によるCDで予習しておきました

 

     

 

昨日のブログに,東京シティ・フィルのコンサートで「竹山愛さんがフルートを吹いていた」と書きましたが,読者のともさんから「竹山さんではなく,客演奏者だった」旨のご指摘がありました   ともさんの指摘ですから間違いないと思います.しかし,ともさんもいろいろ調べて下さったようなのですが,誰が吹いていたのかは不明であるとのことでした   したがって,「フルートは客演奏者が吹いていた」と訂正させていただきます.定期会員でないと 時にこういうミスが出ますね.反省して再発防止に努めたいと思います

 

     

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井上寿昭+有希 マヌエラ・ヤンケ+東京シティ・フィルでヴィヴァルディ「四季」,ヘンデル「水上の音楽」他を聴く~フェスタサマーミューザ

2017年07月26日 07時58分43秒 | 日記

26日(水).わが家に来てから今日で1029日目を迎え,学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐり,安倍晋三首相が25日午前,参院予算委員会の閉会中審査で,1月20日の国家戦略特区認定まで同学園の計画は知らなかったとの認識を繰り返す一方で,「申請段階で承知をした」とした過去の答弁について「混同があった」と修正し陳謝した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       ますます疑惑が深まった 次の選挙はどこだ? そこで国民の審判が下されるだろう

 

                                           

 

昨日は「土用丑の日」だったので,夕食は「鰻丼」にしました   中国産は過去に怖い事件があったので,高くても国産にしました   やっぱり国産は美味い

 

     

 

                                           

 

昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールで東京シティ・フィル「典雅なるバロック名曲集」公演を聴きました   これは「フェスタサマーミューザ」の一環として開かれたコンサートです   プログラムは①ヴィヴァルディ「四季」,②ヘンデル(ハーティ編):組曲『水上の音楽』,③バッハ(マーラー編)「管弦楽組曲」です   ①のヴァイオリン独奏=有希 マヌエラ・ヤンケ,管弦楽=東京シティ・フィル,指揮=村上寿昭です

ヴァイオリン独奏の有希  マヌエラ・ヤンケはミュンヘン生まれ.2004年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで最高位(1位なしの2位),2007年チャイコフスキー国際コンクール第3位,サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクール優勝と,数々の入賞歴のある実力者です 私は数年前に一度だけ日経ミューズ・サロンで彼女の演奏を聴いたことがあります

一方,指揮の村上寿昭は東京生まれ.桐朋学園大学で小澤征爾他に師事.大学在学中からサイトウ・キネン・オーケストラ等で小澤征爾のアシスタントを務めました   1997年に渡独,ベルリン国立芸術大学,ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み,オーストリア・リンツ州立歌劇場,ドイツ・ハノーファー州立歌劇場で指揮を取りました.現在,東京藝大,桐朋学園大学の講師を務めています

 

       

 

午後3時の開演に先立って,午前11時30分から本番と同じホールで公開リハーサルが開かれたので見学しました   2階センターブロックで聴きましたが,リハーサルはプログラムに沿って前半にヴィヴァルディの「四季」を,10分間の休憩後にヘンデル「水上の音楽」とバッハ「管弦楽組曲」を一通りさらい,午後1時半に終了しました

楽員はカジュアルな私服でリハーサルに臨みます.指揮者もソリストも私服です   前半のヴィヴァルディは最初から途中で止めることなく さらいました.一通り終わってから,村上氏は何カ所か改善点を指摘しましたが,その場で演奏し直すことは求めませんでした   オケだけではなくソリストを迎えた協奏曲のリハーサルだったので省略したのかもしれません

後半のリハーサルでは本番に向けてちょっとした手直しがありました   1曲目の「水上の音楽」が終わって,バッハの「管弦楽組曲」に移り,弦楽だけによる「アリア」を除いてすべてさらったのですが,聴いていてオルガンの音が大きく,他の楽器の音を消してしまう恐れがありました   この曲の第1曲「序曲」と第2曲「ロンドとヴァディヌリー」は,さながらフルート協奏曲のような曲想なのですが,舞台後方の木管楽器群の中で立ったまま演奏していたフルートの竹山愛さんが,「オルガンの音が大きくて吹きにくいので,オルガンをもっと離してもらうなり何とかしてほしい」と指揮者に求めました   村上氏はコンマスとも相談したようですが,やはりオルガンの音の大きさは気になっていたようで,係り員を呼んで,管楽セクションと同じ台にのっていたオルガンを台から降ろし右下に移動しました   さらに村上氏は竹山さんに指揮者の隣で演奏するよう求め,リハーサルを再開しました   たしかにこちらの方がはるかにフルートの音が良く聴こえます   村上氏の「本番はこれで行きましょう」の言葉で解散しました   こういうことってリハーサルを見ていないと分からないものです   指揮者とオーケストラのメンバーとは,直前までこうしたやり取りをしてベストな環境を整えて本番に臨んでいるのだな,と感心しました

 

     

 

さて本番です.弦楽器奏者が登場し配置に着きます.ヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対向配置をとります   ソリストの有希 マヌエラ・ヤンケが水色の爽やかな衣装で登場,ステージ中央にスタンバイします   村上氏の指揮でヴィヴァルディ「四季」の演奏が開始されます.彼はタクトを持ちません

この曲は4つのヴァイオリン協奏曲から成ります.第1番ホ長調「春」,第2番「夏」,第3番「秋」,第4番「冬」ですが,それぞれ3つの楽章から成ります

マヌエラ・ヤンケのヴァイオリンは音自体が非常に美しく,ソフトに響きます   それもそのはず,彼女の使用楽器は日本音楽財団から貸与されている1736年製ストラディヴァリウス「ムンツ」です   4つの協奏曲のうちで特に印象に残ったのは第2番「夏」の第1楽章でのヴァイオリンとチェロによる二重奏と,第4番「冬」の第2楽章「ラルゴ」での弦のピッツィカートにのせて奏でられる独奏ヴァイオリンの美しい演奏です

演奏後,マヌエラ・ヤンケはコンマス,チェロ首席,ヴィオラ首席,第2ヴァイオリン首席と握手,健闘を讃え合いました   彼女,このオケが気に入ったようです

 

     

 

プログラム後半の1曲目はへンデル(ハーティ編):組曲「水上の音楽」です   この曲は,ロンドンのテムズ川で催された英国王ジョージ1世の舟遊びパーティーのために作られた音楽です.この日演奏されるのは,全19曲のうちイギリスの作曲家ハミルトン・ハーティが6曲構成の組曲として編んだ作品です   第1曲「アレグロ」,第2曲「エア」,第3曲「ブーレ」,第4曲「ホーンパイプ」,第5曲「アンダンテ・エスプレッシ―ヴォ」,第6曲「アレグロ・デチーゾ」の6曲からなります

この曲は弦楽器はもとより,管楽器が大活躍します.第1曲「アレグロ」は冒頭ホルンが宴の開幕を告げます   第4曲「ホーンパイプ」ではフルートが活躍しますが,竹山愛さんの演奏はしみじみと聴かせます   そして最後の第6曲「アレグロ・デチーゾ」ではホルンとティンパニが華々しく演奏されます

最後の曲はバッハ(マーラー編)「管弦楽組曲」です   バッハは管弦楽組曲を4曲作曲しましたが,ニューヨーク・フィルの音楽監督だったマーラーは1909年に,その第2番と第3番から4曲を抜粋して再構成し,新たな組曲を編み出しました   第1曲「序曲」,第2曲「ロンドとバディヌリー」,第3曲「アリア」,第4曲「ガヴォット」の4曲から成りますが,第1曲と第2曲がバッハの「組曲第2番」から,第3曲と第4曲が同「組曲第3番」から採られています

楽員が再登場し配置に着きます.フルートの竹山愛さんは,リハーサルでの打ち合わせ通り,指揮者の隣にスタンバイします   村上氏の合図で第1曲「序曲」が華々しく開始されます   竹山愛さんは前に出て正解でした.メロディーがよく聴きとれます.演奏は言うまでもなく素晴らしかったです   第3曲「アリア」は,「G線上のアリア」と呼ばれている曲ですが,低弦のピッツィカートにのせてヴァイオリンが穏やかで美しい音楽を奏でます   そして,最後の「ガヴォット」ではトランペットとティンパニが華々しく鳴らされ,気持ちよく曲を閉じます

弦も管も打も,東京シティ・フィルなかなかやるじゃないか,という演奏でした   最後に,村上寿昭氏の指揮を見ていて思ったのは,タクトを持たない指揮の手さばきが師匠の小澤征爾氏にどこか似ているな,ということでした

 

     

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新日本フィル室内楽シリーズ(1/10)のチケットを取る / 稲盛和夫・山中伸弥「賢く生きるより辛抱強いバカになれ」を読む~成功は公平無私の精神から

2017年07月25日 08時01分07秒 | 日記

25日(火).わが家に来てから今日で1028日目を迎え,学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐり,安倍晋三首相が24日,衆院予算委員会の閉会中審査で「(学園の加計孝太郎理事長と)学生時代からの友人だが,働きかけや依頼は全くなかった」と語り,自身の関与を改めて否定したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

      

      加計氏から安倍首相がゴルフの接待を受けていたとすれば 安倍家の家計ありきだ

 

                                            

 

昨日,夕食に勝浦在住の大学時代の友人S君が送ってくれたサバを塩焼きにしました   あとは,いつもの「生野菜サラダ」「冷奴」「マグロの山掛け」です.サバは全長30センチメートルの大振りですが,油がのっていてとても美味しかったです.持つべきものは友だちです

 

     

 

                                           

 

新日本フィル室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編:第113回「オーストリア・ロマン派作曲家とその継承者」のチケットを取りました   副主席クラリネット奏者マルコス・ぺレス・ミランダのプロデュースによるコンサートです   プログラムは①シューベルト「ピアノ五重奏曲イ長調”ます”」,②ツェムリンスキー「クラリネットとチェロ,ピアノのための三重奏曲ニ短調」,③フィリップ・エルサン「見知らぬ国で」(クラリネット,弦楽四重奏,ピアノ)です   出演は,コンマスの西江王子,チェロ首席の川上徹,コントラバスの渡邉玲雄などですが,私がこのコンサートを聴きたいと思ったのは,新日本フィルへのデビュー当時から応援しているヴァイオリンの松崎千鶴さんが出演し,さらに彼女の同期のヴィオラの脇屋冴子さんも出演するからです   要するに演奏曲目は何でもOKなわけです

 

     

 

                                           

 

山中伸弥・稲盛和夫「賢く生きるより辛抱強いバカになれ」(朝日文庫)を読み終わりました   あらためて2人のプロフィールを紹介すると,稲盛和夫氏は1932年鹿児島県生まれ.鹿児島大学卒業後,松風工業を経て,59年に京都セラミック(現・京セラ)を設立.社長,会長を経て97年より名誉会長に就任しています   この間,84年には第二電電(現KDDI)を設立し,会長などを歴任.同年に私財を投じて「稲盛財団」を設立し「京都賞」を創設   2010年には経営破たんした日本航空(JAL)会長に就任し,2年後に再上場を果たし,13年に名誉会長,15年から名誉顧問を務めています

一方,山中伸弥氏は1962年大阪府生まれ.神戸大学医学部卒業.大阪市立大学大学院研究科修了.米国グラッドストーン研究所博士研究員を経て,96年に大阪市立大学医学部助手,99年奈良先端科学技術大学院大学遺伝子研究センター助教授,2003年同教授などを経て,10年4月から京都大学iPS細胞研究所所長を務めています   12年ノーベル医学・生理学賞を受賞しています

 

     

 

最初に二人が出会ったのは2004年で,山中氏が無名の研究者として「稲盛財団」から研究助成金を受けた50名の研究者の一人として贈呈式に出席した時だといいます   この本を読むと,この時の助成金が山中氏の研究活動の大きな力となり,後のノーベル賞受賞に繋がったことが窺えます

稲盛氏は「京セラ」「KDDI」の創立,そして「日本航空」の再建と,経営の最前線で活躍し成功を納めた人ですが,強いリーダーシップの原点は子供時代にあったようです.彼は次のように語っています

「仲間をまとめ,グループの求心力を維持するには,どうすればいいのか.やっぱり,そこでリーダーの心根,立ち振る舞いが大事になってくる   リーダーの人間性がよくなければ,やがて誰もついてこなくなることを,ガキ大将をやりながら学んでいたのだと思います.社会に出て,技術者として経営者として部下をまとめる際にも,このガキ大将時代の経験が生きてきたと思います

「リーダーの人間性がよくなければ,やがて誰もついてこなくなる」という言葉は,時代を超えたリーダーのあり方として通用すると思います   さらに,稲盛氏は「仕事で成果を上げるにはどうしたら良いか」について次のように語ります

「私は明確な方程式を持っています.それは『人生・仕事の結果 = 考え方 ✕ 熱意 ✕ 能力 』というものです   3つの要素がありますが,一番大事なのはその人が持っている人生や仕事に対する『考え方』であり,次に『熱意』,『能力』は3番目になります   『熱意』は『努力』と言い換えることができます.一番大事な『考え方』ですが,これはマイナス100点からプラス100点まであります.たとえば世を拗ね,人を恨み,斜に構えたものの見方をする人の場合,『考え方』はマイナスになります   一方,壁にぶつかっても素直に人の意見を吸収し,苦労も厭わず,仲間や他人に善かれと願い,明るく真面目に努力し続ける『考え方』はプラスになっていくわけです   仕事の結果はこの3つの掛け算となるので,学力,能力が高くても,自らの能力を過信して仕事をなめて努力を怠っている人間は,出てくる仕事の成果も低い   一方,能力は低くても,能力で劣るぶん仕事に情熱を持ち,人の何倍もの努力をし,さらに考え方が前向きで思いやりがあれば,けた違いの結果が出てきます   平凡な能力しか持たない人でも,すばらしい考え方を持ち,懸命に努力すれば,予想以上の成果を生み出せるのです

稲盛氏の言葉に説得力があるのは,自身の経験に基づいているからです   さらに 山中氏から

「稲盛さんのこれまでのご経験から,たくさんの部下を動かしてこられたと思いますが,最も大事なことは何だと思われますか?」

と問われ,次のように答えています

「公平無私であることと思っています   中小であれ,大企業であれ,官公庁であれ,地方自治体であれ,あるいは学校法人,研究機関でも,リーダーの資質で最も大事なことは,己を捨てることです.リーダーが利己的な自分を少しでも持てば,組織を間違った方向に動かす危険性が生じます.そして,部下を褒めたり,叱ったりする場合,公平であることが大原則です.好き嫌いによって評価や態度を変えるリーダーでは部下に信用されませんから

誰もが,こういうリーダーの下で働いてみたいと思うでしょう

一方,山中氏は,研究者としての心構えについて,次のように語っています

「一歩一歩,地道な努力の積み重ねでしかないというのは,非常に分かります.私には研究の支えになっている言葉があります.それはグラッドストーン研究所に留学していたとき,ロバート・メーリー所長から教えられた『 V W 』という言葉です   これは『ビジョン』と『ワークハード』の略です.ある日,所長が研究員を集めて『研究者として成功する秘訣はVWだ.VWさえ実行すれば君たちは必ず成功する』と熱弁をふるったのです.ビジョンは長期的な目標,ワークハードは一生懸命に働くことですが,研究者としても人間としてもこの2つが大事で,どちらが欠けてもダメだと

この言葉を,「この仕事は自分に向いていない」とか「やろうと思えば何でもできるけど,今やろうとしないだけだ」とか言って,目の前の現状から逃げようとする人間に聞かせてやりたいと思います

ここにご紹介したお二人の言葉は,ほんの一例に過ぎません   示唆に富む言葉に溢れています.是非手に取ってお読みいただくことをお薦めします

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井上道義+ルドヴィート・カンタ+オーケストラ・アンサンブル金沢でサン=サーンス「チェロ協奏曲第1番」他を聴く~フェスタサマーミューザ

2017年07月24日 07時41分59秒 | 日記

24日(月).わが家に来てから今日で1027日目を迎え,「よこはま,たそがれ」「瀬戸の花嫁」「カナダからの手紙」など多くのヒット曲を生んだ作曲家で歌手の平尾昌晃さんが亡くなったというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      わが家のご主人もカラオケでさんざんお世話になりました ご冥福をお祈りします

 

                                           

 

昨日,ミューザ川崎で「パイプオルガンとオーケストラの饗宴」を聴きました   これは「フェスタサマーミューザ」特別参加公演です.プログラムは①与えられたテーマによるエスケシュのオルガン即興演奏,②シューベルト「交響曲第7番ロ短調”未完成”」,③サン=サーンス「チェロ協奏曲第1番イ短調」,④エスケシュ「オルガン協奏曲第3番『時の4つの顔』(世界初演)」です   ③のチェロ独奏はルドヴィート・カンタ,④のオルガン独奏はティエリー・エスケシュ,管弦楽=オーケストラ・アンサンブル金沢,指揮=井上道義です

「オーケストラ・アンサンブル金沢」は1988年,岩城宏之が創設音楽監督を務め,外国人を含む40名からなる日本最初のプロの室内オーケストラとして石川県と金沢市が設立,2007年から井上道義が音楽監督を務めています

ティエリー・エスケシュはフランスの作曲家,オルガニストで,現在パリ音楽院教授を務めています   1991年ストラスブール国際コンクールで第1位を獲得,1997年から巨匠デュリュフレの後任としてパリのサンテティエンヌ・デュ・モン教会の首席オルガニストを務めています.作曲家としては1989年に第1回アンドレ・ジョリベ賞を受賞しています

 

     

 

自席は1階C7列18番,センターブロック左から5番目,ほぼ真ん中の席です

演奏に先立って,井上道義氏がマイクを持ってステージに登場,1曲目にエスケシュが演奏するパイプオルガンの「テーマ」を,手元のピアニカで演奏しました   それはこの日演奏されるシューベルトの「未完成」冒頭のテーマと伊福部昭の「ゴジラ」のテーマを組み合わせたものでした

2階正面のパイプオルガンにスタンバイしたエスケシュは,与えられたテーマに基づいて即興演奏を展開しました   全体的には「未完成」のテーマを低音部で,「ゴジラ」のテーマを高音部で演奏し,音の大伽藍を築き上げました

オケの面々が入場し配置に着きます.オヤッと思ったのは,通常のオケの配置とはまったく違ったからです   ステージ左サイドにヴァイオリン・セクションが,中央にチェロとヴィオラ,その後方にコントラバスが,右サイドに木管・金管・打楽器がスタンバイします   こういう配置は初めて見ました   あとで井上氏が解説したところによると,総勢40人の室内オケで,コントラバスが2本しかいないので,センターに持ってきて前を向いて演奏しないと低音部の音が十分に客席に届かない,とのことでした

演奏するのはシューベルト「交響曲第7番ロ短調”未完成”」です   シューベルトは第8番「ザ・グレイト」まで8曲の交響曲を書きましたが,いずれも誰かに委嘱されたわけでも公開の演奏会で演奏することを前提として書いたわけでもありません   この曲は1822年に第1楽章と第2楽章が作曲されたものの,第3楽章は中断され未完のまま置かれました   楽譜は作曲者の死後の1865年(43年後)に発見され,指揮者ヨハン・ヘルベルクにより初演されました

第1楽章「アレグロ・モデラート」が低弦の動機に乗せて演奏されるオーボエとクラリネットの第1主題によって開始されます   このオーボエとクラリネットが素晴らしかった   第2楽章「アンダンテ・コン・モート」ではホルンとファゴットが活躍しますが,これもまた素晴らしい演奏をします   弦楽器は透明感があります.落ち着いた演奏でした

ステージの模様替えが行われ,オケは左から第1ヴァイオリン,ヴォイラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置をとります   指揮台の左にチェロの演奏台が設置され,サン=サーンス「チェロ協奏曲第1番イ短調」の演奏に備えます

このオケの首席チェリスト,ルドヴィート・カンタが登場し配置に着きます.ルドヴィート・カンタはスロヴァキア生まれ,1977年のハラデッツ・オバヴァ・ベートーヴェンコンクール第1位,80年プラハの春国際音楽コンクールで第2位入賞などの経歴を持っています

この曲は第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ~アニマート」,第2楽章「アレグレット・コン・モート」,第3楽章「テンポ・プリモ~少し速度を抑えて~ピウ・アレグロ~モルト・アレグロ」の3つの楽章から成りますが,切れ目なく演奏されます

井上の合図で第1楽章が速めのテンポで開始されます   独奏チェロは相当技巧を要する曲想のようですが,カンタは難なく弾き切ります   第2楽章は一転,ワルツのような穏やかな音楽が展開します   チェロの演奏はロマンに満ちています.第3楽章は第1楽章のテーマが回帰します.そして喜びに満ちたフィナーレに突入します

会場いっぱいの拍手とブラボーにカンタは,バッハの「無伴奏チェロ組曲第2番」から「サラバンド」を演奏,再び大きな拍手を浴びました

 

     

 

なお,この演奏に先立って,ミッシャ・マイスキーのチェロ,オルフェウス室内管弦楽団のCD(1997年録音)で予習しておきました

 

     

 

休憩後は,エスケシュ「オルガン協奏曲第3番『時の4つの顔』」です   この作品は2016年度オーケストラ・アンサンブル金沢委嘱作品で,日本初演です

エスケシュによるプログラム・ノートによると,この曲は4つの絵画(タブロー)から構成されています   第1は「起源」,第2は「仮面」,第3は「ロマンス」,第4は「夜の後に」となっています

エスケシュがパイプオルガン席に着き,井上の指揮で曲が開始されます   最初の「起源」は,人類誕生の起源とでもいう雰囲気が感じられ,なるほどと思ったのですが,第2曲以降はタブローのタイトルを思い浮かべるまでに至りませんでした   ただ,最後の「夜の後に」は,それまでの鬱積した気分を一掃するかのような明るいリズムが中心の音楽になり,音そのものを楽しむことが出来ました

     

     

 

ところで,プログラム冊子の井上道義氏のプロフィールの最後に「自宅にアヒルを飼っていた」という記述があります   これについては,以前 当ブログで「井上道義氏のニックネームはミッキーだが,ディズニーでのミッキーの相棒はドナルド・ダックだから,相棒のダック(アヒル)を飼っていたのだろう」と書きました   これについては,どこからも反論が寄せられていないのでその通りなのではないかと思います.それにしても,公式プロフィールに「自宅にアヒルを飼っていた」と書くのは奇人・井上道義氏くらいしかいないでしょう

 

     

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ジョナサン・ノット+東響でストラヴィンスキー「春の祭典」他を聴く~フェスタサマーミューザ オープニング・コンサート / 新国立劇場「避難体験オペラコンサート」に応募

2017年07月23日 08時15分46秒 | 日記

23日(日).わが家に来てから今日で1026日目を迎え,トランプ米大統領がホワイトハウスの広報戦略部長に,投資会社創業者のアンソニー・スカラムッシュ氏を起用したことに反発し,スパイサー報道官が辞任したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        トランプ政権誕生から半年しか経っていないのに長続きする閣僚が少な過ぎね?

 

                                             

 

新国立劇場の情報誌「ジ・アトレ」8月号に「第2回避難体験オペラコンサート」のチラシが入っていました   初台の新国立劇場で9月7日(木)午後3時開演となっています.新国立劇場オペラ研修所修了生「PIVOT!」によりオペラのアリアなどが歌われ,途中で避難訓練が行われるようです

入場無料で,申し込み多数の場合は抽選とのこと.面白そうなので申し込むことにしました   まあ外れることはないでしょう.当日は午前11時から上野で東京藝大モーニングコンサートがあるので,その後初台に向かいたいと思います

 

     

 

                                           

 

今年もミューザの暑い夏「フェスタサマーミューザ」が始まりました   昨日は午後1時55分からミューザの「歓喜の広場」で,ジョナサン・ノットの指揮東響ブラス+打楽器セクションにより「オープニング・ファンファーレ」が演奏されました 中央右の黄緑色のシャツが指揮をしているジョナサン・ノットです

 

     

    

午後3時から「オープニング・コンサート」を聴きました   プログラムは①シェーンベルク「清められた夜」,②ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です   管弦楽は東京交響楽団,指揮はジョナサン・ノットです

 

     

 

1曲目はシェーンベルク「清められた夜」(1943年改訂版=弦楽合奏用)です   この曲は1899年に弦楽六重奏曲として作曲され,その後弦楽合奏用に編曲されました   ドイツの詩人リヒャルト・デーメルの作品を音楽として表現したものです.詩の内容は,月明りの下 森を歩く男女の対話で,女性はある男の子どもを宿したことを男性に告げるが,彼はその子を二人で育てていこうと告げる,というものです

弦楽奏者が配置に着きます.センターにチェロ6が横並びにスタンバイし,その後方にコントラバス4が横に並びます.ヴァイオリン6,ヴィオラ3が左右対称に配置され,文字通り対向配置をとります   コンマスは水谷晃.会場はほぼ満席と言っても良いでしょう

私はシェーンベルクが苦手で,どうしても避けてしまうのですが,唯一何とか最後までまっとうに聴けるのが この「清められた夜」なのです 

ノットのタクトで演奏が始まります   二人の会話をなぞるかのように静かに音楽が奏でられます.曲の中盤で急に明るい曲想に転換するところは感動的です   音楽が希望を現しているようです

 

     

 

休憩後はストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」です   バレエの舞台は原始宗教時代のロシアで,曲は「大地の礼賛」「生贄の儀式」の2部から構成されています

よく知られているように,1913年5月29日にパリのシャンゼリゼ劇場で開かれたバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の「春の祭典」が,ピエール・モントゥの指揮で初演された時は,あまりにも常識を外れた先進的な曲想に,賛成派,反対派が入り乱れ誹謗中傷合戦が繰り広げられたと伝えられています   

新たに管楽器,打楽器が加わり,弦楽器が追加されます.ノットが登場し第1部「大地の礼賛」の「序奏」がファゴットのソロで開始されます   首席の福士マリ子の演奏を聴いて,この曲の演奏は成功したな,と直感するほど素晴らしい演奏でした

次いで,この曲で一番有名な「春の兆しと若い娘たちの踊り」が弦楽器の激しいリズムで刻まれ,菅楽器が咆哮し打楽器が連打されます   ティンパニが強打されるたびにその音の振動が足元に届きます.第1部最後の「大地の踊り」は大地が咆哮するかのごとく爆発します

第2部「生贄の儀式」は神秘的な「序奏」で開始され,生贄の女性が狂乱のまま神に捧げられるまでの様子が描かれます   「選ばれた乙女の賛美」では,打楽器の連打に乗せて管弦楽が変拍子でリズムを刻みます

この曲を聴きながら いつも思うのは,21世紀の現代だからこそ”20世紀の古典”として当たり前のように聴いているけれど,もし,1913年の初演時の会場でこの曲を聴いたらどう思っただろうか,ということです   ハイドンやベートーヴェンやブラームスなどクラシックの王道を行く音楽に慣れた耳にはストラヴィンスキーの「春の祭典」はあまりにも過激で暴力的で挑戦的だと感じたに違いありません  「こんなのは音楽じゃない」と一刀両断に切り捨てていると思います

そんなことを思いながら聴いていましたが,ノット+東響は,変拍子に次ぐ変拍子の複雑なこの曲を,スピード感あふれる気迫に満ちた演奏により聴衆に深い感動を与えました

 

     

     

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