人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「アンジェラ・ヒューイット ピアノ・リサイタル」を聴く~バッハ「フランス組曲全曲」 / 「トリトン海のオーケストラ」,「上原彩子ピアノ・リサイタル」のチケットを取る

2017年05月31日 07時57分47秒 | 日記

31日(水).とうとう5月も今日で終わりです  月日の流れは何と速いのでしょうか  今年も残り214日になってしまいました

ということで,わが家に来てから今日で973日目を迎え,30日付朝日朝刊「首相動静欄」の29日に「午後6時55分,東京・赤坂の居酒屋『うまいぞお』.読売新聞東京本社の田中隆之編集局総務,前木理一郎政治部長,飯塚恵子国際部長と食事」と書かれていたのを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      数日前に安倍首相は「私の考えは読売新聞を見ていただければ」と言っていたな

 

     

      ひょっとすると首相が読売新聞に 加計学園問題で何か取材上の協力を求めたのかな

 

     

                   いやいや ジョーク! ジョーク! 一国の首相がそんなことするわけないよね

 

     

                     なに あり得ない話じゃないって!?  文春と新潮のスクープ合戦の絶好の標的か

 

                     

 

昨日,夕食に「鶏のもも焼き」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」を作りました 「鶏のもも~」が焦げているように見えますか? 気のせいです

 

     

 

                                              

 

昨日,第一生命ホール主催コンサートのチケットを3枚とりました  会場はいずれも晴海の第一生命ホールです.1枚目は8月23日午前11時から開かれる「雄大と行く昼のさんぽ 上原彩子~壮麗の先へ!ピアノ演奏の極み」です  プログラムはラフマニノフ①前奏曲「鐘」,②ピアノ・ソナタ第1番ニ短調です

 

     

 

2枚目は10月7日(土)午後2時から開かれる「トリトン晴れた海のオーケストラ 晴れオケメンバーによる室内楽」です   プログラムは①ベートーヴェン「七重奏曲」,②シューベルト「弦楽五重奏曲ハ長調」です  東京都交響楽団のメンバーを中心に,ゲストでチェロの原田禎夫氏も出演します

 

     

 

3枚目は11月11日(土)午後2時から開かれる「トリトン晴れた海のオーケストラ第3回演奏会」です   オール・モーツアルト・プログラムで①歌劇「フィガロの結婚」序曲K.492,②セレナータ・ノットゥルナK.239,③オーボエ協奏曲K.314,④交響曲第39番K.543です  コンマスの矢部達哉氏をはじめ東京都交響楽団のメンバーが中心ですが,ヴァイオリンの戸上眞里さん(東京フィル),会田莉凡さん,ヴィオラの篠崎友美さん(新日本フィル)なども出演します   指揮者なしで,コンマスのリードで演奏します

 

     

 

なお,上記2公演はS席セット券をとりました  単券では5,000円+6,000円の計11,000円ですが,セットでは10,000円です

 

                                        

 

昨夕,紀尾井ホールで「アンジェラ・ヒューイット ピアノ・リサイタル」を聴きました   J.S.バッハの「フランス組曲」全6曲演奏会です

アンジェラ・ヒューイットは,グレン・グールドに次ぐカナダが生んだ偉大なピアニストです  2016年秋に「バッハ・オデッセイ(バッハ遍歴の旅)」プロジェクトを発表し,向こう4年間にわたりバッハのソロ鍵盤音楽の全てを,ロンドン,ニューヨーク,オタワ,東京,フィレンツェの各都市で,各々12回公演行うことにより完奏するチャレンジに着手,昨年10月に行われた第1弾のニューヨーク公演ではスタンディングオベーションを受けたと伝えられています

 

       

 

自席は1階15列18番,右ブロック左通路側です.会場は8割方入っている感じでしょうか.後方席が空いているのはもったいないです

演奏するのはフランス組曲全曲(6曲)ですが,プログラムの前半は①第1番ニ短調,②第2番ハ短調,③第4番変ホ長調の順に,後半は④第6番ホ長調,⑤第3番ロ短調,⑥第5番ト長調の順に演奏しました  番号順から言えば,第1番から第3番までは短調,第4番から第6番までは長調の曲です  ヒューイットはこれを並べ替え,前半は短調で始めて長調で終わらせ,後半は長調で始めて長調で終わらせています

チョコレート色のシックなドレスを身にまとったアンジェラ・ヒューイットが登場します  ほとんどのピアニストはハンカチを手にして登場し,手の汗を拭ってからピアノに向かいますが,ヒューイットは手ぶらで登場し,あまり間を空けずに演奏に入ります  こういう細かいところにプロ精神を感じます

彼女の弾くピアノは,イタリアの小さなピアノ・メーカーFAZIOLI(ファツィオリ)製です  以前はスタインウェイを弾いていましたが,最近はほとんどFAZIOLIを弾いているようです.よほど音が気に入っているのでしょう

前半の曲では3番目に演奏した「第4番変ホ長調」が印象に残りました  第1曲「アルマンド」は他のフランス組曲の「アルマンド」とはまったく異なる性格を持っており,人を引き付ける魅力があります  また後半のジーグ,メヌエット,最後のエールはエネルギッシュで楽しく聴きました

 

       

 

休憩後は第6番の演奏から入ります  この曲は第3曲「サラバンド」で他の曲よりも多く装飾音が施されますが,極めて自然に聴こえました  彼女はプログラムノートの中で「装飾は避けるべきではないが,不自然な多様よりは,少なめの方が好ましい  もう一つ考慮すべきことは,ある種の装飾とアルペジオ奏法は,ハープシコードには良いが,ピアノでは重く,不自然に聴こえることがある」と書いていますが,彼女の装飾音を施した演奏は それを踏まえた「必要且つ十分な」演奏でした

2曲目の第3番ロ短調では第1曲「アルマンド」が,モーツアルトでいう「疾走する哀しみ」に共通する性格をもった曲想で,ヒューイットの演奏は「そこはかとない哀しさ」をたたえていました

最後の第5番ト長調はフランス組曲の中で一番人気のある作品でしょう  ヒューイットがこの曲を最後に持ってきた意図も分かります  第1曲「アルマンド」が軽快に始まり,いい気分で聴いている時,急にテンポが落ち,あれ,どうしたんだろう?と思ったのですが,すぐに元の調子に戻り,安心しました  そういう曲だったろうか,と今でも不思議です  その反面,最後のジーグは華やかでした

全6曲を通して聴いて感じるのはFAZIOLIの音の響きの美しさです  スタインウェイ,ベーゼンドルファー,ベヒシュタインと歴史あるピアノメーカーがある中で,ヒューイットが歴史の浅いFAZIOLIを選んだ理由は,彼女の演奏から紡ぎ出される音の中にありました

ヒューイットはアンコールにラモーの「タンブラン」を鮮やかに演奏,会場いっぱいの拍手喝さいを浴びました   

 

     

 

このコンサートを聴くにあたり,ヒューイットの「バッハ作品集」(15枚組CD)で予習しておきました  なお「フランス組曲」(1995年録音)はスタインウェイによる演奏です

 

     

 

ヒューイットがFAZIOLIを弾いた演奏で私が一番好きなのは,ショパン「ノクターン全集」(2003年11月録音.hyperion 2枚組.写真はサインをもらったCD)です  演奏が素晴らしいだけでなく,曲と曲の間をたっぷり空けて,それぞれの曲が今まさにショパンの手でこの世に紡ぎ出されたかのように新鮮に響きます   自身を持って推薦します

 

     

 

     

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理屈なしで楽しめるアメリカ映画「ナイスガイズ!」「エイミー,エイミー,エイミー!」を観る~早稲田松竹

2017年05月30日 08時19分15秒 | 日記

30日(火).昨日の日経・夕刊のコラム「デンシバ」に「学生の読書離れ  スマホが原因?」という見出しの記事が載っていました  超訳すると

「大学生が読書をする時間が急減している  大学生協連の調べによると,昨年の大学生の読書時間は1日平均24分となり,前年に比べ4分あまり減った.1日の読書時間ゼロの学生が全体の49.1%に達し,過去最高となった  調査によると,読書ゼロの学生はスマホの利用時間が長いが,全体としてスマホと読書の間に明確な関係は見られない  大学生協連は1977年から97年まで読書時間が『ほとんどなし』の割合を調べているが,77年は13.2%,86年は24.6%,89年は31.6%,97年は41.0%と80年代以降,急上昇している  根井・京大教授は80年代以降に広がった『実学重視』の風潮と読書離れの動きが関係しているとみている.『先輩や教員が読んでいる難しい本や,就職には関係がないが本当に自分の好きな分野の本を読む学生が減っている』と危機感を強めている

息子を見ていても,確かに本は読んでいないと思います  時々,大学の図書館から「貸した本を返すように」という勧告書が届くので,いわゆる専門書は読んでいるようですが,小説や教養書の類は読んでいる様子がありません  スマホでニュースを見ているということはあるかも知れません

今からン十年前に私が大学生だった時を振り返ってみると,本を読むことは読んでいましたが,私の場合は新聞学科に所属していたので,本よりも新聞を毎日読んでいました   親とは別に定期購読していました.さらにゼミの教材がJapan timesの社説だったのでJapan timesも取っていました.時間にして1日1時間以上は新聞を読んでいました  今は自由な時間がかなりあるので,新聞2紙(朝夕刊)を1日2時間以上かけて読んでいます.もちろん,本も毎日読んでいます

ということで,わが家に来てから今日で972日目を迎え,北朝鮮が29日早朝,またしても弾道ミサイル1発を発射し,約450キロ飛行,日本の排他的経済水域内に着弾したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      今回は排他的経済水域内だけど 今まですでに排他的政治区域内に着弾してね?

 

                                    

 

昨日,夕食に「大根とひき肉の煮物」「生野菜とタコのサラダ」「冷奴」を作りました  息子はこれだけでは足りないので,買ってきたヒレカツも食べました

 

     

 

 

                                      

 

昨日,早稲田松竹で「ナイスガイズ!」と「エイミー,エイミー,エイミー!」の2本立てを観ました  「ナイスガイズ!」はシェーン・ブラック監督・脚本による2016年 アメリカ映画(116分)です

 

     

 

酒浸りのシングルファザー,私立探偵マーチ(R.ゴズリング)は,腕力でトラブルを解決する示談屋ヒーリー(R.クロウ)に強引に相棒にされ,失踪した少女の捜査を開始する  このコンビにマーチの13歳の娘ホリー(アンガーリー・ライス)が加わり捜査を進めるが,単なる失踪事件ではなく,彼らはいつの間にか,70年代のアメリカ自動車業界をめぐる排ガス規制を背景とした母娘の意見の対立から起こった巨大な陰謀に巻き込まれていく

この映画では,示談屋ヒーリーを演じたラッセル・クロウの低音の魅力が冴えています  13歳の娘ホリーを演じたアンガーリー・ライスの可愛いこと理屈抜きで楽しめる映画です

 

     

 

                                              

 

2本目の「エイミー,エイミー,エイミー!」はジャド・アパトー監督による2015年アメリカ映画(125分)です

 

     

 

幼い頃に離婚した父親から「一夫一婦制なんて悪だ!」と教えられてきたエイミー(エイミー・シューマー)は,その影響で,恋愛はせず男性とは一夜限りの関係と割り切って自由奔放に生きて来た  ある日,仕事でスポーツ外科医のアーロン(ビル・ヘイダ―)の記事を書くことになり 取材するが,それがきっかけとなって付き合うようになる  彼との出会いと通じて,エイミーはそれまでの恋愛観や人生観を見つめ直して生きようとするが,今さら自分自身を変えることが出来ないで,彼を怒らせてしまう   しかし,彼女は彼との関係を取り戻すべく思い切ってある行動に出る

 

     

 

夫人公のエイミーを演じるエイミー・シューマーは2015年のTIME誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出された全米人気No.1のコメディエンヌだそうです  最後にバスケットボール・コートで彼女がチア・ガールとともに踊り,助走をつけて踏台をジャンプしてダンクシュートに挑むシーンは,思わず手に汗を握って見ましたが,大爆笑が待っていました   さすがは全米人気No.1  笑いのシュート回転でした

エイミーの心に変化が現れ 新たな行動に出る決心をする重要な場面で,ガーシュインのラプソディ・イン・ブルーが流れましたが,曲想としてベスト・チョイスでした

この映画も理屈抜きで楽しめる作品です

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シューマン「交響曲第2番」他を聴く~シトコヴェツキ―指揮藝大チェンバーオケ / クラシック新ホール続々~日経記事から / 新日本フィル定期アフタヌーンシリーズで継続へ

2017年05月29日 07時47分00秒 | 日記

29日(月).土曜日の日経朝刊・文化欄に「音楽施設,閉鎖相次いだが・・・クラシック新ホール続々」と題する文化部・岩崎記者による記事が載っていました  超訳すると

「首都圏では近年,普門館や五反田ゆうぽうと など,ホールの閉鎖や休館が相次いだが,本格的な音響設備や舞台装置を備えたクラシック音楽向けのホールを新設する動きが国内各地で目立っている  今月,千葉県浦安市に浦安音楽ホールが完成した.約300席,約200席という2つのホールが併存する  ピアニストの仲道郁代は同ホールのスタインウェイとヤマハの2台のピアノを選定するなど,開業前から運営に関わってきた  一方,10月に開業する川崎市スポーツ・文化総合センターは約2000人を収容する.大ホールにはオーケストラピットも備える.オープニング公演では藤原歌劇団などが共同制作するベッリーニのオペラ「ノルマ」が上演される  地方に目を向けると,山形県は19年度中にもJR山形駅前に山形交響楽団の本拠地となる新ホールを開館する予定で,ホールの規模は現在の山形テルサの約800席から約2000席へと拡大する  また,群馬県高崎市も群馬交響楽団の本拠地を建設中である.施設の理念を確立し,音楽家と足並みをそろえた運営ができるかが,新ホールの行方を左右しそうだ

全国各地で新たにコンサートホールが作られることはとても良いことだと思います  とくに「コンサートの東京一極集中」を少しでも緩和し,より身近な場所で音楽を鑑賞出来るようになるという意味では,地方都市に新ホールが出来るのは大歓迎です  ただし,特に小規模なホールでは思うように「ペイしない」,つまり 入場料収入と出演者への出演料等の支出との収支バランスが取れず,恒常的な赤字態勢に陥って長続きしなくなるという恐れがあります  その点を十分に踏まえてホールの運営者には企画面を中心に慎重に対処してほしいと思います

ということで,わが家に来てから今日で971日目を迎え,イタリア南部シチリア島タオルミナで開かれた主要7か国首脳会議(G7サミット)は「米国第一主義」をとるトランプ米大統領が,自由貿易や地球温暖化対策をめぐり強硬な姿勢を見せて ひっかき回したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                   トランプで 7ブリッジ をやったけど 切り札持ってたのはトランプだけだったわけ?

 

                                            

 

新日本フィル2017/18シーズンについては,現在のトパーズ(トリフォニー・シリーズ)からルビー(アフタヌーン・コンサート・シリーズ)へ変更して継続することにしていましたが,昨日その座席指定手続きをしました  午前10時から電話受付開始だったのですが,なかなか繋がらず,やっと繋がったのは午後1時でした  アフタヌーン・シリーズは金曜と土曜の2回公演がありますが,金曜にしました   まだ良い席が残っていて,1階センターブロック中ほどの通路側席が取れました

 

     

 

                   

 

昨日,上野の東京藝大奏楽堂で「東京藝大チェンバーオーケストラ第29回定期演奏会」を聴きました  プログラムは①レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア  第3組曲」,②チャイコフスキー「弦楽のためのセレナード」,③シューマン「交響曲第2番ハ長調」です  指揮はドミトリー・シトコヴェツキ―です

 

    

 

タクトをとるドミトリー・シトコヴェツキ―はアゼルバイジャン共和国生まれで,モスクワ音楽院とジュリアード音楽院でヴァイオリンを学んでいます  藝大チェンバーオーケストラは2003年に創設され,東京藝大音楽学部と大学院に在籍する学生を中心に構成されている室内オーケストラです

全席自由です.1階12列24番,センターブロック右通路側席を押さえました  学生たちが入場し配置に着きます.オケは左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置をとります   メンバーリストによるとコンミスは齋藤澪緒さんです.1曲目は弦楽のみの演奏で総勢26人ですが,うち21人が女子学生です   やっぱり弦楽器における女性優位は健在のようです

1曲目はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア  第3組曲」です レスピーギは1879年にイタリア・ボローニャに生まれました.1913年からはローマのサンタ・チェチーリア音楽院の作曲家教授を務めています   この組曲は,1931年に作曲されましたが,16~17世紀のリュート作品に自由な編曲を施したもので4つの曲から成ります

髭の殿下,シトコヴェツキ―が登場し演奏に入ります  第1曲「イタリアーナ」では冒頭から流麗なメロディーが奏でられますが,ヴィオラとチェロによるリュートの響きを連想させるピッツィカートがとても美しく響きます  第2曲「宮廷のアリア」を経て,第3曲「シチリアーノ」は,かつてNHKーFMのクラシック番組のテーマ音楽に使われていた穏やかな曲です  ここでもピッツィカートが鮮やかです.そして第4曲「パッサカリア」では様々な音楽が展開されて曲を閉じます

2曲目はチャイコフスキー「弦楽のためのセレナード」です この曲は,交響曲第4番(1877年)とマンフレッド交響曲(1885年)の間の1880年に作曲されました  第1楽章「ソナチネ形式の小品」,第2楽章「ワルツ」,第3楽章「エレジー」,第4楽章「フィナーレ」から成ります

第1楽章冒頭は全楽器による和音で開始されますが,いつ聴いても感動的です  チャイコフスキーは「この楽章は意図的にモーツアルトのスタイルに真似ている」と語っていますが,古典的な形式美という意味ではそうかもしれませんが,曲想としてはチャイコフスキーそのものです   この楽章を聴いていて感心したのはチェロとコントラバスの美しく豊かな響きです   とくにトップの2人の演奏が優れているのではないかと思いました   第2楽章「ワルツ」はさすがにバレエ音楽が得意なチャイコフスキーらしい踊るような音楽です   第3楽章「エレジー」でもチェロとコントラバスの活躍が目立ちました   第4楽章「フィナーレ」は藝大弦楽セクションの集大成です.爽やかな演奏でした

 

     

 

休憩後はロベルト・シューマン「交響曲第2番ハ長調」です この曲は1846年11月にメンデルスゾーンの指揮により初演されました.第2番ですが,実質的には3番目に作曲されました.4つの楽章から成ります

弦楽器に加え,管楽器の学生たちが入場しますが,女性優位は変わらないようです   シトコヴェツキ―のタクトで第1楽章が開始されます.残念ながら冒頭の金管楽器は揃いませんでした   これはプロのオケでもピッタリ揃って出ることは難しいところです.ムリもありません  ただ,その後は立派な演奏に徹していました

人によってこの曲の聴きどころが違うかも知れませんが,私が注目したのは第3楽章「アダージョ・エスプレッシーヴォ」です  J.S.バッハの「音楽の捧げもの」のテーマに由来する甘美なメロディーが,弦楽セクションからオーボエへ,そしてクラリネット,フルートへと繋がれていきますが,木管群の演奏は魂のこもった素晴らしいものでした

なかなか止まない拍手に,シトコヴェツキ―+藝大室内オケはシューマンの第2楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」をもう一度演奏し,再度拍手喝さいを浴びました   コンミス齋藤澪緒さんのガッツポーズが見られました

とても清々しいコンサートでした

 

    

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音響設計家・豊田泰久氏の活躍~日経の広告企画から / N響定期会員継続決定~座席変更希望で / 中山七里著「テミスの剣」を読む

2017年05月28日 08時02分00秒 | 日記

28日(日).金曜日の日経朝刊に掲載された広告企画「こえる 超える,越える」で,音響設計家の豊田泰久氏が紹介されていました 豊田さんは1952年広島県生まれ.72年九州芸術工科大学音響設計学科入学,コンサートホールの音響設計技術を学ぶ 77年永田音響設計入社,同社ロサンゼルス事務所,パリ事務所代表 記事の内容を超訳すると

「今年3月,指揮者ダニエル・バレンボイムの構想を具体化した『ピエール・ブーレーズ・ザール』が完成した 約680席の室内楽ホールだが,音響設計を手掛けたのは豊田泰久さんだった トヨタと聞けば車を連想するが,音楽の世界では音響設計家の豊田さんの名前が圧倒的な存在感を誇る 音響設計のマエストロだ.1986年開業のサントリーホールをはじめ,札幌コンサートホール,ウォルト・ディズニー・コンサートホール(ロサンゼルス)など手掛けた作品は数多い 1月にはドイツ・ハンブルクで地元名門オーケストラの本拠地となるホール『エルプフィルハーモニー』も開業した.クラシック演奏ではマイクやスピーカーを基本的に使わない.『アコースティック』な音がすべてだ.その分,音響設計の役割が増す では,いい音とは何か.『残響何秒というが,それだけではない.おいしいウィスキーを飲んだとき,アルコール度数でその味を評価しません.こくがある,まろやかといった具合です.音響も同じです.いい音は数値で表せない.感じるものです』と語る.音響設計のキーワードは「intimate(近い)」,「clear(澄んだ)」,「rich(豊か)」の3つ.耳元で聞こえるような豊かでクリアな音が大切というわけだ

25日の当ブログでトランペットのマウスピース作りの「職人」をご紹介しましたが,ここにも世界に通用する「職人」がいました サントリーホールは現在 全面的に改修工事中ですが,豊田氏は今回も再登板して何らかの形で関わっているのでしょうか?ちょっと気になりました

ということで,わが家に来てから今日で970日目を迎え,トランプ米大統領の娘婿,クシュナー上級顧問が政権移行期の昨年12月 ロシアに対し,ロシアの施設を使い秘密の通信回線を設置できないか ロシアの駐米大使に打診していた疑いがあるというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      こういう話が次々と明らかになるのは 普段から米CIAが暗躍している証拠だな

 

                                     

 

NHK交響楽団定期会員継続について,しばらくほったらかしにしていましたが,忘れるといけないので再度検討の結果,現在のCプログラム(金)を継続するが,席替えを希望することにしました 現在の席は9列目の左ブロック通路から3つ入った席ですが,今より後方の席でセンターブロックの通路に近い席を求めることにし,変更届の「席替えする」にチェックを入れて郵送しました 今後は7月9日から16日までの間に電話もしくはWEBで新しい席を決定することになります

 

       

 

                                         

 

中山七里著「テミスの剣」(文春文庫)を読み終わりました  中山七里の作品は当ブログで数多くご紹介してきましたね  1961年岐阜県生まれ.2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し,翌年デビューしました

 

      

 

豪雨の中,不動産屋が殺された   浦和署のベテラン刑事・鳴海と若手の渡瀬は,強引な取り調べにより容疑者の楠木明大を自白に追い込む.楠木は死刑判決を受けて収監されたが,自殺を図る   その5年後,渡瀬は別の事件を手掛ける中で,楠は冤罪であり真犯人は別にいたことを知る  隠ぺいを図ろうとする警察組織の中で,渡瀬は一人事件を追求するが,まさかの相手が立ちふさがり,まさかの結末を迎える

この小説のタイトルにある「テミス」とは,最高裁1階大ホールに鎮座する「右手に剣を,左手に秤を携えた法の女神テミス像」のことです  剣は力を意味し,秤は正邪を測る正義を意味しているとのことです  刑事の渡瀬は,5年前に手掛けた事件で無実の容疑者を死に追いやってしまった悔悟の念から,正義感に基づいて5年前の真相を明らかにしようと奮闘しますが,組織の壁は厚く思うようにいきません

この本を読んでいたら,なぜか 森友学園問題や加計学園問題における官僚の「忖度」や「有るものを無いという隠ぺい体質」を連想してしまいました

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「作曲家・加藤昌則クラシック入門講座~第1回『室内楽』」を聞く / 新国立劇場研修所公演,ガッツァニーガ「ドン・ジョバンニ」のチケットを取る / 天声人語「蜜蜂と遠雷」を取り上げる

2017年05月27日 07時50分48秒 | 日記

27日(土).昨日の朝日朝刊「天声人語」は,直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の小説「蜜蜂と遠雷」を取り上げていました 超訳すると

「小説の舞台は架空の地方都市,芳ケ江市で開かれる国際ピアノコンクール それに挑む若手ピアニストたちの成長を描いている モデルになったのは『浜松国際ピアノコンクール』で,主人公のひとりで彗星のごとく登場した16歳の少年のモデルは,14年前に浜松を沸かせた無名のポーランド人ラファウ・ブレハッチだった 書類審査で落とされながら,予選から勝ち進んで最高位に輝いた 同コンクールが『アジア最高水準』という評価が定まったのは審査委員長に就いた中村紘子さんの尽力が大きい 国際コンクールは次々に生まれる.出場者や審査員が自国に偏っていたり,特色を打ち出せなかったりすると長くは続かない 演奏者間はもちろん,大会相互の競争も熾烈であると知る 浜松国際(3年に1度開催)は来年11月に第10回の節目を迎える.ショパン,チャイコフスキーなど世界最高峰の舞台と肩を並べる日が来ないものか

私はまだ「蜜蜂と遠雷」を読んでいませんが,是非とも読みたい作品です 早く文庫化しないものか,と大きな期待を寄せています

ということで,わが家に来てから今日で969日目を迎え,トランプ米政権との関係をめぐる「ロシア疑惑」で,複数の米メディアは25日,トランプ氏の長女の夫 ジャレット・クシュナー大統領上級顧問が,米連邦捜査局(FBI)による捜査線上に浮上していると伝えた というニュースを報道で見て感想を述べるモコタロです

 

       

          大統領上級顧問は 疑惑を受けない顧問センスが必要だと思うんだけど 

 

                       

 

昨日,夕食に「豚肉のスペアリブ」「生野菜サラダ」「ホウレン草のお浸し」「冷奴」を作りました  「豚肉~」は分厚いので中まで火が通るのに時間がかかりました 「冷奴」にはメカブと削り節が載せてあります

 

       

 

                       

 

昨日,新国立劇場オペラ研修所公演:G.ガッツァニーガ作曲「ドン・ジョバンニ」のチケットを会員先行販売で取りました 新国立劇場小ホールで6月30日(金),7月1日(土),同2日(日)の3回上演されますが,コンサートの予定の入っていない1日午後2時開演の部を選びました G.ガッツァニーガ(1743-1818)はモーツアルト(1756-1791)とほぼ同じ時代に生きたイタリアの作曲家です ストーリーはまさにモーツアルトの「ドン・ジョバンニ」と同じらしいのですが,今から楽しみです

 

       

 

       

 

                       

 

25日(木)の午前11時から「東京藝大モーニング・コンサート」を,午後7時から「作曲家・加藤昌則クラシック入門講座~クラシックのとびら第1回『室内楽』」を聴きましたが,今日は文京シビック小ホールで開かれた「クラシックのとびら」について書きます

 

       

 

文京シビックホールでは「響きの森クラシックシリーズ」で何度か東京フィルの演奏を聴きましたが,小ホールは初めてです 2階の奧にありますが,階段状の講演会場と言った感じのホールです.開演時間の午後7時にはクラシック愛好家やその予備軍が80~90人位 集まりました 自由席なのでセンターブロック19列目の右通路側に座りました

レジュメらしきペーパーが配られましたが,書かれていたのは,

開門!クラシックのとびら

第1回室内楽 ~ 難しそう!?実は究極の音楽空間 ~

〇室内楽は「聴かせるため」ではなく,「弾いて楽しむため」にある!?

〇室内楽は一期一会!

〇弦楽四重奏は作曲家の真価が試される!

の5行だけです お話はスクリーンにDVDの映像を映し出してそれを解説する形で進められました

加藤氏は最初に「室内楽」について,「通常2人以上で演奏する楽曲を指し,普通 指揮者はいない.もともと少人数のサロン的な場所で演奏された曲だが,明確な定義はない」と解説,「室内楽の一形態としての弦楽四重奏曲が音楽史上 一番最初に書かれたのはスカルラッティの『2つのヴァイオリンとヴィオラとチェロのためのソナタ』だと言われている」と説明しました

その後,クラウディオ・アバドが組織した「オーケストラ・モーツアルト」によるJ.S.バッハ「ブランデンブルク協奏曲第6番」から第1楽章の演奏をDVDで上映,この曲の特徴としてヴァイオリンがなくヴィオラが中心となって演奏されることを説明したうえで,「指揮者がいないため演奏者はお互いに目と目で合図をしながら間合いを取って演奏している これは全員が曲全体を把握しているので可能になる.全員が楽し気に演奏しているところも室内楽演奏のポイントである」と説明しました

次に,ザビネ・マイヤーのクラリネット独奏,ハーゲン弦楽四重奏団による演奏でモーツアルト「クラリネット五重奏曲」第1楽章の演奏をDVDで上映し,「クラリネットはモーツアルトの時代に出現した楽器である モーツアルトの生まれたザルツブルクにはなかったが,ウィーンに行くとあった.早速モーツアルトは交響曲第31番を作曲し,その中でクラリネットを使った 彼はクラリネットの名手シュタードラーと出会い,彼のためにこの五重奏曲などを作曲した ところで,この曲の出だしは単純な旋律である(と言ってピアノで和音を演奏する).高音部の2音と低音部の2音とで和音を作っているが,お互いに歩み寄るように音が近づいていく.これは天才でしか出来ない」と説明しました

そして会場から「ピアノに触ってみたい人」を募り,申し出た高齢男性にピアノの高音部のドの音を弾かせ,加藤氏がそれにメロディーを載せて連弾する実験をやりました この実験により,二人の音楽作りの間合いの取り方の大切さが把握できました

次に,シューベルトの「アルペジオ―ネ・ソナタ」の第1楽章冒頭を,最初にロストロポーヴィチのチェロ,ベンジャミン・ブリテンのピアノによる演奏で紹介し,次に同じロストロのチェロ,アンドラーシュ・シフのピアノによる演奏を紹介し,聴き比べをしました 加藤氏は,会場に向かって「どちらが良いと思うか?」と問いかけましたが,挙手は半々に分かれました 私は面倒なので棄権しました 聴き比べると,ブリテンの演奏は加藤氏の指摘の通り,かなりテンポを変えて思い入れたっぷりに演奏しているのに対し,シフの方はテンポは変えずスッキリと演奏しています 加藤氏は,この聴き比べによって,伴奏者により曲に対する印象が変わることを示しました

次に個性と個性のぶつかり合いの演奏の典型的な例として,ユーディ・メニューインのヴァイオリン,グレン・グールドのピアノによるバッハの「ソナタ第4番」の第1楽章の演奏をDVDで紹介しました これが非常に面白い演奏で,メニューインが直立不動に近い演奏なのに対し,グールドは身体を大きく揺らして自分の世界に浸りきっています 加藤氏は「これ以上見ているとメニューインが気の毒になるばかりなので」と言ってDVDを止めました

次にスタープレイヤーの揃った室内楽アンサンブルの例として,イツァーク・パールマンのヴァイオリン,ジャクリーヌ・デュプレのチェロ,ダニエル・バレンボイムのピアノ,ズービン・メータのコントラバス(!),他1名によるシューベルトの「ピアノ五重奏曲”鱒”」第1楽章の演奏をDVDで紹介しました その後,「ピアノ五重奏曲は弦楽四重奏曲にピアノを追加すればいいが,ピアノ四重奏曲はヴァイオリンが一人抜けなければならないので誰が抜けるかで問題になる.したがって,この形態の曲は極めて少ない この形態で特に素晴らしい曲としてシューマン『ピアノ四重奏曲』がある」として同曲の第4楽章を樫本大進のヴァイオリン他による白熱の演奏をDVDで紹介しました

次に作曲者にとって室内楽はどうなのか,について解説しました 「ベートーヴェンをはじめ,当時はパトロン自身が演奏するために作曲を依頼するのが通常のスタイルだったので,パトロンがヴィオラが得意ならヴィオラのパートを演奏しやすいように作曲していた したがって作品としては演奏しやすい曲想になっている」として,ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番(ベートーヴェンが最初に作曲した弦楽四重奏曲)の第1楽章をDVDで紹介しました 次いで,「ベートーヴェンは次第にプロの弦楽四重奏団が演奏し,聴衆に聴かせるための曲を書くようになっていった」として,弦楽四重奏曲第9番(ラズモフスキー第3番)最終楽章をアルバン・ベルク・クァルテットによる演奏のDVDで紹介しました 確かに,素人の演奏家では技術的に無理な曲想です

次いで,晩年に至り音符が少なくなった一方で,少ない音符に多くの世界を入れ込んだ内向的な音楽の例として,同じベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番の第3楽章をDVDで紹介しました 穏やかで天国的な美しさです

最後に,いろいろな室内楽の演奏形態として,シュトックハウゼンの「ヘリコプター・クァルテット」(演奏者は一人一人別々のヘリコプターに乗って楽器を演奏する),リゲティの「ホルン三重奏曲」(この形態はそれまでブラームスしかなかった),ジャン・フランセの「恋人たちの時間(ピアノ,フルート,オーボエ,クラリネット,ホルン,ファゴットの六重奏曲)」(この形態はプーランクの六重奏曲に触発された)をDVDで紹介しました

90分のレクチャーを聞き終わって,加藤氏はいろいろな形の室内楽の演奏をDVDで紹介することによって,一つでも気に入る曲があれば,それをきっかけにクラシック音楽をより身近に感じてもらえれば良いという姿勢なのだな,と思いました

次回の第2回は9月14日(木)午後7時からです.テーマは「ソロ」です 楽しみです

 

       

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坂本リサ+高関健+藝大フィルハーモニアでサン=サーンス「ピアノ協奏曲第2番ト短調」他を聴く~藝大モーニング・コンサート

2017年05月26日 07時54分17秒 | 日記

26日(金).わが家に来てから今日で968日目を迎え,安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題で,内閣府が文部科学省に「総理のご意向」などと伝えた文書の存在を認めた前川喜平・前文科事務次官について,民進党が25日の参院文教科学委員会の理事会で参考人招致を求めたが自民党は拒否した というニュースと,前川氏が出会い系バーに行ったと読売新聞が書いたという報道を見て感想を述べるモコタロです

 

       

         安倍首相の友達がトップの読売新聞は 首相を守るためなら手段を選ばないみたい

                      窮地の安倍首相はさっさと事実を認めて謝ればいいんだよ  I am sorry  安倍総理って

 

                       

 

昨日,夕食に「サバの塩焼き」「生野菜とサーモンのサラダ」「冷奴」を作りました 予定通り魚はローテーションに入りました 「冷奴」には山芋,みょうが,削り節がかけてあります.食べる直前にポン酢をかけます

 

       

 

                       

 

昨日,午前11時から東京藝大奏楽堂で「モーニング・コンサート」を,午後7時から文京シビック小ホールで「作曲家・加藤昌則クラシック入門講座~クラシックのとびら」を聴きました 今日は「第4回藝大モーニング・コンサート」について書きます

プログラムは①ブリテン「4つのフランスの歌」「イリュミナシオン」,②サン=サーンス「ピアノ協奏曲第2番ト短調」です 演奏は①のソプラノ独唱=佐藤亜理沙(藝大大学院修士課程3年),②のピアノ独奏=坂本リサ(藝大4年),バックを務めるのは高関健指揮藝大フィルハーモニアです

 

       

 

全席自由です.1階やや後方の左ブロック右通路側を押さえました

プログラム前半はイギリス出身の作曲家ベンジャミン・ブリテンの歌曲です 最初の「4つのフランスの歌」は作曲者が15歳の時に両親の結婚記念日の贈り物として作曲した作品です ①ヴィクトル・ユーゴーの詩「6月の夜」,②ポール・ヴェルレーヌの詩「叡智」,③ユーゴーの詩「子供」,④ヴェルレーヌの詩「秋の歌」から成ります

指揮者・高関健と共に,純無垢の艶やかなドレスを身にまとった佐藤亜理沙さんが笑みを浮かべて登場します ステージ慣れしているのか緊張している様子がなく余裕さえ感じさせます.まるでシンデレラ・トンデレラです

佐藤さんはフランス語特有の言葉のニュアンスを大切にしながら,時にアンニュイな雰囲気を漂わせて歌いましたが,特に高音が美しく響きました

次にブリテンが1939年,26歳の時に作曲した「イリュミナシオン」から「マリーン」と「パラード」を歌いました 「イルミナシオン」はアルチュール・ランボーの詩集のタイトルで,意味は英語で「彩色版画」,フランス語で「天の啓示」を意味します 「マリーン(海景)」は泡立つ波と渦巻く光が衝突する様を歌ったもので,「パラード(寸劇)」は道化師たちの様子を皮肉に歌ったものです

佐藤さんは,1曲目の「4つのフランスの歌」の静けさとは対照的な活気のある「マリーン」と「パラード」を,スピード感溢れる歌唱によって明るく歌い上げました あえてブリテンの歌曲を取り上げたチャレンジ精神に敬意を表します

 

       

 

ピアノがステージ中央に運ばれ,2曲目のサン=サーンス「ピアノ協奏曲第2番ト短調」の演奏に備えます オレンジ系の明るくカラフルなドレスを身にまとった坂本リサさんが登場,ピアノに向かいます

この曲は1868年,作曲者が33歳の時に,フランスへの演奏旅行を控えたアントン・ルビンシテインの委嘱により17日間で作曲されました 第1楽章「アンダンテ・ソステヌート」,第2楽章「アレグロ・スケルツァンド」,第3楽章「プレスト」の3つの楽章からなります 記号で分かるように,アンダンテ ⇒ アレグロ ⇒ プレスト と曲が進むにつれてテンポが速くなるように作られています

第1楽章はピアノによるカデンツァから開始されますが,最初の強力な打鍵で坂本さんは聴衆をこの曲の世界に引き込みました 第2楽章はティンパ二の軽快なリズムに導かれてピアノが入ってきます.坂本さんはオケとの掛け合いを楽しみながら弾いているように見受けられました 第3楽章はピアノ独奏の速い序奏から開始されますが,軽快でリズミカルな曲想が続きます フィナーレの追い込みは圧巻でした

坂本さんの演奏を観ていて,「誰かに演奏スタイルが似ているな」と思って あらためてプログラム冊子のプロフィールを見ると,藝大で伊藤恵に師事していることが分かりました.納得です パワフルで,なおかつ時に抒情的です

坂本リサさんには,一般のコンサートではほとんど取り上げられないサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番を取り上げてくれたことに対し,感謝の気持ちでいっぱいです サン=サーンスは23歳で作曲した第1番から61歳で作った第5番まで,38年間に5つのピアノ協奏曲を残しましたが,いずれも魅力的な作品で,もっと一般のコンサートで取り上げられても良いと思います 坂本さんには残り4曲も是非どこかで弾いて欲しいと強く希望します

なお,この演奏に先立って,ジャンヌ=マリー・ダルレのピアノ,ルイ・フレスティエ指揮フランス国立放送管弦楽団のCD(1955年録音)で予習しておきました

 

       

 

       

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岡本誠司ヴァイオリン・リサイタルを聴く~「紀尾井 明日への扉」 / 「クラシカル・プレイヤーズ東京」最終公演のチケットを取る

2017年05月25日 08時05分42秒 | 日記

25日(木).昨日の日経朝刊・文化欄に「マウスピース  心吹き込む ~ トランペット奏者と共に理想の音色求め手作り」という見出しのもと,亀山敏昭さんのエッセイが載っていました 超訳すると

「35年間トランペットを中心に手製のマウスピースを作り続けてきた もともとヤマハの社員としてトランペットの設計を担当していたが,1970年代末に社命でドイツに赴任し,ヤマハの楽器の普及と,ベルリン・フィルなど一流の演奏者から改良のための情報収集をすることに務めた その時,彼らから言われたのは『マウスピースを作れないか』ということだった 真ちゅうの素材に旋盤で穴を開け,息の吹き込み口のカップと呼ばれる部分を刃の付いた機械で円錐形に削るのだが,ただ作るのでなく奏者の求める音が出る1本に仕上げなければならない たとえば,『明るい音』というオーダーなら,カップの削りを浅くする.そうすると『張りのある音』になる.逆にカップの削りを深くすれば広がりのある音になるので『豊かな音』になる 努力の結果,81年には”トランペットの神様”モーリス・アンドレから注文がきて,それ以来,内外から注文が殺到するようになった 他社と契約するプロやアマチュアからも注文がきたが,会社員なので断らざるを得なかった 悩んだ結果,会社を早期退職して独立し,浜松市に工房を開設した 独立後も姿勢は変わらない.唇に当たる感触の好みなど細部に至るまで奏者の要望を聞く.理想に限りなく近づけるのが役目と肝に銘じている

私がこのエッセイを読んで「さすがはプロだ」と思ったのは,「浜松市に工房を開設した」と書きながら工房の名前を伏せていること,それと関連して,最後に掲載された職業が「職人」となっていることです ドイツ風に言えばマイスターでしょう.いかなる組織にも属さず一匹狼として名前と実力だけで生きていく,という自信と誇りが見て取れます 日本にはこういう「職人」が探せば何人もいるのでしょうね

ということで,わが家に来てから今日で967日目を迎え,米中央情報局(CIA)のブレナン前長官が23日,ロシア政府による米大統領選挙の干渉疑惑について下院情報特別委員会で,トランプ陣営メンバーとロシア政府関係者との間に「接触や交流があった」と証言し,「FBIの捜査には十分な根拠がある」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

トランプ大統領は

 

       

                         見 ざ る

 

       

                         聞 か ざ る

       

       

                    話 さ ざ る

                  なんだろうな

 

                       

 

昨日,夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜とアボガドとタコのサラダ」を作りました 「ハッシュドビーフ」は玉ねぎをレンジで3分チンしてから炒めています

 

       

 

                       

 

クラシカル・プレイヤーズ東京の最終公演のチケットを取りました 10月13日(金)午後7時から東京芸術劇場です.オール・モーツアルト・プログラムで①交響曲第39番変ホ長調K.543,②ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595,③交響曲第41番ハ長調K.551”ジュピター”」です ②のフォルテ・ピアノ独奏は仲道郁代,指揮は有田正広です

 

       

 

       

            

                       

 

昨夕,紀尾井ホールで「紀尾井  明日への扉 岡本誠司ヴァイオリン・リサイタル」を聴きました プログラムは①バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV1006」,②C.P.Eバッハ「ヴァイオリン・ソナタ ハ短調」,③メンデルスゾーン「ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調」,④シューマン「ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調」,⑤グリーグ「ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ長調」です

この日のプログラムについて,岡本は巻頭の「ご挨拶」の中で,

「今夜のプログラムのテーマはずばり ”ライプツィヒの風”です 2014年7月に第1位を戴いたバッハ国際コンクール,そして翌年のバッハ音楽祭の折にも長期滞在した思い入れのある街,ドイツ・ライプツィヒ.その街に所縁のある作曲家と作品を集めてプログラムを組んでみると,選曲としてはやや渋め,内容も濃いめ,しかし爽やかな風が吹き抜けていくような曲が集いました

と書いています.その言の通り,J.S.バッハ,C.P.Eバッハ,メンデルスゾーン,シューマン,グリーグは全員ドイツ・ライプツィヒにゆかりがあります 正直言って,グリーグがライプツィヒ音楽院の出身者であることは初めて知りましたが

岡本誠司は1994年生まれの弱冠23歳.2014年7月にドイツ・ライプツィヒで開かれた第19回J.S.バッハ国際コンクールのヴァイオリン部門で優勝,2016年10月にはポーランド・ポズナンでの第15回ヴィエ二ァフスキ国際ヴァイオリンコンクールで第2位に入賞しています 今年3月に東京藝大を卒業,秋から欧州に留学予定とのことです

ピアノ伴奏は2007年ロン・ティボー国際コンクール第1位の田村響です 蛇足ですが,兄の直貴さんは新日本フィルの第1ヴァイオリン奏者です

 

       

 

自席は1階17列5番,左ブロック右通路側です.会場はほぼ満席,よく入りました 折り目正しい岡本誠司が登場し楽譜に向かいます

1曲目はJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV1006」です バッハは「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を6曲書きましたが,おそらく1720年以前に作曲されたと言われています.今から300年近く前のことです この曲は「プレリュード」「ルール」「ロンド風ガヴォット」「メヌエット1,2」「ブーレ」「ジーグ」から成ります

岡本は,果たしてこれが1挺のヴァイオリンから出ている音か,と疑いたくなるほど豊穣な音楽を紡ぎ出します 私がこの曲で好きなのはヴァイオリンが天を翔る「プレリュード」と楽しい「ロンド風ガヴォット」ですが,十分楽しめました

この曲はイダ・ヘンデルのCD(1995年録音)で予習しておきました

 

       

 

2曲目は大バッハの2人目の息子C.P.Eバッハの「ヴァイオリン・ソナタ ハ短調」です 1763年に作曲された4つのソナタの一つです.この曲からピアノの田村響が加わります.この曲は「急ー緩-急」の3つの楽章から成りますが,二人の演奏で聴くこの曲は,どちらかと言えば,モーツアルトの初期のヴァイオリン・ソナタのような「ヴァイオリン伴奏つきピアノ・ソナタ」といった印象を受けます しかし,順番から言えば,C.P.Eバッハの作曲法がモーツアルトに影響を及ぼしたことになります 田村響のピアノは雄弁でした

3曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調」(第1楽章のみ)です この曲はメンデルスゾーンの書いた3番目のヴァイオリン・ソナタですが,1838年(29歳時)に書いたものが気に入らず,翌39年に改訂に取り掛かったものの第1楽章の途中で中断し お蔵入りになっていたものです その後,いろいろ経緯があって第1楽章だけの改訂稿が出来上がったとのことです

演奏を聴く限り,メンデルスゾーンらしい明るく瑞々しい音楽です 第1楽章だけの,しかも後の人の改訂が加わった形の音楽ですが,二人の演奏はメンデルスゾーンの作曲への意欲が伝わってくる想いのこもった演奏でした

 

       

 

休憩後の1曲目はシューマン「ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調」です この曲は1851年(41歳時)秋にわずか5日間で作曲されました 3つの楽章から成ります.岡本は第1楽章冒頭から情感のこもった音楽を奏でます とても5日間で完成した作品とは思えないほど充実した音楽です 二人の演奏家はシューマンのロマンティシズムを心ゆくまで表出し,楽しませてくれました

最後の曲はグリーグ「ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ長調」です この曲は,グリーグがライプツィヒ音楽院を卒業して3年目の1865年(22歳時)夏に作曲されました.3つの楽章から成ります

二人の演奏で聴く第1楽章は,作曲者名を伏せて聴けばドイツ・ロマンの音楽と言いたくなるような,グリーグの生まれ故郷のノルウェーの面影はあまり感じません しかし,第2楽章,第3楽章に移るとグリーグらしい北欧の雰囲気が盛り込まれてきます そうした変化を面白く聴きました

この曲はリディア・モルトコヴィチのヴァイオリン,エレーナ・モルトコヴィチのピアノによるCD(1992年録音)で予習しておきました

 

       

 

満場の拍手に応え,二人はアンコールに,やはりライプツィヒに所縁のあるクララ・シューマンの「3つのロマンス」から第1曲をロマンティックに演奏,次いで,メンデルスゾーンが11歳の時(1820年)に書いた「ヴァイオリン・ソナタ  ヘ長調」から第3楽章を弾むように演奏し,大きな拍手を浴びました 演奏を聴いて,「やっぱりメンデルスゾーンは天才だ」と思いました

演奏は言うまでもなく,統一性を持たせたプログラミングなど,岡本誠司というヴァイオリニストは,超絶技巧で一時的にパッと花咲き すぐに飽きられる演奏家ではなく,音楽に対するしっかりした考えと演奏技術を持ったアーティストだと思います 今秋からヨーロッパに留学するとのことですが,数年後に帰国してリサイタルを開く時にはチケット代が跳ね上がっていることでしょう それを期待しています

 

       

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METライブビューイング,チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」を観る~タチヤーナを歌うネトレプコにブラボーの嵐

2017年05月24日 08時03分03秒 | 日記

24日(水).わが家に来てから今日で966日目を迎え,トランプ米大統領が22日,初外遊で訪問中のイスラエルのネタニヤフ首相と会談し,イランについて「核兵器を持たせることはない」と強く牽制する一方,イスラエルとパレスチナの中東和平に関しては「達成できると感じている」と意気込みを述べたというニュースを見て,トランプ大統領の本音を代弁するモコタロです

 

       

                    キミ,イスラエルのネタニヤフ首相とするね

 

       

                 キミ,パレスチナ自治政府のアッバス議長とするね

 

       

        ボク,アメリカのトランプ大統領とするね どうしたら平和になるかな? 具体策ないし

 

       

          どうしたの? 二人ともズッコケて  そんなことでイラン問題どうすんの! イランお世話?

 

                       

 

昨日,夕食に「塩だれ豚丼」「生野菜とタコのサラダ」「スンドゥブ」を作りました 「塩だれ~」は長ネギがなかったので青ネギを使ったのですが 焦げて黒ネギになってしまいました 「スンドゥブ」には,アサリ,卵,シメジ,豆腐が入っています

 

       

 

                       

 

昨日,新宿ピカデリーでMETライブビューイング,チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」を観ました これは今年4月22日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です

キャストは,オネーギン=ペーター・マッテイ(バリトン),タチヤーナ=アンナ・ネトレプコ(ソプラノ),オリガ=エレーナ・マクシモワ(メゾソプラノ),レンスキー=アレクセイ・ドルゴフ(テノール),グレーミン=ステファン・コツァン(バス)ほか.管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団,指揮=ロビン・ティチアーティ,演出=デボラ・ワーナーです

なお,オネーギンは当初ディミトリ・ホヴォロストフスキーが予定されていましたが,健康上の理由で降板したため,ペーター・マッティに変更となりました

 

       

 

舞台は19世紀のロシア.田園地方の大地主ラ―リナ家の娘タチヤーナは,読書好きで夢みるロマンティスト 一方,活発な妹オリガにはレンスキーという婚約者がいた.レンスキーの友人で社交界の寵児オネーギンを紹介されたタチヤーナは彼に一目ぼれしてしまう 彼女は夜を徹して恋を打ち明ける手紙を書くが,オネーギンはもっともらしい説教をして冷たくあしらう 田舎の生活に退屈しているオネーギンはオリガを踊りに誘って恋人レンスキーを挑発し 彼の反感を買う ついに銃による決闘となりオネーギンはレンスキーを殺害してしまう その数年後,放浪から戻ったオネーギンは公爵に嫁いで社交界の華となったタチヤーナと再会し,初めて彼女の魅力に取りつかれ愛を告白する ここで二人の立場は逆転した.タチヤーナは今の幸せを選び オネーギンを置いて去っていく

このオペラはタイトルこそ「エフゲニー・オネーギン」ですが,真の主役はタチヤーナです 今,この役柄を歌わせたら ロシア出身のソプラノ,アンナ・ネトレプコの右に出る者はいないでしょう 彼女の最大の魅力は,歌も演技も抜群で,まさに「オペラ女優」とでも呼べるような圧倒的な存在感です 特に第1幕での「手紙の場」での女性の微妙な心理描写の表現は彼女ならではのパフォーマンスでした 幕間のインタビューで指揮者のティチアーティが「ネトレプコが歌うと,声がオーケストラピットを通り越して,ダイレクトで客席まで飛んでいくのが分かります」とコメントしていましたが,それほど強靭な歌唱力の持ち主なのだと思います

タイトルロールのオネーギンを歌ったペーター・マッティは,私にとっては,数年前のMETライブ,ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」におけるフィガロの印象が強すぎて,今回のようなシリアスなオペラでのマッティには慣れるまで時間がかかりました しかし,もともと歌は抜群に上手いので心配には及びませんでした

オリガを歌ったエレーナ・マクシモワは新国立オペラでもお馴染みで,2016年4月にはマスネ「ウェルテル」のシャルロットを,2017年1月にはビゼー「カルメン」のタイトルロールを歌いました ロシア出身のメゾソプラノですが,豊かな声の持ち主です

主役級以外で素晴らしいと思ったのはタチヤーナとオリガの母親ラ―リナ夫人を演じたザレンバというメゾソプラノです 独特の低い声で歌唱力は抜群でした

ロビン・ティチアーティは1983年ロンドン生まれの若き指揮者ですが,METのベテラン揃いの演奏者たちを相手に,第3幕冒頭の「ポロネーズ」をはじめ,輝かしい音を導き出していました

 

       

 

ところで,チャイコフスキーは1877年7月,アントニーナ・ミリュコーヴァと結婚しますが,わずか20日後に別居してしまいます ちょうどそんな激動の時期に同時並行的に書かれたのが「交響曲第4番ヘ短調」と歌劇「エフゲニー・オネーギン」でした 第1幕でタチヤーナからの手紙を読んだオネーギンが,「私は結婚には向いていない.結婚したとしても時間の経過とともに愛は冷めていくものだ」と無垢なタチヤーナに説教するシーンがありますが,チャイコフスキーは,実生活の上でオネーギンの言葉を実践してしまったようです それにしても,20日間の結婚生活って・・・いくら何でも短か過ぎでは

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工事中のサントリーホールの今の様子は? / 東京藝大「ショスタコーヴィチの肖像」を聴く~ピアノ五重奏曲ほか / 藝大「光のパイプオルガンを」のチケットを取る / 無料コンサートのご案内

2017年05月23日 08時01分43秒 | 日記

23日(火).昨日,歯の定期健診のため築地にある健康保険組合に行ってきました 虫歯はないものの,今回も「歯石の沈着が多い」と指摘されました.歯磨きに気を付けるようにと,今回も言われました 分かってはいるんです.でも,歯間ブラシは面倒くさいのです

帰りがけに溜池山王まで行って,工事中のサントリーホールの様子を見てきました 「壁」の向こう側の様子はよく分かりませんが,正面から見た外見は下の写真のようになっていました 9月1日のReオープニング・コンサートが待ち遠しいです

 

       

 

       

 

ということで,わが家に来てから今日で965日目を迎え,北朝鮮の朝鮮中央通信が22日,地対地の新型 中長距離戦略弾道ミサイル「北極星2」の発射に成功,金正恩・朝鮮労働党委員長が部隊への実戦配備を承認し大量生産を指示したと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

                    北朝鮮のミサイル司令塔にサイバー攻撃をしかけて 自国に落下するように出来ね?

 

                       

 

昨日,夕食に「鶏の唐揚げ」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました  「鶏の唐揚げ」は700グラム揚げましたが,食べるのはあっという間です 栗原はるみさんのレシピで作りましたが,先日 栗原さんの「うまみじょうゆ」を作り置きして冷蔵庫に保存しておいたのを使いました 「しょうゆ,にんにく,しょうが,削り節」で作りますが,唐揚げの下味としてとても美味いです

 

       

 

                       

 

6月10日(土)午後5時から東京藝大奏楽堂で開かれる「シアター・シンポジウム~光のパイプオルガンを」のチケットを取りました  これは「東京藝大130周年記念プログラム」と「第5回国際音楽祭NIPPON」のタイアップ・イヴェントです 夢枕獏の台本は「芸術家の道を志す一人の若者が,堕天使ルシフェルに導かれ,絶望と苦悩の世界へと旅を続ける.そして多くの人と出会い,次第に自分の目指す芸術を見い出していく」というものです

ヴァイオリニストの諏訪内晶子,和太鼓の林英哲,サックスのMALTAらが出演しますが,いったいどんなイヴェントになるのか,期待が高まります

 

       

       

 

                       

 

ものはついでに,東京藝大関係の入場無料のコンサート(会場:藝大奏楽堂)があるのでご紹介します 一つは5月24日(水)午後7時から開催される「ウィーン音楽藝術大学200周年記念交流演奏会」です メンデルスゾーンの「八重奏曲」がタダで聴けます

 

       

       

 

もう一つは6月17日(土)午後2時から開かれる「東京藝大&韓国芸術総合学校交流演奏会」です フランクの「ピアノ五重奏曲」がタダで聴けます

 

       

 

                       

 

一昨日の日曜日,上野の東京藝大奏楽堂で,東京藝大弦楽シリーズ「ショスタコーヴィチの肖像」公演を聴きました プログラムはショスタコーヴィチの①弦楽八重奏のための2つの小品,②弦楽四重奏曲第8番ハ短調,③ピアノ五重奏曲ト短調です

 

       

 

全席自由です.1階16列12番,左ブロック右通路側を押さえました 午後3時からの開演に先立って2時半から大学院生・山本明尚氏によるプレトーク「”肖像写真”で楽しむショスタコーヴィチの音楽」がありました ショスタコーヴィチの18歳の時の写真,サッカー観戦時の喜びに満ちた写真を含め4枚の写真を基に,この日演奏される曲目をからめながら話を進めましたが,ゆったりとした話しぶりの わかり易い説明で,とても好感が持てました

さて 本番です.1曲目は「弦楽八重奏のための2つの小品」です この曲は「プレリュード」と「スケルツォ」から成りますが,作曲者が18歳の時に作曲されました

舞台に向かって左からヴァイオリン=玉井菜採,漆原朝子,野口千代光,山崎貴子,ヴィオラ=市坪俊彦,大野かおる,チェロ=中木健二,河野文昭という並びです 特徴のあるのは2曲目の「スケルツォ」です.ショスタコーヴィチ自身は「自作の中の最高傑作」として満足していたようですが,不協和音が中心の激しい音楽です

2曲目は「弦楽四重奏曲第8番ハ短調」です この曲は,ショスタコーヴィチが1960年6月に それまで拒み続けてきた共産党に入党した後の7月に,わずか3日間で書き上げた作品です 「ファシズムと戦争の犠牲者の追憶に」というのが公式な献呈文となっていますが,作曲者自身が「作者の思い出に捧ぐ」と語った通り,過去の自作のパッセージがそこかしこに引用された自伝的なパロディ作品です

演奏はヴァイオリン=漆原朝子,山崎貴子,ヴィオラ=大野かおる,チェロ=河野文昭です 第1楽章「ラルゴ」,第2楽章「アレグロ・モルト」,第3楽章「アレグレット」,第4楽章「ラルゴ」,第5楽章「ラルゴ」から成ります

全楽章を聴いたうえでこの曲を言い表せば,「沈潜する感情」とで言えるでしょうか とくに第4楽章以降は 聴くほどに 暗い気持ちになります   よっぽど共産党に入りたくなかったんでしょうね

 

       

 

休憩後はピアノ五重奏曲ト短調です   よく知られているように,1936年に「プラウダ批判」で作風が叩かれたショスタコーヴィチは,翌37年に交響曲第5番を作曲して復権を果たしたのですが,次の交響曲第6番は,再び批判の対象になりました この時に作曲されたのがこの「ピアノ五重奏曲」でした 第1楽章「プレリュード:レント」,第2楽章「フーガ:アダージェット」,第3楽章「スケルツォ:アレグレット」,第4楽章「インテルメッツォ:レント」,第5楽章「フィナーレ:アレグレット」の5つの楽章から成ります

演奏は,ヴァイオリン=野口千代光,玉井菜採,ヴィオラ=市坪俊彦,チェロ=中木健二,ピアノ=秋場敬浩です

第1楽章はピアノ独奏から入りますが,秋場敬浩のピアノは根性が入っていました 個人的に好きなのは第3楽章「スケルツォ」です.ショスタコーヴィチには珍しく 明るく躍動感に満ちた曲想で,そのうえアイロニカルです

もう一カ所好きな所は第5楽章の終結部です フォルテで大々的に終わるのではなく,「はい,これで お・わ・り」とやんわりと宣言しているようで,思わずニヤリとしてしまいます  ショスタコーヴィチらしい諧謔性の現れです

 

       

 

ところで,第4楽章から第5楽章に移るタイミングで,後方の席からケータイの着メロが聴こえてきました  曲はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」の第1楽章冒頭のメロディーです  演奏中のケータイ着信音はベートーヴェンだから許される,という訳にはいきません.「どらえもん」のテーマ音楽だろうが,「田園」だろうが演奏中に鳴ってはならないのです  あの音は間違いなくステージ上の演奏者にも聴こえていました 演奏者の集中力をそぐという意味で,また周囲の聴衆に迷惑をかけたという意味で,大きなマナー違反です.こういう不届き者には もう二度と来ないで欲しいと思います

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ジョナサン・ノット+小曽根真+東響でモーツアルト「ピアノ協奏曲第6番」,ブルックナー「交響曲第5番」を聴く / サントリーホールReオープニング・コンサートのチケットを取る

2017年05月22日 07時49分29秒 | 日記

22日(月).わが家に来てから今日で964日目を迎え,北朝鮮が21日午後 弾道ミサイル1発を発射,高度約560キロまで上昇し約500キロ飛行して日本の排他的経済水域に落下した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

           お目付け役の中国は 経済大国であっても 政治中国だから 力及ばずといったところか

 

                       

 

昨日,9月1日(金)に開かれる「サントリーホールReオープニング・コンサート」のチケットを取りました  コンサートの第1部はオルガンと金管アンサンブルによるオープニング・セレモニーで,第2部はロッシーニ「ミサ・ソレニムス」です  演奏はジュゼッペ・サッバティー二指揮東京交響楽団ほかです

 

       

 

                       

 

20日(土)午後3時から初台での「バッハ・コレギウム・ジャパン」のコンサートの後,午後6時からミューザ川崎で東京交響楽団の第650回定期演奏会を聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ協奏曲第6番変ロ長調K.238」,②ブルックナー「交響曲第5番変ロ長調」です.①のピアノ独奏は小曽根真,指揮はジョナサン・ノットです

 

       

 

1曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第6番K.238」です 第6番ですが,第1番から第4番までは他の作曲者の編曲なので,実質的には第5番に次ぐ2番目のオリジナル曲です 1776年の作曲なのでモーツアルトの生まれたザルツブルク時代の20歳の時の作品です.第1楽章「アレグロ・アペルト」,第2楽章「アンダンテ・ウン・ポーコ・アダージョ」,第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

オケは弦楽器21人と管楽器6人の27人の小編成です.モーツアルトの時代はこの規模が普通だったのでしょう

指揮者ノットとともに小曽根真が登場しピアノに向かい,ノットの合図で第1楽章が開始されます 小曽根真のピアノは肩の力が抜けて軽やかです それぞれの楽章にピアノ独奏部分がありますが,今まで聴いたことのない斬新な演奏でした とくに第3楽章のカデンツァはちょっとモーツアルトから離れて現代に近い響きがありました ジャズ・ピアニスト小曽根真の真骨頂といったところでしょうか ただ,やり過ぎず節度を保って演奏するところはクラシックでも一流と言えるでしょう

会場いっぱいの拍手とブラボーでカーテンコールに呼び戻されますが,ピアノの蓋の蔭になって1階席の聴衆から見えない演奏者たちのために,小曽根は自ら蓋を閉じて彼らが見えるようにして聴衆の拍手に応えました 共演者に対するこの気配りはクラシックのピアニストでは見たことがありません バークリー音楽院を首席で卒業して世界的に活躍する小曽根真は,ピアニストとして一流であるばかりでなく,人間として一流なのだと思います

小曽根はアンコールにレクオ―ナの「スペイン組曲”アンダルシア”」から第4曲「ヒタネリアス」を鮮やかに演奏,いっそう大きな拍手を受けました

なお,会場の音響で気になったことがあるので書いておきます.自席は2階のCBブロック2列目のやや左側なのですが,ピアノの音が2階左サイドの壁に反響して「パタパタ」という音が聴こえてくるのです.これはピアノだけでオケの音はそういうことはありません.この会場の特性かも知れません

 

       

 

休憩後はブルックナー「交響曲第5番変ロ長調」(ノヴァーク版)です この曲は1875年2月から3か月間で完成しましたが,その後1877年から78年にかけて手直しをしています.この曲は演奏される機会に恵まれず,カットなしで全曲が演奏されたのは1935年で,実にブルックナーの死後40年が経とうとしていました 第1楽章「序奏:アダージョ~アレグロ」,第2楽章「アダージョ:ゼア・ラングザーム」,第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」,第4楽章「フィナーレ:アダージョ~アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります

オケの規模が拡大しフル・オーケストラの態勢で臨みます ノットのタクトで第1楽章が低弦によって厳かに開始されます.すると,突然,音楽が断ち切られ,金管のコラールが奏でられます そうかと思うとゲネラルパウゼ(全休止)が待っています これはブルックナーの交響曲の大きな特徴の一つです.「神に対する祈りと賛歌」を現していると思われますが,聴く側としてはその都度 大きな緊張を強いられます

巨大な音楽を作ったということではワーグナー,マーラー,ブルックナーが3大巨人と言えるかも知れませんが,この3人の音楽は全く性格が異なります ワーグナーの歌劇・楽劇は音楽が止まることなく永遠に続きます マーラーの交響曲は目先がクルクルと変わり先が読めません それに対し,ブルックナーの交響曲は静かな祈りと神への賛歌が繰り返され,突然のゲネラルパウゼが待っています

ジョナサン・ノットの指揮は,いつものように全体的に速めのテンポで明快に進めていきます 私がいつも聴いているオットー・クレンペラーの演奏に比べると明らかです.ノット+東響によるこの日の演奏は,第1楽章:22分,第2楽章:21分,第3楽章:13分,第4楽章:24分で合計80分でした

 

       

 

演奏で特に良かったのは,第2楽章冒頭での独奏をはじめとするオーボエ首席・荒木奏美と,全楽章でのフルート首席・甲藤さちです

事前の放送が効いたのか,第4楽章の最後の一音が鳴り終わった後,しばしの しじま があり,ノットがタクトを下すと大きな拍手とブラボーがかかりました   これが正常な姿です

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