人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カール・テオドア・ドライヤー監督「奇跡」&「裁かるるジャンヌ」を観る ~ 宗教とは何か?を考えさせられる映画:早稲田松竹

2022年08月27日 07時15分37秒 | 日記

27日(土)。わが家に来てから今日で2785日目を迎え、政府は26日の閣議で、9月27日に都内の日本武道館で開く安倍晋三元首相の国葬におよそ2億5000万円を支出すると決定したが、費用は全額国費で2022年度予算の予備費から出す  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     2億5千万円もの税金を一人の政治家の葬儀に支出する根拠はどこにあるのかな?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました 今回は2週間に一度のローテが守れました もちろんビールはサッポロCLASSICです

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でカール・テオドア・ドライヤー監督の「奇跡」と「裁かるるジャンヌ」の2本立てを観ました

「奇跡」はカール・テオドア・ドライヤー監督による1954年製作デンマーク映画(126分、モノクロ:デジタルリマスター版)です

ユトランド半島で農場を営むボーオン(ヘンリック・マルベア)一家。真面目だが信仰心の薄い長男ミッケル(エーミール・ハス・クリステンセン)は、妻インガー(ビアギッテ・フェザースピル)をお産で亡くしてしまう 家族が悲嘆に暮れる中、精神を病み自らをキリストの再来と信じる次男ヨハンネス(プレベン・レアドーフ・リュエ)が失踪する しかし、突然正気を取り戻し、インガーの葬儀に現れ、そこで奇跡を起こす

 

     

 

この映画は、デンマークの劇作家で牧師のカイ・ムンクによる戯曲「御言葉」を原作に家族の葛藤と信仰の神髄を問い、1955年の第16回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞しました

ボーオン家の三男アナス(カイ・クリスティアンセン)と仕立て屋ペーター(アイナー・フェザースピル)の娘アンネ(ゲアダ・ニールセン)とは相愛の仲ですが、お互いの父親は両家が信仰する宗派が違うという理由で結婚に反対します 台詞から察すると、ボーオン家の方は現世を肯定的にとらえ、社会活動を積極的に行うことを奨励しているのに対し、ペーター家の方は現世を死後の幸福のための苦行のようなものとして捉える信仰であるようです デンマーク版「ロメオとジュリエット」といったところでしょうか 最後はアンネの死を境に両家は和解しますが、宗教上の対立は昔も今も家対家、国家対国家の間で紛争の種になっています 宗教とはいったい何なのだろう? と疑問に思わざるを得ませんが、ドライヤー監督はヨハンネスに奇跡を起こさせています 宗派を超えてキリスト教を信じているということでしょう

 

         

 

「裁かるるジャンヌ」はカール・テオドア・ドライヤー監督による1928年製作フランス映画(97分、モノクロ・無声:デジタルリマスター版)です

百年戦争で祖国オルレアンを解放へと導いたジャンヌ・ダルク(ルネ・ファルコネッティ)だったが、フランス国王に見捨てられ、敵国イングランドで異端審問にかけられ過酷な尋問を受ける 心身ともに衰弱し、一度は屈しそうになるジャンヌだったが、神への信仰を貫き自ら火刑に処せられる道を選ぶ

 

     

 

この映画は、人間としてのジャンヌ・ダルクを実際の裁判記録を基に描いた「無声映画の金字塔的作品」と言われています 台詞の部分は字幕スーパーで表されますが、ほとんど無声です 唯一音として聴こえるのはパイプオルガンによる荘厳な音楽です バッハのようでもあり、そうでもないような、重厚なオルガンの音がジャンヌを火刑台に導くかのように鳴り響きます

ジャンヌ・ダルクと言えば「フランスのヒロイン」で、勇ましい女性を思い浮かべますが、映画では尋問を受けると涙を浮かべ、火刑を告げられると「死ぬのが怖い」と本音を吐きます こういう人間的なジャンヌ・ダルクを描いた作品は珍しいのではないかと思います

 

     

コメント
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