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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでベートーヴェン「フィデリオ」を観る ~ リーゼ・ダヴィドセン、デイヴィッド・バット・フィリップ、トマシュ・コニエチュ二、ルネ・パーペにブラボー!

2025年04月27日 00時01分02秒 | 日記

27日(日)。昨日の日経夕刊によると、指揮者の山田和樹氏(46)がベルリン・ドイツ交響楽団の首席指揮者兼芸術監督に就任すると所属事務所が発表した 記事によると、任期は2026年秋に始まるシーズンから3年間。山田氏は同楽団と昨年4月と9月に共演したが、『特別な化学反応を感じた』と語る 山田氏は現在、英バーミンガム市交響楽団の音楽監督、モナコのモンテカルロ・フィル芸術監督兼音楽監督を務めている 6月にはベルリン・フィルの定期公演で指揮を執る 快進撃が続きますね

ということで、わが家に来てから今日で3757日目を迎え、石破茂首相は26日、渋谷区の代々木公園で開かれた連合のメーデー中央大会に出席、トランプ米政権の高関税政策に関し、賃上げの動きに水を差す恐れがあるとの認識を表明し、「日本の労働者を守るため、米政府との交渉に協力に臨みたい」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

       

    有言実行あるのみ! でも相手が理不尽要求の米国だから したたかさが不可欠だね

         

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ベートーヴェン「フィデリオ」を観ました これは今年3月15日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストはレオノーレ=リーゼ・ダヴィドセン、マルツェリーネ=イン・ファン、フロレスタン=デイヴィッド・バット・フィリップ、ドン・ピツァロ=トマシュ・コニエチュ二、ロッコ=ルネ・パーペ、ジャキーノ=マグヌス・ディートリヒ、ドン・フェルナンド=スティーヴン・ミリング、 管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=スザンヌ・マルッキ、演出=ユルゲン・フリムです

歌劇「フィデリオ」はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1804年から翌05年にかけて作曲(その後2回改訂)した全2幕から成るオペラです

物語の舞台は18世紀末のスペイン ある監獄で牢番を務めるロッコ(ルネ・パーペ)の娘マルツェリーネ(イン・ファン)は、父の助手フィデリオに魅かれていた しかし、フィデリオの正体はレオノーレ(リーゼ・ダヴィドセン)という女性で、監獄の所長ドン・ピツァロ(トマシュ・コニエチュ二)の悪事を暴こうとして彼に投獄された夫フロレスタン(デイヴィッド・バット・フィリップ)を救い出そうと、男装して監獄で働いていたのだった そんな中、ピツァロは司法大臣の視察があると知り、悪事を隠蔽しようとフロレスタンを殺そうとするが、彼の前に立ちはだかったのはレオノーレだった

1969年フィンランド生まれの女性指揮者スザンナ・マルッキの指揮で序曲の演奏に入ります オケはヴァイオリンが左右に分かれる対抗配置をとります この公演では「レオノーレ序曲第3番」が劇中で演奏されないので、貴重な管弦楽曲の演奏となりました

レオノーレ役のリーゼ・ダヴィドセンは1987年ノルウェー生まれのソプラノです デンマーク王立音楽院で学び、2015年にプラシド・ドミンゴ主宰「オペラリア」等で優勝 世界の主要なオペラ劇場で活躍しています NETのピーター・ゲルブ総裁によると、彼女は本公演後に双子の出産のため産休に入るとのことです この人はどんな役柄でもそつなくこなしますが、今回も不屈の精神力を持ったレオノーレを美しくも力強い歌唱と、卓越した演技力を発揮し聴衆を魅了しました

マルツェリーネ役のイン・ファンは中国生まれのソプラノです 上海音楽院で音楽博士号、ジュリアード音楽院で修士号を取得 METのリンデマン若手アーティスト育成プログラムに参加。2013年にMETデビューを飾りました フィデリオを女性とも知らずに恋する乙女を、初々しく歌い演じました

フロレスタン役のデイヴィッド・バット・フィリップは1980年 英サマセット州ウェルズ生まれのテノールです 王立ノーザン音楽大学、王立音楽院、国立オペラ・スタジオ等で学ぶ。2021年にMETデビューしました よく通る歌唱とともに、正義を貫くフロレスタンを卓越した演技力で演じました

ドン・ピツァロ役のトマシュ・コニエチュ二は1972年ポーランド生まれのバスバリトンです ワルシャワのショパン音楽大学、ドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学で声楽を学ぶ。2019年にMETデビューを果たしました 声に力があり、本人に成り切った演技力で抜群の存在感を示しました

ロッコ役のルネ・パーペは1964年東ドイツのドレスデン生まれのバスです ドレスデン音楽院で学び、88年にベルリン州立歌劇場にデビューしました 大ベテランの貫禄で余裕の歌唱を披露しました

本公演は第1部=約80分、第2部=約51分で、歌手等へのインタビューや休憩(10分)を含めて合計2時間56分です

序曲の後に繰り広げられる第1部のフィデリオ(=レオノーレ)、マルツェリーネ、ロッコの歌を聴いていて、何ともいえない違和感を感じました それは歌手の問題ではなくベートーヴェンの問題です モーツアルト、ロッシーニ、あるいはヴェルディやプッチーニ等の美しいメロディー重視のオペラを聴き慣れた耳には、歌詞もメロディーも”硬さ”を感じます 小学校の音楽室に飾られた厳めしいベートーヴェンの肖像画を思い浮かべます これに関して、幕間のインタビューでルネ・パーペは、「25年前にMETで初めて『フィデリオ』が上演されてから、ずっとロッコ役で出演してきた歌手として『フィデリオ』についてどう思いますか?」との質問に、「実際に歌っていると、ベートーヴェンがオペラを1曲だけ作曲し、交響曲に傾倒したのがよく分かります ベートーヴェンはベートーヴェンです」と答えていました

これを聞いた時、「私が考えていたのとまったく同じだ」と思いました ルネ・パーペの言葉を私なりに解釈すれば、「ベートーヴェンがこのオペラで伝えたかったのは、圧政に抵抗する夫を権力から救い出す妻の究極の愛であり、美しいメロディーで歌うことは二の次だった 『フィデリオ』は自己の思想を表現する手段に過ぎない。ベートーヴェンは自身が歌劇の作曲は向いていないと自覚していた。だから1曲しか作らず、他のジャンルに力を傾けたのだ」ということです

ところで、オープニングにあたりゲルブ総裁が「『フィデリオ』は自由を求めて暴君に抵抗し投獄された夫を救い出す妻の勇気ある行動を描いているが、現在 起こっている出来事を考えると、今こそこの作品を上演する意味がある」と語っていましたが、これは明らかに”暴君”のように振る舞うトランプ大統領を念頭に置いた発言です また、指揮者のマルッキも幕間のインタビューで「人は権力を握ると過去の反省もせず、過ちを繰り返すものです 現在の状況は、政治家なりしかるべき人たちの力で改善してもらいたい」と発言していましたが、これも第2次トランプ政権の横暴を念頭に置いた発言です 芸術に関わる人たちにこのように言わせるトランプ政権には、反省の言葉が存在しないようです

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女性だけのオーケストラ「東京女子管弦楽団」の活動について ~ 日経の記事から / 全国のホール・劇場の改修工事に伴う休館の現状と予定 ~ 朝日新聞の記事から

2025年04月26日 00時43分55秒 | 日記

26日(土)。24付の日経夕刊「フォーカス」コーナーで「東京女子管弦楽団」理事長の永井美奈子さんが取り上げられていました 記事を超略すると次の通りです

「日本で唯一だという指揮者から演奏家まですべて女性で構成するオーケストラ、東京女子管弦楽団(2022年発足)の理事長を務めるのは、元日本テレビのアナウンサー、永井美奈子さん 当初からアドヴァイザーとして関わっていたが、より知名度を上げて活動の幅を広げたい楽団が理事長への就任を要請した 『女性演奏家の活動機会を増やし、本物の音楽に接する機会も増やす』取り組みを積み重ねれば、音楽全体の未来がひらくと考えている 定期的に開催する室内楽コンサートは来場者が50~60人ほどで客席との距離が近い 『演奏家一人ひとりの顔がみえる楽団を目指している』と語る。コンサートはなじみのある楽曲、聴きやすい楽曲を中心に構成する ある調査会社の調査では、クラシック音楽に関心があると答える人が半数いる一方で、実際にコンサート会場に行ったことがある人は1~2%だった 『このギャップを埋め、音楽をもっと身近なものにしたい』といいう長い目標にも挑む

この記事を読むまで、「東京女子管弦楽団」というオーケストラがあることを知りませんでした 同楽団のホームページの「楽団員紹介」を見ると、常任指揮者は湯川紘恵(2021年9月からNHK交響楽団でパーヴォ・ヤルヴィのアシスタント、22年1月から指揮研究員として在籍)で、弦楽器=18名、木管楽器=6名、金管楽器=9名、打楽器=2名、ハープ=1名、ピアノ=3名、合計39名が写真入りで紹介されています    なお、指揮者は客演もあるようで、5月15日(木)19時から紀尾井ホールで開かれる「第6回定期演奏会」は阿部加奈子の指揮により①オッフェンバック「天国と地獄」序曲、②ラヴェル「ボレロ」、③ベルリオーズ「幻想交響曲」が演奏されます 課題はチケット料金でしょうか 同楽団の詳細について知りたい方は楽団ホームページをご覧ください

それにしても、調査結果の「実際にコンサート会場に行ったことがある人は1~2%だった」というのは少なすぎると思いますが、そんなものなのでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で3756日目を迎え、トランプ米大統領は24日、自身のSNSでロシア軍のウクライナ・キーウへの攻撃を「不要で、タイミングが非常に悪い」と批判し、ロシアのプーチン大統領を名指しし「ウラジーミル、止めろ」と迫った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

止めろと言って止める相手ではない  それよりトランプは国内で「ドナルド辞めろ」と言われてるぜ

         

昨日、夕食に「鶏の山賊焼き」「生野菜とモッツアレラチーズと生ハムのサラダ」「モヤシの味噌汁」を作りました 山賊焼きは豚肉でも作れますが、娘は鶏肉の方が好きなので鶏肉にしました

         

昨日の朝日新聞朝刊に「休館・閉館中のホール 相次ぐ改修 足りない活動の場」という見出しの記事が載っていました 超略すると次の通りです

「全国でホール(劇場)の休館や閉館が相次いでいる そのため大都市圏では、音楽公演や演劇などの関係者が活動の場を求めてさまよう『ホール不足』が深刻になっている 全国公立文化施設協会(公文協)によると、全国2120施設のうち休館・閉館中のホールは42施設(4月15日現在)。うち約3割が首都圏1都3県で、2000席クラスの施設が目立つ 全国ではさらに7施設が今年度中に休館に入る予定だ。好景気だった1990年代前半までに計画され、各地に次々と建設されたホールがいま、舞台機構や照明、音響など設備の更新や、施設全体の修繕の時期を迎えているのだ 首都圏では、東京芸術劇場(豊島区)、川口総合文化センター・リリア(埼玉県川口市)、よこすか芸術劇場(神奈川県横須賀市)、千葉県文化会館(千葉市)など13施設が改修のため休館中だ 国立劇場(千代田区)、帝国劇場(同)、中野サンプラザ(中野区)、神奈川県民ホール(横浜市)も建て替えのため閉鎖になる 東京文化会館(台東区)も来春、大規模改修のため約2年間の休館に入る予定である。日本芸能実演家団体協議会の大和滋参与によると、ホール不足に拍車をかけたのが、伝統芸能の殿堂である国立劇場の閉鎖だった 『稼働率が高かった国立劇場の公演が外に出たことで、玉突きが起きている』という

記事を補足すると、各施設の休館は次の通りです

〇東京芸術劇場(豊島区)⇒2024年9月30日から2025年7月中。

〇川口総合文化センター・リリア(埼玉県川口市) ⇒ 2024年3月1日から約2年間。

〇よこすか芸術劇場(神奈川県横須賀市) ⇒ 2024年7月から2026年3月まで。

〇神奈川県民ホール(横浜市) ⇒ 2025年4月1日から(休館期間は未定)。

〇東京文化会館(台東区) ⇒ 2026年5月7日から2028年度中まで。

なお、上記以外の首都圏の主なホールの休館は以下の通りです

〇新宿文化センター(新宿区) ⇒ 2023年11月から2025年9月30日まで。

〇江東公会堂(ティアラこうとう) ⇒ 2025年11月から2027年9月まで。

〇なかのZEEOホール(中野区) ⇒ 2025年2月1日から9月30日まで。

〇紀尾井ホール(千代田区) ⇒ 2025年8月1日から2026年12月末まで。

こうしてみると、かなりの施設が改修工事のため休館中、あるいは休館予定となっていることが分かります

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尾高忠明 ✕ 館野泉 ✕ 東京フィルで尾高惇忠「音の旅」、ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」、エルガー「交響曲第3番」を聴く

2025年04月25日 00時01分06秒 | 日記

25日(金)わが家に来てから今日で3755日目を迎え、米紙ウォールストリート・ジャーナルは23日、トランプ米政権が中国からの輸入品に課している追加関税について、大幅な引き下げを検討していると報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

忍者ハッタリ君のトランプは  中国の熊のプーさんに 早くも根気負けってことか  負ける喧嘩だった

         

昨日、夕食に「野菜の豚肉巻き」「生野菜とモッツアレラチーズと生ハムのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 野菜はアスパラとオクラを巻きました

         

昨夜、サントリーホールで東京フィル「第1014回サントリー定期シリーズ」を聴きました プログラムは①尾高惇忠「音の旅」(オーケストラ版)、②ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調」、③エルガー「交響曲第3番 ハ短調 作品88」(A.ペイン補筆完成版)です 演奏は②のピアノ独奏=館野泉、指揮=尾高忠明です

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの並び   コンマスは三浦章宏です

1曲目は尾高惇忠「音の旅」(オーケストラ版)です この曲は尾高忠明の兄・尾高惇忠(おだか あつただ:1944-2021)が2003年に、カワイ音楽教室の月刊誌「あんさんぶる」のために6曲のピアノ連弾曲を作曲、翌年に8曲加えて「音の旅」とし、2020年に管弦楽化された際に1曲を追加して全15曲となった作品です この日演奏されるのは第1曲「小さなコラール」、第5曲「シチリアのお姫さま」、第15曲「フィナーレ ~ 青い鳥の住む国へ」の3曲です

尾高の指揮で演奏に入りますが、思ったよりもメロディアスで聴きやすい作品で、拍子抜けしました ただ最後の第15曲だけはメロディアスだけではない異質なテイストを感じました

2曲目はラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインの依頼により1929年から翌30年にかけて作曲、1932年1月5日にウィーンで初演された単一楽章の作品です

ピアノ独奏の舘野泉は2002年に脳溢血で倒れ、右半身不随となりましたが、「左手のピアニスト」として活動を再開、独自のジャンルを切り開きました 彼に捧げられた作品は、10か国の作曲家により、130曲にも及びます 今年演奏生活65周年を迎える舘野は現在88歳

協奏曲のため、オケは12型に縮小します 舘野が介助されて車椅子で登場し、ピアノの手前で立ち上がり 自分で椅子に座ります

尾高の指揮で第1楽章に入り、低弦により混沌とした「序奏」が展開します やがて舘野のピアノが入ってきますが、眼を瞑って聴いているとまるで両手で弾いているように聴こえます これは全体を通して言えることですが、88歳で、しかも左手だけで ここまでやるか  とその不屈の精神力に感服します 普段の鍛錬がなければこれほどの演奏を人前で披露することは出来ないだろう、と思うと尊敬の念が湧いてきます    終盤におけるカデンツァの演奏が特に印象に残りました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返され、車椅子での移動となりました 舘野はアンコールに山田耕筰(梶谷修・編)「赤とんぼ」を左手1本で鮮やかに演奏、再び満場の拍手に包まれました

プログラム後半はエルガー「交響曲第3番 ハ短調 作品88」(A.ペイン補筆完成版)です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1932年から33年にかけて作曲しましたが未完に終わったため、英国の作曲家アンソニー・ペインがBBCとエルガー家の協力を得て、遺稿と晩年のエルガーの発言や関係者の証言を手掛かりに補筆完成させました 全曲の初演は1998年2月15日にロンドンで行われました 第1楽章「アレグロ・モルト・マエストーソ」、第2楽章「スケルツォ:アレグレット」、第3楽章「アダージョ・ソレンネ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

弦楽器は14型に戻り、尾高の指揮で第1楽章に入ります 初めて聴く作品ということもあり、メロディーを追っていくので精一杯でした それでも、アグレッシブな演奏から作品のエネルギーを感じました 第2楽章ではヴィオラのソロが活躍しますが、よく見るとトップは4月14日の「東京春祭『名手たちによる室内楽の極』」に出演し、アンコールで舞台下に降りて歩きながら「荒城の月」を弾いてヤンヤの喝さいを浴びたヴィオラ首席・小峰航一氏です 今回も素晴らしい演奏でした 第3楽章も小峰氏のソロで静かに終わります 第4楽章は冒頭の金管楽器群のファンファーレが強烈でした ラストは弱音で終わるところがいいな、と思いました

大きな拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

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ピアニスト小菅優のエッセイを読んで疑問に思ったこと / 阿川佐和子著「老人初心者のたくらみ」を読む ~ コロナ禍真っ最中に綴った 思わずクスリと笑ってしまうエッセイ集

2025年04月24日 00時01分36秒 | 日記

24日(木)。現在、日経夕刊のコラム「こころの玉手箱」はピアニストの小菅優がエッセイを連載しています 昨夕は3回目で「10代で重ねた探求の日々」というタイトルにより、12歳で初めて弾いたベートーヴェン「ピアノソナタ第17番”テンペスト”」の話を中心に綴っています その中に次のような記述がありました

「ベートーヴェンのような著名な作曲家になると、一つの楽曲に何種類もの楽譜が出版されている。少しずつ違っていて、それぞれに発見がある」

これを読んで、ずぶの音楽素人の私は思わず「えっ」と叫んでしまいました ベートーヴェンの作品の楽譜は、オリジナル楽譜を写譜した1種類しかないと思っていたからです たとえば、ブルックナーの交響曲であれば、曲によっては複数の校訂版が存在することは知っていましたが、まさか、ベートーヴェンも 一つの楽曲に何種類もの楽譜が存在しているとは知りませんでした 具体的にどこがどう違うのか全く想像すらできません 演奏家が自分の解釈を楽譜に書き加えたものが出版されているということだろうか・・・分かりません どなたかご存じの方がいらっしゃったら、無知な素人に教えていただけると嬉しいです

ということで、わが家に来てから今日で3754日目を迎え、トランプ米政権からの「改革」要求を拒否した末に22億ドル(約3100億円)分の助成金を凍結されたハーバード大が21日、「政権は助成金の留保により、ハーバード大の意思決定をコントロールしようとしている」と批判し、凍結の停止を求めて政権を相手に提訴した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

トランプは ヒットラーのナチス・ドイツ顔負けのファシズムの道を わき目も降らずに突っ走ってる

         

昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒めもの」「シメジの味噌汁」を作りました 「茄子と~」は久しぶりに作りましたが、豆板醤の辛みが効いて美味しくできました

         

阿川佐和子著「老人初心者のたくらみ」(中公文庫)を読み終わりました 阿川佐和子は1953年 東京生まれ。慶応義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家 99年に檀ふみとの往復エッセイ「ああ言えばこう食う」で講談社エッセイ賞、2000年「ウメ子」で坪田譲治文学賞、08年「婚約のあとで」で島清恋愛文学賞を受賞 「聞く力」はミリオンセラーとなった 「話す力」など著書多数

本書は「婦人公論」に「見上げれば三日月」のタイトルで連載されたエッセイのうち、2019年9月24日号~2021年7月13日号掲載分から41篇を選んで「ないものねだるな」のタイトルで2022年2月に中央公論新社から刊行したものを、文庫化に当たり改題したものです

著者は「あとがき」の中で、「まさに、世界を震撼させた新型コロナ時代の到来をつゆとも知らぬ頃に始まって、その後じわじわと、かつて経験したことのない種類の恐怖と焦燥と発見の日々を綴ってきたといえる」と書いています エッセイを読みながら、自分の過ごしていたコロナ禍真っ最中の出来事に思いを馳せました マスク騒ぎ、うがい・手洗いの習慣づけ、飲食店や映画館の営業自粛と感染拡大対策、不必要な外出自粛など、誰もが経験した出来事に加え、私の場合はコンサートの中止とそれに伴うチケット料金の返金問題がかなり大きなウェートを占めていたように思います

著者は「芸術の迫力」と題するエッセイの中で、松山バレエ団の公演を観に行った時のことを、次のように書いています

「客席は1つおき。通常の半数しか入れない 公演前のアナウンスでも、『携帯電話の電源をお切りください』といった内容に加え、『マスクは付けたままでご覧いただきますように』や『ブラボーなどのかけ声はご遠慮ください』と念入りな注意が促される

これはコンサート会場に限らず、映画館でも事情は同じでした

また、「袋はご入り用ですか」と題するエッセイには、マスクの使い回しと手作りマスクの話が出てきます 出かけてから「あ、しまった、マスク忘れた」という台詞を何度も繰り返してきた、と書いています こういうところはアガワさんに親近感を覚えます つい先日も、コンサートに出かけた際、駅に着いた時に「あ、しまった、マスク忘れた」と気が付きました その時、たしかショルダーバッグの内ポケットに予備のマスクが入っているはずだと思い出しました 調べてみると、ありました、アベノマスクが それまで全く使用したことがなかったので、この時初めて着用することになりました その結果は・・・何と小さいのか 何とゴムがきついのか 今さらジローながら、当時の政府(首相は誰でしたっけ?)はかなり多額の費用をかけて 不便なマスクを配ったものだな と思いました

いつものように、アガワさんは物忘れなど 忍び寄る老化現象にもめげず、「禍福は糾える縄の如し」を胸に、「いいこと」を見つけながらエッセイを綴っています アガワさん特有のユーモア精神に、思わずクスリと笑ってしまうこともしばしばでした 気軽に読めるエッセイです。広くお薦めします

         

今日はサントリーホールに東京フィルの「第1014回 サントリー定期シリーズ」公演を聴きに行きます

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大野和士 ✕ アリョーナ・バーエワ ✕ 東京都交響楽団でショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、チャイコフスキー「交響曲第5番」を聴く

2025年04月23日 00時04分07秒 | 日記

23日(水)。奥歯に被せた金属が取れてしまったので、昨日 予約してあった行きつけの歯科医に行ってきました    ちょうど2か月前に取れてしまい、被せ直してもらったばかりです 院長の言い訳は「奥の親知らずなので歯型が取りにくい」とのことです その時は、珍しく新たに型を取ることをしなかったので、大丈夫かいな?と思っていたら、やっぱりです 今回も同様に、新たに型を取ることなく今の金属を被せ直しました。また2か月後に来るのかいな

それにしても歯科医院は多いですね 私の行きつけの歯科医は北大塚にありますが、半径50メートル以内に3軒あります そんなことで医院ですか?と言いたくなりますが、顧客獲得競争に負けたら歯医者復活戦をやるんでしょうか なにしろ歯科医院はコンビによりも多いそうですから驚きます

ところで、帰りがけ大塚駅に行く途中に「おにぎりボンゴ」があるのですが、午前10時前から20人以上並んでいました この店はテレビのグルメ番組の常連店で、何度も紹介されています いつ見ても長蛇の列なので最近は利用していませんが、おにぎりのために並ぶなんて、よっぽど美味しいんでしょうね

ということで、わが家に来てから今日で3753日目を迎え、ロイター通信によると、トランプ米大統領が21日、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長を「ミスター遅すぎ(Mr.Too Late)」と呼び批判したことを受けて、FRBの独立性が脅かされる恐れがあるという懸念が強まり、ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対し3年ぶりの安値を付け、株式市場でも株価が大幅に下落した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

”Mr.Destoroyer”トランプは 大統領としての発言の影響力に あまりにも無頓着すぎね~か?

    諸般の事情により、昨日の夕食作りはお休みしました 

         

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1019回定期演奏会Bシリーズ」を聴きました Bプロ新シーズン第1回目のプログラムは①ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77」、②チャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=アリョーナ・バーエワ、指揮=音楽監督・大野和士です

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び    コンマスは山本友重、隣は水谷晃という2トップ態勢を敷きます

1曲目はショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77」です    この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1947年から翌48年にかけて作曲、1955年にダヴィッド・オイストラフのヴァイオリン独奏によりレニングラードで初演されました    第1楽章「ノクターン:モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「パッサカリア:アンダンテ」、第4楽章「ブルレスケ:アレグロ・コン・ブリオ ~ プレスト」の4楽章から成ります

ヴァイオリン独奏のアリョーナ・バーエワ はキルギス共和国出身。第12回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際コンクール(2001年)優勝 その後、モスクワ国際二コロ・パガニーニ・コンクールでグランプリを受賞。世界各国のオーケストラと共演を重ねている

奇しくも2日連続で同じ曲を聴くことになりました 前日の演奏はイスラエル・ナザレ生まれのヤメン・サーディのヴァイオリン独奏、オクサーナ・リーニフ指揮読売日響の演奏でした 彼は本職がウィーン国立歌劇場管弦楽団のコンサートマスターなので、ソリストとして活動している訳ではありません そういうこともあってか、楽譜用タブレットを見ながら演奏しました 使用楽器は1734年製ストラディヴァリウス「ロード・アマースト・オブ・ハックニー」でした 一方、この日演奏したバーエワは大野監督指揮都響をバックに暗譜で演奏しました 使用楽器は1738年製グァルネリ・デル・ジェス「エクス・ウィリアム・クロール」です

1日違いなので自然と聴き比べをすることになります 言うまでもなく、ヴァイオリンの音色はどちらも艶があって美しく、弱音でも遠くまで音が届きます 表現力の点でも甲乙つけがたい素晴らしいものがあります とくに第3楽章「パッサカリア」における長大なカデンツァは2人とも聴きごたえ十分でした ほんのちょっと違うと思ったのは最後の第4楽章の終結部の演奏です バーエワは暗譜で弾いていることもあって、作品への没入感が半端なく、超絶技巧により超高速スピードで駆け抜けました

会場割れんばかりの拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました バーエワはアンコールにグラジナ・バツェヴィチ「ポーランド・カプリース」を超絶技巧で鮮やかに演奏、再び大きな拍手を浴びました

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年に作曲、同年11月17日にサンクトペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ、コン・アルクーナ・リセンツァ」、第3楽章「ワルツ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ・マエストーソ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

大野の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭のクラリネットによる暗い演奏を聴くと陰鬱な気分になります このメロディは”運命を象徴する循環主題”です 弦楽セクションのアンサンブルが美しい これは都響の伝統と言えます 第2楽章では冒頭のホルンの独奏が素晴らしい 次いで演奏されるオーボエも冴えています 第3楽章ではファゴットの演奏が印象に残りました 第4楽章では、第1楽章冒頭の”運命を象徴する循環主題”が 長調によって堂々と演奏され、運命との闘争の勝利が宣言されます    第1楽章で現れた絶望的なテーマが、第4楽章では勝利のテーマに変わって出てくるのです これぞチャイコフスキー・マジックです 大野の指揮により躍動感あふれる演奏が展開しますが、弦楽セクションのうねりが凄い オーケストラの総力を上げてのフィナーレは圧巻でした

満場の拍手とブラボーの嵐のなか、カーテンコールが繰り返されました かくして、都響の新シーズンの幕が開きました

これをもって、16日(水)から始まった7日連続コンサートも終わりです いささか疲れたので、腰痛悪化防止のため、今日は本を読んでゆっくり過ごしたいと思います

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