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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「新交響楽団」第215回演奏会でマーラーの交響曲第5番を聴く

2011年10月31日 06時44分23秒 | 日記

31日(月).昨日,すみだトリフォニーホールで新交響楽団の第215回演奏会を聴いてきました.新交響楽団は1956年創立のアマチュア・オーケストラで,アマオケの老舗的な存在です.今回の指揮は高関健です.高関=新響のコンビでマーラーの交響曲シリーズを展開していますが,最近では第9番,第6番,第7番と聴いてきました.マーラー・イヤーの今年(没後100年)の最後を飾る曲として,最も人気がある第5番が選ばれました

プログラムは①シェーンベルク「5つの管弦楽曲〈1949年改訂版〉」,②マーラー「交響曲第5番嬰ハ短調」の2曲です.苦手なシェーンベルクがあるので,少し早めに会場近くに行ってコーヒーを飲みました.眠気覚ましです.結局だめでしたが

会場に開演20分前に着きました.ロビーの隅に「花束受付」があり,たくさんの紙袋(多分,花束やプレゼントが入っている)が置かれていました.出演者のご家族,知人・友人が多く来られているのでしょう.会場はほぼ満席です.自席は1階16列12番,中央やや左の通路側です

オーケストラの配置は,舞台に向かって左から第1ヴァイオリン,その後ろにコントラバス,中央にチェロとヴィオラ,右に第2ヴァイオリンという「対向配置」です.高関健が指揮するときは必ずこの配置を採ります.コンマスは女性です(したがってコンミスというのが正しいのでしょう).舞台いっぱいにスタンバイするのは約90人の演奏者です

高関健が登壇して,1曲目のシェーンベルクが始まります.最初の出だしを聴いた瞬間から「これはダメだ!ついていけない」と思いました.コーヒーを飲んで覚悟を決めて臨んだのですが,どうしてもシェーンベルクは馴染めません.結局,終始目をつぶって寝ていました.演奏者の皆様ごめんなさい

さて,何を隠そう私はマーラーの第5番を聴きにきたのです.コンマスが別の女性に代わって,高関のタクトによりトランペットが高らかに「葬送行進曲」のファンファーレを奏でます 失礼ながら高齢の奏者だったので”大丈夫かな”と心配していたのですが,なんの,素晴らしい演奏です 上々の滑り出しといってもいいでしょう.「激情的,荒れ狂った」旋律と「哀愁を帯びた」旋律が交互に奏でられ,最後は低弦のピッツィカートでとどめがさされます

ところで,この冒頭のトランペットが奏でるファンファーレはメンデルスゾーンの「結婚行進曲」のパロディだと言われています.”結婚”のテーマが,マーラーにかかると”葬送”に変わってしまうのです.恐ろしい人です

第2楽章は「嵐のように荒々しく動きをもって」と指定されているように,激しい音楽が続きます.この楽章が終わると,ホルン奏者が自席から降りてきてコンマスの前にスタンバイしました.これはどういうことかと思案しているうちに第3楽章「スケルツォ」が始まりました.

ところで,この公演のプログラムがすごく充実していて,曲目の解説とともに指揮者・高関健へのインタビューが載っているのですが,彼の発言の中に次のようなくだりがあります.

「例えば第3楽章のオブリガート・ホルンが前に出てくる話についても,新全集版では校訂報告の中で,どの演奏会で舞台のどこで吹いたのかを検証した記事があります.マーラーの発想は他のホルンとはっきり分離して立体的に聴こえること,つまりオペラ的な遠近感の獲得にあります.マーラーと交流の深かった指揮者メンゲルベルクが使ったスコアが残っています.マーラーは第5番を1906年3月にコンセルトヘボウで振っていますが,メンゲルベルクは事前の練習を買って出て,マーラーの練習にも出席,作曲者の指示を細かくメモしています.このスコアにはマーラー本人も赤いインクで多数書き込んでいます.その中に”(第3楽章の)ホルン・ソロはいつもはっきりと,そのためにソリストのようにコンサートマスターの前に位置すること”と書き込まれています」

演奏終了後に,この文面に接して初めて納得しました これまで何度もこの曲を生で聴いてきましたが,ホルン奏者がソリストのように前に出てきて演奏するのを見たのは今回が初めてでした.マーラーの曲の演奏解釈も時代とともに変わってきているのだと理解しました

ホルン奏者が自席に戻り,さて,次はいよいよこの曲の聴かせどころ,第4楽章「アダージェット」です.2台のハープと弦楽器によって美しいメロディーが奏でられます.残念なことに途中,どの楽器かに何かトラブルがあったのか,すごい音がしました.気のせいかも知れません

切れ目なく第5楽章に入ります.ここに来て,さすがに金管は疲れが出てきたようで調子を崩す奏者もありましたが,最後はテンポを上げて圧倒的なフィナーレを飾りました

この曲については,高関が前掲のインタビューで次のように解説しています.実にわかりやすい解説です

「1901年から翌年夏にかけて第5番を書いているわけですが,この頃がマーラーの人生の絶頂期ですね.王立歌劇場での仕事も好調で,11月にアルマ・シントラーと出会い,翌3月には結婚しています.こうした経緯が第5番にすべて反映している.本当に不思議な曲ですね.第1楽章では葬送行進曲を書いているわけでしょう.もう俺は死ぬか,というような.第2楽章でこれからどうやって生きていこう,と悩み抜いているところに,突然彼女が現れ第3楽章で有頂天になって,第4楽章で「大好き!」って告白して,第5楽章で結婚できました,と報告している(笑).第5楽章のスコアを見て驚くのは,1回も短調にならない!」

プログラムに掲載された「新交響楽団」のメンバー表を見ると,いろいろな職業の方々の集まりだということがわかります.仕事の合間に練習を重ね,年4回の公演に全力を傾注する.しかも,マーラーのような大曲に真正面から挑戦する.年齢を超え,性別を超え,職業を超え,心から音楽を愛するからこそ,そういうことが可能なのでしょう.そういう皆さんの心意気に最大限の敬意を表します.これからもいい音楽を聴かせてください

 

           

 

ところで,アマチュア・オーケストラの演奏会に行くと,入り口で配っているチラシの束の中にプロの演奏会に混じってアマ・オケのチラシが沢山入っています.この日に入っていたのは,藝大フィルハーモニア,東京シンフォニエッタ,東京アカデミー・オーケストラ,武蔵野音楽大学ウインドアンサンブル,シンフォニック・ウインド・アンサンブル,葛飾フィルハーモニー管弦楽団,シンフォニア・ズブロッカ,東京アカデミッシェカペレ,湘南弦楽合奏団,中央大学管弦楽団,ル スコアール管弦楽団,新交響吹奏楽団,東京学芸大学管弦楽団,法政大学交響楽団,新日本交響楽団,首都大学東京管弦楽団,上野浅草フィルハーモニー管弦楽団でした.ほかにも多数あるのでしょうが,音楽の好きな人はたくさんいらっしゃるのですね

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坂本龍一「スコラ 音楽の学校」その3~Eテレ:ドビュッシー,サティ,ラヴェル

2011年10月30日 07時36分42秒 | 日記

30日(日).昨日午後11時からEテレで坂本龍一「スコラ 音楽の学校」を観ました.「ドビュッシー,サティ,ラヴェル」の第1回目で,サブ・タイトルは「厳格な音楽からの開放」とあります.浅田彰,小沼純一らのゲストを迎え,いわゆる印象派の登場によって,それまでの音楽の流れがどう変わったかを明らかにしていきます

最初に,1800年代始めに作られたベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番」の第1楽章冒頭部分が決然と流されます これについて坂本”教授”は「小さなピースを積み上げて堅固な建築物を構築していくような音楽だ」とベートーヴェンの音楽の本質を喝破します.次にその100年後の1900年に作られたドビュッシーの「雲」が流されます.坂本流に言えば「何かふにゃふにゃした音楽」で,「雲が様々に形を変えながら動いていくさまを音楽にしている.厳格さを離れて自由な表現になっている」と指摘します

そして,ドビュッシーの音楽はインドネシアのバリ島を中心に聴かれてきた「ガムラン音楽」の影響を受けていると述べます.「じゃあ,実際にガムラン音楽を聴いてみましょう」と言うので,”まさか!”と思いましたが,東京芸大のガムラン音楽を演奏するグループ(サークル?)が登場して演奏が始まりました 最初に中国の胡弓のような楽器がメインのメロディーを奏でると,他の太鼓や鉄琴のような様々な形をした楽器が,即興的に,流れに沿うように演奏し始めます.最初はばらばらに思えましたが,だんだんアンサンブルが整えられて,しっかりした音楽になっていきます 池に投げ入れた石によって波紋が広がっていくように,音楽の波が広がっていくのがわかります.ドビュッシーは,この手法を彼のピアノ音楽に採用したといいます

芸大の学生による演奏後,番組に参加していた音楽専攻の中高生が,ヴァイオリン,ギター,サキソフォーン,小太鼓などの楽器をもって「ガムラン音楽」に加わって,即興的に音楽を奏でました.最初は戸惑いながら遠慮がちに演奏していましたが,そのうち”波”に乗ってきたようで,見事なアンサンプルを形成していました.坂本教授らは賞賛のを送っていました.

一方,ラヴェルはスペイン音楽やジャズを取り入れて作曲したといいます.ピアノ協奏曲が流されます.第1楽章の途中,たしかにスペイン情緒溢れるメロディーと,それに続いてジャズ風のメロディーが聴こえてきます

そうそう,ガムラン音楽といえば思い出すことがあります 元の職場の上司だったSさんは,新聞関係の国際会議に頻繁に出張されていましたが,「今までどんな音楽に感動したか」という話になったとき,インドネシアで開かれた国際会議の歓迎会で演奏されたガムラン音楽が,感動的で忘れられない」とおっしゃっていました 定年後は鹿児島に移住して趣味の釣りなどを楽しんでおられましたが,残念ながら今年お亡くなりになりました.最後にガムラン音楽を聴かせてあげたかったです

さて,この番組はまだまだ続きます.学校では教えてくれない手法で”クラシック音楽”を分かりやすく教えてくれます.疲れて寝てしまったりして毎回観ているわけではないのですが,非常に面白い番組です

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茂木大輔「拍手のルール~秘伝クラシック鑑賞術」を読む

2011年10月29日 09時06分09秒 | 日記

29日(土).昨日,ビルの防災訓練を実施しました.大地震が発生,6階の事務所から火災が出たという想定で,通報連絡,消化,避難,救護の総合的な訓練です.当然のことですが約1時間の間に6回ほど非常放送が全館に流れます.これについては前日に,「会議があって,講師から話を聞く時間帯なので,その会議室だけ音が出ないようにできないか,それが出来なければせめて音を小さくするが出来ないか」という”要望”が出されました.また,当日は,最初の放送を流した段階で”音を小さく出来ないか”といった電話がきました.非常時の全館放送は法律で決められているので,特定の部屋だけ流さないとか,音を小さくすることはできないとお答えしました.本当に緊急事態が起きたことを考えれば,そんなのんびりしたことを言っている場合ではないでしょう

避難が終わった方たちを対象に「煙ハウス」を体験してもらったり,消火器の操作をしてもらったり,AEDや油圧式ジャッキの体験をしてもらったりしました.これには準備が大変で,防災センターのメンバーに丸の内消防署本省と有楽町出張所に煙ハウスと消火器50本を借りに行ってもらったり,われわれも含めて,煙ハウスを広場に組み立てたりしなければなりません.この煙ハウスの組み立てが大変なのです.なにせトリセツ(取り扱い説明書)がないのです 骨組みを組み立てて,8本の支柱にそれぞれ一人ずつ付いて「せーの」で持ち上げなければなりません.そして,内部にカーテンで迷路を作り,外を覆うカバーをかぶせます.そのうえで煙を中に充満させるのです.終わったら終わったで,それを元通りに収めるのが大変です.防災センターのメンバーにはそれを消防署まで返してもらわなければなりません.

夕方,地下の焼き鳥Rで要員の反省会(打ち上げ)をやりました.その場で防災の皆さんに言ったのは「自分が入社した一昨年ははしご車,昨年は起震車を体験してもらったので,今年は煙ハウスにしてみたが,準備も撤収もいかに大変かがわかった.今後しばらくは見合わせることにしたい.来年は別のイベントを考えよう」ということです.防災センターの皆さんをはじめ,ビルメンテナンスの皆さん,清掃の皆さんには準備段階から大変お世話になりました.ありがとうございました そして訓練に参加されたテナント従業員の皆さん,管理事務所の皆さん,お疲れさまでした .......それにしても身体中が痛い,”頭痛も痛い”,今日はおとなしく過ごすことにしよう

 閑話休題 

最近読んだ本から。吉本隆明「真贋」、川上弘美「どこから行っても遠い町」、茂木大輔「拍手のルール」,伊坂幸太郎「モダンタイムス・上巻」の4冊。今回はNHK交響楽団の首席オーボエ奏者・茂木大輔さんが書いた「拍手のルール,秘伝クラシック鑑賞術」(中公文庫)を紹介します.クラシック音楽好きには,たまらなく面白い本です.音楽鑑賞のキホンのキだけでなく,ためになる話の宝庫です

「古典コン(クラシックコンサート)に行きましょう」「古典コンの聴き方」「拍手のルール」「指揮者式手記」「名曲の個人情報」などの章からなっています.読者としては,やっぱり「拍手のルール」のタイトルに惹かれます.ちょっと紹介してみます

〇拍手のタイミング・・・まず重要なのは「いつ,するべきであり,いつ,してはいけないのか?」という「拍手適正運用機会規正法」である.

1.オケの登場の前(舞台無人)・・・・しない.

2.オケの登場・・・・・定期公演:拍手,基本的になし.

3.コンマスの登場・・・・・全楽団員が着席したあと登場する場合,拍手.すぐに止め,静粛.チューニングをするからである.

4.指揮者の登場・・・・・・大拍手.

5.楽章の間,あるいは,楽章の最中・・・・・基本的になし.いくつの楽章があるのか調べておくこと.ただし,咳払いなどはヨシ.

楽章間で拍手が起きてしまうことにはいくつか原因がある.~曲が終わったと勘違い,~あまりの興奮,感動を抑えきれない,~すべての音の区切りには拍手をすべきだという起源不明の刷り込みの結果~

いずれの理由にしても楽章間拍手が起きやすい作品は,何とすべてチャイコフスキーに集中している

交響曲第5番・・・・フィナーレの最後の方に,一旦非常に堂々と終わるが,まだ「オチ」の行進曲があるから注意.

交響曲第6番・・・・第3楽章の終わりに拍手来やすい.

ヴァイオリン協奏曲,ピアノ協奏曲・・・・・いずれも第1楽章が長く,あまりにも堂々と終わるので思わず拍手したくなる場所.

よく分かります とくに交響曲第6番「悲愴」の第3楽章が終わった直後,拍手どころか大きな声のブラボーまで聞いた経験があります.それはそれは悲壮でした

茂木さんは「実は演奏者としては,楽章間の拍手は決して不愉快ではない.嬉しかったからやってくれたのだろうし」と言います.そういうものですかね

6.曲の終わり・・・・・・もちろん,感動に応じて拍手していただければ.お気持ちおココロザシで結構でございます.ただし,拍手が早すぎで曲の終わりの味わいを壊すケースがあまりにも多いこと.絶対にやめていただきたい

そうそう,同感です.いるんですよ,そういう人が 曲が終わるや否や間髪いれずに拍手,ブラボーを叫ぶヤカラが オペラの場合は時にフライング気味に拍手をするケースはありますが,許される範囲内のこともあります.ただ,普通のコンサートで1時間以上の曲を堪能してきて,最後の瞬間を味わっていたいのに,空気が読めずにぶち壊してくれるヤカラがいるのです・・・・・・絶対やめて欲しいです 私の場合は,だれかが拍手を始めるまでは控えるようにしています.あせって拍手をしても何のメリットもありませんので.

「古典コンの聴き方」の章では,コンサートに行って集中・感動するにはどうしたらよいかについて述べています.茂木さんは「まず,知らない曲をライブでイキナリ!は,ちょっと危険がある.そのためには「予習する」とコメントしています.まったく同感です.私の場合はとくにオペラなど,長い曲を中心にCDを聴いて”予習”してからコンサートに望むことにしています

また,「指揮者的手記」の章では,「テンポ,強弱,バランス」この3つが演奏を大きく左右する大きなポイントである.ほかに,「音の繋がり方」「長さ」「立ち上がりの固さ,柔らかさ」「音色」などを指示して変化させることもある,と述べています.このようなポイントを頭に入れて演奏を聴くと,以前に聴いた指揮者とどこが違うのかがわかります.茂木さんはオーボエを吹く他に指揮もされるので,こうしたことにも造詣が深いようです 

この本の中で,個人的に茂木さんと共通する点が2つあることに気がつきました.一つはコンサートに行って座る席は「通路側」であるという点です(彼の場合は”居眠りする危険があるため”としていますが,私の場合は”奥の席に入っていくのが嫌い,何かあった場合にすぐに抜け出せるように”という違いがありますが).もう一つは指揮者チョン・ミュンフンを大きく評価している点です 茂木さんの言葉をそのまま引用します.

「この原稿を書いている日々,チョン・ミュンフンさんが8年ぶりに客演していた.マーラー9番をご一緒した.もう,いかなる指揮者よりもくっきりと,美しく,優しく,力強く描く指揮棒を見ているだけでも,生涯こうしていたい,と思えてくるほどの夢のような時期であり,音楽の美しく深いイメージは手に取るよう.だが,それで満足することなく,ゆっくりと,低い声で語りだすのは”もっと,どこまでも・・・・・つながっていくように・・・・ひとつ,おわり,ひとつ(手の動作もやってみて),じゃなく・・・・・ずっと,ずっと,遠くに繋がっていくように・・・・”という,抽象的でありながら具体的な指示をする」

情景が目に浮かぶようです.チョン・ミュンフンは素晴らしい指揮者です.正直に言いますが,私は彼の指揮したCDは1枚も持っていません.が,彼の指揮するコンサートは日程が許す限り必ず聴きに行っています.彼の本当の良さはライブにあります.これからも彼のコンサートに通い続けます

 

        

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バッハ・コレギウム・ジャパン定期会員(2012~2013シリーズ)継続~教会カンカータ全曲完結へ

2011年10月28日 06時59分41秒 | 日記

28日(金).昨日,バッハ・コレギウム・ジャパンから2012年度定期会費の請求書が届いたので,郵便局から振り込んでおきました 2012年4月から2013年3月までの間に5回のコンサートがあり,S席40,000円です.更改に当たって少しでも良い席を,と希望を書いておいたのですが,結局これまでと同じ席に落ち着きました.でもやや後方ながら中央ブロックの通路側なので,これで良しとしました

日程とプログラムは以下の通りです.すべてJ.Sバッハの曲です.

4月 6日(日)    「マタイ受難曲」

7月20日(金)    「結婚カンタータ」ほか

9月17日(月・祝)  「教会カンタータBWV14,100,197」

2月24日(日)    「教会カンタータBWV30,69,191」 第100回定期演奏会.

          これで1995年から続いてきたカンタータ演奏が完結!

3月29日(金)    「ヨハネ受難曲」

10年くらい定期会員を継続していますが,1回のシーズンで2つの受難曲を聴けるのは滅多にないことです しかも「マタイ」と「ヨハネ」です.情熱的な演奏を熱情をもって聴きたいと思います.なにせ受難曲は英語でpassionですから・・・・オアトがよろしいようで

バッハ・コレギウム・ジャパンは世界に通用する数少ない音楽集団の一つだと思います 管楽器も弦楽器も古楽器を使用し,個々人の演奏レベルは非常に高く,その音色は独特の温かみがあります.鈴木雅明の指揮の下,オーボエの三宮正満,フラウト・トラベルソの前田りり子,管きよみ,ヴァイオリンの若松夏美,高田あずみ,チェロの鈴木秀美,オルガンの今井奈緒子といった不動のメンバーによる演奏は本当に素晴らしいです また,合唱は少人数ながらノンビブラートの透明感のある歌声で,ソプラノのハナ・ブラシコヴァ,カウンターテナーのロビン・ブレイズ,テノールのゲルト・テュルク,バスのペーター・コーイらソリストともども,聴くたびに魅了されます

今回のBCJ定期会員継続(年5回)で,東京交響楽団サントリーホール・シリーズ(年10回),同オペラシティホール・シリーズ(年6回),東京フィル文京シビック・シリーズ(年4回)と合わせて2012年4月から2013年3月までの間に25回のコンサートが確定しました.さらに,更改時期がずれている新日本フィルのすみだトリフォニーホール・シリーズと同室内楽シリーズ,新国立オペラが加わるので,年間50回近くは定期公演を聴くことになります

 

           

 

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R・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」の映画が公開されます

2011年10月27日 06時52分26秒 | 日記

27日(木)。 昨夕,金曜日の防災訓練反省会のメニューを届けに3人で地下の焼き鳥Rに行きました.30分のはずが,なぜか1時間30分.しかもその後日比谷セントラルビル地下のKに行って1時間飲んだので,結局家に帰ったのが10時頃になってしまいました.今朝は,言うまでもなく頭痛いし・・・・・どうしてメニューを届けるだけなのに,こうなってしまうわけ?責任者を出しなさい!・・・・・・はい,私です.例によって反省のない日々を過ごしていますね,われながら

ところで,来年1月14日(土)銀座ブロッサムホールでR・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」の映画が上映されます この映画は1960年制作で,ザルツブルグ祝祭劇場のこけら落とし公演の記念すべき録画です.カラーで3時間6分.会場のブロッサムホールは中央区立中央会館のホールとのことで,地下鉄有楽町線新富町駅から徒歩2分とのこと

キャストは,元帥夫人=エリーザベト・シュヴァルツコップ,オクタヴィアン=セーナ・ユリナッチ,ゾフィー=アンネリーゼ・ローテンベルガー,オックス男爵=オットー・エーデルマンといった,当時望みうる最高のメンバーです.指揮は当時すでに,飛ぶ鳥を落とす勢いのヘルベルト・フォン・カラヤン.オーケストラはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,合唱はウィーン国立歌劇場合唱団です

物語の舞台は18世紀末のウィーン.夫の元帥が遠征中であることから,夫人のマリー・テレーズは,一回りも若い恋に盲目な貴公子オクタヴィアンと逢瀬を重ねています.そうした中,夫人の親戚に当るオックス男爵が,自分の結婚式を挙げるにあたって,銀のばらを相手の女性に贈る”ばらの騎士”を紹介してほしいとやってきます.元帥夫人はオクタヴィアンを推薦し,その日を迎えます.ところが相手のゾフィーは粗野なオックスを見て大嫌いになり,オクタヴィアンに助けを求めます.さて二人の運命は・・・・・といったストーリーです

この映画は昔,銀座のヤマハホールで3回くらい観ましたが,オクタヴィアン役のセーナ・ユリナッチに熱を上げてしまいました 下のチラシの右上の女性です.何と言えばいいのか,気品のある整った顔立ちで,メゾ・ソプラノ特有のしっとりした歌声に魅了されてしまいました

それからというものの,ユリナッチの歌うCDを片っ端から集め始めました.まず「ばらの騎士」のオクタヴィアン役です.①この映画と同じ年の1960年7月26日にザルツブルク祝祭劇場でカラヤン=ウィーン・フィルのもとで歌った録音(元帥夫人はリサ・デラ・カーサ),②同じコンビ・会場による1964年1月8日ザルツブルクでの録音,③同じコンビ・会場による1964年7月26日のザルツブルクでの録音,④エーリッヒ・クライバー=ウィーン・フィルのもとで歌った1954年の録音,⑤カラヤン=ミラノ・スカラ座管弦楽団のもとで歌った1952年1月26日の録音,⑥ハンス・クナッパーツブッシュ=ウィーン国立歌劇場管弦楽団による1955年11月16日の録音の6種類です.このほかに⑥がもう一組あるのですが,海賊版のようです.

また,この映画はレーザーディスクにも録画されたため,購入して持っていたのですが,プレーヤー故障のためタダ同然で手放しました

ユリナッチは「ばらの騎士」以外のR・シュトラウスのオペラでも歌っていますが,モーツアルトの「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィーラ,「フィガロの結婚」の伯爵夫人,「イドメネオ」のイリヤなども歌っています

 閑話休題 

「ばらの騎士」には思い出があります.独身の頃の話ですから相当昔のことですが,Nさんというクラシック音楽好きがいました.毎月,自分のステレオ・セットを市民会館に持ち込んで無料の「レコード・コンサート」を開いていました.そのチラシを見て,ある日曜日に聴きに行ったのが彼との出会いでした.それから意気投合して彼の家に遊びに行ったり,N夫妻がこちらに遊びに来たりといった関係が続きました

ある日,Nさんから相談を持ちかけられました.それは「ばらの騎士のビデオ・テープをセットで買ったのだが,最近レコードやらステレオやらの支出が多く,奥さんにまた買ったよと言えない.ついては君が買って,自分が一時預かっていることにしてくれないか.奥さんの前でそう証言してくれないか」ということでした.こちらは友人の頼みなので喜んで”証言”しました

それから数年後,人づてに2人は別れたと聞きました.「ばらの騎士」のビデオが原因だったとは思えませんが,2人がばらばらになったことは確かです.ばらばらの岸に着いたのかも・・・・笑いごとではありません Nさんは今ごろどこでどうしているのか,会って話がしたいです

 

 〔写真左は映画のチラシ,右はカラヤン指揮ウィーン・フィルによる1960年盤のCD〕

       

 

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ベートーヴェン「スプリング・ソナタ」を新イイノホールで聴く~オープニング・コンサートから

2011年10月26日 06時52分08秒 | 日記

26日(水).昨夕,装い新たにオープンした内幸町イイノホールに,オープニング公演「深沢亮子と若きアーティストたち」を聴きに行ってきました職場が3つ隣のビルなので,あまりにも近すぎて開場まで時間を潰すのに苦労するほどでしたが,6時15分ごろ新しい飯野ビルの長いエスカレーターで4階の「イイノホール」フロアに上がると,すでに長蛇の列ができていました全自由席ですから無理もありません.6時半の開場とともに左サイドの席から埋まっていきます.ピアノ曲があるからです.自席は1-M-9で,前から13列目の左サイド通路側です

会場を見渡すと,ほぼ満席ですが,私がいつも行っているコンサートと比べ客層が大分違う印象を受けました.ひと言でいうと,女性の高齢者の割合が多いということです.これは昨年暮れに銀座の王子ホールでピアニストの遠山慶子がウィーン・フィルの元コンマスのウェルナー・ヒンクと組んでモーツアルトのヴァイオリン・ソナタを弾いたときとほぼ同じ客層ではないか,と感じました つまり,演奏者とほぼ同世代の女性が聴いている,という印象です.これはあくまでも”印象”ですので,事実かどうかは分かりません

演奏のトップバッターは2002年ソフィア国際コンクール優勝の小沢麻由子(ピアノ)で,演奏曲目は①ショパン前奏曲「雨だれ」,②同ノクターン作品27-2,③マズルカ作品59-1,④リスト「愛の夢・第3番」の4曲です.

スタインウェイの豊かな響きが会場の隅々まで広がり,楽器としてのホールは申し分ありません.残響1.5秒は,500人規模のホールとしては最適ではないかと思いました ただ,演奏の方は,やや平板な印象を受けました.淡々と弾いても訴えてくる演奏もありますが,残念ながら私には彼女の”主張”が届いてきませんでした.これは人それぞれなので,違う印象を持った方も当然いらっしゃるでしょう.リストに至ってやっと本領発揮といった感じを受けました

2番手は東京シティフィル,関西フィルなどで首席客員チェロ奏者としても活躍している海野幹雄で,J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」を演奏しました.冒頭からチェロ特有のつややかな深い響きが会場を満たします.彼の人柄が演奏に現れているのではないか,と思いました.本人とは面識がありませんが,きっと人当たりのいい,心優しい人ではないかと思います

3番目は,チェロの海野幹雄,ハープの千田悦子が演奏するサン=サーンス「動物の謝肉祭」の”白鳥”を,谷桃子バレエ団プリマの佐々木和葉がバレエで踊りました.薄暗い中,チェロとハープの”白鳥”のメロディーに乗って,バレリーナが舞台下手から登場します.手の動きが,まるで白鳥が羽ばたいているようで,その表現力には素晴らしいものがありました パフォーマンスが終わって照明が落ちると,会場後方から”ブラボー”の声がかかりました.さては,関係者が・・・・と思いましたが,”ブラボー”がかかっても不自然ではない程素晴らしい演奏,バレエでした

休憩時間になったので,会場後方にあるホワイエに出て,招待券をくださったKさんを見つけ,ホールについての率直な感想をお伝えしました.「ピアノもチェロもハープも会場いっぱい豊かに響き,音響効果は申し分がありません.バレエも素晴らしかったです.今回のようなハープ,チェロ,バレエのコラボは面白い企画だと思いました

休憩後の最初は,ハープの千田悦子による①リスト「夜鳴きうぐいす」②ゴドフロア「ヴェニスの謝肉祭」の2曲です.両曲ともハープの特性が生かされた佳曲で,とくに「ヴェニスの謝肉祭」は,聴いていて,まるでゴンドラに乗ってヴェニスの街を巡っているような気分になるような気持ちのいい曲で,千田の演奏はそういう雰囲気を見事に描き出していました

さてこの日の”とり”は深沢亮子のピアノ,永井公美子のヴァイオリンによるベートーヴェンの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ”春”」です.深沢亮子は1959年にウィーン国立音楽大学を首席で卒業,1961年ジュネーブ国際コンクールで最高位入賞(1位なしの2位)という経歴の持ち主.萩原麻未の大先輩ですね.永井公美子はハノーファー音楽演劇大学を首席で卒業した経歴をもっています

ところで,モーツアルトのヴァイオリン・ソナタとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとは位置づけがまったく違います.モーツアルトのヴァイオリン・ソナタは,正確には「ヴァイオリンの伴奏を伴ったピアノ・ソナタ」で,あくまでもピアノが主役です それに対してベートーヴェンのそれは,「ピアノとヴァイオリンのための~」というように,ピアノとヴァイオリンが対等の立場で演奏されます

深沢亮子と永井公美子によるコラボは,まさに対等の立場で演奏されました.ヴァイオリンが伸びやかにメロディーを奏でると,ピアノがそれを受けてやさしく繰り返します.そして,ときにフォルテで曲を引き締めます.その意味では,実質的には深沢のピアノがリード役になっていたのかもしれません

演奏後,出場者全員が舞台に登場しましたが,バレエを踊った佐々木和葉が普段着に着替えて出てきました.周りの人たちの声が聞こえます「あら,かわいい人なのねえ」.おっしゃる通りの印象です 来年1月8日新国立劇場中劇場で谷桃子バレエ団新春公演「シンデレラ」に主演予定とのこと.行ってみようかな

最後に深沢が,拍手を制して「このホールには旧ホールのときからお世話になっている.新しいホールになって本当に喜ばしい」とあいさつ,「アンコールを演奏します」と言ったのですが,マイクでなく地声なので作曲者名と曲名が聞こえません.多くの人がそうだったのではないかと思います.「アンコール曲」が弾かれ,拍手で締めくくられましたが,ロマン派の曲だったように思ったものの,誰の何の曲か分かりません

多くのホールでは,出口近くに「本日のアンコール曲」という掲示が出されていますが,見かけませんでした.あるいは見落としていたのかもしれませんが,もし掲示が出されていなかったとしたら,今後は是非掲示してほしいと思います.こうした小さな努力の積み重ねがリピーターを作る基礎になると思いますので

前述のとおり,新イイノホールは音響が非常に優れており,500人収容のホールで残響時間1.5秒は最適です.音響の良さにとどまらず,このホールにはいくつかの特徴があります 会場の後方から舞台方向を見ると,客席の椅子のつながりが,まるで波のように見えます.また,ホワイエの天井を見上げると,壁から天井にかけて船底のように湾曲しており,まるで自分が海の底にいるような印象を受けます.このように,ビルの持ち主である飯野海運の船会社としてのこだわりを随所に見ることができます

一度ご自分の目で見て耳で確かめてみてはいかがでしょうか.8月27日付のブログでも紹介しましたが,12月18日(日)午後1:30から「江副育成会コンサート」があります.ピアノの北村朋幹,田村響,チェロの宮田大など若手の有望株が出演します.500席しかないので,早い者勝ちです.売り切れの場合はごめんなさい

 

        

 

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今日はチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」初演の日

2011年10月25日 06時37分40秒 | 日記

25日(火).昨日は夕方,10階ホールでウルフ・ドイツ大統領の記者会見があったので,正面玄関で大統領がお帰りになるのを見届けてから帰りました.都営三田線の春日駅で途中下車し,文京シビック・チケットセンターに寄って,東京フィル文京シビックシリーズの年会費を払い込んできました.全4回・S席22,000円.割安です

ところで,今日はチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が初演された日です.1875年10月25日のことです.彼がこの曲を書いたのは,その前年の1874年,34歳のときでした

チャイコフスキーは,この曲が完成すると,モスクワ音楽院の校長だった名ピアニストのニコライ・ルビンシテインと,同僚のフーベルトの前で試奏しました.先輩に敬意を表してそうしたにもかかわらず,ルビンシテインは「書き直すなら,自分が初演してもよい」と言ってこき下ろしました チャイコフスキーは訂正を拒否し,ドイツで自分の作品をよく演奏してくれたピアニストで指揮者のハンス・フォン・ビューローに献呈します.1875年のボストンでの初演は大成功で,翌月にはモスクワで初演されました

チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」といえば,忘れられないLPレコードがあります クラシック音楽を聴き始めた20代のはじめ,数少ないLPレコードの中の1枚がスヴャトスラフ・リヒテルのピアノ,カラヤン指揮ウィーン交響楽団による演奏(1963年録音)です.当時,黒地に黄色のタイトルが鮮やかなドイツ・ブラモフォンのLPレコード・ジャケットは憧れの的でした 

ただ,ここで言っておきますが,黄色と黒色の組み合わせに憧れたからといって,それが即,阪神タイガース・ファンに繋がったわけではありません.あしからず それにつけても今年後半のタイガースのテイタラクといったら・・・・・・・愚痴はやめましょうね.来年の監督は阪神生え抜きの和田コーチが昇格だとか.いいんじゃないですか,誰でもワダかまりはありません・・・・監督不行き届き・・・・・・座布団・・・・・・

リヒテルのこのレコードは,それこそ擦り切れるほど繰り返し聴きました.この時期はチャイコフスキーと言えばリヒテルでした.カップリングされている「スラブ舞曲」も良く聴いたものです

モスクワ音楽院教授ハインリッヒ・ネイガウスはこう言っています「正直言って,リヒテルに教えることができるものは何もなかった.私はいつも助言者,つまり,外部に立って親切な中立を保っていたに過ぎなかった.ピアニストとしてのリヒテルの力量を評価するのは,私には難しいことである.ある評論家は,リヒテルによりピアノ演奏の新時代が始まったと言った.私もそれは正しいと思う」.ネイガウスというのは,19歳でショパンコンクールで優勝し,一時,日本でブーニン・フィーバーを巻き起こしたスタニスラフ・ブーニンの祖父に当る人です

LPレコードは別として,CDでこの曲を持っているのはリヒテルの演奏(LPと同じ演奏),アルゲリッチの演奏(①アバド=ベルリンフィル,②コンドラシン=バイエルン放送交響楽団,③デュトワ=ロイヤル・フィル),クライヴァーンの演奏(コンドラシン=RCA交響楽団),ベレゾフスキーの演奏(キタエンコ=モスクワ・フィル),チェルカスキーの演奏(ルートヴィッヒ=ベルリン・フィル),アルチュール・ルビンシテインの演奏(バルビローリ=ロンドン交響楽団),ホロヴィッツの演奏(トスカニーニ=NBC交響楽団),ポゴレリッチの演奏(アバド=ロンドン交響楽団)の10枚・・・・もっとあるかも・・・・ですが,どれもが個性的な演奏です 一番最近買ったのはポゴレリッチのCDです.といっても1985年の録音ですが,スケールの大きな堂々たる演奏です.いまのところ,チャイコンではこのCDがお気に入りです

 

    〔写真左はリヒテル演奏によるLP,右はポゴレリッチ演奏によるCD〕

         

 

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映画「ツレがうつになりまして」を観て聴く~マーラー,ドビュッシー,リスト,シューマン

2011年10月24日 07時01分26秒 | 日記

24日(月).昨日午前,自分と息子の眼鏡を新調するため某眼鏡店に行きました.検眼をしてレンズを選んだのですが,現在,メーカーはタイの工場でレンズを生産しているとのことで,最近タイを襲った大洪水で工場が浸水している関係で,レンズがいつ入荷するかわからないとのことでした.タイの大洪水は日常生活には関係ないと思っていましたが,こんなところに影響があるのかと改めて認識させられました

 閑話休題 

シネマサンシャイン池袋で映画「ツレがうつになりまして」を観ました この映画を観ようと思ったきっかけは,偶然私の誕生日に元の職場のNさんから届いたメールでした.そこには「映画”ツレがうつになりまして”を観た.ほっこりするような作品だった.聞き覚えのあるクラシックがところどころで流れるのが印象的だった.映画とクラシックを愛するあなたなら,この作品をどう料理するかなと思った」とありました

この映画はいつか観ようと思っていたので,Nさんからの”課題”に挑戦することにしました.たまたま,昨日はコンサートの予定がありませんでしたので

この作品は細川てんてんさんのベストセラーコミック「ツレがうつになりまして」を佐々部清監督が映画化したものです.夫がうつ病になったのをきっかけに,これまでの自分たちの生き方を見つめ直し,共に成長していく夫婦の絆を描いた感動的な物語です

夫(堺雅人)は妻(宮崎あおい)から”ツレ”と呼ばれ,妻は夫から”ハルさん”と呼ばれます.仕事をまじめにこなすサラリーマンのツレが,ある日突然,うつ病になってしまいます.結婚5年目でありながら,そうした兆候に気付かなかったハルは,妻としての自分を反省する一方,うつ病の原因が会社にあったことから,ツレに退職するよう迫ります 会社を辞めたツレは徐々に回復していきますが,病気の特徴である躁状態と鬱状態が交互にやってきます.それでも,夫婦でそれを乗り越えていこうと前を向いて生きていきます

さて,この映画で使われている音楽です.冒頭,家の中をイグアナが這いずり回っているときに流れていたのはマーラーの交響曲第5番の第4楽章「アダージェット」です これは言うまでもなく,ヴィスコンティの「ベニスに死す」でテーマ音楽のように使われていたメロディーです.マーラー自身も躁鬱病的な症状をもっていたと言われていることから,冒頭の音楽として選ばれたのでしょう.かと言って,病的な音楽ではなく,ゆったりとしたロマンティックな音楽です

次にツレが会社への”退職願”を書いているときにピアノ・ソロで流れていたのはドビュッシーの「月の光」です夜のシーンだったので,静かな曲を選んだのでしょう.これがベートーヴェンの「月光」だったら,あまりに直接的でお笑いになってしまったことでしょう

ツレが庭で雪の中,くるくる回るシーンでピアノ・ソロで流れたのはリストの「愛の夢」です  なぜ,ここでこの曲を?と若干疑問に思ったものの,ここでチャイコフスキーの「花のワルツ」を流したら,回転が止まらなくなってしまいそうです

次にツレが携帯電話をかけているシーン(だったと思います)でピアノ・ソロで演奏されていたのがシューマンの「トロイメライ」です.やさしさに満ちた曲です

さて,こうしてこの映画で使われた音楽を並べてみると1つの共通点があることに気がつきます.それは「プレスト」でも「アレグロ」でもない,「アダージョ」的な音楽だということです.交響曲でいえば”緩徐楽章”に当たるゆったりした音楽です.かつて,ものの本で,精神的な病には,ゆったりした「アダージョ」的な音楽が良いと読んだ記憶があります ウツの人には”頑張って”と励ましてはいけない,と言われています.”そのままでいいんだよ”というメッセージを伝えることが大切だ,とも.この映画のために選ばれた音楽は,すべてが”頑張らない”ための”現状肯定型音楽”であるとも言えます.この映画を観ることは,当然これらの音楽を聴くということで,精神衛生上,非常に良いということにまります.監督はそこまで狙っているでしょうね

いずれにしても,ハルさんの献身的な支えがなかったら,ツレはツレない一生を過ごすことになったでしょうね・・・・・・山田くん,座布団1枚・・・・・・・・・・・取ってください・・・・・・

隣に座っていた夫婦連れらしき熟年カップルの夫の方が,ハルが「がんばらなくていいんだよ」という台詞を言うシーンで,何度も頷いていたのが印象的でした.この人も身に覚えがあるのかな,と思ったりしました.よかったですね.この映画を観て,いい音楽が聴けて

 

 

 

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メッツマッハー指揮新日本フィルでブラームス「交響曲第1番ハ短調」を聴く~第485回定期演奏会

2011年10月23日 07時30分13秒 | 日記

23日(日).昨日,すみだトリフォニーホールで新日本フィルの第485回トリフォニーシリーズ演奏会を聴いてきました プログラムは①バッハ作曲・シェーンベルク編曲「前奏曲とフーガ変ホ長調BWV.552」,②シェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」,③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」の3曲です.指揮は1957年ドイツ生まれのインゴ・メッツマッハー.1981年に現代音楽専門家集団アンサンブル・モデルンに加わり,指揮者として活躍,最近では2007年秋から10年夏までベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督を務めました

1曲目のバッハを演奏するために演奏者が次々と舞台に登場します.これぞ”フル・オーケストラ”と呼ぶに相応しい100人規模の編成.圧倒されます 弦楽器が対向配置をとり,舞台に向かって左に第1ヴァイオリン,その後ろにコントラバス,中央にチェロ,ヴィオラ,右に第2ヴァイオリンという並びです.メッツマッハーのこだわりなのでしょう.彼は指揮棒を使わず,両手で指揮をします.

原曲は「クラヴィーア練習曲集第3部」の冒頭と終曲をなす「前奏曲」と「フーガ」で,オルガン曲BWV552としても知られています.最初の出だしから,「これがバッハか?」と思うような分厚い音が押し寄せてきます シェーンベルクの編曲あってこその迫力でしょう.原曲の出版は1739年,編曲のウェーヴェルンによる初演は1929年,190年後に衣装換えして世に現れたわけです.この初演をバッハが生きて聴いたらきっと驚いたに違いありません

2曲目のシェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」は,メッツマッハーが得意とする分野の曲です.解説によると,オーケストラで12音技法を初めて展開したのが4管編成に各種打楽器を擁するこの「変奏曲」とのこと.どうもシェーンベルクは苦手なのですが,この曲は,今まで聴いたシェーンベルクの曲の中では比較的聴きやすい曲でした.指揮と演奏が良かったからということもあると思います

休憩後は,いよいよ待望のブラームス「交響曲第1番ハ短調」です.メッツマッハーが舞台に登場,指揮台に上がります.静寂の中,彼の右手が降ろされる瞬間,すぐ前の席の年配の女性がイキナリ隣の男性に話しかけたのです 見た感じ60歳代の息子と80歳代の母親といった組み合わせで,男性は「シーッ」と止めましたが,その前の席の人は後ろを振り返って女性を睨み付けていました.こうなるともう台無しです.せっかく最初から集中して聴こうとしていたのが,しょっぱなから出鼻をくじかれて注意力が散漫になり,演奏に集中することができません.なんとか第1楽章の途中で心の”軌道修正”を図りましたが,失った瞬間は戻ってきません

定期演奏会ですから,年齢に関係なく,最低限のマナーは心得ている人たちが集まっているはずです.ちなみに前回の定期のときも前の席の2人は同じ席に居ましたから,定期会員なのでしょう.それにもかかわらず,こうしたことが起こるのです.どんなに考えたって,会場が静かな中,指揮者がオーケストラの方を向いているときに,声を出す人がいるでしょうか とても考えられないことです.KY(空気読めない)とはこのことです.女性は演奏中も頻繁に頭,身体を左右に傾けて落ち着きがありませんでした.”泣く子と地頭には勝てない”という慣用句がありますが,”泣く子とKYには勝てない”と言うことでしょうか 次回の定期公演で同じような”事件”が起こったら,席替えをしてもらおうかと思います

さて,メッツマッハーの指揮はエネルギッシュです 身体を右に左に,そして上に下に,精力的に動かして,身体全体で指揮をします.これほど忙しい指揮者も珍しいでしょう.このタイプの指揮者は,下手をすると指揮者だけが盛り上がっていて,オーケストラが冷めている場合があるのですが,メッツマッハーの場合は,その指揮振りによるメッセージがオーケストラのメンバーにストレートに伝わっているようで,みな必死についていっている,という印象を受けました

オーボエの古部賢一,クラリネットの重松希巳江,フルートの白尾彰,ホルンの井出詩朗,ティンパニの近藤高顕あたりは安定した見事な演奏を展開していました.ところで,最後のフィナーレで金管楽器のだれかが,フライングしたような気がしますが,気のせいだったでしょうか?まあ,圧倒的な迫力ですっ飛ばしたフィナーレだったので,全体状況を見ればささいなことに過ぎません.オーケストラは見事にブラームスの世界を描いていました

 

              

 

 

 

 

 

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萩原麻未のモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調」演奏会チケットをゲット!

2011年10月22日 07時50分15秒 | 日記

22日(土).昨日午後,東京ビックサイトに「危機管理展」を見に行きました.防火・防災用品の業者をはじめ消防庁などからも出展しており,広い会場いっぱい見学者でごった返していました.関係者によると昨年秋に比べ,今回の展覧会は3.11大震災があったせいか,大幅に入場者数が増えたとのことでした.2時間近く歩き回って疲れました

夕方は,今月末にある防災訓練の打ち合わせで,E部長と地下の焼き鳥Rで飲みました.1時間だけの予定が,ブレーキ役不在のため,結局2時間半飲み続けました.2度目に疲れました.今朝は”頭痛が痛い”です.いつものことですが,私の辞書に”反省”という言葉はありませんでした.捜したんですけど

 閑話休題 

12月23日(金・祝)に横浜みなとみらいホールで開かれる「生きる クラシック・ヨコハマ 2011Xmas若い命を支えるコンサート」のチケットを買いました 目的は萩原麻未のピアノでモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」を聴くためです

出演者はほかに,N響の元コンマス徳永ニ男(ラヴェルの「ツィガーヌ」,サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」,サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」ほかを演奏),そして第65回全日本学生音楽コンクール第1位入賞者(曲目未定)です.指揮は2009年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝の山田和樹,オーケストラはアンサンブル of トウキョウです

萩原麻未はモーツアルトの「ピアノ協奏曲第20番」の第2楽章だけを7月30日の「新日本フィル・サマーコンサート」で弾きましたが,全曲を弾くのは初めてです 11月17日には紀尾井ホールでハイドンからべリオに至るまでのリサイタルを,同月29日には川口のリリア・ホールで三ツ橋敬子指揮東京交響楽団とシューマンの「ピアノ協奏曲」を,そしてこの12月23日にロマン派を離れて,モーツアルトの協奏曲を弾くことになります.そして,年が明けて2月17日にはサントリーホールで南西ドイツ放送交響楽団バーデン=バーデン&フライブルクとラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」を弾きます.彼女のコンサートにはすべて行きます

 

 

         

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