人生の目的は音楽だ!toraのブログへようこそ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

無茶苦茶おもしろい本~新保裕一著「デパートへ行こう!」を読む

2012年08月31日 06時55分42秒 | 日記

31日(金)。月日の経つのは速いもので、連日猛暑の8月も今日で終わり。とはいうものの、この暑さはいつまで続くのでしょうか

昨夕は、元の職場のOB会の作業の後、幹事役3人(M氏,S氏と私)で地下のRで飲みました  M氏はカメラ好きで,何台も一眼レフカメラを持っています.こっちも負けていないカメラ小僧だった代表幹事S氏が「先日M氏からデジタルカメラの一つをもらった」と言うと,M氏は「俺はあげた覚えがない.フィルムカメラの勘違いじゃないの?」と言います 何十分か水掛け論を展開したうえ,お互いに家に帰って自分の所有カメラを確かめることになったようです 私はフィルムカメラを持っていますが,もう使っていません.デジタルコンパクトカメラはいつの間にか娘の所有物になっています.まあ,問題は何を撮るかですね

 

  閑話休題  

 

新保裕一著「デパートへ行こう!」(講談社文庫)を読み終わりました 著者の新保裕一は1961年東京都生まれ.アニメーションディレクターを経て,1991年「連鎖」で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビューしました

この小説は講談社創業100周年記念書き下ろし作品として,2009年8月に単行本として同社より刊行されたものです

老舗デパート鈴善百貨店が,翌日百年祭の最終日を迎えようとしているその夜,このデパートに浅からぬ縁のある人々が,それぞれの思惑を胸に日本橋本店の店内に忍び込んできます 失業中の自殺願望の男,宝飾品の強奪をもくろむ女性社員,訳あって家出中の若者カップル,銃を隠し持っているワケアリの逃亡者など・・・・.さらに,なぜか残業中の創業家4代目社長と,愛社精神溢れる警備員たちが加わり,深夜のデパートはなぜか賑やかになります 暗闇の中でお互いが急接近し,それぞれの関係が明らかになっていきます

この本は,数年前(2009年か)NHK-BSで放送していた「週刊ブックレビュー」で取り上げられて,”滅茶苦茶おもしろい本”として紹介されていたので,覚えていました このたび文庫本化したので迷うことなく購入しました

何人もの”主人公”が入れ替わり立ち代わり登場しては消え,また登場するので,複雑なように思えるのですが,そこは著者の語りのうまさでどんどん引き込まれていきます とにかく面白いの一言です.お薦めします

 

          

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感動的なフィナーレ~アジア・ユース・オーケストラでベルリオーズ「幻想交響曲」を聴く

2012年08月30日 06時59分15秒 | 日記

30日(木)。昨日の日経朝刊に「東京芸術劇場 改装オープン 来月1日」という記事が載りました 記事を要約すると、

「1990年の開業以来初めて、1年半にわたり大規模な改修工事を行ってきた池袋の東京芸術劇場が9月1日に改装オープンする 5階までの直通エスカレーターは撤去され、内部のデザインは様変わりする。コンサートホール(約2000席)は、これまで3階の客席には階段でしか上がれなかったが、エレベーターを新設した パイプオルガンは分解・清掃するオーバーホールを実施、2013年3月にはお披露目となる 東京都は今回の工事に84億円を投じた

私は改装オープン当日、読響による「リニューアルオープン記念演奏会」でマーラーの交響曲第2番”復活”」を聴くので、その時、劇場がどう変わったのか確かめてきたいと思います

 

  閑話休題  

 

昨夕は,仕事がらみでテナントTの皆さんと当管理事務所と3対3で会食することになっていたのですが,私は予めコンサートの予定が入っていたのでそちらを優先させていただきました 日程さえ合えばT社のSさんと会食しながら楽しい会話ができたのに,本当に残念です 次の機会があれば是非ご一緒したいと思います

 

  も一度,閑話休題   

 

昨夕、一昨日に続き東京オペラシティコンサートホールでアジア・ユース・オーケストラ(AYO)東京公演(第2日)を聴きました プログラムは①ベルリオーズ「序曲:海賊」、②ドビュッシー「交響詩:海」、③ベルリオーズ「幻想交響曲」の3曲で、指揮はAYO芸術監督・指揮者のリチャード・パンチャスです

AYOは中国、台湾、香港、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムから選出された104名の音楽家から構成されおり、1987年にユーディ・メニューインとリチャード・パンチャスによって設立されました

       

           

 

自席は前日と同じ1階22列11番です.聴衆は昨日と同じくらいの入りでしょうか.ただ,平均年齢が若干高くなったような気がします.1日で

コンマスは前日と違い男性です.白いブレザーのパンチェスが指揮棒を持って登場,タクトを振りおろして1曲目のベルリオーズ「序曲:海賊」が威勢よく始まります 初めて聞く曲ですが,曲想としては全体的にグリンカの「ルスランとルドミューラ序曲」のような高速テンポの曲です.オケは総動員でベルリオーズの序曲に対峙します 指揮者パンチェスは,一見物静かな紳士のように見えますが,一旦”乗る”とエネルギッシュに身体を動かして指揮をします

          

2曲目のドビュッシー「海」の演奏に入ろうとするとき,2階席で幼児の話し声が聞こえました.親の見栄で就学前の幼児を連れてこないでほしいと切に思います 一方,私のすぐ後ろの席では高齢女性2人組が何やらぼそぼそ話をしています よく居ますよね.真珠(まがい)のネックレスをしてナフタリンのような香水をつけて,いかにも”私は音楽のことは何でも知っているのよ”とばかりに隣の人にウンチクを傾けている高齢の女性が そういうタイプでした

何とか静まったのを見計らって,パンチェスは演奏を始めました.この曲ではタクトを持ちません.ドビュッシーは手で指揮をする何らかのこだわりがあるのでしょう.弦も管もよく響き,葛飾北斎の有名な”海”の絵を想い起しました

休憩後は最後の曲,ベルリオーズ「幻想交響曲」です.パンチェスは再びタクトを持って登場します.ティンパ二は女性に代わっています.私はこの曲が大好きです.特に「舞踏会」の音楽は最高です パンチェスはオケにたっぷりと優雅なワルツを歌わせていました.そして,オーボエの音色の美しい「野の風景」を経て,「断頭台への行進」に入ります.ブラスの厚い響きが何とも言えません ここで鐘が登場するのですが,通常はNHKのど自慢大会の時の鐘のような縦に細長いパイプが使われるのですが,このオケでは教会にある本物の鐘と同じ形のものが2つ(大きい)使われています.視覚的にも新鮮です

そして最後の「魔女の夜宴の夢」が気味悪く,そして最後は華々しく演奏され,オケの爆発で音楽が終わります.会場一杯の拍手とブラボーが寄せられます.パンチェスはパートごとに立たせて賞賛を求めます

 

          

 

会場の拍手と舞台上のオケの足踏みの音で何度も舞台に呼び戻されたパンチェスが,マイクを持って再度登場しスピーチを始めます

「日本は地震が多いので(舞台での足踏みは)気を付けるように」(笑),「AYOは今年22年目を迎えました.アジア諸国から104名の演奏家が選ばれて結成されました それでは国ごとにメンバーを紹介します.国名を言われたら立ってください」と言って,国名を言ってその都度メンバーを立たせました

シンガポール1人,韓国1人,ベトナム2人,タイ4人,マレーシア6人,香港14人,台湾29人,中国30人,日本13人,フィリピン4人・・・

国別に紹介するごとに拍手喝さいが起こり,足踏みが鳴らされました 音楽に尖閣列島も,竹島も,江の島も無いのです パンチェスはスピーチを英語に切り替えて続けます.

「AYOは各国で厳しいオーディションを通ったメンバーが6週間前,香港で初めて顔を合わせ,厳しい練習重ねてから,3週間のコンサートツアーに出ました 8月10日の香港でのコンサートを皮切りに,天津,北京,上海,西安,台北,群馬,仙台と回り,東京での本日の公演が最後になりました.メンバーが最初に合った時は『ニュー・フレンド』でしたが,最終日の本日は『グッド・フレンド』として別れていきます ファイナル・コンサートのアンコールとしてエルガーの『エニグマ変奏曲』から”ニムロッド”を演奏します

オケはエルガーの美しい曲を穏やかに心を込めて演奏しました 演奏後,会場一杯の拍手を受けた若きメンバーたちの多くは,目に涙を浮かべていました 指揮者が解散を告げると,彼らは近くのメンバーと肩を抱き合ってこれまでの健闘を称え,別れを惜しんでいました.ともに共通の目標に向けて努力し,達成した若者たちの別れのシーンを見てジーンときました とても良いコンサートでした.彼らの中から,そう遠くない将来プロとして活躍するアーティストが出てきてほしいと期待します とくに1日目にコンサートマスターを務めた中国の女性は,期待が持てるのではないかと直感しました.来年も是非聴きに来たいと思います

 

          

 

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アジア・ユース・オーケストラでマーラー「第9交響曲」を聴く

2012年08月29日 06時58分26秒 | 日記

29日(水)。昨夕、東京オペラシティコンサートホールで、アジア・ユース・オーケストラ(AYO)の東京公演第1日を聴きました 演奏曲目はマーラー「交響曲第9番」1曲で、指揮はAYO首席指揮者ジェームズ・ジャッドです

アジア・ユース・オーケストラは1987年に、ヴァイオリニスト・指揮者のユーディ・メニューインと現芸術監督のリチャード・バンチャスが設立したオーケストラです メンバーは中国、台湾、香港、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムから選出された104名の若き音楽家たちです

指揮のジェームス・ジャッドは英国生まれ、ロンドンのトリニティ音楽院を卒業後、ロリン・マゼ―ルの招待によりクリ―ヴランド管弦楽団のアシスタントコンダクターを務めました ニュージーランド交響楽団の音楽監督を8年間務めました

会場に入って驚いたのは,手渡されたプログラムが立派だったことです 高級紙を使った80ページはある分厚い冊子で無料です 海外の名の知れたオケのプログラムだったら1000円は取られるのではないかと思われるほどの代物です 中身を見ると,野田総理のメッセージのほか,キャセイパシフィック航空,SMFG証券,フィナンシャルタイムスなどのスポンサーが名を連ねています こうしたスポンサーの力がなければ100名を超えるオーケストラの中国,台湾,香港,日本へのコンサートツアーは実現しません

 

          

 

自席は1階22列11番,センターブロックの通路側です.会場は7割ぐらいの入りでしょうか.いつものコンサートに比較して若い人が多いようです 最初にAYO芸術監督のリチャード・バンチャスがマイクを持って舞台に登場,このコンサートツアーが22年目を迎えたことを日本語で紹介しました

          

          

 

そして,100人を超えるオーケストラのメンバーが登場します.男女とも上がダーク・グレイ,下がブラックのユニフォームで統一しています 男女の比率は男6対女4といったところでしょうか.コンサートマスターは女性です.楽器の配置は第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスというオーソドックスなスタイルです

指揮者ジェームス・ジャッドが登場します.彼の顔を見てロンドン・オリンピックを思い出しました.ポール・マッカートニーに良く似ているのです.ジャッドのタクトで第1楽章が静かに始まります.オケは慎重に演奏しています

                     

第1楽章が終わって第2楽章が始まろうとしているとき,会場の前方からトゥルルル・・・・という音が.ケータイの着信音です ジャッドはタクトを一旦下ろして客席の方に振り返ります.そうかと思うと,遅刻してきた女性が席を探してうろうろしています 演奏者に大変失礼であることは言うまでもありません

ジャッドは間を取ってから,気を取り直して第2楽章の演奏に入ります.オケは段々調子に乗ってきました.ただし,ヴァイオリンとヴィオラの独奏部分は残念ながら管楽器の音に消されて会場の後方には届きません

第2楽章が終わって,再びチューニングをして第3楽章に移ります.管楽器も好調で躍動感溢れる演奏を展開します.嵐のような怒涛のこの楽章があって初めて次の第4楽章「アダージョ」が活きます

第3楽章が終わったところで,私の2列前に座っていたカップルが席を立って帰るようです 静かな会場にコッコッという靴音が響き渡ります.これにもジャッドが反応して,後ろを振り向いてバカップルを睨みつけます どういう教育を受ければこういう非常識な行為が出来るのでしょうか 彼らの行為は日本古来の言い方で言えば「下品」,一時代前の言い方で「ジコチュウ」,今で言えば「空気が読めない」という状態です こういう場面で音を立てずに歩く方法があるのです.これはコンサートを聴く者にとっては常識です もっとも,演奏の途中で席を立つようなことは常識としてしませんが

バカップルが帰ったところで,ジャッドは再び気を取り直して最後の第4楽章に入ります.弦楽器を中心とする大きな音のうねりが会場を満たします 数あるアダージョの中で”究極のアダージョ”と言っても良いでしょう このアダージョを聴きたいためにチケットを買ったと言っても過言ではありません.マーラーの惜別の歌が聴こえるようです

この楽章の後半に移ると,舞台の照明がだんだん暗くなっていきます これはこの曲に合わせた演出だと思いますが,初めての経験です なかなか心憎い演出をやってくれます

最後の音がピアニッシモで消えていっても,ジャッドのタクトは下りません.弦楽器のメンバーも弓を上げたまま静止しています 何十秒,あるいは1分も経ったでしょうか.しずかにジャッドのタクトが下ろされ,やっと会場から拍手が起こりました.これほど長い沈黙は初めてかもしれません

若い熱気あふれる真摯な演奏で,印象に残る良いコンサートでした

 

          

 

          

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われわれは誰に政治を委ねるべきか~渡邊恒雄著「反ポピュリズム論」を読む

2012年08月28日 06時59分08秒 | 日記

28日(火).昨夕,子供たちと10階のレストラン・アラスカで会食しました 毎年夏休みの恒例行事になっています.夕方5時半に10階で待ち合わせてレストランに入りました.S店長が日比谷公園が見える窓際の席を用意してくれていました 

私は最初生ビールを,次いで赤ワインを,娘はグレープフルーツジュースを,息子はオレンジジュースを飲みました.2人とも未成年は卒業しているのに,スポンサーへの遠慮でしょうか?料理は「シェフのお薦めディナーコース」です 

実は,先週月曜日に飯野ビル地下のベトナム料理”イエローバンブー”で会食したとき,店長の南さんに「娘は今失業中なんです」と言うと,「明日から来てください」と言われ,即アルバイトが決まったのです.当初は昼間だけと思っていた勤務が,昼も夜も働くことなり,午前11時から午後11時まで12時間拘束されることになったのです 午後3時から5時までが休憩時間ですが,この時間が無駄になる,と娘はこぼしていました.”24時間が自分の時間”の身から,いきなり拘束12時間の身になったので,あまりの環境の急激な変化に体力的な面を含めて戸惑いがあるようです まだ1週間も経っていないので,当面様子見といったところでしょうか.私からは,せっかく大学でデザインを勉強したのだから,ダメ元で,お店の簡単なカードやチラシ類をデザインして店長に提案してみたらどうか,とアドヴァイスをしたりしました.普段は面と向かって話をする機会があまりないのですが,こういう会食は良い機会になります さて,「シェフのお薦めディナーコース」の料理は・・・・

 

          〔前菜〕 トマトとアボガドのコラボレーション

          

 

          〔冷たいフープ〕 夏はこれ! アラスカ名物”ヴィシソワーズ”

          

 

          〔メイン・ディッシュ①魚料理〕 絶妙な味付け!

          

 

          〔メインディッシュ②肉料理〕 柔らかい牛肉が最高!

          

 

          〔デザート〕 巨峰,マンゴー,クレープ・・・

          

 

          〔コーヒー〕

          

 

このレストランはパンもすごく美味しいので,おかわりをお願いしました.子供たちに「毎年おかわりしているよね」と言われてしまいました.どれもアラスカらしく美味しい料理でした.ごちそうさまでした

 

  閑話休題  

 

読売新聞グループ本社会長・主筆の渡邊恒雄氏の「反ポピュリズム論」(新潮新書)を読み終わりました.この本は、渡邊氏がポピュリズム(大衆迎合)による政治の堕落に警鐘を鳴らしたいとの思いで書きおろしたものです 発売から10日間で3刷計4万部を発行、売れ行きも好調とのことです

同書は、第1章「政治家の衰弱は誰のせいか」から始まる6章から構成されています。ローマ帝国が末期の大衆迎合政策で崩壊したことや、小泉純一郎元首相の劇場型政治、橋下徹大阪市長をめぐる「橋下現象」などを独自の視点から分析しています 60年に及ぶ政治記者生活で取材してきたエピソードを随所に散りばめながら、現在の政治を分かりやすく解説しています

渡邊恒雄氏の主張を要約すれば,ギリシャのような経済破綻を回避するために必要なことは①消費税率の引き上げ,②無税国債の導入,③社会保障への投資拡大,④原発の再稼働の4点です.③を除けば人それぞれ意見があるでしょう

この本を読んで一番感じたことは,彼が何度か政治家に仕掛けた”大連立構想”の危うさです まず,1983年の時,彼は民社党の佐々木委員長を訪ね「中曽根自民党と連立政権を作らないか」と持ちかけています.この時は一歩違いで,自民党が新自由クラブと連立することになり失敗に終わります

2度目の連立構想の仕掛けは1998年,小渕恵三内閣(野中広務官房長官)に対し小沢一郎党首率いる自由党との連立の橋渡しです これは成功したとのことです.

3度目の仕掛けは2007年,福田康夫自民党首相と小沢一郎民主党代表との連立の橋渡しです これは渡邊氏の説明に寄れば,福田氏の「慎重さ」と小沢氏の「過信」が原因で失敗に終わったとのことです

与党が頼りにならない時に,野党第1党を巻き込んで大連立を組み,数々の難局に対処していくという考え方は大いに理解できます より優秀な人材を活用できる可能性があるからです

しかし,私がここで言いたいのは,そのような政党間の橋渡しのような重要かつ微妙な役割を,一新聞社の政治部記者がやってもいいのかということです.新聞はあらゆる権力から独立していなければならない,というのが新聞業界,ひいては広くマスコミ業界に身を置く人間の常識です.そうでなければ対象を批判できないからです

さらに言えば,彼のような”大御所”に頼らなければ他の政党と膝を突き合わせた話が出来ない,という現在の政治の危うさです 民主党も,自民党も頼りにならない現在,大阪市長で「大阪維新の会」代表の橋下徹氏の動向が注目されています 新聞社の世論調査でも,かなり高い割合で「維新の会」の活躍が期待されています.しかし,私は彼らの動向に,かつての「小泉劇場」のような危うさを感じています.この動きに便乗して政界に進出しようとする実力も何もない輩が何人も出てくるのではないかと懸念します 自民党でもなく,民主党でもなく,「維新の会」でもなく,それでは,ほかにどんな選択肢があるのか,と問われても,今ここに答えを持っているわけではありません.じっくり考える時間が必要です.その意味で,彼の書は非常に参考になることは確かです

 

          

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現在最高の舞台~METライブビューイング、プッチーニ「トゥーランドット」を観る

2012年08月27日 06時56分33秒 | 日記

27日(月)。昨日の朝日朝刊が「踊る大捜査線」に紙面ジャックされました これは映画「踊る大捜査線 THE FINAL新たなる希望」が9月7日から全国ロードショーを迎えることから,1紙で8面の全面広告をマルチ展開したものです

最初は第5面.青島俊作の登場です.紙面の写真が汚くて5面(ごめん)

 

          

 

その裏の第6面は8月23日に開かれた試写会の報告と,「踊る~」全軌跡の紹介です.15年も続くなんて奇跡です

 

          

 

次は第9面,恩田すみれの登場です.深津絵里さんだったら逮捕されてもいいで~す

          

          

 

そして第20面と21面がNTTドコモのNOTtvの全面見開き広告です.この面に限らずどこも「踊る大捜査線」ですね 下が右面,その下が左面です.

 

          

           

 

第32面に飛ぶと,真下正義の登場です.ユースケ・サンタマリアって,どーしてそういう名前つけたの

 

          

 

第35面はスリーアミーゴスの登場で,電気自動車・日産リーフとのタイアップ広告になっています.昔だったら”テンプク・トリオ”か

 

          

 

そのすぐ裏の第36面は室井慎次の登場で,伊藤園とのタイアップ広告になっています 口癖「事件は現場で起きているんだ」 新しい口癖「いつまで事件の現場で寝ているんだ

 

          

 

以上合計8面からなる広告企画です.朝日は全国展開ですから,広告掲載料は数千万円,あるいは億単位に達しているかもしれません それだけに,これを見て映画を観に行く人が増えるといいですね.「踊らされる大衆・捜査せん」なんて言いませんから

 

  閑話休題  

 

一昨日に続いて昨日,東銀座の東劇でMETライブビューイング、プッチーニ「トゥーランドット」を観ました この映画を観るのは4回目です 上映時間は,歌手へのインタビュー,2回の休憩時間を含めて3時間4分です

キャストはトゥーランドットにマリア・グレギーナ,カラフにマルチェッロ・ジョルダー二,リューにマリーナ・ポプラフスカヤ,ティムールにサミュエル・レイミーほか,アンドリス・ネルソンス指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団,演出はフランコ・ゼフィレッリです

このオペラは何度観ても感動します 前日観た「イル・トロヴァトーレ」と同様に,4人の最高の歌手が揃っています

リュー役のポプラフスカヤは,第1幕のアリア「王子,お聞き下さい」,第3幕のアリア「氷のような姫君の心も」をピアノで美しく歌い上げ,聴衆の涙を誘います リューのアリアはプッチーニ・オペラの神髄ですね ポプラフスカヤはこれを機会にMETで大活躍します

カラフ役のジョルダー二はMETの常連ですが,安定した歌声で第3幕のアリア「誰も寝てはならぬ」で,トゥーランドット姫に寄せる愛を熱烈に歌い上げます

第1幕で登場するものの歌の出番がないトゥーランドット役のグレギーナは,姿を見せるだけで聴衆を圧倒する存在感があります 第2幕で歌うカラフへの3つの謎では,気が強く冷たい性格のトゥーランドット姫を完ぺきに演じ,歌い上げます 幕間のインタビューで「リューは皆から同情されるけれど,トゥーランドットは嫌われ役でつらいわ」と答えていました.気持ちはよく分かります

カラフの父親ティムール役のレイミーは,カラヤンの指揮でドン・ジョバンニを演じたこともある実力者ですが,しぶい役割を十分果たしていました

この公演で特筆すべきはゼフィレッリの演出です.絢爛豪華,細部へのこだわり・・という言葉がふさわしい見事な演出・舞台創りです彼の演出がなければこの公演の大成功はなかったかもしれません

東劇での「トゥーランドット」の上映は本日(27日)15時30分からと,9月27日(木)午前11時からの2回です.現在望みうる最高のキャストと演出・舞台による「トゥーランドット」をいかがですか.入場料は3,000円です

 

          

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オペラの中のオペラ、ヴェルディ「イル・トロヴァト―レ」を観る~METライブビューイング

2012年08月26日 07時03分13秒 | 日記

26日(日)。昨日の朝日夕刊に「超暑いけど,ニット帽」という記事が載っていました 「炎天下に厚手のニット帽をかぶるファッションが若者の間で流行している」という内容です.若者はインタビューに「めちゃくちゃ暑いけど,おしゃれの方が大事」と答えているとか

この話を20代半ばの娘に訊いてみたら「そういえば,そういう人いるねえ」という冷ややかな反応でした.私などは,この猛暑の中,ニット帽なんて無帽(無謀)だと思いますが,猛暑にめげずファッション優先の若者には脱帽です

 

  閑話休題  

 

昨日、東銀座の東劇でMETライブビューイング、ヴェルディ「イル・トロヴァト―レ」を観ました.今、東劇ではMETライブビューイング2006~2012年のアンコール上映中です この映画は2011年4月30日に米メトロポリタン歌劇場(MET)で上演した公演をライブ録画したものです。この映画を観るのは昨年に次いで2回目です 上映時間は休憩1回を含めて2時間59分。この作品はヴェルディが1852年に完成,翌53年1月19日にローマのアポロ劇場で初演されました

吟遊詩人(トロヴァト―レ)の騎士マンリーコは、敵方のル―ナ伯爵の女官レオノ―ラを愛し、幾度かの戦いを経てル―ナからレオノ―ラを勝ち取ります ル―ナ伯爵は復讐を誓い、マンリーコの母でジプシーのアズチェーナを処刑すると脅してマンリーコをおびき出します。実はマンリーコはアズチェーナの実子ではありません.彼女がなぜマンリーコを育ててきたのか,その理由は最後のどんでん返しで判ります

マンリーコにマルセロ・アルヴァレス(テノール)、ル―ナ伯爵にディミトリ・ホヴォロストフスキー(バリトン)、レオノ―ラにソンドラ・ラドヴァノフスキー(ソプラノ)、アズチェーナにドローラ・ザジック(メゾ・ソプラノ)といった現代オペラ界で望みうる最高峰の面々と言っても過言ではないでしょう。バックを務めるのはマルコ・アルミリアート指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団、演出はディヴッド・マクヴィカ―です

開幕にあたってMETの看板ソプラノ歌手ルネ・フレミングが登場し,「かの有名なテノール歌手エンリコ・カルーソーは『イル・トロヴァトーレを上演するのは簡単だ.4人の歌手を揃えるだけでいい』と言ったということです もちろんそのうちの一人はカルーソー自身です.4人の歌手を揃える”だけでいい”と言いますが,それがいかに大変なことか」と解説していました.その意味ではこの日のMET公演は4人のヴェルディ歌手が揃ったといえます

ひとことで言えば「美しい,時に勇壮な,アリアに次ぐアリアによって,聴衆を引き付けて離さない”オペラの中のオペラ”」と言っても過言ではないでしょう ベルカント・オペラの極致です

私の好きなのは第1幕第2場の,ルーナ伯爵,マンリーコ,レオノーラの3重唱による「わしの心は嫉妬のために」,第2幕第1場の「アンヴィル・コーラス」,それに続くアズチェーナ,合唱による「炎はすさまじく燃えさかり」,第3幕第2場のマンリーコのアリア「ああ,いとしいわが恋人よ」,第4幕第1場のレオノーラのアリア「恋はバラ色の翼に乗って」などですが,他にも情熱的なアリアがソロで,あるいは2人ないし3人の重唱で歌われます 

私は個人的にはバリトンのホヴォロストフスキーが大好きです 歌のうまさと演技力は言う間でもなく,銀髪でイケメンで立ち姿も映えるのです それと,前回観た時は気が付かなかったのですが,ソプラノのラドヴァノフスキーは声がマリア・カラスに似ています 演技力も優れています.それと特筆すべきはアズチェーナ役のザジックの存在感です

この「イル・トロヴァトーレ」はもう一度観たいと思うほど,滅多にない優れた公演のライブ録画です.東劇での上映は本日(26日)14時30分から,27日19時から,9月26日14時30分からの3回あります.入場券は全席指定で@3,000円です.蛇足ですが東劇にはロビーの端に無料のマッサージ機があり,私は行くたびに休憩時間に利用しています

 

          

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「夏」という文字に引かれて~ロバート・A・ハインライン著「夏への扉」を読む

2012年08月25日 07時00分01秒 | 日記

25日(土)。昨夕は地下の2つのテナントの10周年記念パーティーが10階レストランAで開かれ、120名を超える参加がありました 午後7時開場、7時半開宴だったので、地下のRでビールと蕎麦で腹ごしらえをしてから10階に上がりました 私はBGMを担当しました.開場のウエルカム・ミュージックにJ.シュトラウスⅡの「朝の新聞」ほかワルツ・ポルカを収録したCDを流しました 当ビルが「報道」を意味する「プレス」を標榜していることもあり,新聞にかかわる曲を選んだわけです.これはパーティーの開幕音楽としては好評だったようです

 

          

 

あいさつ,乾杯の音頭の後のBGMには2枚目の「オペラ・アリア管弦楽曲集」をかけました.最初にマスカー二のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」前奏曲が入っています.この曲は何度聴いてもいいですね

 

          

 

”ゆず”の歌をバックに流した0歯科のスライド上映,0医師の熱唱の後の歓談中には3枚目のモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番,21番」(ピアノ:内田光子)を流しました われわれ管理事務所のスタッフは,いわば”主催者側の事務方”のため,自由に飲食できない立場だったので,いろいろな人とお話しをすることが出来なかったのですが,幸いW薬局の魅力的なHさん,Kさんとお話しし”両手に花”で写真も撮ったので満足です さらに,当ビルの警備・清掃を委託しているT社の幹部社員の方々とお話しできたのも大きな収穫でした.特に同社東京支社の上級幹部Iさんは,目の前に1ダースほどの空のワイングラスを並べ(軽く1本空けましたね?!),ダジャレを連発して,私などとてもついていくことができませんでした そうかと言って,タイセイに影響はないのですが・・・・・・

 

          

 

10時近くに解散して2か所に分かれて2次会に流れたのですが,われわれはX部長が「花見の席取り」をしたRに移動して男ばかり5人で飲みました 11時ごろ,帰りがけにもう1件のOを覗くとS建設のSFコンビのほかW薬局の美人薬剤師さんがいるではありませんか この時点で”失敗した”と思いましたが,アフター・フェスティバル=後の祭りです.スゴスゴとまっすぐ家に帰りました 

 

  閑話休題  

 

ロバート・A・ハインライン著「夏への扉」(ハヤカワ文庫)を読み終わりました 「夏」という文字に引きつけられて思わず手に取っていました

主人公はダニエル・ブーン・デイヴィス(通称ダニイ,ダン),家庭電気製品の発明家です 彼は飼い猫ペテロ二ウス(牡猫.通称ピート)と一緒にコネチカット州の農家に住んでいます

ピートは,冬になるときまって夏への扉を探し始めます.家にある11もあるドアのどれか一つが,夏に通じていると固く信じてます 1970年12月3日,ダンも,最愛の恋人に裏切られ,大切にしていた発明までだまし取られて,夏への扉を探していたのです そんな時「冷凍睡眠保険」のネオンサインが目に入ります.ダンは恋人を忘れるため30年間眠りにつくことを決心します.2000年に目が覚めたダンを待っていたのは・・・・・そして,再び30年前に戻って得たものとは・・・・・・・

この本は,核兵器の使用された6週間戦争を経た1970年の主人公が,冷凍睡眠で2000年に目覚めるという設定の1957年作品です.冷凍睡眠とタイムマシンを組み合わせたSFストーリーと言えます

ダンが発明した「文化女中機(ハイヤード・ガール)」は,どんな床でも24時間,人の手をわずらわせずに掃除する能力を持っている,と書かれていますが,これは今話題の「お掃除ロボット」のことです

「夏」という文字に引きつけられて購入した本ですが,よく考えてみれば「夏”への”扉」なのですから,今は夏ではないわけですね この小説は特に大きな事件が起きるわけではなし,淡々と物語が進んでいくのですが,語り口が巧妙なせいか,あっという間に読み終わってしまいました

 

          

 

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江副財団40周年記念コンサート招待券をいただきました!

2012年08月24日 06時59分37秒 | 日記

24日(金)。昨夕、どういう訳か、前日に引き続きX部長他2名と仕事の打ち合わせで地下0で飲みました 前日は2店で飲んで8時頃に終了したのに,昨日は途中からN先生,Wご夫妻が加わり,さらにO店長までが参入してきたこともあり10時を過ぎました 実は今夜も地下の2つのテナントの10周年を祝う会で飲むことになっています。このパーティーの音楽を担当することになっていますが、BGMの音楽が今朝決まりました。CDを4枚用意しますが、このうち実際に流すのは2枚です。用意したのは①J.シュトラウスⅡ「ワルツ:朝の新聞」ほか、②オペラ・アリア管弦楽曲集、③モーツアルト「ポストホルン・セレナーデ」、④モーツアルト「ピアノ協奏曲第21番K.467」の4枚です このうち①の「朝の新聞」ほかのCDは,当ビルが報道という意味の「プレス」を標榜していることから,こだわって選曲したのものです.今夕はその場の雰囲気を見ながらCDを選んで流そうと思っています

 

  閑話休題  

 

昨日、テナントSのF氏が来社、同社のE社長が主催する江副財団40周年記念コンサート(9月5日・サントリーホール)の招待券を持参してれました 同社は今月いっぱいで当ビルを退去することになっているのですが、以前から、同コンサートの招待券を手配するので待っていてほしいと言われていたのですもうすぐ当ビルから退去するにもかかわらずF氏は約束を果たしてくれたのです。大酒飲みで有名なF氏ですが、こういう義理堅い人は滅多にいません。本当にありがたいと思います

コンサートは「江副奨学生による日本歌曲とオペラの名曲」というタイトルで、日本歌曲は「荒城の月」「この道」「小さい秋見つけた」「ふるさと」など、オペラは「トスカ~星は光りぬ」「蝶々夫人~ある晴れた日に」「魔笛~ああ、私には分かっています」「歌劇ノルマ序曲」等です

 

          

 

出演者は砂川涼子、藤田美奈子、佐藤康子、山口佳子(以上ソプラノ)、下原千恵子、河野めぐみ(以上メゾ・ソプラノ)、佐野成宏、樋口達哉(以上テノール)、谷友博(バリトン)、久保田真澄(バス)という面々で、バックを務めるのは菊池彦典指揮東京フィルハーモニー交響楽団です 名前が分かるのは砂川涼子,下原千恵子,佐野成宏,久保田真澄といった歌手たちで,あとは初めて目にする名前です.せっかくのご厚意なので楽しんできたいと思います

 

          

 

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老人ホームと幼稚園児の交流~荻原浩著「ひまわり事件」を読む

2012年08月23日 06時52分11秒 | 日記

23日(木)。昨夕、X部長と仕事の打ち合わせのため地下のR,引き続きOで飲みました 当ビルは”飲み屋”が2軒しかないので,大家としては義理堅く両方の店子に顔を出したわけです どこの飲食街もそうですが,昼はお客さんが入るのですが,夜はイマイチです 幸い昨夜は両店ともかなりの入りで一安心しました 

 

  閑話休題  

 

荻原浩著「ひまわり事件」(文春文庫)を読み終わりました 著者の荻原浩は1956年埼玉県生まれ。広告制作会社を経て、コピーライターとして独立。1997年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞しています 最近このブログで紹介した「オイアウエ漂流記」も彼の作品です

老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」は一族経営の施設ですが、理事長の思いつきで壁を取り払い、相互交流を始めます 園児は年寄りを恐れて近づかず、年寄りは園児の扱いに戸惑っていますが、晴也、伊梨亜、秀平、和樹という問題児たちと、誠次、寿司辰、おトキ婆、片岡という苑で孤立している年寄りが仲良くなります

幼稚園では園長の独断で学芸会の配役が変更され、子供たちは怒っていました 一方、苑では、利潤追求経営方針に反発した片岡がアジ演説をして、誠次たちの同調を得ます そんな彼らが園の経営者に対して反旗を翻します 片岡の主導で苑がバリケード封鎖され,火炎瓶が投げられます.ここに至って片岡の過去が明らかにされます.さて,それほど大きな”闘争”を経て,苑と園は変わったのか?

荻原浩の小説はどれもが面白いです.とくに子供からみた大人の描写や社会現象の捉え方など,皮肉めいた書き方で読者を引き付けます

 

          

 

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なぜ?堀米ゆず子さんの「ガルネリ」,フランクフルト空港税関で押収される!

2012年08月22日 06時58分36秒 | 日記

22日(水).昨日の朝日朝刊に「バイオリニストの愛器,独で押収~堀米さんのガルネリ」という記事が載りました 記事を要約すると,

「ベルギー在住の世界的なバイオリニスト堀米ゆず子さん(54)が独フランクフルト空港の税関で,バイオリンの名器『ガルネリ』に密輸の疑いをかけられ押収されていたことがわかった 26日までに19万ユーロ(約1900万円)の輸入税の支払いを求められている堀米さんは『これまで何の問題もなかったのに』と困惑し,愛器の一刻も早い返還を訴えている 堀米さんは正当な所有などを証明する書類を提出し,返還を求めているが,交渉は難航しているという.堀米さんは旅行でガルネリを常に携帯していたが,これまでフランクフルトを含めて問題視されたことはまったくなかったという 税関は朝日新聞の取材に対し,『現在,手続きの途中でこの件については説明できない.ただ,一般に高価な品は必ず事前に税関に申告しなければならない』と答えた」

この記事を見て思ったのは,今まで許されていたことが,今回に限ってなぜ許されなかったのか,ということです 堀米さんの言う通り「こんなことではプロの音楽家はだれも演奏旅行ができなくなる」と思います 世界的に活躍している他の音楽家たちはどうなのでしょうか?税関の言っているように「事前に申告」しているのでしょうか.あるいは”顔パス”状態なのでしょうか.気になるところです.いずれにしても,1億円をくだらないと言われている「ガルネリ」が,これまでどおり輸入税が課せられることなく,一刻も早く堀米さんの手元に戻るよう祈るばかりです

 

  閑話休題  

 

堀米ゆず子さんは1980年,ベルギー・ブリュッセルのエリザベート王妃国際音楽コンクールの優勝者です 日本人の海外コンクール優勝の先駆け的な存在と言ってもよいかもしれません その堀米さんに一度だけお会いしたことがあります.

何月かは忘れましたが,1989年のことでした(後述のCDから判明).当時私はCBSソニー社の「クラシックCDクラブ」の会員でした.このクラブは年会費2000円で,新発売CDのダイジェストを8センチ・ミニCDに集録したものと,クラシックNEWSという会報を,年6回送ってくれる会員制のクラブでした

ある日,CBSソニーの人から自宅に電話があり,「実は,今度,堀米ゆず子さんを囲んで座談会を開くことになった.その内容を会報に掲載したい.ついては,ご出席願いたい」というものでした なぜ私が選ばれたのかは判りませんが,たぶん,そのクラブの募集と同時に応募したので会員番号が若かったからではないか,と推測します

指定された日に市ヶ谷のCBSソニー社に行くと,私を含めて5~6人の会員が集まってきました.男女半々,年齢は比較的若い人が多かったように記憶しています 会は堀米さんを囲んで,彼女にインタビューする形で進みました バッハについての質問に「バッハはすべての音楽の基本です.バッハを弾くときは背筋が伸びる思いがします」と答えていました.また,当時彼女はチェロのミーシャ・マイスキーと共演することが多く,彼女が親しみを込めて「ミーシャ」と呼んでいたのが印象的でした

司会から,それぞれの出席者からみた堀米さんの演奏について訊かれ,私は生意気にも「例えば,ハイフェッツなどは棚に飾っておきたくなるような近寄りがたい演奏だが,堀米さんの演奏はもっと身近に感じる」というようなことを言った覚えがあります この発言は,堀米さんにはあまり好意的に受け入れられなかったようです.彼女の顔の表情で判りました

座談会が終わって,司会者が「今日,ご出席いただいた皆さんに素晴らしいプレゼントがあります」と言って,堀米さんの最新録音CDをプレゼントしてくれました モーツアルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番,第4番」で,シャンドール・ヴェーグ指揮カメラ―タ・ザルツブルク室内管弦楽団による演奏です もちろん,その場で彼女がサインをしてくれました.嬉しかったのですが,実は,彼女と話す機会があるということで,事前にそのCDを購入して聴いていたのです.もちろん,そのことは黙っていました.したがって手元に同じCDが2枚残りました いま,あらためてその演奏を聴いてみると,名匠ヴェーグのサポートのもと,自然体で伸び伸びとした音楽作りをしています

 

                 

          

 

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