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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヤマハホール「ミューズたちの饗宴」,トッパンホール「ニューイヤーコンサート2013」のチケットを入手

2012年09月30日 07時19分54秒 | 日記

30日(日).月日が経つのは速いもので今日で9月も終わりです.アッという間の1か月でした

昨日,チケットを2枚購入しました.1枚は11月6日(火)午後7時から銀座ヤマハホールで開かれる「ミューズたちの饗宴」です 出演はソプラノの小川里美,フルートのパク・ジウン,ピアノの須藤千晴の3人です小川里美は9月1日に東京芸術劇場のリニューアルオープン記念演奏会,読響によるマーラー「交響曲第2番”復活”」でソプラノを歌った人です.他の2人は初めて聴く人です

演奏曲目は,シューマン「献呈」,ショパン「ノクターン」(以上フルート&ピアノ),プッチーニ「つばめ」より,サティ「あなたがほしい」(以上ソプラノ&ピアノ),ドビュッシー「月の光」「喜びの島」(以上ピアノ),ベッリーニ「ノルマ」より,カッチー二「アヴェ・マリア」(以上フルート,ソプラノ,ピアノ)ほかです.「ノルマ」が楽しみです

 

          

 

もう1枚は,来年1月16日(水)午後7時からトッパンホールで開かれる「ニューイヤーコンサート~トッパンホール・アンサンブルVol.8」です 出演はヴァイオリンの日下紗矢子,ヴィオラの赤坂智子,チェロの石坂団十郎,ピアノの北村朋幹というメンバーです 演奏曲目は①J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲BWV.988」(シトコヴェツキ編曲による弦楽三重奏曲),②シューマン「ピアノ四重奏曲変ホ長調」です.2曲とも期待できます

 

          

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アンドレ・プレヴィンは「三人称の演奏」~黒田恭一著「音楽への礼状」を読む

2012年09月29日 06時58分56秒 | 日記

29日(土)。昨日の朝日夕刊に「モナリザ10年前も微笑~スイスの財団”ダビンチ作”」という記事が載りました 記事によると,

「レオナルド・ダビンチがもう1枚の”モナリザ”を描いていたとする鑑定結果をスイスの財団が27日発表した.パリのルーブル美術館に展示されている”モナリザ”より10年程前に描かれた未完成作で,ダビンチ本人による作品だと確認できたとしている.モデルはモナリザと同じ人物であるとみられる.1913年に発見され,最近40年間はスイスの銀行が保管していた.スイスに本部を置く”モナリザ財団”が記者会見して明らかにした」

写真を見ると,構図はまったく同じで,顔が若返っています(右が10年前のもの).個人的には”非常に怪しいのではないか”と思います なぜ,今になって”新発見”のニュースが出現するのか 欧州諸国の経済不安を背景に,どこかの頭のいい仕掛け人が”話題創り”をしてひと儲けしようとたくらんでいるではないか 世界の美術館に貸し出して公開すれば,”あやしい”と思っても,人々は興味津々観に行くのではないか.あとで偽物と判って”やっぱり騙された”と気づいてもアフター・フェスティバル(後の祭).”微笑む”のはモナリザではなく一部の”仕掛け人”だけ,というシナリオが透けて見えるようです.皆さんはどう思いますか

 

          

 

  閑話休題  

 

黒田恭一著「音楽への礼状」(小学館文庫)を読み終わりました 著者の黒田恭一氏は1938年東京神田生まれ.早稲田大学在学中から新聞・雑誌に音楽評論を執筆,クラシックに限らず幅広いジャンルの音楽をカバーし幅広い層からの支持を獲得しましたが,2009年5月に死去しましたこの本は1990年1月にマガジンハウスから刊行された同名の単行本を,一部加筆・改訂して文庫本化したものです

カラヤン,バーンスタイン,カルロス・クライバー,マリア・カラスから,マイルス・デイビス,ギル・エヴァンス,ルイ・アームストロング,ペギー・リー,トニー・ベネットまで36人への礼状の形でつづったエッセイ集です

かつて私もクラシック音楽を聴き始めた頃,テレビやFM放送で,黒田恭一氏の解説をよく聴きました 誰にでも分かるよ平易な言葉を選んで,ていねいに”語りかけていた”のが印象に残っています

印象に残った言葉を2つほど取り上げてみます

最初は,タバコとウィスキーが大好きだった指揮者レナード・バーンスタインを取り上げた文章です

「あなたは,タバコを,豪快にというか,強烈にというか,ともかく,いじけたところのまったくない見事な感じですっておいででした.しかも,あなたのタバコのすい方は,もしかすると,このひとはタバコをくわえて生まれてきたのではないか,と思われるほど自然でした・・・・・・・タバコもすわず,ウィスキーも(多分)飲まないのが,カラヤンです.タバコにしても,ウィスキーにしても,たかが嗜好品ですから,そのことをてがかりに音楽家の仕事についてあれこれいうのはちがうと思います.にもかかわらず,あなたがオーケストラを指揮してもたらす音楽と,カラヤンがオーケストラを指揮してもたらす音楽との,それぞれの性格のちがいを考えていると,どうしても,タバコとウィスキーのことに思いがいたってしまいます カラヤンによってもたらされる,細部まで完ぺきにコントロールされた,スタティックな美しさをたたえた演奏は,やはりタバコやウィスキーを遠ざけたひとのものといえるでしょうし,あなたの,もう一歩踏み越えると危ないな,とききてに感じさせる,動と静との間の微妙なバランスのうちになりたっている演奏は,カラヤンとはあきらかに別種の生活をしているひとのものだと思わせます

お読みいただいて分かる通り,黒田恭一という人は,ひらがなを多用し,分かりやすい言葉を選んで持論を展開します ちょっと回りくどい面もなきにしもあらずですが,言っていることは鋭いところを突いています

次は,やはり指揮者のアンドレ・プレヴィンを取り上げた文章です

「あなたのきかせて下さる演奏は,あなたのお好きなロシアの作曲家の作品をとりあげたときでも,近代フランスの作曲家の作品をとりあげられたときでも,熱狂をしりぞけておいでです あなたの音楽的な才能と,指揮者としても技をもってすれば,一人称の演奏によってききてを熱狂させることもできなくはないはずです.にもかかわらず,あなたは,その道を選ばず,三人称の演奏をなさいます 綺麗だけれど,それ以上ではない.それがあなたの演奏をきいた多くのひとのいうことばです.ぼくも,半分は,その意見に賛成です.しかし,あなたの演奏の,一歩引いたところで語ろうとする慎ましさが,ぼくは大好きです.あなたは,なりふりかまわずふるまうことを,潔しとしない.そのために,あなたの演奏は,めだちにくい,地味なものになりがちです 俺が,俺が,とわめきたてる声が,所を選ばずまきあがっているのが,この時代のようです.バーンスタインの演奏は一人称の演奏の素晴らしい例ですが,そうではない,めだつことだけをねらったあざとい演奏も,こういう時代ですから,たくさんあります

ここで黒田氏が言っている「一歩引いたところで語ろうとする」「三人称の演奏をする」というのは,指揮に当たって第一に考えるべきことは作曲家の意図(楽譜に書かれた音符と指示)を音として聴衆に届けることであって,指揮者が前面に出て派手なパフォーマンスを行うことではない,ということでしょう この本のオリジナルは22年前の1990年1月に出版されました.その頃から「俺が,俺が」という目立ちたがり屋の指揮者が存在していたし,今も状況は変わらないのかもしれません.その意味で,黒田氏の指摘は時代を超えて通用するといっても差し支えないと思います

ちょうど、27日付日経夕刊「文化欄」にアンドレ・プレヴィンがNHK交響楽団を振ったマーラー「交響曲第9番」の演奏会評が載っていました 編集委員の小松潔氏は次のように書いています.

「プレヴィンの指揮は,思い入れとは無縁,自然体そのもの.第1楽章から各パートを思う存分鳴らすが,そこに指揮者による虚飾はない マーラーの複雑な書法を読み解き,純粋な器楽曲として示す・・・・・クライマックスは3楽章の終わりから4楽章にかけてだった.聴き手の感動はいったん頂点に達したが,プレヴィンは楽章と楽章の間も淡々,すぐに演奏を始める

これを読む限り,プレヴィンは22年前とまったく変わらず,三人称の指揮をしていると言えるでしょう.22年前の本がなぜ今の時期に復刊されたのか,その意味を問い直す意味でもご一読をお薦めします

 

          

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「METライブビューイング2012-2013」特別鑑賞券(3枚綴り)をゲット!

2012年09月28日 06時56分20秒 | 日記

28日(金).昨日は,新宿東口にビックカメラとユニクロが組んだ「ビックロ」がオープンしたというニュースが話題になっていました 異業種のコラボレーションということですが,オープンに当たってファースト・リテイリングの柳井会長が「世の中,元気がないので,ここらで日本を元気づけて”ビックロ”させてやろうと思います」と挨拶していました したたかな柳井会長のことですからコラボによって”大幅な黒字=ビックロ”を狙っているのは間違いないでしょう

 

  閑話休題  

 

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)で上演された最新のオペラ公演を映画館で上映する「METライブビューイング2012-2013」が11月から始まります

「METライブビューイング」は11月3日(土)から東銀座の東劇、新宿ピカデリーなどで上映されますが、特別鑑賞券(3枚綴り)を2セット購入しました。通常は1枚3,500円ですが、3枚セットで9,000円とお得になっています (「トロイアの人々」と「パルシファル」は@5,000円です).

今年の上映日程は、11月3日(土)~9日(金)がド二ゼッティ「愛の妙薬」(アンナ・ネトレプコほか。3時間2分)、11月17日(土)~23日(金)がヴェルディ「オテロ」(ルネ・フレミングほか.3時間27分)、12月8日(土)~14日(金)がトーマス・アデス「テンペスト」(サイモン・キーンリーサイドほか。3時間30分)というラインナップになっています 来年は1月5日から5月24日まで、シリーズ全体で12作品が上映されます

上映時間は、新宿ピカデリーが毎日10:00~、東劇が15:30~、19:00~の2回(愛の妙薬)、11:00~、15:00~、19:00~の3回(オテロ)、19:00~の1回(テンペスト)となっています 東劇も新宿ピカデリーも全席座席指定なので,事前に指定席を予約する必要があります.東劇はすでに受け付けています.新宿ピカデリーは上映開始日の週の火曜日からです.「愛の妙薬」を例にとれば,上映開始日が11月3日(土)なので,その週の火曜日,つまり10月30日(火)以降であれば座席が予約できます

下は3枚つづり特別鑑賞券ですが,図柄は左からヴェルディ「仮面舞踏会」,ドニゼッティ「愛の妙薬」,ヘンデル「ジュリアス・シーザー」です.11月からの上映が今から楽しみです

 

          

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ページ・ターナー小説~ダン・ブラウン著「ロスト・シンボル(下)」を読む

2012年09月27日 06時58分21秒 | 日記

27日(木).昨夕,X部長が「ここ2日間飲みに行ってないし歌も歌っていない.禁断症状が出てきたなあ・・・」と独り言を言っていたので,緊急厳戒態勢を敷いていたのですが,「30分だけ」と言われ,結果はわかっているのに「はい,はい」と付き合ったのが運のつき.N監査役も巻き込んでIビル地下のYBに行ってビールを飲んでヴェトナム焼酎ネップモイを1本空けました そこで止めておけばよかったのに,「上野に高い点数が出るカラオケ・スナックがあるから,行こうよ」という甘言に乗せられ,タクシーに乗せられて上野に直行しました 確かに他のカラオケ・スナックより高い点数が出ましたが,店を出たのが10時半を超え,30分が5時間になってしまいました.ということで,今日は朝から頭が頭痛なのです.自業自得,四面楚歌,前途絶望,あ~休みてぇ~

 

  閑話休題  

 

古典四重奏団のコンサートのチケットを購入しました 9月30日(日)午後2時半から東京文化会館小ホールで開かれます.演奏曲目はシューベルトの①弦楽四重奏曲イ短調「ロザムンデ」,②弦楽四重奏曲ト長調の2曲です 「ムズカシイはおもしろい!」と題するレクチャー付きコンサートになっています.古典四重奏団の演奏を聴くのは初めてなので楽しみです

 

          

 

  再び閑話休題  

 

ダン・ブラウン著「ロスト・シンボル(下)」(角川文庫)を読み終わりました 3分冊の最後です.

マラーク(全身刺青の男)に拉致されたピーター・ソロモンを救うべく,CIA保安局のサトウ局長から拉致犯の要求に従うよう要求されたラングドンは,暗号を解いていくことによって,伝説のピラミッドの存在を目の当たりにします しかし隠された暗号を解読したと思いきやマラークの魔の手が追ってきます ついにラングドンもキャサリンもマラークの手に落ち,死に直面します.その間,マラークは拉致していたピーターに自分の本性を告げます.えっ!?と思う瞬間です ラングドンもキャサリンもギリギリのところで命拾いします.そして,建国以来護られてきた”人類最大の至宝”が明らかになります

ところで3冊の巻頭に次のような共通の文章が載っています.

「事 実  1991年,ある文書がCIA長官の金庫に保管された.文書は現在でもそこにある 暗号で記されたその文書には,古の門や,地下の知られざる場所についての記述がある.また,『あのどこかにそれは埋められている』という一節も含まれている この小説に登場するフリーメイソン,見えざる大学,CIA保安局,スミソニアン博物館支援センター(SMSC),純粋知性化学研究所などの組織は,すべて実在する 作中に描かれた儀式,科学,芸術,記念建造物は,どれも現実のものである

最後まで読み終わって,あらためてこの文章を見ると感慨深いものがあります

この本の解説を茂木健一郎氏が書いていますが,”知の価値”について語りながら鋭い分析をしています その上で,「一度読み始めると一気に引き込まれ,もっと先,さらに先と読みたくなって,最後まで読んでしまう.これを”ページ・ターナー”というが,”ロスト・シンボル”もそうだ」と述べています.

この本を”ページ・ターナー”ならしめている一つの要因は,章立てが細かいということではないかと思います.2ページから10ページくらいで場面が変わり,読者を飽きさせないのです. 因みに3冊合計で1,000ページ位ありますが章立ては133もあります

とにかく面白く,あっと言う間に読み終わってしまいます 文庫本の帯には「映画化」の文字が躍っています.「ダヴィンチ・コ―ド」も「天使と悪魔」も映画で観て楽しんだので、「ロスト・シンボル」も楽しみにしたいと思います

 

          

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ベートーヴェン「七重奏曲」を聴く~読売日響アンサンブル:JTアートホール

2012年09月26日 06時58分08秒 | 日記

26日(水)。昨日の朝日朝刊に「天才バイオリン少女死去 92歳~世界で活躍の諏訪根自子さん」という記事が載りました 記事によると、

「美貌の天才少女として一世を風靡し、日本人で初めて国際的に活躍したバイオリニスト、諏訪根自子(すわ・ねじこ)さんが3月に死去していたことが24日、分かった 92歳だった。3歳でバイオリンを始め、ロシアの名教育者、小野アンナらに師事。巨匠ジンバリストに高く評価され、12歳でデビューする。かれんな容姿も相まって、日本中に”天才少女”ブームを巻き起こした 1936年、16歳でベルギーに留学し、39年に欧州デビュー。ベルリン・フィルとも共演する。日独友好のシンボルとなり、ナチス高官のゲッペルスから名器ストラディバリウスを贈られたというエピソードも 終戦後に帰国し、井口基成や安川加寿子らとともに日本の楽壇を率いたが、ここ数十年は表舞台から遠ざかっていた

諏訪根自子と言われても、名前でしか知らない遠い世界の人です 朝日に載った若き日の諏訪根自子さんの写真は,チャイコフスキーコンクールに優勝した頃の諏訪内晶子さんに良く似ています.

 

          

 

仕事がらみで知りあいになった久我山在住のAさんと、その幼馴染で早稲田在住のTさんとは、東京フィルの「響きの森クラシック・シリーズ」の定期会員で、公演があるたび終演後に文京シビックホール近くのコーヒーショップで30~40分おしゃべりをして過ごします 先日も「ユンディ・リのピアノが聴けなくて残念でしたね」と語り合ったばかりです.彼女たちの一回り(12歳)上が諏訪根自子さんなのです

「昔はコンサートといっても日比谷公会堂しかなかったんですよ」という話とともに「私たちの若い頃は,指揮者ではローゼンストック,ピアニストでは安川加寿子さん,ヴァイオリニストでは巌本真理さん、諏訪根自子さんとかが活躍していましたよ」という話題が時々出てきます。そういう会話にしか登場しない名前なのですね,諏訪根自子さんという人は

それにつけても,AさんとTさんはその年齢にもかかわらずお二人とも若くてアグレッシブで,一緒にコンサート通いをされています 11月9日に萩原麻未がピアノを弾くフィルハーモニア台湾のコンサートがあることをブログで紹介したところ,そろって聴きに出かけるとおっしゃっていました.いやー,すごいパワーです 今の若いもんはどうした と言いたくなります 私の当面の目標は今の彼女たちの年齢になってもコンサート通いができる気力と体力を維持することです

 

  閑話休題  

 

昨夕、虎ノ門のJTアートホール”アフィニス”で読売日響アンサンブルのコンサートを聴きました プログラムは①クル―セル「クラリネット四重奏曲第1番変ホ長調」、②ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」の2曲です

演奏は、クラリネット=四方世紀、ヴァイオリン=鎌田成光、ヴィオラ=小山貴之、チェロ=唐沢安岐奈、コントラバス=西澤誠治、ファゴット=岩佐雅美、ホルン=松坂隼です。

名前の読み方と性別が分かりにくいので,もう一度紹介します.四方世紀(しのへせいき),鎌田成光(かまたなるみ・女性),小山貴之(こやまたかし),唐沢安岐奈(からさわあきな・男性),西澤誠治(にしざわせいじ),岩佐雅美(いわさまさみ・女性),松坂隼(まつざかしゅん)です.名前って難しいですね私は読響の定期会員ではないので,四戸さん以外の演奏者はよく知りません.ただし,コントラバスの西澤さんは,今や「バッハ・コレギウム・ジャパン」のメンバーとしてなくてはならない存在ですので,よく知っています.この人が大きなコントラバスを抱えて立っていると安心感があります

会場のJTアートホールは全256席の小ホールです.自席は11列6番で,センターブロックの左通路側です.11列というと大ホールではかなり前の方の席ですが,このホールでは中央より後方の席です.後ろの席に空席が目立ちます.もったいないと思います

 

          

 

1曲目の「クラリネット四重奏曲第1番」を作ったクルーセルはベートーヴェンと同世代のフィンランド生まれのクラリネット奏者兼作曲家とのことです.パリに留学して作曲とクラリネットを学んだようです

メンバーは向かって左からヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,クラリネットという態勢を取ります 4つの楽章から成りますが,全曲を通して思うのは,”もし,ハイドンがクラリネット四重奏曲を作曲したら,こういう曲を作ったのではないか”というような明るく分かりやすい曲想です 3人の弦楽奏者が大先輩のクラリネット奏者を引き立てて演奏しているのがよく分かります.四戸世紀さんは後輩たちから尊敬されているのでしょう

休憩後のベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」は,作曲者が30歳前後の時に書かれた作品で,交響曲でいえば第1番を作曲した時期に当たります それまでは,室内楽と言えばサロンやカフェなどで演奏されていたのですが,この七重奏曲は初めて大ホールで演奏され,多くの一般聴衆に聴かれることになった記念すべき曲です

メンバーは向かって左から,ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバス,ホルン,ファゴット,クラリネットという編成を取ります つまり,コントラバスを中央にして,左側に弦楽器が,右側に管楽器が向かい合う型を取ります

この曲で忘れられないのは,新日本フィル室内楽シリーズで演奏された「七重奏曲」です.ヴァイオリンの山田容子さんとクラリネットの重松希巳子さんの掛け合いが素晴らしく,すっかりこの曲が気にいってしまいました ベートーヴェンといえば第5”運命”,第3”英雄”と勇ましい曲に人気が集中しがちですが,私はこういう室内楽が好きですね 交響曲で言えば,1,3,5,7,9番よりも2,4,6,8番の曲の方が好きな人は,きっと室内楽も好きだと思います

読響のメンバーも新日本フィルのメンバーに負けず劣らず素晴らしい演奏を聴かせてくれました 左側の弦楽器と右側の管楽器とのやり取りが面白く,演奏者の表情を見ていても面白かったのです というのは,弦楽器側は,とくにヴィオラとチェロが”弾くのが楽しくて仕方がない”といった表情で嬉々として演奏していたのに対して,管楽器側は,四戸さんの性格の現れでしょうか,とにかく真面目な顔を崩さず,職人芸に徹して演奏していたのが対照的で,とても面白かったのです

メンバーは盛大な拍手に,何度も舞台に呼び戻されました.すると,ヴァイオリンの鎌田さんだけが椅子に座って,最終楽章のフィナーレのヴァイオリン・ソロの部分を途中から弾き始めたのです しばらく他のメンバーは突っ立って見ていましたが,一斉に座って,合奏に加わりました.これも演出ですね.読響もやるじゃねえか

”やっぱりベートーヴェンはいいな”と再認識したコンサートでした ナマで聴かなくてはこの良さは分かりません

 

          

          

  再び閑話休題  

 

今日はベラ・バルトークの命日です.彼は1881年に生まれ1945年9月26日に死去しました.バルトークは1905年にパリで開かれたルビンシテイン音楽コンクールのピアノ部門で2位に入賞しています ちなみにその時の優勝者はバックハウスです.第2次世界大戦中はナチスを逃れてアメリカに渡り,「管弦楽のための協奏曲」(1944年)などの大作を残しましたが,白血病のため亡くなりました

「管弦楽のための協奏曲」は名演が多いのですが,ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏がお薦めです CBSソニー盤のCDには村上春樹著「1Q84」のテーマ音楽とも言うべきヤナーチェクの「シンフォニエッタ」がカップリングされています

 

          

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フローレス,ディドナート,マッティのロッシーニ「セビリアの理髪師」を観る~METライブビューイング

2012年09月25日 06時58分58秒 | 日記

25日(火)。昨日、東銀座の東劇でMETライブビューイング、ロッシーニ「セビリアの理髪師」を観ました.この公演は2007年2月24日に米メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画です 上映時間は歌手へのインタビュー等を含めて3時間24分です

キャストはロジ―ナにジョイス・ディドナート、アルマヴィーヴァ伯爵にファン・ディエゴ・フローレス、フィガロにピーター・マッティ、バルトロにジョン・デル・カルロ、ドン・バジリオにジョン・レイリ―ほか。演奏はマウリツィオ・べニー二指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団、演出はバートレット・シャ―です

この映画を観るのは2回目なのですが,何度観ても飽きません 今回はR1に座りましたが,会場ではシニアを中心に約100人の人が鑑賞していました

「序曲はオペラを語る」といいますが,この序曲を聴くと,わくわくドキドキ,これから始まるドラマが待ち遠しくなります 舞台のほかに,指揮者の後ろ側にも張出舞台が設けられ,時に歌手はオーケストラ・ピットの周りをぐるっと回って歌うことになります.これがシャーによる今回の演出の特徴です

まず,フローレスのテノールをどのように表現すればいいのでしょうか いま,彼以上のテノールはいないのではないか,と思います 昨年9月に彼は東京文化会館でボローニャ歌劇場の一員としてヴェルディ「清教徒」のアルトゥーロ役を歌うはずでした.しかし,残念ながら「声帯を支える軟骨付近に充血と肥大により,3週間の声帯の休養が必要」との医師の診断により来日中止となり,代わりにアントニーノ・シラクーザがアルトゥーロを歌いました.もちろんシラクーザも超一流のテノールで文句の付けようがないのですが,この公演のチケットを買ったのは,ほかでもないフローレスを聴くためだったのです この「セビリアの理髪師」で歌うアルマヴィーヴァ伯爵役のフローレスの最高のテノールを聴くと,返す返すも残念でなりません

そして,ロジーナを歌ったディドナートの素晴らしさ 守られる女性というより,より強い意志を持った女性を演じ,美しいコロラチューラ・ソプラノを聴かせてくれました そして,主役を食っていたのがフィガロ役のマッティです 単なる”何でも屋”ではなく,セクシーで頭の良いスーパーマン的な役割を演じ,歌いまくりました

そして,今回のシャーの演出で特徴的だったのが,ロジーナの後見人バルトロを演じたジョン・デル・カルロの役割です 主役級の扱いで,前面に出て喜劇的な役割を演じ,歌います.この人にぴったりの役だと思わせる体格と声帯を持っています

アリアでも,デュオでも,必ずと言っていいほど登場する”ロッシーニ・クレッシェンド”は,聴いていると興奮してきて,もう堪りません ロッシーニって何と素晴らしい音楽を書いたのでしょうか こういうオペラが書けるのはモーツアルトとロッシーニだけでしょう.理屈なしに楽しめるオペラです.とくに今回の歌手陣と演出による「セビリアの理髪師」は何回でも繰り返し観たい公演です

東劇で上映のMETライブビューイング・アンコールも今月28日で終了です.まだまだアンコールで観たいオペラもあったのですが,次の機会に期待したいと思います     

 

          

 

METライブビューイング2012-2013は11月3日から東劇,新宿ピカデリーほかで上映されます ヴェルディの「オテロ」「仮面舞踏会」「アイーダ」「リゴレット」,ドニゼッティ「愛の妙薬」「マリア・ストゥアルダ」,モーツアルト「皇帝ティートの慈愛」など魅力的なプログラムが用意されています.私は出来るだけ多く観たいと思っています.1作品3,500円ですが,3枚セット9,000円の特別鑑賞券が東劇,新宿ピカデリー,ローソンチケットで発売中とのことです

 

          

 

  閑話休題  

 

今日はヨハン・シュトラウスⅠ世の命日です.1804年に生まれ1849年9月25日に死去しました.彼は”ワルツ王”ヨハン・シュトラウスⅡ世の父です ウィーンフィルのニューイヤー・コンサートでアンコールのラストを飾る曲として有名な「ラデツキー行進曲」を作曲したのが父シュトラウスです 21歳の時に自分の楽団を結成し,翌年には自作を演奏してウィーンの聴衆に絶賛されます 1834年に第1市民連隊の楽長になり,翌35年には宮廷舞踏会指揮者に就任しました

シュトラウスと言えばカルロス・クライバーです ニューイヤー・コンサートのCDが出ています.1枚は1989年1月1日,もう1枚は1992年1月1日(ウィーンフィル創立150周年記念)のライブ録音です 今は亡きカリスマ指揮者・クライバー,カムバック

 

          

          

 

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トレヴァー・ピノックの指揮でモーツアルトを聴く~紀尾井シンフォ二エッタ東京定期演奏会

2012年09月24日 06時55分11秒 | 日記

24日(月)。昨日の朝日スポーツ面に「イチロー打った~入った~懐に」という記事が載りました

21日のヤンキース対アスレチックスの試合で,イチローが第1打席で撃った打球がワンバウンドしてパーカー投手の正面を突き,ボールが胸のあたりからユニホームの中(懐)に入って送球できず,セーフになったということです パーカー投手は「一番上のボタンをとめておくべきだった」と苦笑いしたといいますから,”懐の深い”選手なのでしょう 一方のイチローは「(今後)一生に一度もないでしょう」と語ったとのこと.嘘のような出来事ですが,イチローはいつでも真実一路ーです

 

  閑話休題  

 

昨日は雨の中、紀尾井ホールに出かけました ”暑さ寒さも彼岸まで”とはよく言ったもので,昨日は長袖がちょうどよいくらいの肌寒い一日になりました 同ホールのレジデンス・オーケストラ「紀尾井シンフォ二エッタ東京」の第86回定期演奏会を聴きました 

オ―ル・モーツアルト・プログラムで①交響曲第36番ハ長調”リンツ”K.425」、②クラリネット協奏曲イ長調K.622」、③交響曲第39番ホ長調K.543」の3曲です。指揮はトレヴァー・ピノック、②のクラリネット独奏はパトリック・メッシ―ナです

 

          

 

チケット購入の出足が遅れたため,自席は2階C4列1番と,通路から一番遠い左端の席です 会場はほぼ満席.オケがスタンバイし,コンサートマスターの長原幸太が登場します.一昔前はひょろっとしていたのに,最近はすっかり貫録が出てきました オケは向かって左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリンと,ヴァイオリンが向かい合う”対向配置”を取ります.管・打楽器は左からホルン,オーボエ,ファゴット,ティンパ二,トランペットと並び,中央最後列にコントラバスが控えます 総勢35人の少数精鋭です.モーツアルトの演奏にはこれくらいの規模がちょうどいいと思います

チューニングが済んで,いよいよ指揮者トレヴァー・ピノックの登場です.ミスター・ビーンではありません.写真を見て勘違いしないように ピノックは1970年代からイギリスのピリオド楽器演奏をリードしてきたチェンバロ奏者・指揮者として有名です

ピノックの合図で,交響曲第36番”リンツ”の第1楽章が始まります.アダージョの序奏から入り,若干暗い雰囲気が続きますが,途中から視界が開け明るい曲想が展開します ピノックは速めのテンポでオケをグイグイ引っ張ります.第2楽章はアダージョ楽章にもかかわらず,トランペットとティンパ二が鳴り響き,意外性を感じさせます 曲の途中で,男性客が急に咳き込んで退席しました.お気の毒様でした 咳には正露丸がいいですよ.効かないと思いますけど

第3楽章はメヌエットなのでテンポを落とすと思ったら,それまでの速めのテンポで押し通しました オーボエのソロが美しく響きます.第4楽章プレストは文字通り最速のテンポで突っ走ります.会場いっぱいの拍手とブラボーを受けてピノックは満面の笑みを浮かべています

オーボエ,トランペット,ティンパ二が退席して,代わりにフルートが入ってきました.そして,ピノックに伴われてクラリネットのメッシーナが登場します.かなり背が高く大柄な人です フランス・ニース生まれの彼はパリ音楽院,クリーヴランド音楽院などで学び,現在,フランス国立管弦楽団の首席クラリネット奏者を務めています

ピノックのタクトで「クラリネット協奏曲」の第1楽章アレグロが始まります.ピノックはリンツと同様,速めのテンポを取ります メッシーナは明るい音色でメロディーを奏でます.この曲は第2楽章アダージョが白眉です.最初からクラリネットが弱音で入ってきますが,オケが絶妙のバランスで付けています いつ聴いても天上の音楽です.途中,クラリネットが主旋律をピアニッシモで演奏するところがありますが,メッシーナのピアニッシモは最高です よくコントロールされた美しい音でモーツアルトの”天上の音楽”を奏でていました

第3楽章アレグロは,一転喜びに満ちた快活な音楽が展開します.メッシーナは身体全体を使って生き生きと演奏します

終演後,何度も舞台に呼び戻されたピノックとメッシーナは,お互いに肩を叩きあって,いかにも嬉しそうにしていました

休憩後は,いよいよ私がすべての交響曲の中で一番好きな「交響曲第39番変ホ長調K.543」です.この曲は第40番(ト短調K.550),第41番(ハ長調K.551)とともに1788年の夏に成立したといわれています この曲はオーボエが居ないのでクラリネットでチューニングをします

ピノックのタクトが振り下ろされ第1楽章が始まります.この曲も,最初の行進曲風のアダージョこそはゆったりとしたテンポを取りますが,徐々にテンポアップして彼独自のテンポにもっていきます 第2楽章アンダンテも同様に速めのテンポを取ります.さて,問題は第3楽章です.私はこの楽章が大好きで,できればテンポを落としてじっくりと聴かせてほしいのです.しかし,ピノックは甘くはありませんでしたこの楽章も最速のテンポで突っ走っていきます.レントラ―風のトリオではクラリネットが気持ちの良いソロを吹くのですが,これも最速のテンポです.かと言って,説得力がないかと言えば,まったく逆で,ピノックのテンポは考え抜かれた上での設定です 最終楽章のフィナーレを迎え,ますますテンポアップしてオケを煽ります

終演後,ブラボーと拍手の中,ピノックは弦楽器の首席クラスの6人と握手,管楽器奏者を立たせて賞賛します

ピノックのモーツアルトの演奏の特徴は”速めのテンポでメリハリをつける”スタイルということでしょう.この日のK.425とK.543の演奏は,私が今まで聴いた中で最も速い演奏でした.そのテンポについて素晴らしい演奏をしてくれた紀尾井シンフォニエッタ東京のメンバーに惜しみない拍手をおくります

 

          

 

 

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ユンディ・リの代演,上原彩子の”チャイコン”を聴く~東京フィル「響きの森クラシック・シリーズ」

2012年09月23日 07時41分04秒 | 日記

23日(日)。昨日の日経朝刊に,「バイオリンの名器”ガルネリ”堀米さんに無償返還へ 独税関」という記事が載りました 記事によると,

「ドイツのフランクフルト国際空港で税関当局に差し押さえられていた,ベルギーのバイオリニスト,堀米ゆず子さん(54)のヴァイオリンの名器”ガルネリ”が,無償で返還されることが分かった 税関当局から20日,堀米さん本人に連絡が入ったという・・・・堀米さんは”多くの人の協力もあって,無事に戻ってくる.大変うれしい”と話している

安心しました 私は10月3日に虎の門のJTアートホールで開かれる「堀米ゆず子 モーツアルト核心の室内楽」の公演を聴きに行くので,もし,”ガルネリ”が戻らなかったらどうするんだろうと,他人事ながら心配していたのです それにしても,楽器を運ぶだけなのに,時価1億円のヴァイオリンの19%に当たる1900万円が輸入税として徴収されるなんて前代未聞の話です 朝日の方を見ると,彼女は「状況が悪化するばかりだったので,今はホッとしたというより信じられない気持ち」と感想を述べたとのこと.心中お察しいたします

 

  閑話休題  

 

昨日午後、文京シビックホールで東京フィルの「響きの森クラシック・シリーズ」公演を聴きました プログラムは①チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」(ピアノ=上原彩子)、②ベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」の2曲、指揮は小林研一郎です

ピアノのソリスト,中国のユンディ・リが日本政府による沖縄県尖閣列島国有化問題のあおりを受けて来日中止になり,チケット代の一部が払い戻しされることになりました 公演直前は混雑が予想されるので,午前中に神保町に買い物に行ったついでに手続きを済ませました シビックホールの入り口左側に専用デスクが出ていました.チケットを渡すと”返金済”と印刷された代わりのチケットに指定席番号を手書きで書いたものを渡されました セット券S席の額面は8,000円ですが,半分の4,000円が戻ってきました.原因が原因だけに素直に喜ぶことが出来ませんが,戻された分はこれから購入するチケット代に当てたいと思います

 

           

 

入り口で渡されたプログラムに「出演者変更のお知らせ」のスリップが挟まれていて,ユンディ・リのメッセージが載っていました

「このたびは,突然日本を訪れることができなくなり,大変申し訳ありません.私自身,残念でなりません・・・・・・・・このようなときに,日中関係の悪化から,今回の来日を中止せざるを得なかったことは,言葉には表せない無念の思いと,日本のお客様に申し訳なく思う気持ちで一杯です・・・・・・必ずや近い将来,日本の皆さまの前で演奏会をできますよう,祈っております.お会いできるのを楽しみにしております. 2012.9.19. ユンディ・リ」

リさんの誠意が伝わってきます.是非,来日してコンサートを開いてほしいと思います 出来ればショパンのピアノ協奏曲を弾いてもらえると喜ぶ人が多いと思います

ロビーに入るとクロークに「返金コーナー」が設けられていて,長蛇の列が出来ていました.午前中に済ませておいて正解でした

 

          

          

 

会場は文字通り満席です.コンサートマスターは三浦章宏さん.オケのメンバーを見渡すと,あまり見かけない顔ぶれが多いように思います 東京フィルは10年以上前に新星日響を吸収合併したことに伴い楽団員が200人位いるので,出番の入れ替わりが激しいのかも知れません 第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラの近くにマイクが各1本,弦楽器と管楽器の間に背丈の高いマイクが1本立てられています 多分,NHK・FMかどこかの番組で放送するのでしょう

小林研一郎とともに上原彩子が濃いピンクのドレスで登場します 小林はいつものように,折れた部分を黒いテープで巻いた指揮棒で指揮台の登ります.チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」が小林のタクトのもと,冒頭のホルンに導かれた序奏で始まり,上原の力強いピアノが入ってきます.最初から集中力に満ちた演奏を展開します

第2楽章に入って,フルートがやや不安定になったもののすぐに立ち直り,ピアノの美しいメロディーが続きます 小林は間を置かずすぐに第3楽章に入ります.再び上原の力強いピアノが続き,フィナーレは最速スピードで駆け抜けます

会場一杯の拍手とブラボー,ブラヴァが上原,小林,オケの面々を称えます.上原は何度も舞台の呼び戻されていました

15分の休憩時間にも「払い戻し」の列が続いていました

休憩後,小林のタクトでベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」が始まります.第1楽章から指揮者・小林の”うなり声”が聴こえます.相当力が入っている様子です 第2楽章はアダージョ楽章ですが,”英雄”で一番素晴らしいと思うのはこのアダージョ楽章です.東フィル渾身の演奏でした 第3楽章に入る前に,チューニングが入りました.第3楽章のスケルツォはベートーヴェンの”生きる強い意志”あるいは”推進力”を感じます 第4楽章のアレグロ・モルトに入り,フィナーレを迎えるところで,小林は身体を左に傾けて,右手でタクトを振りながら,左手を客席の方に向け中空を指でさします オケに対して,”ベートーヴェンの魂の音楽を客席に届けよ”とメッセージを訴えているかのようです

最後の一音が鳴り終わると圧倒的な拍手とブラボーが会場を満たしました 小林は,弦楽器の首席と握手,管楽器の方まで行って握手,パートごとに立たせて拍手を求めます そして,一人の女性ヴァイオリン奏者を立たせて拍手を求めます.会場の拍手を制して,「この方,金崎さんは36年間東京フィルでヴァイオリンを弾いてこられ,定年で今日の演奏会をもって最後となります」と紹介,会場からは暖かい拍手が寄せられます そして,また,拍手を制して「きょうはご理解いただきありがとうございました(出演者が変更になったことに対してだと思われる).ここでアンコールといきたいところですが,今日はこのままアンコールなしで終わった方がいいと思います(会場・笑)アンコールは次に皆さまにお会いする時までとっておきたいと思います」と挨拶しました.アンコールしないんなら,わざわざ挨拶しなくてもいいのに・・・・と思うのですが,ひとこと言わなければ気が済まないのが”炎のコバケン”なのです

本当のところ,ユンディ・リの演奏を聴きたかったのですが,上原彩子の熱演があったので,今回のコンサートは”これで良し”とすることにしたいと思います

 

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ノン・ストップ小説~ダン・ブラウン著「ロスト・シンボル(中)」を読む

2012年09月22日 06時57分06秒 | 日記

22日(土)。文化庁の2011年度「国語に関する世論調査」の結果を昨日の朝日、日経の朝刊が紹介しています 漢字変換機能のあるパソコンや携帯電話などの普及によって「漢字を正確に書けなくなったと感じる人が6割強に上がることが分かった」という点は共通していますが、ほかの部分では着眼点が異なっています

朝日は「この言い方する?しない?」として『まったり』『がっつり』などの表現を日常会話で使う人の割合が増えたことを紹介しています

  (本来の使い方)        (最近増えた使い方)

〇あの人は私より1歳上だ     〇あの人は私より1コ上だ

〇腹が立つ              〇むかつく

〇ゆっくり、のんびりする      〇まったりする

〇なにげなくそうした         〇なにげにそうした

〇とてもきれいだ           〇チョ―きれいだ

〇正反対               〇真逆

〇中途半端でない          〇半端ない

一方、日経は間違いやすい慣用句の意味を紹介しています 数字は回答率です。

〇煮え湯を飲まされる

 ・信頼していた者から裏切られる  64%

 ・敵からひどい目にあわされる   23%

〇うがった見方をする

 ・物事の本質を捉えた見方をする 26%

 ・疑ってかかるような見方をする  48%

〇にやける

 ・なよなよとしている   14%

 ・薄笑いを浮かべている 76%

〇失笑する

 ・こらえ切れず吹き出して笑う  27%

 ・笑いも出ないくらいあきれる  60%

〇割愛する

 ・惜しいと思うものを手放す  17%

 ・不必要なものを切り捨てる  65%

正解はいずれも上の行です。どうです、何問正解しましたか? 「半端ない難しい問題ぞろいで、間逆な回答ばかりだった。なにげにチョ―むかつく」なんて言っていると失笑されそうですね

  

  閑話休題  

 

ダン・ブラウン著「ロスト・シンボル(中)」(角川文庫)を読み終わりました 「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に次ぐ大ベストセラー小説です

フリー・メイスンの最高位であるピーター・ソロモンを人質に取ったマラーク(全身刺青の男)は,宗教象徴学専門のロバート・ラングドンに”古(いにしえ)の神秘に至る門”を解き放てと命じます.一方,ピーターの妹・キャサリンは,研究所に侵入した暴漢に襲われます その暴漢こそマラークでした.なぜマラークはソロモン一家を狙うのか,過去のいきさつが明らかになります.そして,ソロモン家に代々受け継がれてきた石のお守りの秘密が明かされます マラークはピーターの命を救うには石の秘密の暗号を解読するしかないとラングドンを脅迫します CIA保安局のサトウ局長の追及から逃れたラングドンと,マラークから命からがら逃れたキャサリンは,石の秘密の暗号の解明にもう一歩のところまで到達します

上巻に次いで,あっという間に読み切ってしまいました.読み出したら止まらない超面白小説です

 

          

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モーツアルト「戴冠式ミサK.317」を聴く~第21回Kissポートクラシックコンサート

2012年09月21日 06時59分28秒 | 日記

21日(金)。昨日の昼休み、飯野ビル1階エントランスロビーで「ランチタイムコンサート」を聴きました ピアノは国立音大卒の水野利枝子さんです。大急ぎで昼食を済ませて12時13分頃ロビーに着きましたが、幸いまだ1曲目のシューベルト「即興曲作品90-1」の演奏途中でした

        

          

 

ベーゼンドルファーの前には50脚以上のイスが並べられていて、ほとんどふさがっています。その後ろで立って聴いている人も数多くいます。私は3列目の席を確保しました

プログラムは、2曲目にシューベルト「即興曲作品90-3」が、次いでドビュッシーの「前奏曲集第2巻」から4曲(霧、ピックウィック殿礼賛、カノ―プ、花火)が、最後にリストの「エステ荘の噴水」が演奏されました

シューベルトの「即興曲作品90-3」は詩情豊かに演奏され、ドビュッシーの「花火」は生き生きと奏でられ、リストの「エステ荘の噴水」はダイナミックに色彩感豊かに響きました

 

          

 

ロビーの喧噪のなか、ベーゼンドルファーの心地良い音が響き渡ります このランチタイム・コンサートに出演するピアニストは、ほとんど無名ですが、極めてレベルが高いと思います コンサートは毎月第3木曜日に開かれます。次回は10月18日で、ピアノは河野俊也という青年です

 

  閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで第21回Kissポートクラシックコンサートを聴きました kissポートというのは「公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団」のことです

プログラムは①モーツアルト「劇場支配人」序曲K.486,②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、③モーツアルト「ミサ曲第16番”戴冠式ミサ”」K.317の3曲。バックを務めるのは大友直人指揮東京交響楽団,合唱はミナトシティコーラスです

自席は1階16列28番,右ブロックの通路側です.会場はP席(パイプオルガンの下)にはお客を入れていません.その理由は後で分かります それを除いて8~9割の入りでしょうか.同じ東響のコンサートでも定期公演と明らかに客層が違います.かなりの割合でミナトシティコーラス(約200名)の家族・親戚・縁者・友人・知人か,港区在住者ではないかと思われます ホールのホワイエの端には「花束預かり所」が設けられており,多くの花束が届けられていました

 

          

          

オーケストラの配置はいつもの東響と違って,ヴィオラとチェロの位置が入れ替わっています.大友シフトです コンサートマスターは大谷康子さん.大友はタクトを持たずに登場します.この人がタクトで指揮をしたところを見たことがありません

1曲目のモーツアルト「歌劇:劇場支配人」序曲K.486は「フィガロの結婚」とほぼ同時期に作曲されたオペラの序曲です オーボエの荒絵理子とフルートの甲藤さちの演奏が際立っています

ピアノがセンターに配置され,ピアニスト石田啓明(ひろあき)の登場です.2011年の第9回東京音楽コンクール第1位の実力者です 大友のタクトで華々しく”皇帝”の幕が開きます.石田のピアノは終始溌剌としており,聴いていて気持ちの良いものがありました 小柄な体ですがパワーがあります.このコンサートは「フレッシュ名曲コンサート」と名打っていますが,その冠に相応しいフレッシュな演奏でした若いっていいですね.第2楽章から第3楽章に切れ目なく移るところ,つまり,ピアノから一気にフォルテになるところで,ビクッと身体を震わせた人が何人かいました.オノオノガタ,さては寝ていましたね

演奏終了後,何度か呼び戻された石田は舞台の右に左に,そして正面に向いて深々とお辞儀をして声援に応えていました.なかなかの好青年です

休憩後,空いていたP席にコーラスが入ってきます.男性約60名,女性約130名の大コーラス陣です.向かって左にソプラノ,真ん中に男声,右にアルトという態勢です 男性の平均年齢は,う~ん・・・70歳位か,女性の平均年齢は,え~・・・・50歳位か・・・・いずれにしても若いメンバーは皆無です

モーツアルトの「戴冠式ミサK.317」のソリストたちが指揮者とともに登場します.ソプラノの小林沙羅は水色の涼しそうなドレスです メゾソプラノの竹本節子は黒を基調としたドレスです

 

          
 

指揮者がまさに曲を始めようとする時に,またしても現われましたKY(空気読めない)オバタりアン オシャベリが止みません.近くの人に「シーッ」と言われてやっと黙りました その直後に舞台上のオルガンが「ボーッ」と鳴り,大友のタクトが振り下ろされました.

戴冠式ミサは1.キリエ,2.グロリア,3.クレド,4.サンクトゥス,5.ベネディクトゥス,6.アニュスデイから成ります.最初の「キリエ」からソプラノが活躍するのですが,どうも小林の声が心に響いてこないのです.これはしばらく続きましたが,最後の「アニュスデイ」でオーボエをバックに歌うソロを聴いてやっと彼女の良さが分かりました メゾの竹本は安定感があり安心して聴いていられます テノールの錦織健は歌っているときは良いのですが,歩くときのなよなよした姿はいただけません

戴冠式ミサは,ザルツブルクのコロレド大司教の機嫌を損なわないように,ザルツブルクのミサの時間の規則に従って書いたので,30分もしないうちに終わってしまいます モーツアルトのミサ曲を聴くといつも思うのは,まるでオペラのようだということです

終演後,何度かソリスト達が舞台に呼び戻されましたが,その後,管楽器陣が退席して,入れ替わりにヴィオラを中心に弦楽器もメンバーがぞろぞろ入場してきました.何かあるな・・・と思っていたら,再び大友が登場してアンコールを演奏しました.モーツアルトの珠玉の名作「アヴェ・ヴェルム・コルプス」です.5分もかからない曲ですが,感動的な曲です

後半の部に入場してからアンコールが終わるまで,平均年齢〇〇歳の混声コーラス陣は立ちっぱなしでした 身体が思うように動かない人も少なくないでしょうに大変でしたね.お疲れ様でした.コーラスに年齢は関係ありませんよね.音楽に対する情熱の問題ですよね 終演後の打ち上げのビールが美味しいと思います.その時だけがウラヤマシイです

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨夕,コンサートから帰ると,文京シビックから1つの封書が届いていました 「ユンディ・リ氏来日中止について」として「9月22日”響きの森クラシック・シリーズVoll.41チケットご購入の皆様へ~チケット代金一部ご返金のご案内」というお知らせが入っていました

それによると,同日の代演は上原綾子になるが,プログラムに変更はなくチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を演奏する 出演者変更に伴ってチケット代金の一部を返金する.セット券購入の場合はS席4000円,A席4100円,B席3600円を,1回券を購入の場合はS席5000円,A席5000円,B席4000円をそれぞれ返金する 返金手続きはコンサート当日か,それ以降10月31日までの間,シビックセンター2階のシビックチケットで,チケットと引き換えとなる

不思議なのはセット券の返金額のS席4000円とA席4100円の逆転現象です セット券の会費設定の際に,S席よりもA席の方を割高に設定していたことによるものだと思います まあ,こちらは4000円が戻れば文句はありませんが・・・・・・それにしても,ユンディ・リと上原綾子の差が4000円前後あるということは,単純に言えばその人数分が2人の出演料の差になる訳で,そのことについて当の上原さんはどう思うでしょうか

 

 

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