人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

濱口竜介監督「偶然と想像」を観る ~ 「魔法(よりもっと不確か)」「扉は開けたままで」「もう一度」の3つの物語からなるオムニバス:シューマン「子どもの情景」がテーマ音楽

2022年08月18日 07時13分22秒 | 日記

18日(木)。わが家に来てから今日で2776日目を迎え、AP通信によると、米西部ワイオミング州で16日、11月の中間選挙に向けて共和党の候補者を絞り込む連邦下院選予備選の投開票があり、トランプ前大統領の党内の政敵として象徴的存在である現職のリズ・チェイニー氏が、トランプ氏が推す弁護士のハリエット・ヘイグマン氏に敗れ、トランプ氏の影響力の大きさが改めて浮き彫りになった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは公文書秘匿で訴追されるだろうに 共和党員はどこまで阿呆ぞろいなんだ

 

         

 

昨日、夕食に「真鱈のムニエル」「生野菜とアボカドのサラダ」「白舞茸の味噌汁」を作り、「マグロとイカの刺身」と一緒にいただきました ムニエルはとても美味しかったです

 

     

 

         

 

ギンレイホールで濱口竜介監督による2021年製作映画「偶然と想像」(121分)を観ました この作品は濱口監督による3編から成る初の短編オムニバスです

濱口竜介監督と言えば、2020年のベネチア国際映画祭で、共同脚本を手掛けた「スパイの妻」が銀獅子賞(監督賞)を受賞、2021年のカンヌ映画祭では「ドライブ・マイ・カー」が脚本賞など4冠に輝き、この「偶然と想像」が第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞するなど、世界の映画界が最も注目される監督の一人となっています

 

   

 

第1話「魔法(よりもっと不確か)」

撮影帰りのタクシーの中で、モデルの芽衣子(古川琴音)は、仲の良いヘアメイクのつぐみ(玄理)から、彼女が最近会った気になる男性(中島歩)の話を聞かされる 芽衣子は話の途中でその男性が2年前に別れた元カレ・和明(中島歩)だと気づく つぐみが先に下車したあと、ひとり車内に残った芽衣子は運転手にある場所に行くよう伝える。そこにいたのは和明だった。芽衣子はつぐみの話から和明がまだ自分に未練があると確信し、和明にどっちを取るかと揺さぶりをかける

⇒ こういう偶然はあり得るのではないか、と思います 世の中、誰が誰とどう繋がっているか表面的には分からないものです    Facebookだって完璧ではありません 内緒話のはずが全部バレていたなんてことにならないように、お互いに気を付けたいものです それにしても、芽衣子は怖い 

第2話「扉は開けたままで」

50代にして芥川賞を受賞した大学教授の瀬川(渋川清彦)は、出席日数の足りないゼミ生・佐々木(甲斐翔真)の単位取得を認めず、佐々木の就職内定は取り消しになった 逆恨みした彼は、同級生で人妻の奈緒(森郁月)に色仕掛けの共謀を持ちかけ、瀬川にスキャンダルを起こさせようとする。研究室で奈緒は瀬川の作品の濡れ場シーンを朗読し、瀬川とのやり取りを含めて録音するが、瀬川は色仕掛けに乗らず、奈緒の声がきれいだと誉め、逆に声を聴きたいから録音データを研究室あてに送るよう依頼する しかし、奈緒は送信の宛名をsegawaではなくsagawaとしたことから大学内にバレ、大問題になる

⇒ タイトルの「扉は開けたままで」は、瀬川教授が常に研究室の扉を開けっぱなしにして、オープン・マインドな姿勢をアピールしていることから付けられています したがって、奈緒が濡れ場シーンを朗読している間も、声が廊下に駄々洩れ状態になっていたわけで、これでは色仕掛けもうまくいくわけがありません 結局、瀬川教授はこの事件が元で退職し、奈緒は離婚を余儀なくされます 数年後、バスで出版社に就職した佐々木に再会した奈緒は、新しい名刺を渡し、別れ際に彼の唇を奪ってバスを降ります この行動は、尊敬する瀬川教授と自分を不幸に陥れるきっかけを作った佐々木に対する復讐の狼煙ではないか、と想像します

第3話「もう一度」

高校の同窓会に参加するため20年ぶりに仙台にやってきた夏子(占部房子)は、仙台駅のエスカレーターで あや(河合青葉)とすれ違う 2人はお互いを見返し、あわてて駆け寄る。あやの自宅に招かれた夏子は、久しぶりの再会に興奮を隠しきれず話し込むが、途中から会話がすれ違っていくことに気付く   あらためてお互いに名前を名乗ると全くの他人であることが分かる しかし、あやは 本当のあやに成り切って芝居をすると提案する

⇒ 時間は残酷です。20年という時間経過で人は等しく歳を取ります 面影を残す人もいれば、まったく別人のように変わってしまう人もいます 夏子は、出会った彼女に昔の面影を見い出したのだと思います この作品のポイントは、お互いに別人だと気づいてからの2人の関係にあると思います 相手の女性が”想像力”を働かせて本物の あや に成り切って会話を始めたことをきっかけに、夏子も20年前に言うべきことを言えずに別れた あや への想いを素直に表すことができたのだと思います 20年ぶり、30年ぶりの同窓会に出席する時は、まず自分の名前を名乗り、相手の名前を確かめましょう

全3話に共通しているのは「会話」の力です 芽衣子とつぐみの会話、瀬川と奈緒の会話、夏子とあやの会話・・・すべてが、会話に魅力を感じます

ところで この映画では、シューマンの「子どもの情景」の第1曲「見知らぬ国の人々について」がテーマ曲のように使われ、第7曲「トロイメライ」が間奏曲のように使われています この映画の場合、ショパンでもだめだし、モーツアルトでもだめで、シューマンの「子どもの情景」がピッタリくるように思います 濱口監督の音楽センスの良さを感じます

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