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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

善とは?悪とは?イジメの論理とは?~川上未映子著「へヴン」を読む

2012年06月30日 07時15分28秒 | 日記

30日(土).昨日は金曜日にも関わらず,コンサートもなく,飲み会もなく,まっすぐ家に帰りました こんなことは数えるほどしかありません,マジで

川上未映子著「ヘヴン」(講談社文庫)を読み終わりました 川上未映子は2008年に「乳と卵」で第138回芥川賞を受賞して一躍有名になりましたが、様々なプロフィールの持ち主です。

1976年に大阪市で生まれ、高校までは大阪の学校を卒業しました。2002年にはビクターから川上三枝子の名前で歌手デビューしています 残念ながら”売れた”という話は聞いたことがありませんしかし、女優としては、映画「パンドラの匣」(2009年。太宰治原作。富永昌敬監督)で竹さん役で出演してキネマ旬報新人女優賞を受賞しています。川上ファンの私はこの映画を観ましたが、なかなか艶めかしくて好演でした さて、「へヴン」です。

同級生からのイジメを受けている14歳の”僕”は,ある日「わたしたちは仲間です」という差出人不明の手紙を受け取ります それは同じクラスの女生徒・コジマからのものでした.コジマもイジメを受けています やがて2人は会って話をするようになります.イジメを受けていることについてコジマは次のように語ります.

「君もわたしも,弱いからされるままになっているんじゃないんだよ.あいつらの言いなりになってただ従ってるわけじゃないの.最初はそうだったかもしれないけど,私たちはただ従ってるだけじゃないんだよ受け入れているのよ.自分たちの目のまえでいったいなにが起こっているのか,それをきちんと理解して,わたしたちはそれを受け入れているんだよ.強いか弱いかで言ったら,それはむしろ強さがないとできないことなんだよ」「あの子たちにも,きっとわかるときが来る

コジマのこの考えを”僕”は心の底からは理解できません.

”僕”は自分が斜視であることからイジメにあっているのではないか,と考えて,イジメる側の男子生徒に対してそれを問います.しかし,彼は次のようなことを言います

「そんなの関係ない.意味なんてなにもないよ.したいことをやっているだけなんじゃないの,たぶん.まず,彼らに欲求がある.その欲求が生まれた時点では良いも悪いもない.そして彼らにはその欲求を満たすだけの状況がたまたまあった.君を含めてね それで,彼らはその欲求を満たすために,気ままにそれを遂行しているだけの話だよ」「だから,君の言うところのイジメを君が受けたくないんだったら,僕たちを,というか,二ノ宮を,まあどうにかするしかないよね

”僕”はこの考えにも同意できません.何が善で何が悪か,どこまでが許されて,どこからが許されないのか・・・・・ますます分からなくなります

そうした中,”僕”は,コジマが好きだという斜視の目を,医者の勧めで手術をして治します.すると今まで見えなかった世界が明るく見えるようになって新しい世界が開かれるとことを感じ取ります これによって”僕”はイジメを受けることがなくなるのか,それは分かりません

関西弁を駆使したエッセイなどでお馴染みの川上未映子が,真正面から”イジメ問題”に取り組んだこの作品は2010年、第60回芸術祭選奨文部科学大臣新人賞と第20回紫式部文学賞を受賞しましただから,というわけではありませんが,現代における善と悪を考え直す意味でも,一読をお勧めします

 

          

 

今日で2012年も前半が終わりです.自分のために,今年1月1日から6月30日までの実績を記録しておきます

    ①コンサート: 91回

    ②映   画: 27本

    ③読   書: 32冊

どうもコンサートが突出してしまったようです.後半も予定が増えつつあります

 

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モーツアルト・ガラ・コンサート,アロンドラ・デ・ラ・パーラ指揮東フィル他~8月,9月のチケットを購入

2012年06月29日 06時57分51秒 | 日記

29日(金).昨日の朝日朝刊に「ザ・ピーナッツの姉 伊藤エミさん死去」の記事が載りました 71歳だったとのこと.ザ・ピーナッツと言えば,われわれの年代は,テレビでは「シャボン玉ホリデー」,歌では「恋のバカンス」「ウナ・セラ・ディ東京」「恋のフーガ」,映画では「モスラ」を思い出します

「シャボン玉ホリデー」は面白い番組でした ハナ肇扮する老人が床に臥せっていると,ザ・ピーナッツのどちらかが枕元に来て「おとっつぁん,おかゆができたわよ」と言って,食べさせます.そこに,犬塚弘扮する長男が帰ってきて「とっつあん,今帰ったぜ」というと,ハナ肇が「お前もいつまでもやくざな仕事をやってないで堅気の仕事につけや」と言います そこに,なぜかまったく関係のない植木等がターザンのようにロープで降りてきて,「あれ,関係ない?・・・・お呼びでない?お呼びでないね!こりゃまた失礼しました」と言って一同ズッコケる,というパターンが毎週続きました.わかっているのに笑ってしまうのです 脚本を書いていたのは青島幸雄でしたが,後に東京都知事になろうとは,当時は夢にも思っていなかったでしょうね

私はテレビはほとんど見ませんが,ヒット曲「恋のバカンス」に至っては,今なおNHK素人のど自慢大会の不滅のデュエット曲のようです ちなみにエミさんはジュリーこと沢田研二の最初の奥さんでしたね.ご冥福をお祈りします

 

  閑話休題  

 

一昨日,S建設主催のつり大会があり,それに参加したE部長が,釣り上げた大量のイサキとカワハギを地下の炭火焼き鳥Oに持ち込んだということなので,E部長,N監査役,T君と4人でOに行ってイサキとカワハギの刺身とイサキの唐揚げを肴にビールを飲みました 刺身は歯ごたえがありすごく美味しく,から揚げもホクホクで食べごたえがあり,ビールがすすみました 途中,なぜかテナントSのF氏がやってきて,勝手に話の輪に加わりました あと2か月でビルから出ていくからまあいいか,ということで一緒に飲みました F氏はつまみは食べずにひたすら酒を飲むタイプですが,この日は,あまりにも回りの連中がカワハギを奨めるので珍しく刺身を少しだけ食べていました これがフグだったら共食いです(ここだけの話) お店に掲げられたメニュー表をよく見ると「本日のお薦め」として,イサキがちゃっかり載っていました.おやじさん,もうかりまっか? 結局,予定の時間を大幅にオーバーして6時50分ごろ解散しました

 

 も一度,閑話休題  

 

8月と9月のコンサートのチケットを4枚買いました.1枚は8月5日(日)に東京文化会館小ホールで開かれる都響メンバーによる「室内楽トークコンサート」です プログラムは①シューベルト「弦楽四重奏曲第14番”死と乙女”」,②ショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲ト短調」です

演奏は,一昨日トリオ・ラ・プラ―ジュの一員として出演したヴァイオリンの田口美里ほかですが,このコンサートのチケットを買った決め手は,ピアノを小川典子が弾くからです どういう展開になるのか,すごく楽しみです

 

          

 

2枚目は9月12日(水)にサントリーホールで開かれる東京フィルの定期演奏会です 決め手は今話題のメキシコの女性指揮者アンドラ・デ・ラ・パーラの指揮振りを観たいからです.プログラムは①モンカーヨ「ウアパンゴ」,②ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」(ギター:村治奏一),③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」です.彼女が東京フィルからどういう音を引き出すのか期待が高まります

 

          

 

3枚目は9月25日(火)にJTアートホールで開かれる「読売日本交響楽団のメンバーによるアンサンブル」公演です プログラムは①クルーセル「クラリネット四重奏曲第1番」,②ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」の2曲.出演はクラリネットの四戸世紀ほかです.これはベートーヴェンの楽しい名曲を聴きたいために買いました

 

          

 

最後の1枚は10月8日(月・祝)に第一生命ホールで開かれる「モーツアルト・ガラ・コンサート」です プログラムは①ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218(独奏:千住真理子),②ピアノ協奏曲第9番変ホ長調”ジュノム”K.271(独奏:広瀬悦子),③クラリネット協奏曲イ長調K.622(独奏:亀井良信)です.どれも魅力に溢れた曲です

 

          

早いもので6月も明日で終わりです 明日はこのブログで宣言している3つの目標(コンサート,映画,読書)がどれくらい達成できたか,中間報告をしたいと思います

 

 

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ビバ!ピアノ三重奏~「トリオ・ラ・プラ―ジュ」のコンサートを聴く

2012年06月28日 06時53分12秒 | 日記

28日(木).昨日の日経朝刊のコラム「春秋」にジャン=ジャック・ルソーのことが書かれていました 今日6月28日,ルソーの生誕300年を迎えるということで、思想家として「社会契約説」で有名な彼が、音楽家としても知られていることを紹介しています

すでに多くの人が知っていることですが、ルソーは、現在日本でも広く歌われている「むすんでひらいて」の作曲者です。彼が作曲したオペラ「村の占い師」の中で歌われます 私はかなり前に新聞か何かで、日本におけるモーツアルトの権威者、海老沢敏氏が書かれているのを読みました 今なら音楽著作権がありますが,その当時はどうだったんでしょうか?無断で自分の音楽を使われたらジャン=ジャック・ルソーは何と言ったでしょうか?ジャスラック・ウソ―だったりして・・・・・・

 

  閑話休題  

 

昨夕,虎の門のJTアートホール”アフィニス”で「トリオ・ラ・プラ―ジュ」の演奏会を聴きました

これは「アフィニス・アンサンブル・セレクション」というオーケストラメンバーによる室内楽シリーズの一環として開かれる公演です 「ラ・プラ―ジュ」とは,フランス語で「渚」の意味で,3人の音色がそれぞれ波となって交わり合い,浜辺から大洋へと広がっていくように・・・との願いを込めたものだそうです

メンバーはクラリネットが東京交響楽団の近藤千花子,ヴァイオリンが東京都交響楽団員の田口美里,ピアノが第17回園田高弘ピアノコンクールで第1位入賞の渚智佳という面々です

演奏曲目は①ミヨー「スカラムーシュ」,②ベルク「アダージョ」,③R.シュトラウス「ばらの騎士」組曲,④ハチャトリアン「ヴァイオリン,クラリネットとピアノのための三重奏曲ト短調」,⑤ビゼー「カルメン」組曲よりの5曲です

 

         

 

会場は3分の2ほど埋まっています.自席は9列4番.左サイドの通路側です 照明が落ちてトリオのメンバーを待ちます.田口美里はグリーン,近藤千花子は淡いピンク,渚智佳はパープルのドレスで登場です 近藤千花子は髪の毛を後ろで束ねているので,チラシで見た時と顔の印象が違っていて,まるで別人かと思いました 束ねた方が演奏しやすいのかも知れませんが,個人的にはストレートの方が印象が良いと思います

1曲目の「スカラムーシュ」とは,イタリアのコメディア・デラルテに登場する道化師のこと.ミヨーの作品をこのトリオの編曲版で演奏しました.3つの曲から成りますが,1曲目はまるでペトルーシュカの世界.まさにサーカスの音楽といった感じです 3人は道化師のおどけた雰囲気を醸し出していました

2曲目のベルク「アダージョ」は,もとはピアノ,ヴァイオリンと13管楽器のための室内協奏曲のために作曲されたものを,10年後に第2楽章だけをトリオ版に編曲したものです 最初の音を聴いた時,無調のわけがわからない音楽か?と警戒したのですが,比較的聴きやすい曲で安心して聴きました

3曲目のR.シュトラウス「ばらの騎士」組曲は,このトリオによる編曲版で演奏しましたが,R.シュトラウス特有の諧謔的な精神に溢れるオペラの雰囲気をよく汲み取って編曲されており,演奏も個々の楽器が良く絡み合っていたと思います

 

          

 

休憩時間にホワイエで,前半の演奏で気が付いた点をプログラムにメモしていると,見知らぬ男女2人組から声をかけられました ICレコーダーを手にした若い男性が「主催者の”アフィニス財団”の者ですが,前半の演奏を聴いた感想を聞かせていただけませんか?」と訊くので「前半で演奏したミヨーもベルクも初めて聴く曲で新鮮だった このトリオのうち2人はオーケストラのメンバーなので,普段はあらかじめ決められた交響曲など,編成が大きな曲を演奏しているわけだが,今日の選曲はR,シュトラウスを含めて,自分たちが演奏したい曲を選んでいるので,演奏する喜びが聴く側に伝わってくる」と答えました.女性が「ばらの騎士はトリオによる編曲でしたが,いかがでしたか?」と訊くので「すごいですね」と答えました.「メモをとってらっしゃいましたね?」と訊くので「あとでブログに書きますので」と答えると,納得していました インタビューの目的は多分,演奏そのものが良かったかどうかを訊きたかった,つまり,再度彼女たちを呼ぶかどうかの判断基準の参考にしたかったのではないか,と思いますが,そういう回答ではなかったので,彼らにとって若干期待外れだったかもしれません みなさん,コンサートの休憩時間にメモをとっているとインタビューされますよ.気をつけましょうね

後半の1曲目,ハチャトゥリアン「ヴァイオリン,クラリネットとピアノのための三重奏曲ト短調」は,作曲者の故郷であるカフカス地方(グルジア,アルメニア,アゼルバイジャンなど)の民族音楽の影響が反映していると言われています 聴いていると西洋的というより,むしろ東洋的な”民謡”と言う方がふさわしい曲想です.トリオは民族色豊かに演奏を展開しました

最後のビゼー「カルメン」組曲は,後世の何人かの作曲家が編曲していますが,この日演奏したのは,このトリオが編曲した版でした この日の演奏曲目の中で最もヴァイオリン,クラリネットの楽器の特性を生かした編曲で,演奏もオペラの曲想をよく反映したもので好感が持てました

拍手に応えて,ヴァイオリンの田口美里が「トリオ・ラ・プラ―ジュは今年,結成10周年を迎えました.これからもよろしくお願いします」とあいさつし,アンコールにマスカー二の歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から「間奏曲」を三重奏編曲版で演奏しました もとが良い曲はオーケストラで演奏しようが,三重奏で演奏しようが,その素晴らしさは変わりません どんなにみすぼらしい服装を着ていようが,美人は美人だ,というのに似ています

トリオは最後にR.シュトラウス「ばらの騎士」の「ワルツ」を大々的にアンコールして舞台を去りました 今回のような小編成による演奏会は,個々の楽器の特性を身近で聴きとることができ十分楽しむことが出来ます

 

          

 

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超絶技巧が冴えわたる~ソン・ヨルムのピアノ・リサイタル(日経ミューズサロン)を聴く

2012年06月27日 06時56分25秒 | 日記

27日(水),昨夕,大手町の日経ホールで韓国のヴァイオリニスト,ソン・ヨルムのピアノ・リサイタルを聴きました

ソン・ヨルムは昨年6月の第14回チャイコフスキー国際コンクールで2位に入賞した実力者です.ロリン・マゼール指揮ニューヨーク・フィルやチョン・ミュンフン指揮ソウル・フィルなどとも共演しています

プログラムは①ウェーバー(タウジヒ編)「舞踏への勧誘~華麗なロンド」,②ブラームス「シューマンの主題による変奏曲」,③チェルニー「ロードの歌曲”思い出”による変奏曲」,④リスト「結婚行進曲と妖精の踊り」(メンデルスゾーンの”真夏の夜の夢”より),⑤プロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第8番”戦争ソナタ”」です

自席はL列8番.会場は7割方埋まっている感じでしょうか.照明が落ち,ソン・ヨルムの登場です.驚いたのは彼女が思ったよりも大柄だったことです 写真で見た感じでは”小柄な少女”を連想していたのですが・・・・・・・その落差は相当大きいものがありました 黒のチマチョゴリのようなドレスで,前の部分がオレンジ,イエロー,淡いブルーの虹のような縦の流れになっている衣装で,長い黒髪をなびかせて颯爽と登場します 登場しただけで圧倒的な存在感があります

 

          

 

1曲目のウェーバー「舞踏への勧誘」は,妻カロリーネ・ブラントのために1819年に作曲したピアノ曲です 今ではベルリオーズの管弦楽編曲版の方がポピュラーになっています.ソン・ヨルムにとってはあいさつ代わりでしょう.軽快に演奏します

2曲目のブラームス「シューマンの主題による変奏曲」は,クララ・シューマンが末子フェリックスを生んだのを機に,シューマン夫妻への感謝の気持ちから作曲し,クララに献呈しました

この日演奏した曲の中で,ソンが最も弾きにくそうな印象を受けました.ブラームスを弾くには彼女はまだ若すぎるということでしょうか

次の「ロードの歌曲”思い出”による変奏曲」は,交響曲,協奏曲,室内楽,ピアノ曲など1000曲以上の曲を作曲したものの,今ではピアノ練習曲集にのみその名を留めるチェルニーによって作曲されました親しみやすいメロディーですが,相当技巧が求められる部分もかなりあります.ソンは次々と変わる曲想を楽々と演奏しました

前半最後のリスト「メンデルスゾーンの”真夏の夜の夢”の結婚行進曲と妖精の踊り」は,相当超絶技巧を要する難曲です 結婚行進曲の力強い導入と妖精の踊りのスピード感溢れるパッセージを見事に弾き分けていました

休憩後,照明が落ち,ソンがピアノに座って,演奏が始まろうとしているときに,1階前方の通路をうろちょろしている若い男がいました 本人が一番問題ですが,ホールの係員はこういう人を会場に入れるべきではありません 前回,このホールでルビャンツェフのピアノを聴いた時も,演奏家が登壇しているのに前方の席に座ろうとしている人が複数いました.まったく理解できません 演奏家に失礼です.当該者はもちろん,ホール運営側にも猛省を促したいと思います

 

          

 

後半のプログラムはプロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第8番」です.このソナタは「戦争ソナタ」と呼ばれていますが,第6番,第7番,第8番が第2次世界大戦の最中に作曲されたことから名づけられたものです これらの曲は,プロコフィエフがロマン・ロランの「ジャン・クリストフ」に触発され,連作として作曲されたと言われています この曲が,この日の演奏の白眉でした.とくに第3楽章「ヴィヴァーチェ」は圧倒的な推進力で突き進みます

会場一杯の拍手とブラボーにアンコールを演奏します.1曲目はどこかで聴いた覚えがあるのですが,思い出せません ショパンのような,シューマンのような,リストのような・・・・・ソンは心を込めて演奏します

鳴り止まない拍手に,2曲目に何とチャイコフスキーの交響曲第6番”悲愴”の第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」を圧倒的な迫力で演奏し切ったのです

それでも鳴り止まないので3曲目にモーツアルトの「トルコ行進曲」をラグタイム風に編曲した曲を自由自在に演奏し,割れんばかりの拍手を受けました.

まだまだ観客は帰らないので,同じ「トルコ行進曲」の別のアレンジによる曲を軽快に,力強く弾き切りました

コンサートが終わってみて,一番彼女の実力と魅力が現われていたのはアンコール曲だったのではないか,とさえ思います

ところで,入場に際してプログラムといっしょに「日経ミューズサロンの歩み」という小冊子を受け取りました.1971年7月29日の第1回から2012年5月25日の第400回まで,出演者がリストになっています.大ファンのアリス=紗良・オットの日本デビューは2005年2月16日の日経ミューズサロンだったことが分かります 旧日経ホールだったときに1度「ミューズサロン」を聴いた覚えがあるのですが,リストを見ても分かりません.あまりにも昔のことでまったく思い出すことができませんでした

 

          

 

          

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湊かなえ著「贖罪」,メンデルスゾーン,そしてモーツアルト

2012年06月26日 07時01分40秒 | 日記

26日(火).湊かなえ著「贖罪」(双葉文庫)を読み終わりました 湊かなえといえば「第6回本屋大賞」で第1位を獲得したデビュー作「告白」で有名なミステリー作家です

彼女の作品は「告白」(2008年8月)、「少女」(2009年1月)、「贖罪」(2009年6月)と文庫本になるたびに読んできました

彼女のプロフィールを見ると面白いです。広島県因島で1973年に生まれましたが、女子大卒業後アパレルメーカーに就職し、青年海外協力隊員としてトンガに2年間赴任したとのことです その後、淡路島の高校で家庭科の非常勤講師となりますが、結婚後に主婦業を続ける傍らで小説を書き始めたといいます トンガに2年間というのが凄いです さて、「贖罪」です。

15年前,静かな田舎町でエミリという女児が殺害されました.直前まで一緒に遊んでいた4人の女児(真紀,紗英,晶子,由佳)たちは犯人と会話を交わしていたものの,どういう訳か顔を思い出すことが出来ず,事件は迷宮入りします 娘を失った母親・麻子は4人に対して「あなたたちを絶対許さない.必ず犯人を見つけなさい.それが出来ないのなら,わたしが納得できる償いをしなさい」と迫ります そうした恐怖の念を背に負いながら成長した彼女たちに次々と悲劇が襲います

4人の手紙や告白などによって過去に何があったのかが次第に明らかになっていきます 最後に,4人の女子に「償い」を求めた麻子が4人に向けて語る「償い」によって真実が明かされます

それにしても,湊かなえさんは女性はあまり殺さないけれど,男性はよく殺します.この小説では置時計で殴り殺したり,階段から突き落としたり,よほど恨みがあるのでしょうか いずれにしても,湊かなえは読者を裏切りません.お薦めします

 

          

 

  閑話休題  

 

日曜にタワーレコードに行ったとき,シン・ヒョンスのCDとともにメンデルスゾーンばかり8枚のCDを買いました 1枚は「弦楽八重奏曲変ホ長調」で,ゲヴァントハウス弦楽四重奏団とベルリン弦楽四重奏団の演奏によるもの

 

          

 

もう1枚は「ピアノ三重奏曲第1番,第2番」で,ヴァイオリン=イツァーク・パールマン,チェロ=ヨー・ヨー・マ,ピアノ=エマニュエル・アックスの演奏によるもの

 

          

 

残りは弦楽四重奏曲,弦楽五重奏曲,ピアノ六重奏曲の6枚組CDで,ゲヴァントハウス弦楽四重奏団ほかの演奏によるものです

 

          

 

なぜメンデルスゾーンか?と言えば,このところ弦楽八重奏曲を立て続けに聴く機会があったものの,恥ずかしながら,あの有名な八重奏曲のCDを1枚も持っていなかったのです メンデルスゾーンを見直すきっかけになったのは,昨年12月に浜離宮朝日ホールで聴いたフォーレ四重奏団の公演でアンコールに演奏したピアノ四重奏曲第1番のフィナーレでした 疾走するような快演にすっかり魅了され,彼らの演奏によるメンデルスゾーンのピアノ四重奏曲第1番と第2番を収録したCDを買い求め,繰り返し聴きました 8枚のメンデルスゾーン,じっくり聴きたいと思います

 

  も一度,閑話休題  

 

今日はモーツアルトが「交響曲第39番変ホ長調K.543」を完成した日です モーツアルトの最後の3つの交響曲、第39番変ホ長調、第40番ト短調、第41番ハ長調は1788年の夏、ほぼ1か月半の間に立て続けに作曲されたと言われていますが、この39番は同年6月26日に、モーツアルト研究家のR.ランドンによればわずか4、5日で完成したとのことです

私はこの曲の第3楽章「メヌエット」が大好きで、すべての交響曲の楽章の中で最も好きな曲と言っても過言ではありません

JR川崎駅からミューザ川崎に至る遊歩道を歩くと、天井からこの「メヌエット」のメロディーが聴こえてきたものですが、ミューザ川崎は現在、昨年の3.11大地震の被害を受け大幅に改装中です 今も流れているのかどうか、しばらく川崎に行っていないのでわかりません

この曲の推薦CDはカール・べーム指揮ウィーン・フィルによる演奏です。私にとってモーツアルトの交響曲の理想のテンポは,彼らによる演奏です

 

          

 

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かつて無い映像表現=CGの新境地~スピルバーグ監督「タンタンの冒険」を観る

2012年06月25日 06時50分03秒 | 日記

25日(月).昨日午前,一昨日に続き飯田橋のギンレイホールで映画「タンタンの冒険~ユニコーン号の秘密」を観ました これはスティーヴン・スピルバーグが3年ぶりに監督を務め,初のフルデジタル3Dに挑んだ意欲作で,世界中で愛されている「タンタンの冒険」を映像化したものです

17世紀に姿を消した帆船ユニコーン号の模型を手にした少年タンタンが,愛犬スノーウィと酔っぱらい船長ハドックとともに財宝の行方を追うスリル満点の冒険活劇です

最初にこの映像を観たとき,これはアニメなのか,実写なのか,と不思議な感覚に捕らわれました 結局のところ,高度に進んだコンピューター・グラフィックスの成果なのでしょうが,これまで観たことがない映像表現に驚きました 大人から子供まで理屈抜きで楽しめる作品です

さて,この映画で使われているクラシック音楽は,宮殿の野外広場でソプラノ歌手によって歌われるオペラのアリアです 恰幅の良いソプラノ歌手が登場すると,ロッシーニの歌劇「セビリャの理髪師」の第1幕でロジーナが歌うカヴァティーナ「今の歌声は」の序奏が流れてきます さて,これから,という時に,曲が急にグノーの歌劇「ロメオとジュリエット」第1幕のジリエットのワルツ「私は夢に生きたい」に変わってしまいます 序奏はロッシーニ,歌はグノーというわけです

このソプラノのハイCの超高音に耐え切れず,バドック船長は耳をふさぎ,スノーウィはのたうち回り,ワイングラスは割れ,ショーケースのガラスは砕け散り,シャンデリアが落下します.超大げさなリアクションに思わず苦笑してしまいます

たまにはこういう理屈抜きで楽しめる映画もいいものです

 

           

 

映画の帰り道,新宿の「タワーレコード」に寄ってみました.新宿駅東南口近くのビルの9階にクラシック売り場があったのですが,いつの間にやら10階に移っていて,面積も縮小されていました クラシック音楽よ,どこへ向かう

せっかくタワーレコードに来たので,前から目を付けていた韓国の女流ヴァイオリニスト,シン・ヒョンスのCDデビュー・アルバム「パッション」を買いました シン・ヒョンスは2008年に若手演奏家の登竜門ロン・ティボー国際コンクールで優勝した実力者です 翌年,2月にサントリーホールで開かれたガラ・コンサートを聴きに行きましたが,コンクールの本選で弾いたプロコフィエフの協奏曲第1番を見事に弾き切り,それ以来すっかり彼女のファンになりました.何を隠そう2年前から私のケータイの壁紙画面はシン・ヒョンスです

収録曲は①ヴィエニャフスキ「華麗なるポロネーズ第1番」,②同「創作主題による華麗なる変奏曲」,③ショーソン「詩曲」,④ドビュッシー「ヴァイオリン・ソナタ」で,ピアノは江口玲.2010年2月,浜離宮朝日ホールでの録音です.これから時間をかけてじっくり聴きたいと思います

 

          

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なぜ「アーティスト」に負けた?~映画「ヒューゴの不思議な発明」を観る

2012年06月24日 07時19分09秒 | 日記

24日(日).昨日の日経朝刊に「新国立劇場の次期監督に飯守氏ら」という小さな記事が載りました記事によると,「新国立劇場運営財団は22日,2014年8月末で任期が満了する尾高忠明オペラ芸術監督の後任に指揮者の飯守泰次郎氏(71)を充てる人事を発表した.任期は14年9月1日から4年間」ということです

現在の尾高芸術監督は昨年の3.11の大震災の影響で海外からの歌手陣が軒並みキャンセルとなった時,代替歌手の手配等で苦労されました キャストを大幅に入れ替えて,日をあらためて挙行された「ばらの騎士」は感動的でした 長い間イギリスを本拠に活躍していた尾高らしく今年10月にはブリテンの「ピーターグライムス」を上演します

後任の飯守泰次郎氏は長年東京シティフィルと関西フィルの常任指揮者を務めてきた人で,とりわけワーグナーの音楽には定評があります.どちらも今後の活躍を期待したいと思います

 

  閑話休題  

 

昨日,飯田橋のギンレイホールでマーティン・スコセッシ監督の映画「ヒューゴの不思議な発明」を観ました 物語は,

「1930年代のパリ.駅の時計台に隠れて住む孤児ヒューゴは,亡き父が残してくれた壊れた機械人形を宝物のように大切にし,修理しようとしています ある日,イザベルという少女と知り合いますが,彼女は機械人形を動かすのに必要なハート型の鍵を持っています その鍵を使ってついには機械人形の秘密のメッセージを探し当てます

この映画で使われているクラシック音楽はフランスの作曲家エリック・サティの「グノシエンヌ」か「ジムノぺティー」のどれかではないかと思います

この作品は2011年アメリカ映画で,第84回アカデミー賞の撮影賞,美術賞などを受賞しましたが,作品賞,監督賞,主演男優賞など主要な部門は,あの「アーティスト」にさらわれました この2つの映画はいずれも映画創世記を想い起こさせるノスタルジックな作品という点で共通していますが,なぜモノクロ映画が勝ったのでしょうか

「ヒューゴ」の方はフルカラー2D,3Dでの公開ですが,「アーティスト」の方はモノクロでの公開です.私見では,アカデミー賞の審査員たちは,今どき流行のハイテクを駆使した映画製作に嫌気がさして,あえてモノクロ映画に軍配を上げたのではないかと思いますが,どうでしょうか 当初,「アーティスト」はカラーで撮ったものを公開に当たり急きょモノクロに変えた,と何かで読みましたが,もし,カラーのままで公開していたら「作品賞」「監督賞」を獲得することが出来たかどうか,それは非常に疑問です

 

          

 

 

 

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オーケストラ・アンサンブル金沢ほか~9月のコンサート・チケットを買ったぞ!

2012年06月23日 06時54分46秒 | 日記

23日。昨夕,あろうことか.E部長に「日程表によると今日はコンサート入っていないよね」と問われ,「入ってないけど」と正直に答えると,「じゃあ,30分だけ」と言われ,地下のOで飲むことになりました私の夜の月間スケジュール表はE部長に渡してあるので,すべてお見通しなのです.S元監査役,N新監査役,K君,そしてなぜかS建設のF氏までが芋ヅル式に参加することになりました.30分の約束でしたが,いつものように何故か1時間が過ぎていました.その後,E部長,F氏と3人でHCビルの地下1階「K」に移って飲みました.2夜連続です という訳で今日も朝から頭が頭痛です

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊に「賢治のチェロ 音色再び 岩手の記念館 定期演奏で長持ち」という記事が載りました 記事によると、

「宮沢賢治が愛用していたチェロが今秋、楽器としてよみがえる 使わないといたんでしまうため、展示してきた岩手県花巻市の宮沢賢治記念館が定期的に演奏する方針に切り替えた チェロは賢治が1926年に購入し、数少ない遺品の一つ。チェロは10月19日に花巻市内で開かれる記念館の30周年記念演奏会で、チェリスト藤原真理さんが、賢治の最愛の妹トシが弾いたヴァイオリンと合奏する

「セロ弾きのゴーシュ」のセロ(チェロ)はどんな音がするのか、是非聴いてみたいと思います どんな曲を弾くのか興味があります。独奏だったらバッハでしょうか?ヴァイオリンと合奏とありますからシューベルトでしょうか?いずれにしても、花巻市まで行かなければならないのですね.だめだこりゃ

 

  閑話休題  

 

9月に開催されるコンサートのチケットを3枚買いました。1枚は9月6日(木)に東京オペラシティコンサートホールで開かれるオーケストラ・アンサンブル金沢の「生誕80年岩城宏之メモリアルコンサート東京公演」です 出演者は指揮者(井上道義、外山雄三、山田和樹ほか)、作曲家(一柳彗、西村朗、池辺晋一郎ほか)、歌手(森麻季、鳥木弥生ほか)、コーラス(東京混声合唱団)、ピアニスト(木村かおり)、女優(檀ふみ)と多彩です

3部構成で、第1部「パトロン岩城宏之」、第2部「岩城宏之アラカルト」、第3部「ベートーヴェン振るマラソン」となっています

演奏曲目で期待するのは①外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」、②ベートーヴェン「交響曲第9番」から「第4楽章」です

 

          

 

もう1枚は9月20日(木)にサントリーホールで開かれるKissポートクラシックコンサートです 曲目は①モーツアルト「劇場支配人序曲K.486」、②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調”皇帝”」、③モーツアルト「ミサ曲ハ長調 戴冠式ミサK.317」の3曲

大友直人指揮東京交響楽団。②のピアノ独奏は石田啓明、③の独唱は小林沙羅(Sp)、竹本節子(Ms)、錦織健(Tn)、成田博之(Br)という面々です

これはもっぱらモーツアルト「戴冠式ミサ曲」を聴くのが目的です

 

                 

 

最後の1枚は、9月23日(日)に紀尾井ホールで開かれる「紀尾井シンフォ二エッタ東京」の定期演奏会「オール・モーツアルト・プログラム」です 曲目は①交響曲第36番ハ長調K.425”リンツ”」、②クラリネット協奏曲イ長調K.622」、③交響曲第39番変ホ長調K.543]の3曲です 指揮はトレヴァー・ピノック、クラリネットはパトリック・メッシ―ナ。この3曲の組み合わせは最高です

 

          

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貴城けい著「宝塚式”ブスの25箇条”に学ぶ”美人”養成講座」を読む

2012年06月22日 06時56分44秒 | 日記

22日(金)。先日の株主総会で当社の監査役が交代したことから、昨夕,S旧監査役の慰労会兼N新監査役の歓迎会を新橋第一ホテルの中華料理店で開きました S旧監査役は業務引き継ぎと特命事項のため来年秋まで当社に残ります ビールで乾杯して,その後は老酒に移りました 料理はどれも美味しく,U専務の要望で北京ダックが緊急に追加されました 8時半ごろ解散となり,新旧監査役とE部長と私の4人で,HCビル地下のKに流れ10時過ぎまで飲みました E部長はお店のママから「昨日おいでになると聞いていたので,お待ちしてましたのに・・・・・」と詰め寄られ,「そ,その予定だったんだけど,串焼きRを出てこっちに向かうとき,後ろからテナントSのFが背後霊のように憑いてきたんで,六本木に行ってしまったのです・・・・・また明日,出直して来るから・・・・」と苦しい言い訳をしていました.私はRの途中でコンサートに行ってしまったので,E部長がそんな約束をしていたとは知りませんでした また,新しい約束なんかしちゃったようだけど,オレしらねーよ,そんなこと という訳で今朝は頭が頭痛で痛いのです.今日の朝の新聞の朝刊がまともに読めないのです

 

  閑話休題  

 

貴城けい著「宝塚式”ブスの25箇条”に学ぶ”美人”養成講座」(講談社+α文庫)を読み終わりました。私は宝塚ファンではありませんし、貴城けいという人もこの本を読むまでまったく知りませんでした。書店でこの本を見て、何気なく手にとってパラパラと立ち読みしたら面白そうだったので思わずレジに持っていきました

貴城(たかしろ)けいさんは元宝塚歌劇団宙組男役トップスターで,女優です 1992年,第78期生として宝塚歌劇団に入団,雪組に配属.2006年の「ベルサイユのばら」ではオスカル役(星組),役替りでアンドレ役(雪組)を務め話題となりました 2006年5月,宙組に組替えし,男役トップスターに就任,2007年に歌劇団を退団し女優としての活動を開始しました

宝塚歌劇団のモットーは「清く,正しく,美しく」だそうですが,諸先輩から受け継がれてきた様々なしきたりがあるそうです 「歌劇団関係者に会ったら必ずあいさつをする」「学校の廊下は端を1列になって歩く.角は直角に曲がる」「登下校は2列縦隊に整列して行う」などです.これに限らず、宝塚歌劇団は競争が激しく、相当躾が厳しいところのようです

タイトルになっている「ブスの25箇条」は,”とある時期”から,宝塚歌劇団の”とある場所”に貼りだされていたものだそうです 「誰が書いたのか,いつから貼られていたのか,誰に聞いてもわからない」とのことです 「こんなことをしたらブスになる」という25の項目です

全体は次の5つの章からなっています。

第1章「美人の基本は笑顔です」

第2章「自分がわかれば美人に近づきます」

第3章「美人は人のせいにしません」

第4章「一緒にいると幸せになる、それが美人です」

第5章「強い想いが美人をつくります」

例えば第1章の「美人の基本は笑顔です」にはブスの条件として次のようなことが書かれています。

1.笑顔がない

2.お礼を言わない

3.おいしいと言わない

4.目が輝いていない

5.精気がない

6.いつも口がへの字の形をしている

この本を読んでいて素直に納得できるのは、彼女は自らの宝塚時代の経験を通して「25箇条」を語っているからです。これが、他の本の引用や、経験に基づかない頭だけで考えたものなら,誰もが”空理空論”として相手にしないでしょう 言うだけなら,書くだけなら,誰にでもできるからです それにしても,この手のタイトルの本はブスには書けないでしょうね

読み終わったこの本を食卓の上に置いておくことにします。わが家には20代の娘と息子がいます。さて、どちらがこの本を手に取るか・・・・・・今夜家に帰ってきてからが楽しみです

 

         

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目立たない指揮者だが~エド・デ・ワ―ルト指揮「ロイヤル・フランダース・フィル」を聴く

2012年06月21日 06時56分04秒 | 日記

21日(木)。昨日は、当社の定時株主総会と取締役会があり、無事に終わったことを祝して、夕方地下のRでご苦労さん会を開きました 例によってS監査役,E部長,T君,K君という面々です.当方はコンサートを控えているので30分だけ付き合うことにしました.ビールと日本酒を飲んで,一人だけ”仕上げ蕎麦”を食べて,冷やしトマトを食べていると,タイムキーパーのK君が「殿,時計をご覧くだされ」と進言するので,腕時計をみると,何と6時15分 錦糸町のホールまでぎりぎりの時間です.そそくさと荷物(文庫本1冊)をまとめて地下鉄に向かいました

 

  閑話休題  

 

昨夕午後7時から、すみだトリフォニーホールでエド・デ・ワ―ルト指揮ロイヤル・フランダース・フィルの来日公演を聴きました プログラムは①エルガ―「チェロ協奏曲ホ短調」、②マーラー「交響曲第1番ニ長調」です。チェリストは当初マリー・エリザベート・ヘッカ―という女性の予定でしたが、健康上の理由からポール・ワトキンスに変更になりました。私は2人とも知りませんが,どうせならマリーさんの演奏を聴きたかったです

 

          

 

オーケストラの配置は,左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,その後ろにコントラバスという編成です 数年前にこのオーケストラを聴いたときはフィリップ・ヘルヴェッへの指揮でマーラーを演奏しましたが,コントラバスが舞台奥に横一列に並んで演奏していたのが印象的でした

女性のコンサートマスターによるオーケストラのチューニングが終わって,チェロのワトキンスとともにエド・デ・ワールトの登場です 私はLP時代のワールトしか知らないので,白髪の頭と顔と姿を見て「ずいぶん年を取ったなあ~」と思いました.彼は1964年にニューヨークのミトロプーロス指揮コンクールで優勝後,ニューヨーク・フィルで1年間バーンスタインの助手を務めてオランダに帰国,ベルナルト・ハイティンクのもとコンセルトへボウ管弦楽団指揮者助手になりました そのせいかどうか分かりませんが,ワールトはハイティンクにそっくりです

チェロ独奏のポール・ワトキンスは1970年イギリス生まれ,弱冠20歳でBBC交響楽団の首席奏者となりました その後,ソリストとして活躍しています

エルガーの「チェロ協奏曲ホ短調」は,第一次世界大戦が終結に向かいつつある1919年に完成しました 4つの楽章から成りますが,流れるように連続して演奏されます.チェロ協奏曲の中ではドヴォルザークに次ぐ名曲です.ワトキンスは詩情豊かに美しいメロディーを奏でます 同じイギリス出身のチェリストでエルガー奏者と言えば,伝説のジャクりーヌ・デュプレがいましたね

ワトキンスは観客のアンコールに応え,J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第3番の「サラバンド」を心豊かに演奏しました

2曲目のマーラー「交響曲第1番ニ長調」は,作曲者が26歳の頃に書き始められ1888年に完成しました

ワールトの合図で,第1楽章「ゆっくりと,ひきずりながら,自然の音のように」が始まります しばらく聴いてみて「この程度の演奏なら,日本のオーケストラでも対抗できるのではないか」と思いました.しかし,第1楽章フィナーレ近くのホルンの総奏あたりから考えが変わってきました.何とも柔らかな良い音を出すのです それから第2楽章「力強く動いて,ただし速すぎずに」に入ると,今度は弦楽の演奏の素晴らしさに気が付きました.とくにヴァイオリン・セクションが非常に美しい音楽を奏でています

第3楽章「厳粛に,また重々しく,引きずらずに」はコントラバス1本で「兄弟マルティン,お前はまだ眠っているのか」のパロディ旋律を奏でます.コントラバス奏者なら誰もがこのソロをやってみたいと思うのではないかと思います

第4楽章「嵐のように動いて」に突入して”本領発揮”といった感じになりました オーケストラのメンバーの一人一人が最大限の力を発揮して演奏に取り組んでいます.マーラーは,最後のファンファーレではホルンの7人(可能ならさらに増強)が起立して演奏するように指定していますが,ワールトはホルン7人とトロンボーン,トランペット各1人を起立させて増強しました.2台のティンパ二の迫力と相まって,その演奏効果は凄まじいものがありました

拍手とブラボーの嵐に何度もワールトは舞台に呼び戻され,管楽器奏者を中心に起立させて拍手を求めました.それでも拍手が終わらないので,ワールトはコンサートマスターの手を取って引き上げていき,やっと観客も席を立ちました

ワールトという指揮者は先生のハイティンクと同じように,あまり目立たない存在ですが,時に凄い演奏を展開します.今回がその典型でした

 

          

 

 

          

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