人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

モーツアルト「セレナード第11番K.375」,シューベルト「八重奏曲」を聴く~アフィニス夏の音楽祭

2011年08月31日 12時57分09秒 | 日記
31日(水).今朝6時にブログのページを開くと、「メンテナンスのため午前1時から8時(予定)まで、ブログの投稿・閲覧などは一切できません」というお知らせが出ていてビックリしました。いまgooのブログを使っていますが、gooのネも出ませんでした そんなわけで、投稿が今になってしまいました。

昨夕、虎ノ門の「JTアートホール”アフィニス”」で「アフィニス夏の音楽祭・東京公演」を聴いてきました このホールはわが社から徒歩で12分くらいのところにあり、イイノホールに次いで近いホールです.便利なのですが、たったの256席しかないので、聴きたいコンサートがある場合は発売と同時にチケットを買わないと、すぐに売り切れになってしまうのです.今回は何とか間に会いました

「アフィニス夏の音楽祭」はJTの財団が主催する、国内プロオーケストラ・メンバーのためのセミナー音楽祭です.全国のプロオーケストラからの参加者と世界一流オーケストラ等で活躍している講師が一堂に会し「セミナー」「コンサート」「音楽交流プログラム」に取り組みます.今回の公演は「セミナー」の成果を東京で披露するコンサートです

プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲へ短調作品20-5」②モーツアルト「セレナード第11番変ホ長調K.375]③シューベルト「八重奏曲ヘ長調作品66」の3曲です.

1曲目のハイドンの「弦楽四重奏曲」は,エステルハージ家のお抱え音楽家の立場で,長調の明るい曲を書くのが当りまえだった彼としては珍しい短調の曲です.第1楽章から第3楽章を聴く限り,後のモーツアルトやベートーベンに少なからぬ影響を与えたと思われる憂愁を帯びた曲想です また,第4楽章は逆にJ.S.バッハの影響を大きく受けたメロディー・ラインです.

第1バイオリンの川崎洋介以外は,国内のオーケストラの現役の弦楽奏者ですが,私は誰も知りません.川崎が他の3人を引っ張って演奏するスタイルを取ります.とくに武田芽衣(札幌交響楽団)という人の存在感のあるチェロの演奏が印象に残りました

2曲目のモーツアルトの「セレナード第11番」はオーボエ,クラリネット,ファゴット,ホルン各2本の8人で演奏される5楽章から成る曲です クラリネットのJ.パイツ(ドイツ.ハノーファー音楽大学教授)が体を大きく前後に動かしながら全体をリードします.この曲を聴くと、いかにモーツアルトが楽器の特性を知り尽くして作曲したか,よく分かるような気がします.とにかく楽しいのです.メンバーも生き生きと演奏しています。ジャズの用語を借りればよく”スイング”しています

休憩後はシューベルトの「八重奏曲ヘ長調」です.ハイドンが弦楽器のみ,モーツアルトが管楽器のみの曲だったのに対し,この曲は弦楽器と管楽器の組み合わせによって演奏されます.ベートーベンにクラリネット,ファゴット,ホルン,バイオリン,ビオラ,チェロ,コントラバスのための「七重奏曲作品20」という曲がありますが,それにバイオリン1本を追加した編成で演奏されます

この曲はアマチュア・クラリネット奏者,トロイアー伯フェルディナントが「ベートーベンのあの曲を手本にして作曲してくれ」と依頼したことから,そうした編成になったと思われます.しかし,バイオリン1本を追加する必然性があったのかどうか,私のような素人にはわかりません ただ,そうした経緯があったことから,この曲はクラリネット奏者がメロディー・ラインを演奏し全体をリードする形をとります.

8人が半円形に並び,左端の第1バイオリンと右端のクラリネットが向かい合わせになる配置で,掛け合いをするように演奏します.第1バイオリンのJ.リネバッハ(オタワ・ナショナルアーツセンター管弦楽団アソシエイト・コンサートマスター),チェロのウェン・シン・ヤン(ミュンヘン音楽大学副学長),ホルンのルカ・べヌッチ(フィレンツェ歌劇場管弦楽団主席奏者),そしてクラリネットの梅本貴子(関西フィル)の4人が核となって,他の4人がバックを支えるスタイルを取ります.この梅本貴子という人が表情豊かにシューベルトを演奏しているのを見ていると,実に生き生きと楽しそうに演奏していて好感が持てます ”できれば東京のオーケストラに移ってきてくれないかな”と勝手な希望を抱いてしまうほど魅力的な演奏をします 

今回の演奏会は,ほとんど無名に近い演奏家によるコンサートだったのですが,ハイドンも,モーツアルトも,シューベルトも,すべてが満足のいく内容でした.小さなホールでじっくり室内楽を聴くのもいいものだ,とつくづく思いました

   
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マーラー「交響曲第2番”復活”」を聴く~大野和士サントリー音楽賞受賞記念コンサート

2011年08月30日 06時44分39秒 | 日記
30日(火).昨夕,サントリーホールで大野和士指揮東京フィルによるマーラーの「交響曲第2番”復活”」を聴いてきました このコンサートは,サントリー芸術財団サマーフェスティバル2011の一環で,大野和士の「第41回サントリー音楽賞受賞記念コンサート」という位置づけです。チケットの手配が遅かったため、2階右側RD3列7番という席でした.が,もちろん通路側です

30分前に会場に着いて2階席に上がると,耳にイヤホンを着けた私服警官らしき人が何人も辺りを警戒しています さては皇室の誰かが来るに違いない,と思っていると,同じ2階席の右側前方のブロックに皇太子が立ち上がって会釈をしているのが見えました.報道カメラマンのフラッシュが一斉に焚かれたので分かりました.皇太子自身もビオラを演奏するので,ビオラに近い2階席に席を取った?実際は皇宮警察の警護上の理由でしょう

大野和士は1960年生まれ.1987年にトスカニーニ国際指揮者コンクールで優勝.1988年から1996年まで、クロアチアのザグレブ・フィルの音楽監督を務め、以降カールスルーエ・バーデン州立劇場の音楽総監督、ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)の音楽監督を歴任、2008年からはフランス国立リヨン歌劇場の首席指揮者を務めています.日本では1992年から10年間,東京フィルの主席指揮者を務めました.この間、2007年9月にはベルディの「アイ―ダ」を指揮してメトロポリタン歌劇場にデビューしました

オーケストラが揃い,合唱団(国立音楽大学,東京オペラシンガーズ)総勢約150名がオーケストラの後ろ側のP席に座ります.いよいよマーラーの”復活”の始まりです.

第1楽章「アレグロ・マエストーソ」(真摯で厳粛な表現をつらぬいて).大野はきびきびした指揮でマーラーの厳粛な世界を表現します.テンポは速めです.”無駄のない筋肉質な”と言ったらいいのか小気味のいいテンポで,前へ前へと音楽を進めます

第1楽章が終わって,大野は指揮台の前に置かれた椅子に座り汗を拭います.マーラーの指示によると,第1楽章と第2楽章の間は一定の時間を空けなければなりません.何十分だったか思い出せませんが,現代人はそれほど悠長ではありません 大野は2分も経たないうちに第2楽章「アンダンテ・モデラート」(きわめておだやかに)に入りました.この楽章は表題のように「おだやか」だけではありません

第3楽章は「しずかに流れるような動きをもって」です.この楽章には「魚に説教するパドゥアの聖アントニウス」が転用されています.原曲は聖アントニウスが教会に行ったが誰もいないので,川に行って魚に説教した,という筋立てですが,魚は信仰心を持たない人を暗示していると言われています.タイトルとはちょっと違ってリズミカルなメロディーが続くので思わず指で拍子を取ってしまいます

第4楽章「原初の光」(きわめて厳粛に,ただし素朴に).アルト(坂本朱)の独唱が「ひっそりと咲く小さな赤いバラよ」と歌いだします.この部分はぞくぞくっとします.そして最終章へとなだれ込みます.

最終章「スケルツォのテンポで,荒野を進むように~信じるのだ,わが心よ」.ここでは舞台上のオーケストラのほかに,バンダ(金管の別働隊)を舞台の裏に配置して,アルト,ソプラノ(並河寿美),合唱,オルガンが加わり,マーラーの宇宙が再現されます.バンダの音は合唱席の後ろのパイプオルガンの左右にあるドアを開けることで会場に届くように工夫されています

中盤に入ると,合唱がかすかに聴こえてきます.「よみがえる,そう,よみがえるだろう・・・ちりに等しいわが身よ,しばしの憩いの後に.お前を呼び寄せる方が,変わることなき,不死の生命を授けてくださるだろう」と.合唱団は椅子に座ったまま歌います.そして,指揮者の合図で立ち上がり「恐れおののくのはもうやめよう!思いを定めてさあ,生きるのだ!」「信じるのだ,わが心よ!失われるものなど何もないと」と力強く歌います

普通の合唱だと,長い椅子に詰めて座っていて立ち上がるので窮屈な感じがしますが,今回は座席に座っていてその場で立ち上がるので,隣との間に隙間があるせいか,合唱団の隊形がすごくきれいに見えます

最後に「復活だ!そう,復活の時が来る!わが心よ,おまえは一瞬のうちによみがえる.かつて刻んだ命の脈動がおまえを神のみもとに運んでくれるだろう」と結ばれます.大野は渾身の力を込めてタクトを振ります.

最後の音が鳴り終わって,一瞬”しじま”が訪れ,続いて「ブラボー」との嵐となりました.

指揮者のタイプには色々あると思います.自分が熱くなって指揮に没頭する割にはオーケストラの方は冷めているというケース,指揮者は冷静なのにオーケストラは熱くなって演奏するケース,指揮者が熱くなって指揮をするので,オーケストラもそれに引っ張られて熱くなって演奏するケース・・・・と.

最初のケースはつい最近ベルリン・フィルを振った日本人指揮者YSあたりが該当するでしょうか 2番目のケースがまさに大野和士ではないかと思います ついでに言えば3番目はレナード・バーンスタインが代表格でしょう 大野は冷静です.正宗の刀のような切れ味とも言うべき指揮をします.激しい動きをしているように見えるときでも決して激情しているわけではなく,冷静沈着にオーケストラ全体を把握しています

正確に測ったわけではありませんが,大野が第1楽章のタクトを振り下ろしてから最終章の最後の一音の指揮が終わるまでちょうど1時間30分だった,と思います.

かつて大野が東京フィルの主席指揮者の時に,ジルべスター・コンサート(大晦日から元日にかけてのコンサート)があり,ラベルの「ボレロ」を午前0時丁度に終わるよう指揮をする,という試みに挑戦し成功したのを見たことがあります.大野の正確無比なタクトさばきの成せる技だと驚きました.

まさか,今回のコンサートで大野がこの曲を休憩を入れてピッタリ1時間半で終わるように計算のうえ指揮をしたとは思えませんが,やろうと思えば,彼ならできるでしょう

演奏プログラムに朝日新聞記者の吉田純子さんが「大野和士”復活”への思い」という文章を書いています.
「あの震災後,初めて帰国する日本で,大野は当初予定を変更してマーラーの「復活」を振りたいと主張した.その理由は,当日の演奏が十全に語ってくれるであろうから,ヤボな言葉で説明するつもりはない.大野にとって,今の日本の人々と共有したいのがこの「復活」という曲だった,ただ,それだけのことなのだと思う.音楽は無力ではない.そんな確信を,ひとりでも多くの人々に与えてくれる演奏会になることを祈りたい」

まさに,会場にいた聴衆の一人一人に大野のメッセージは届いたのではないか,と思います 奇しくもこの日,民主党の新しい代表者が選ばれ,日本の総理大臣に選ばれる運びとなりました.われわれ国民は”復活”を望んでいます.勘違いしないでもらいたいのは,民主党の復活ではなく,日本という国の復活だということです

     
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高円寺・音楽喫茶「ルネッサンス」を訪ねて~中野「クラシック」の精神はここに

2011年08月29日 06時21分41秒 | 日記
29日(月).昨日,再び高円寺に行ってきました.「東京クラシック地図」(交通新聞社版)で見つけた音楽喫茶「ルネッサンス」を,先週火曜日に訪ねたのですが,シャッターが閉まっていました.同書には「月休」とあったので火曜は開いていると思っていたのです.JR高円寺駅の南口からパル商店街を抜け,ルック商店街に入ってすぐの小道を左折すると,今回は「ルネッサンス」の看板が出ていました.「月火定休」「食べ物持ち込み可」とありました.本が出た後,定休日が増えたようです

午後1時少し前に地下1階のお店に入りました.入り口でコーヒー代400円を前払いして中央の席に座りました.すでに男性客が2人別々の席に座って音楽に耳を傾けながら雑誌などを見ていました

店内は,まさに中野「クラシック」の再現です.正面にはタンノイの大型スピーカーが鎮座し,その背後には中野「クラシック」のオーナーで画家の故・美作七郎氏の作らしき人物画がかけられています.横には真空管アンプがいくつも並んでいます.側面の壁には古時計,写真,絵画,さらにトランペットまでがかけられています おもしろいのは,木箱の上に置かれていた蓄音機です.特有の大きなラッパがあって,普通ならニッパー(ビクターの犬)が乗っているはずなのに,なぜかロダンの「考える人」のミニチュア(とはいえかなり大きい)が置かれていました

反対側の側面はSPレコード,LPレコードの棚になっているらしく書棚のような作りになっていました.店内は薄暗く,照明はランプ(中は電球)で統一されています.暗くてシック これも「クラシック」の雰囲気そっくりです.それに,何といっても座った椅子とテーブルの古さといったら,何とも懐かしい想いがしました 机に書かれたいたずら書きを見ながら,しばし中野「クラシック」に行ったときの思い出に耽りました.

お店に入ったときに鳴っていたのは,シューマンの「交響曲第1番」でした だれの演奏家わかりませんが,堂々たる演奏だったので多分オットー・クレンペラーの指揮による演奏だったのではないかと,勝手に決めつけました.きっと真空管アンプでLPレコードを鳴らしているのでしょう.やわらかく,すごくいい音です それが終わると,だれの曲か思い出せないのですが,ピアノ,バイオリン,チェロによる三重奏曲が流れました LPレコード特有のスクラッチ・ノイズが入っていて,それがまたいいのです 次はピアノの伴奏によるチェロの小品がいくつか演奏されました.チェリストがうなり声を出していたので,多分パブロ・カザルスだろうと思っていると「鳥の歌」が流れてきたので,”当たり”だったようです.この時点で先客2名はお帰りになり,私一人が残されました 誰か来てくれないと帰りにくいなあ,と思いながら音楽に耳を傾けていました.

次にかかった曲は,曲想からイギリスの作曲家の曲かな,と思ったのですが,そのうち「シチリアーノ」のメロディーが流れてきたので,ガブリエル・フォーレの劇付随音楽「ペレアスとメリザンド」組曲だ,と分かりました この辺で,若い女性の2人組,おじさん1人が入ってきたので,そろそろお暇のときだな,と思って腰を上げました.いつの間にか午後3時ちょっと前,コーヒー1杯で2時間居すわったことになります.いい音楽をいい音で聴いていると,時間が経つのを忘れてしまいます

お店を出て高円寺駅に行く途中,この街は「高円寺阿波踊り」の2日目ということで,道路があちこちで封鎖され,まさに3時から阿波踊りが始まろうとしているところでした.マイクでカウント・ダウンが叫ばれます.3.2,1,スタート 「あ,えらいやっちゃ,えらいやっちゃ,よいよいよいよい・・・・」と道のあちこちで,○○連と書かれた浴衣にたすき掛けの男女が踊り始めました.集団で踊っているとカッコいいですね 高円寺駅に着いてホームに上がろうとすると,上から下りてくる客があまりにも多く,駅員が整理に追われていました.お祭り騒ぎとはこのことです 日本人って本当にお祭りが好きですね

      
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高円寺「ルネッサンス」~今は無き中野「クラシック」はいずこへ

2011年08月28日 06時58分05秒 | 日記
28日(日).先日,短い夏休みを取った際に池袋のJ書店で「東京クラシック地図」(交通新聞社版)を買いました.本の帯に「名曲喫茶,生演奏の聴ける店,コンサートホールの歩き方,クラシック音楽専門レコード店,そしてネットやラジオ・・・・どこでもクラシック音楽を楽しむための58軒」とあります

実はこれまで,ずーっと気になっていたのことがありました.それは中野の音楽喫茶「クラシック」は今でも健在なのかどうか,ということです 「クラシック」との出会いは前の職場に勤めていたとき,当時,中野に住んでいたMさんに連れて行かれたのが最初です.JR中野駅を降りて中野ブロードウェーを入り,しばらく歩いて左に曲がってちょっと入ったところに,中世のお城のような構えの店があり「クラシック」と書かれていました.店に一歩踏み入れたときの感想は「戦争直後の日本に戻ったような感じ」でした.

コーヒーを注文したのですが,一緒に出された水がワンカップで,ミルクピッチャーがマヨネーズの赤い蓋だったのには,思わず口あんぐりでした 2階への階段を上るときギシギシと音をたてて,床板の隙間から1階が見えるのです.ちょっと足を踏み外したら落ちるのではないか,と不安になったことを覚えています.

1階には確かリクエストを書く黒板が掲げられており,壁にはオーナーで画家の美作七郎氏の絵が掛かっていました.その後,何回か一人で「クラシック」に行ったのですが,不思議なことに,行くたびにかかっていたリクエスト曲がホルストの「惑星」でした あれは本当に不思議でした.そんな思い出もあって,ずーっと気になっていたのです.

この本を最初から読んでいくと,行きつけの渋谷「名曲喫茶ライオン」があり,何ページかあとに「高円寺 ルネッサンス」というクラシック喫茶の紹介がありました.その中に「今はなき名店”クラシック”は,昭和20年創業の中野の名曲喫茶.・・・初代オーナーで画家の故・美作七郎さんと愛娘・良子さんの美学だったが,良子さん亡きあと2005年に惜しまれつつ閉店した」とありました.「孝行をしたいときには親はなし」と同じで,「行きたいと思うときには店はなし」だったのです.無念です

ところが,「クラシック」で働いていた檜山真紀子さんと岡部雅子さんが高円寺に2007年11月に音楽喫茶「ルネッサンス」を開いたと書かれています.「クラシック」が取り壊されるときに絵以外は捨てられると聞き,LP,家具,調度品をすべてもらってきたとのこと.「ルネッサンス」の中に「クラシック」が生きているということです

”これは是非一度は行ってみないといけない”と思って,さっそく高円寺に出かけました.本には,お店を外から撮った写真がないので,お店の住所を頼りに駅の南側を歩き回ったのですが,なかなかお店が見つかりません.たしかに住所はすぐ近くのはずなのに見つからないのです.喫茶店なので看板なり大きな目印が出ていると思ったのですが,甘かったようです 商店街の通りから脇に入った小さなビルの1階の入り口に,30センチ四方程度の「ルネッサンス」の表示板を発見しました.ところがシャッターが閉まっているのです.本には「月曜・休」と書かれていたので火曜日に行ってみたのですが,閉まっているのです.

ひょっとして,2~3年前のリーマン・ショックを契機に客の入りが極端に減少して土日だけしか開店していないとか,なんらかの理由があるのでしょう.今日は日曜日なのでもう1度トライしてみようと思います

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「江副育英会」公演チケット入手~11月「新イイノホール」オープン

2011年08月27日 06時29分40秒 | 日記
27日(土).今日は朝から曇り空です.遠くに台風が2つ来ているようで,来週は荒れるかもしれませんね.民主党の代表候補者討論会が急きょ今日の午後開かれることになり,ビル管理の関係から休日出勤になりました.昨夕,要員打ち合わせということで,地下の焼き鳥OでE部長ほかと飲みました 封切りの1升ビンがみるみる空になりかけていました たぶん気のせいだと思います。今日は午前中,マンションの消防設備定期点検に立ち会わなければならないので、それが終わってから出勤することにしました.本当は午後「侍ブラス」コンサートの予定が入っていたのですが,ン千円のチケットがパーになりました エリック・ミヤシロのトランペットを聴きたかったのに 珍しくクラシック以外のコンサート・チケットを買ったのに、縁がないのでしょうか?これも民主党のおかげです.このお礼は,ささやかながら次の選挙の際に考えさせていただきます 

ところで、内幸町の飯野ビルの建て直しに伴って建設中だった「イイノホール」が11月1日にオープンします。先日、サントリーホールの入口で配っていたチラシの中に「第17回 江副育英会コンサート」がありました。うたい文句に「国内外で修業研鑽を重ねた奨学生が1年の成果を披露いたします。フレッシュな演奏をお楽しみください」とあります「12月18日(日)13:30開演、イイノホール」となっており、S席4,000円、A席3,000円、学生席1,000円(全席指定)とあります。さっそくS席を押えました

出演者はピアノ=田村響、高木竜馬、北村朋幹、バイオリン=黒川侑、二瓶真悠、チェロ=宮田大ですが、目的は「新しいイイノホールの響きをチェックする」ことです。500人収容の新しい多目的ホールで、どの楽器がどんな響きをするのか、大いに興味があります。演奏者と演奏曲目は二の次です。演奏が良ければ儲けものです

旧イイノホールはどちらかというと「落語会」のイメージが強く、クラシック音楽とはほど遠いイメージでした。私がイイノホールで聴いた唯一のコンサートは、宮沢明子のピアノ・リサイタルでした。「落語会」のイメージが変わるのか変わらないのか、良い方に変わってくれればいいのですが 何しろ会社から徒歩1分ですから、これ以上便利なところはありません。新生イイノホールに期待します

写真左は行けなくなった「侍ブラス」コンサートのチラシ。右はイイノホールで開かれる「第17回江副育英会コンサート」のチラシ。

      
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デニス・ブレインの演奏する水道ホース協奏曲を聴く~冗談音楽「ホフナング音楽祭」CDから

2011年08月26日 06時37分08秒 | 日記
26日(金)。何日か前の日経朝刊に「CDウェイブ 法的整理を検討 先月までに全店閉鎖」という小さな記事が載っていました

「CD販売店WAVEを運営していたウェイブが自己破産を含む法的整理をしていることが明らかになった。1990年代には大手の一角を占め売上高も120億円を超えていたが、ネット配信の拡大などによりCD市場が縮小し、業績が低迷。2010年8月期には売上高が約58億円まで減少し、資金繰りも悪化した。現時点の負債総額は24億5千万円となっている」

10年ほど前までは六本木WAVEに、会社の昼休みに地下鉄に乗ってCDを買いに行ったものですが残念です もう一つの大手HMVも銀座店、新宿店と相次いで閉鎖され、よく利用していた池袋店もクラシック売り場が大幅に縮小されてしまいました。また、最後の命綱だった渋谷店も、昨年だったか閉鎖されました。残る頼みはタワーレコードしかありません。渋谷店と新宿店。この2店をいつまでも残してほしいと念願しています

さて2週間前に渋谷のタワーレコードで買ってきたクラシックCD4枚のうちの1枚は「ホフナング音楽祭・1956年ロイヤル・アルバート・ホール・ライブ」です。

ホフナングは1925年にベルリンで生まれ,ヒトラーの台頭とともに家族と共にイギリスに渡りました.最初は「パンチ」などの雑誌のために漫画を描いていました.彼の描く漫画は音楽家や楽器がテーマに選ばれていますが、ディテールの描写が優れているといわれています.そのホフナングが始めた冗談音楽祭が「ホフナング音楽祭」です

中にはあの有名なデニス・ブレインが水道ホースをホルン代わりに演奏したレオポルド・モーツアルトの「水道ホースのための協奏曲」第3楽章が入っています.水道ホース1本で見事にメロディーを奏でていますが,ときに音程が外れます.それが聴衆の拍手喝さいを呼びます.モーツアルトの父親レオポルドが,まさか水道ホースのために協奏曲など作曲していませんから,多分「2つのホルンのための協奏曲」の編曲でしょう

フランツ・レイゼンシュタインという人の作曲した「すべてのピアノ協奏曲のための最後の協奏曲」とでもいうべき曲は,最初の出だしがチャイコフスキーの協奏曲なのですが,すぐにグリーグの協奏曲に変わり,また元に戻ったかと思っていると,ラフマニノフの2番のメロディーが流れてきて,いいなあと思っていると,いきなりガーシュインのラプソディ・イン・ブルーに変わったりして目茶苦茶なのです メロディーが変わるたびに聴衆の爆笑が聞こえてきます

マルコム・アーノルドの「大大序曲」は,それはそれは誇大妄想的な大袈裟な曲で,しかも,終わりそうでなかなか終わりません

どの曲を聴いても,その場にいたらさぞかしのけぞって大笑いしたことでしょう.この音楽祭は現在でもイギリスで続けられていると聞いています イギリスならではのユーモア精神でしょう.日本では,かつて”大きいことはいいことだ”の山本直純がこれに似た試みを「題名のない音楽祭」でやっていた記憶があります.でも,まじめ一方の日本のクラシック音楽界ではなかなかこういう”冗談音楽”は根付きません 1年に1回くらいどこかのオーケストラがやってくれても良いのではないでしょうか

下のCDジャケットの写真もホフナングの手によるものです.

   
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生誕200年リスト,没後100年マーラーを聴く~読響サマー・フェスティバル「コバケン・スペシャル」

2011年08月25日 06時39分47秒 | 日記
25日(木).昨夕,30分だけという約束でE部長と地下の焼き鳥Oで飲みました 枝豆,焼き鳥をつまみに生中1杯でちょうど30分.それからサントリーホールまで歩きました 25分弱.午後7時から読売日響サマーフェスティバル「コバケン・スペシャル」を聴きました 読響は18日の「3大協奏曲」コンサートに次いで2回目です.指揮は”炎のコバケン”こと小林研一郎.ソリストは金子三勇士(ピアノ).

ほぼ満員の会場を見渡して思うのは「この人たちは今日の演奏会に何を求めて来たのだろうか?」ということです.”炎のコバケン”をひと目見ようと来たのか,金子三勇士を聴きに来たのか,マーラーを聴きに来たのか.それぞれで違うのでしょう.私の場合は①マーラーを生で聴くこと②金子三勇士のピアノを「協奏曲で聴く」ことが目的です.ソロはすでに聴いているので

プログラムは今年生誕200年を迎えたリストの①「交響詩”前奏曲”」②「ピアノ協奏曲第1番」と,没後100年を迎えたマーラーの③「交響曲第1番”巨人”」の3曲です.

小林が登場しオーケストラに向き合います.よく見ると指揮棒の3分の1(手元側)くらいが黒っぽいテープで巻かれているように見えます.先日のブログでも紹介しましたが,NHKの特番で小林が話していた「指揮棒が折れてしまったが,愛着があるので継ぎはぎして使用している」という例のタクトのようです

1曲目のリスト「前奏曲」では,指揮者のうなり声が聴こえました.小林の指揮の特徴です

2曲目はいよいよ金子三勇士の登場です.小林は1974年第1回ブタペスト国際指揮者コンクール第1位,ハンガリー文化勲章受賞などハンガリーには縁が深い指揮者.一方の三浦は日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれ,幼少の頃をハンガリーで過ごし,国立リスト音楽院大学のピアノ科を修了しています.ハンガリーゆかりのコンビによるハンガリー生まれのリストの作品の演奏です.また,指揮者・小林71歳,ソリスト・三浦21歳,歳の差50歳!を乗り越えてどういう演奏を展開するのか,そういう意味でも期待が高まります

三浦はその若さに似合わず非常に落ち着いていて,確かなテクニックに裏づけられた説得力のある演奏を展開します 小林は年を感じさせない精力的なサポートでソリストを盛り立てます.とても年齢が50歳も離れているとは思えません 終演後,小林は孫のような金子を引き立てていました 三浦は同世代の何人かのピアニストに比べ”何かを持っている”と思います.期待のホープです.願わくは”ショート・ホープ”にならないように,ということです

休憩が終わり後半開始のチャイムが鳴っていますが,1階中央の席で中高年のおばさんたち,もとい,ご夫人方10人ぐらいが誰かを取り囲んで,自席に着く気配がありません.よく見ると,演奏から開放された金子三勇士君が座っていて,サインを求められているのでした.母親世代から圧倒的な人気があるようです できれば平均年齢が30歳くらい下がれば本人にとっては理想的でしょうにね まあ,いいか.三勇士君,ファンを大切にね

さて,いよいよマーラーの交響曲第1番です.第1楽章の冒頭,トランペットの葬送行進曲風のテーマが流れます.これは良かったのですが,このあと,残念なことにホルンが出遅れ+音外しをやってしまい,聴いている方がヒヤヒヤしました あとの楽章にも引きずってしまったようです.第3楽章ではコントラバスの有名なソロが半拍遅れたように思いました.気のせいかもしれません

第3楽章までの細かいミスを帳消しにするかのように,小林はテンポを揺らしながら,歌わせるところは思う存分歌わせ,フィナーレに向かいます 最終局面で,小林は金管楽器奏者を全員立たせて演奏することを求めました.これはマーラーの指示どおりです

最後の音が鳴り終わるや否や,ものすごい拍手が舞台を囲みます.小林は例によって楽器のパーツごとに立たせて握手をし拍手を求めます.放っておいたら一人一人を立たせるのではないかと恐れて,早めに会場を離れました.はっきり言って,彼の場合やりすぎだと思います今年8月1日から読売日響の特別客員指揮者に就任したということもあって,楽員からの印象を良くしようという気持ちもあったかもしれませんが,見ている側からすると,しつこく感じますもっとも中には ”あれがいいんだよ”という人もいるでしょうが,私にはどうしてもそういう気持ちになれません コバケン・ファンの方,ごめんなさい







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モーツアルト「ドン・ジョバンニ」を観る~英国グラインドボーン音楽祭2010年公演の映画から

2011年08月24日 06時25分14秒 | 日記
24日(水).昨日は朝のうちは涼しかったですが,午後から急に暑さがぶり返してきました 猛暑の復活はあなたも望まないざんしょ?

という訳で,昨日,新宿バルト9で「ワールド・クラシック@シネマ・2010」シリーズのうち,英国グラインドボーン音楽祭の昨年7月公演=モーツアルト「ドン・ジョバンニ」を観てきました 10分の休憩時間を挟んで3時間15分でした.

グラインドボーン音楽祭は,ロンドン郊外にあるグラインドボーンで開かれる,イギリスの音楽祭の中でも最もステータスが高く,チケットが取りにくい音楽祭と言われており,新人歌手の登竜門とも言われている権威ある音楽祭です ソプラノのキリ・テ・カナワが若き日にグラインドボーンでモーツアルト「フィガロの結婚」の伯爵夫人を歌ったレーザーディスクを持っていました.処分して今はありませんが,彼女はあの音楽祭を足がかりに世界のオペラ界にデビューしたのではなかったでしょうか

この公演の特徴は3つ.1つはオーケストラが古楽器を使用する「エンライトメント管弦楽団」が演奏していること.もう一つはジョナサン・ケントによる演出が時代設定を現代に置き換えていること.そして3つ目は一人も世界的に知られている歌手が登場しないことです(イギリス国内は除いて).これらすべてが,米メトロポリタン・オペラとは対極的な立場にあります.しかし,水準が高いことは一目瞭然です

序曲の劇的な音楽が鳴り響きます.古楽器特有の”くすんだ”ような音が会場を満たします.モーツアルトはこの序曲をワインを飲みながら,妻のコンスタンツェとおしゃべりをしながら,たったの1晩で書き上げた,その筆跡に書き直した跡がないと言われています.本当の天才の証明でしょう 私は序曲が終わってレポレロが登場,「もう人に使われるのはまっぴらだ」などと歌っているところへ,ドン・ジョバンニがドンナ・アンナに追われて出てきて歌でやり取りするシーンが大好きです.弾むような音楽が用意されています

チラシによると,ドン・ジョバンニはジェラルド・フィンリーが歌うとありますが,女性2人=ルカ・ピサローニ,アンナ・サムイルのどちらがドンナ・アンナを歌い,どちらがドンナ・エルビーラを歌うのか分かりません.どちらにしても,レポレロ役,ツェルリーナ役を含めて,主役級の歌手陣は粒が揃っていました

演出で驚いたのは,第1幕冒頭のドン・ジョバンニと騎士長の決闘シーンです.これまでの”伝統的な”オペラではお互いに剣で戦って,騎士長が刺されて死ぬのですが,この演出ではドン・ジョバンニがレンガで騎士長の頭を殴りつけて死なせるのです もう一つは,最後の騎士長の亡霊が出てくるシーンです.”伝統的な”オペラでは騎士長の石像が動いて声を出すのですが,この演出ではドン・ジョバンニが食卓をひっくり返すと,そこが騎士長の棺おけになっていて,そこから亡霊が出てきて声を出すのです.まったく意外な展開です

古楽器のオーケストラの伴奏と現代的な演出とのコラボレーションによって展開された今回の音楽祭.グラインドボーンならではの先進的な試みだったように思います.いいと思います

ところで,今日はモーツアルトの「バイオリン・ソナタ第42番イ長調K.526」が作品目録に記入された日です.有名な「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と「ドン・ジョバンニ」にはさまれる形で1787年8月24日に完成しました.演奏はバイオリンのスーク,ムター,グリュミオー,ボスコフスキーなどで聴いてきましたが,この曲に関してはヒラリー・ハーンのバイオリン,ナタリー・シューのピアノによる演奏がベストです.この躍動感を何と表現したらいいのでしょうか これこそモーツアルトです

      
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METライブビューイングでプッチーニ「トスカ」を観る

2011年08月23日 06時45分25秒 | 日記
23日(火)その2.昨日,21日に続いて東銀座の東劇でMETライブビューイング=プッチーニ「トスカ」を観てきました.昨年7月31日に次いで2回目です

キャストは,トスカ=カリタ・マッティラ,カバラドッシ=マルセロ・アルバレス,スカルピア=ギャグニッザ,堂守=ポール・プリシュカほか,指揮はジョセフ・コラネリ,演出はリュック・ボンディです.

2回の休憩・インタビュー等を含めて3時間8分の上映でした.第1幕と第2幕はトスカ役のマッティラとカバラドッシ役のアルバレスが主役のはずですが,スカルピア役のギャグニッザがあまりにも”はまり役”で,その迫力に圧倒されっぱなしでした 第1幕終わりの場面で歌う「行け,トスカ」は素晴らしい歌声でした.体調不良のバスの代役とのことでしたが,代わって正解だったと思います

第2幕でトスカが歌うアリア「歌に生き,愛に生き」は,全身を使って歌い上げるマッティラに思わず感情移入してしまいます.

第3幕でカバラドッシが歌う「星は光りぬ」はアルバレスの渾身の歌に,思わずため息が出ます.

オペラ「トスカ」は,以外にもアリアといえるアリアは上記の3曲しかありません.一人一曲です.今回2回目を観て,あらためて気が付きました.それでも最後まで聴衆を引っ張っていくのですから,プッチーニという作曲家はすごい人だと思います

この3人に共通するのは,歌唱力が優れていることはもちろんのこと,演技力が尋常ではないことです.と言うよりも,3人とも”役柄に成り切っている”ということです

リュック・ボンディによる演出は20年何年振りかの新演出とのことで,幕間でのインタビューでマッティラやアルバレスが「歌手の立場に立った演出で,歌いやすい」とコメントしていたのが印象的でした.前の演出は何とフランコ・ゼフィレッリのものです.演出も時代とともに変わっていくということでしょうが,率直に言って”いいものはいい”と思います

今回の公演で一つだけ注文するとすれば,マッティラはちょっと年を取りすぎたかな?ということです ぜひ,ノルマ・ファンティーニにメトロポリタン・オペラで「トスカ」を歌ってくれるよう切望します.新国立劇場で上演した「トスカ」の素晴らしさが今でも忘れられません 彼女のおかげで「トスカ」が大好きになったと言っても過言ではありません.彼女は今年10月に「プラハ国立歌劇場」とともに来日し「トスカ」のタイトルロールを歌います.もちろんチケットは発売と同時に買いました.今から楽しみです

なお,今回の「トスカ」は26日(金)までの午前11時から東劇で上映されます(3,000円).東劇のロビーの奥には自動マッサージ機が6台あります.休憩時間に肩こりをほぐして次の幕に備えましょう.無料です

下の写真は10月の「プラハ国立歌劇場」来日公演のチラシ.右上がノルマ・ファンティーニ.

   
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METライブビューイング=プッチーニ「トゥーランドット」を観る

2011年08月23日 06時05分18秒 | 日記
23日(火).一昨日,東銀座の東劇でプッチーニのオペラ「トゥーランドット」の映画を観てきました.これは「METライブビューイング2006-2011アンコール上映」と題した,ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ映像です.2006年から2011年までに上映してきたオペラの中から選りすぐりの作品をアンコール上映する企画です.オペラの幕間には歌手へのインタビューなどがあって飽きさせません 今回は2回の休憩を入れて3時間5分の上映でした.

MET「トゥーランドット」の映画は昨年1月と8月に2度観ました.これに感激し,もしグレギーナが来日してトゥーランドットを歌うことがあれば絶対に聴きに行こうと決めていました.すると,タイミングよく今年2月にグレギーナがゲルギエフ指揮マリインスキー・オペラとともに来日し「トゥーランドット」を歌うことがわかりました.早速チケットを買いに走り,当日を迎えました.このときの感想は2月20日のブログに書きましたが,グレギーナの存在感には凄いものがありました

今回このオペラをライブビューイングで観るのは3回目となりました.キャストはトゥーランドット姫=マリア・グレギーナ,リュー=マリーナ・ポプラフスカヤ,カラフ=マルチェッロ・ジョルダーニ,カラフの父ティムール=サミュエル・レイミーといった現在望みうる最高のメンバー.指揮はラトビア出身の若手アンドリス・ネルソンズ.演出はこちらも現在最高の演出家フランコ・ゼフィレッリです.

第1幕の冒頭から,プッチーニは何と感動的な音楽を用意していることでしょうか 白熱した演奏に思わず引き込まれてしまいます.リュー役のポプラフスカヤの可憐なアリアには盛んな拍手が送られていました.カラフ役のジョルダーニは楽に高音を出して朗々と歌い上げます.父親役のレイミーのバスもよく通ります.ピン,ポン,パンの3人も絶好調です.考えてみれば,このユニットは脇役がいないかのごとく,すべての歌手が優れています.第2幕以降に歌うトゥーランドット役のグレギーナの迫力ある歌声には感動で背筋が寒くなります それに加えて何といってもゼフィレッリの演出の素晴らしさ 細部までリアルに再現された舞台装置には驚かされます.メト・オペラではベルディの「アイーダ」やプッチーニの「ラ・ボエーム」など華麗な演出が心に残っています.前者は新国立オペラの公演で観ました.後者は6月のメト・オペラの来日公演で観ました.こういう演出・舞台を観てしまうと,他の演出が物足りなく思えてきていけません 彼の演出はそれほどダントツといってもいいでしょう

今回のメト・オペラ,とくにこの「トゥーランドット」を観ると,”これが芸術だ!”ひいては”これこそ文化だろう!”と言いたくなります

下の写真の左は今回のアンコール上映のチラシで,9月23日まで主要なオペラ映画が上映されます.トゥーランドットは23日から26日までの各15時から,9月23日10時半から,それぞれ東劇で上映されます.右は今年11月から始まる2011-2012シリーズのチラシで,モーツアルト「ドン・ジョバンニ」,ベルディ「椿姫」,ワーグナー「神々の黄昏」など11作品が上映されます.詳細は松竹,新宿ピカデリーのホームページをご覧下さい

     

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